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12話
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「え、一体どうしたの、何があったの? 何かあったよな? 大丈夫なのか? ねえ、マジ何が――」
正直とてつもなく驚いた顕太が矢継ぎ早に質問すると、呆れたように「うるさい……」と静かに簡潔に返ってくる。むしろ安定過ぎて逆に少し安心した。とはいえ気にはなる。
「仕方ないだろ! あんだけ言っても全然聞いてくれないしで、俺ほんとどーしようかって思ってたんだからな。こうなったら睡眠姦しかないなって思って……」
「最後の言葉は黙ってたほうがよかった、ほんとにな! その、お前が心配してくれんのはほんと嬉しいけどな……」
ついムキになって言い返すと、新二は引いたような顔をした後に少し困ったような表情を見せてきた。
あれ、これなんか照れたりして反応困ってる感じのやつだ……。
それに気づくと、相変わらず新二が急に病院へ行くと言い出したのが気になってはいるのだが、とてつもなく可愛くて堪らなくなる。思わず携帯で画像を撮ると「今なんで撮った?」と今度は微妙な顔をされた。内心「後で呟こう」と思いつつ「だって新二が可愛かったから」とそのままを告げるとため息を吐かれた。それでも耳が赤いので顕太はますます可愛さを覚えた。
「ちょ、今すぐしたいんだけど」
「寝言は寝て言え」
「頭も、言うなれば俺の素直な息子だってちょっと起きてるし、正常な男子としてごく当たり前の願望だよ!」
「いやいや何言ってんの……ほんとドン引きだからな。だいたい写真撮られて微妙な気持ちで一杯の俺に対して突然盛り出すの、お前くらいだから」
「そんな訳ない。マジ可愛いとこ見た男としては普通……いや、じゃあもう俺くらいでいいから一旦やらない?」
「やんねーよ馬鹿か」
結構本気で言ったのだがあっさりと払拭された。
一旦するという案は却下され、仕方なくとりあえず一旦寛ぐと、新二は今日学校であったことを教えてくれた。
「教授に……」
「そう、教授に。最悪だわ」
「って、なんでそんなに落ち込むんだよ? その教授ってまさかすげー若くてイケメンとかじゃないよなっ?」
中学や高校生だった頃に新二と同じクラスになったこともあるのだが、新二がそこまで真面目に授業に向き合っていた記憶はない。どちらかと言えば適当だった気がする。だと言うのに居眠りを指摘されただけで、今までどれだけ顕太が言っても取り合ってくれなかった病院へ行こうとなるなど、顕太からすればどう考えてもおかしい。
「は?」
「その教授のこと、好きとかそんなんじゃ……」
「そりゃ好きか嫌いかって言われたら好きだわ」
「っは? その教授ってどんなのだよ……ちょっとふざけんなって釘さして――」
「目、据わらせて何言ってんだよ馬鹿か……! お前嫉妬深過ぎなんだよ!」
新二が呆れながらも顕太の胸ぐらをつかまんとする勢いで被り寄ってきた。顕太より背はないので顕太からすれば迫力というよりはまるで甘えられているような気、さえする。少しドキリとしながら「だって……」と呟けば残念ながら手を離してきた。そしてまたため息を吐かれる。
「助教授ならまだしも教授なんだぞ。俺らからしたらおっさんに決まってんだろ……普通に教授として尊敬してるだけだし、そもそもお前と付き合っていよーが男に興味ねーわ馬鹿。卒業までの様々なことにその教授の助力が必要なの!」
「そ、そっか」
新二の言葉に一気にホッとしていると、新二がますます呆れたように見てきた。
「お前本気で嫉妬してたのか」
「冗談でするほど嫉妬は楽しくないよ」
「……ったく……。とりあえずそういうことだから明日、ちょっと行ってくる。幸い明日の午前は少し抜けてもなんとかなる授業だしな」
「俺も行く!」
一人で行かせられないなどと言えばまた呆れられるだろう。別に一人で歩けない程弱っている訳でもなければ緊急を要する症状でもない。それでも一緒についてたかった。
「いや、別に一人で大丈夫だし、お前も授業あるだろ」
「大丈夫なのはわかってるけど俺が気になるから。そんなのどうせ講義受けてても頭入らないって。明日は俺も割りと大丈夫な授業ばっかだし。な?」
嘘だ。明日の授業もいつもの通り一回でも逃すとついていくのに必死になってもヤバい内容ばかりだ。それでも一緒に行きたかった。遅れをとった分は死に物狂いで取り戻せばいい。
「……本当か? 理系って割りと大変なんじゃねーのか」
「大丈夫! どこの病院行くとか決めてんの?」
「ああ、ちょっと調べた」
「新二も調べたり出来たんだな」
「さりげに馬鹿にするのやめろ」
その夜はセックス禁止を言い渡された。新二曰く「検査で何かバレたら嫌だから」らしい。それを聞いた時は呆れたらいいのか嘆けばいいのか可愛いと悶えればいいのか迷った。肛門科で尻を調べられるなら分かるが、一体どんな検査でセックスがバレると言うのか。
だが変に刺激したり無理強いをして「やっぱり病院行かない」と万が一言われるのだけは避けたいので、しぶしぶ了解した。
その代わり手で抜いてもらった。これはこれで新鮮だった為、それなりに満足だった。新二のも抜こうかと言えば「だから何かバレんの嫌だっつってんだろ」と言われたので、おかしさと可愛さに耐えきれず、思い切り笑いながら沢山軽いキスをした。
翌日は朝一で病院へ向かったが、予約ではない初診のため、かなり待たされた。だが睡眠外来とあって医者や看護師の対応は安心できるものだったらしい。
「ほんとはさ、気づけば居眠りしてるらしいのでなんて言ったら馬鹿を見るような目で見られねーかなとかちょっとドキドキしてた」
「新二可愛い」
「適当にあしらわれて気休め言われたりすんじゃねーかなとか」
「ほんと新二可愛い」
「来るんじゃなかったとか思いそーで心配だった」
「マジ新二可愛いヤりたい」
「……さっきからほんと馬鹿野郎……」
最初の診察が終わって血液を抜かれた後、もう一度診察をした際に「血液検査の結果は後日になるけれども、とりあえずナルコレプシーかもしれない」と言われたらしい。まだはっきりした訳ではないが、顕太の予測は当たっていた。とりあえずもっと怖い病名を言われなくてよかったと顕太は心の中で思わず感謝の祈りを誰がに捧げる。
ただその検査をするに当たって、一日入院しなければならないらしい。睡眠が関わる内容なので眠りを調べないといけないのは顕太もわかるが、一日とはいえ入院するという状況に、妙に心細さを覚えていた。別に具合が今悪いから入院するのではないと分かってはいるのだが、新二が好きなあまりこういったことに心細さや不安を覚えるのは仕方がない。
入院の予約は運よく数日後空いている日が取れたので、今日はとりあえずはその手続きだけして帰ってきた。
「一日でも寂しい」
「友だちと遊んでろ」
励ましたり応援しなければならないのは顕太の方なのに、そうやって新二から慰められた。
正直とてつもなく驚いた顕太が矢継ぎ早に質問すると、呆れたように「うるさい……」と静かに簡潔に返ってくる。むしろ安定過ぎて逆に少し安心した。とはいえ気にはなる。
「仕方ないだろ! あんだけ言っても全然聞いてくれないしで、俺ほんとどーしようかって思ってたんだからな。こうなったら睡眠姦しかないなって思って……」
「最後の言葉は黙ってたほうがよかった、ほんとにな! その、お前が心配してくれんのはほんと嬉しいけどな……」
ついムキになって言い返すと、新二は引いたような顔をした後に少し困ったような表情を見せてきた。
あれ、これなんか照れたりして反応困ってる感じのやつだ……。
それに気づくと、相変わらず新二が急に病院へ行くと言い出したのが気になってはいるのだが、とてつもなく可愛くて堪らなくなる。思わず携帯で画像を撮ると「今なんで撮った?」と今度は微妙な顔をされた。内心「後で呟こう」と思いつつ「だって新二が可愛かったから」とそのままを告げるとため息を吐かれた。それでも耳が赤いので顕太はますます可愛さを覚えた。
「ちょ、今すぐしたいんだけど」
「寝言は寝て言え」
「頭も、言うなれば俺の素直な息子だってちょっと起きてるし、正常な男子としてごく当たり前の願望だよ!」
「いやいや何言ってんの……ほんとドン引きだからな。だいたい写真撮られて微妙な気持ちで一杯の俺に対して突然盛り出すの、お前くらいだから」
「そんな訳ない。マジ可愛いとこ見た男としては普通……いや、じゃあもう俺くらいでいいから一旦やらない?」
「やんねーよ馬鹿か」
結構本気で言ったのだがあっさりと払拭された。
一旦するという案は却下され、仕方なくとりあえず一旦寛ぐと、新二は今日学校であったことを教えてくれた。
「教授に……」
「そう、教授に。最悪だわ」
「って、なんでそんなに落ち込むんだよ? その教授ってまさかすげー若くてイケメンとかじゃないよなっ?」
中学や高校生だった頃に新二と同じクラスになったこともあるのだが、新二がそこまで真面目に授業に向き合っていた記憶はない。どちらかと言えば適当だった気がする。だと言うのに居眠りを指摘されただけで、今までどれだけ顕太が言っても取り合ってくれなかった病院へ行こうとなるなど、顕太からすればどう考えてもおかしい。
「は?」
「その教授のこと、好きとかそんなんじゃ……」
「そりゃ好きか嫌いかって言われたら好きだわ」
「っは? その教授ってどんなのだよ……ちょっとふざけんなって釘さして――」
「目、据わらせて何言ってんだよ馬鹿か……! お前嫉妬深過ぎなんだよ!」
新二が呆れながらも顕太の胸ぐらをつかまんとする勢いで被り寄ってきた。顕太より背はないので顕太からすれば迫力というよりはまるで甘えられているような気、さえする。少しドキリとしながら「だって……」と呟けば残念ながら手を離してきた。そしてまたため息を吐かれる。
「助教授ならまだしも教授なんだぞ。俺らからしたらおっさんに決まってんだろ……普通に教授として尊敬してるだけだし、そもそもお前と付き合っていよーが男に興味ねーわ馬鹿。卒業までの様々なことにその教授の助力が必要なの!」
「そ、そっか」
新二の言葉に一気にホッとしていると、新二がますます呆れたように見てきた。
「お前本気で嫉妬してたのか」
「冗談でするほど嫉妬は楽しくないよ」
「……ったく……。とりあえずそういうことだから明日、ちょっと行ってくる。幸い明日の午前は少し抜けてもなんとかなる授業だしな」
「俺も行く!」
一人で行かせられないなどと言えばまた呆れられるだろう。別に一人で歩けない程弱っている訳でもなければ緊急を要する症状でもない。それでも一緒についてたかった。
「いや、別に一人で大丈夫だし、お前も授業あるだろ」
「大丈夫なのはわかってるけど俺が気になるから。そんなのどうせ講義受けてても頭入らないって。明日は俺も割りと大丈夫な授業ばっかだし。な?」
嘘だ。明日の授業もいつもの通り一回でも逃すとついていくのに必死になってもヤバい内容ばかりだ。それでも一緒に行きたかった。遅れをとった分は死に物狂いで取り戻せばいい。
「……本当か? 理系って割りと大変なんじゃねーのか」
「大丈夫! どこの病院行くとか決めてんの?」
「ああ、ちょっと調べた」
「新二も調べたり出来たんだな」
「さりげに馬鹿にするのやめろ」
その夜はセックス禁止を言い渡された。新二曰く「検査で何かバレたら嫌だから」らしい。それを聞いた時は呆れたらいいのか嘆けばいいのか可愛いと悶えればいいのか迷った。肛門科で尻を調べられるなら分かるが、一体どんな検査でセックスがバレると言うのか。
だが変に刺激したり無理強いをして「やっぱり病院行かない」と万が一言われるのだけは避けたいので、しぶしぶ了解した。
その代わり手で抜いてもらった。これはこれで新鮮だった為、それなりに満足だった。新二のも抜こうかと言えば「だから何かバレんの嫌だっつってんだろ」と言われたので、おかしさと可愛さに耐えきれず、思い切り笑いながら沢山軽いキスをした。
翌日は朝一で病院へ向かったが、予約ではない初診のため、かなり待たされた。だが睡眠外来とあって医者や看護師の対応は安心できるものだったらしい。
「ほんとはさ、気づけば居眠りしてるらしいのでなんて言ったら馬鹿を見るような目で見られねーかなとかちょっとドキドキしてた」
「新二可愛い」
「適当にあしらわれて気休め言われたりすんじゃねーかなとか」
「ほんと新二可愛い」
「来るんじゃなかったとか思いそーで心配だった」
「マジ新二可愛いヤりたい」
「……さっきからほんと馬鹿野郎……」
最初の診察が終わって血液を抜かれた後、もう一度診察をした際に「血液検査の結果は後日になるけれども、とりあえずナルコレプシーかもしれない」と言われたらしい。まだはっきりした訳ではないが、顕太の予測は当たっていた。とりあえずもっと怖い病名を言われなくてよかったと顕太は心の中で思わず感謝の祈りを誰がに捧げる。
ただその検査をするに当たって、一日入院しなければならないらしい。睡眠が関わる内容なので眠りを調べないといけないのは顕太もわかるが、一日とはいえ入院するという状況に、妙に心細さを覚えていた。別に具合が今悪いから入院するのではないと分かってはいるのだが、新二が好きなあまりこういったことに心細さや不安を覚えるのは仕方がない。
入院の予約は運よく数日後空いている日が取れたので、今日はとりあえずはその手続きだけして帰ってきた。
「一日でも寂しい」
「友だちと遊んでろ」
励ましたり応援しなければならないのは顕太の方なのに、そうやって新二から慰められた。
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