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33.悩む
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忘年会ではそれこそ忘れようと酒を律なりに飲んで、海や利央に迷惑をかけた。
海は心配していたが、さすがに利央とのことを律はどう言っていいのかわからなかった。翔ですら会いには行ったが本当は言うつもりなかったくらいだ。
しかしすでに亨が知っていてそこから海にも漏れたとその後知った時は、穴があったらどころか掘り倒してその中に埋めて欲しい気分になった。
もちろん利央を恥じてなどいない。利央に好きだと言われた後でもやはり律の中では大切でかわいい、できのいい大事な弟というのは変わらない。だが元々恋愛関係に疎い上に兄弟でということがやはりどうにも居たたまれない。
自分の教育が悪かったのだろうか、自分が兄として至らないからだったのだろうかとつい思ってしまうし、ただでさえ誰かに好きだと思われているだけでも色々と落ち着かないのに、その相手が弟だと思うと、落ち着かないを通り越して本当に居たたまれない。
利央は律に「いつも通りでいい」と言ってくれた。好きだけれども律はそれに対してどうこうしなくていい、と。それでもしばらくは動揺が止まらなかったし、結果翔にすぐバレてそこから最終的に今は海にまでバレる羽目になっているのだが、とりあえず今は一応普通に接せられているのではないだろうか。
だがそれでも内心ではひたすら消えてくれなくて、という時に忘年会だったのでやってしまった。
海が家まで送ってくれた。利央がおそらく怒っていたのを覚えている。その後布団で横になっている時に水を持ってきてくれて「……俺のせいかな」と呟いていた気がする。あまり諸々覚えていないのだが、そこだけが翌朝起きた時も気になった。利央と顔を合わせた途端「昨日はお酒割と飲みに行くようになってから初めての忘年会だったから羽目外しちゃったよ」とごまかすように笑って言った。
「そう。でも気を付けて」
利央は少し首を傾げ、考えるような表情をした後で「おはよう」とキスしてきた。
「う、ん」
俺、何が一番居たたまれなくて落ち着かないって、キスだ。
キス自体他の人とほぼしたことないというのに弟にされるという、これこそ最も落ち着かないし居たたまれない状況でしかない。とはいえ利央はそれ以上何もしてこないし、中学の頃を思うと凄く優しくなったしで、律的に実は嬉しい気持ちもある。
昔みたいに甘えてくれはしないが、それでも慕ってくれているのがものすごくわかってとても嬉しい。
慕っているというか好き、らしいけど、さ……。
忘年会が無事終わり、クリスマスが近づくとやたら海や亨が「今年は楽しいクリスマスを過ごせ」と言ってきていた。ニコニコ意味ありげに言ってくるので遠まわしに「一緒にクリスマス会をしよう」とでも言っているのかと思って「よかったら」と言うと何故か苦笑された。亨には「よくねぇんだよ。俺は海と過ごすに決まってんだろ」とまで言われて首を傾げるしかなかった。海にはただ頭を優しくポンポンとされただけだった。
それを翔に言うと「俺が一緒に過ごす」と微妙な顔で言われた。
「でも翔は松田さんと過ごすんじゃ?」
「違ぇし。だからあの人とは仕事の付き合いだっつってんだろ。まあ別にそれも悪くねぇけどあの人がそんな気ねぇだろ」
「そんなのわかんないだろ」
「いや、まあ俺の事はいいんだよ。いつケーキやら買ってするんだ? その日は速攻で帰ろう」
「お前、まだ職場でペーペーなんだろ。大丈夫なのか?」
「うるせぇ。普段やることやってっから問題ねぇよ」
クリスマスは毎年、利央と一緒に好きなケーキを買って過ごしていた。それは今年も変わらない。翔も一緒は数年ぶりかもしれない。
美味しいものを食べ、甘いケーキを食べ、そして少しだけ泡の綺麗な酒を飲んで、律は気持ちよくなって眠ってしまっていた。
目が覚めたら布団に入っていた。
「あれ……?」
体を起こすと薄暗い部屋の片隅で、小さなクリスマスツリーの灯りがチカチカと点滅している。
「おはよ、兄貴。起きたんだ。そのまま朝まで寝てるかと思ったけど」
起き上がった律に気づいた利央が、明かりのついた台所からやってきた。
「俺、寝てたんだ」
「うん。最近兄貴はここで寝るの多いよな。もう二階の部屋、要らないんじゃないの」
利央は笑いながら水を差し出してきた。それをありがたく受け取って律はゆっくり飲む。
「片づけ、してくれたんだ。ありがとう、ごめん、りお。翔も帰っちゃったんだね」
「何謝ってんの。うん、楽しかったみたいだよ、翔」
「そっか、よかった」
律がコップを置いてニッコリ笑うと、利央がそっと抱きしめてきた。途端、今までほんわかとしていた律は少し固まってしまう。
すると利央は一旦体を離してきた。だが顔を近づけてくる。
ああ、またキスをされるのか。
律は思わず目をぎゅっと閉じた。迎えるためではなく明らかに構えていると、だが何も反応ない。恐る恐る律が目を開けると、何とも言えない表情をした利央がとても近くにいた。利央は律を見つめた後ニッコリ笑うと、律が置いたコップを手にして立ち上がる。
「じゃあ、おやすみ。兄貴」
そのまま台所の方へ消えていった。
……あんな顔させてしまった。
律はぼんやりしつつも脳内に先ほどの利央の顔がぐるぐると回る。
悲しませたいわけないのに。でも……りお、本当に、俺のこと……好き、なん……だ。兄弟なのに。
兄弟だから律は利央が好きなのだろうか、とふと思った。今まで当然のように弟として大事だと思っていたが、それは弟だからだろうか。
あまりに当たり前すぎて浮かんだこともない自分の考えに、律は怪訝な顔をする。
ぐるぐる……回る。
クリスマスツリーの灯りがチカチカしていてますます頭の中や目の前がぐるぐる回った。
俺は悩み過ぎなんだろうか。いやでも普通悩むだろう……?
律は誰とはなしに心の中で呟いた。他に例がないからわからないが、普通は悩むはずだと思う。
でもそもそも普通って何だろう。
親がいなくてずっと子どもだけで生きてきた律たちはそうすると普通ではないということにならないだろうか。
普通じゃなくて、その上俺が頼りないからりおは好きという気持ちこじらせた、とか?
考えたところで律はそっと首を振った。そして実際に目が回る。
自分が頼りないから利央が律を好きになるのだという発想はある意味利央をバカにしている気がした。
あんなに……本気で想ってくれているというのに。
ますます、ぐるぐる回る。
「……兄貴? 大丈夫か? ちょっと待ってろ、もう一回水いれるから。そんでそれ飲んだらもう寝ろよ」
台所に引っ込んだはずの利央の声がする。あんな何とも言えない顔をしていたのに、気にして覗いてくれたのだろうか。
暫くするとコップを差し出された。律は小さな声で「ありがとう」と呟いてそれを受け取る。
「飲んで」
言われた通り、素直に水を口にした。コクリコクリと喉を通っていく水は何かを浄化してくれるような気がした。
「ほら、もう寝て」
「……ん」
コップを受け取った後で利央が横になるのを手伝ってくれた。そして横になった律の髪に優しく触れてくる。
「……おやすみ、兄貴」
「……おやすみ、りお」
利央がまた部屋を出て行く。律はそっと目を閉じた。まだぐるぐるしている。
俺は、何故りおにあんな顔させているんだろう。兄弟って何なんだろう。俺がりお好きなのは弟だからなのだとしたら、弟じゃなかったらどうだったんだろう。
目を閉じていてもクリスマスツリーがチカチカ光っているのがわかった。律はむしょうに切なくなってきた。
海は心配していたが、さすがに利央とのことを律はどう言っていいのかわからなかった。翔ですら会いには行ったが本当は言うつもりなかったくらいだ。
しかしすでに亨が知っていてそこから海にも漏れたとその後知った時は、穴があったらどころか掘り倒してその中に埋めて欲しい気分になった。
もちろん利央を恥じてなどいない。利央に好きだと言われた後でもやはり律の中では大切でかわいい、できのいい大事な弟というのは変わらない。だが元々恋愛関係に疎い上に兄弟でということがやはりどうにも居たたまれない。
自分の教育が悪かったのだろうか、自分が兄として至らないからだったのだろうかとつい思ってしまうし、ただでさえ誰かに好きだと思われているだけでも色々と落ち着かないのに、その相手が弟だと思うと、落ち着かないを通り越して本当に居たたまれない。
利央は律に「いつも通りでいい」と言ってくれた。好きだけれども律はそれに対してどうこうしなくていい、と。それでもしばらくは動揺が止まらなかったし、結果翔にすぐバレてそこから最終的に今は海にまでバレる羽目になっているのだが、とりあえず今は一応普通に接せられているのではないだろうか。
だがそれでも内心ではひたすら消えてくれなくて、という時に忘年会だったのでやってしまった。
海が家まで送ってくれた。利央がおそらく怒っていたのを覚えている。その後布団で横になっている時に水を持ってきてくれて「……俺のせいかな」と呟いていた気がする。あまり諸々覚えていないのだが、そこだけが翌朝起きた時も気になった。利央と顔を合わせた途端「昨日はお酒割と飲みに行くようになってから初めての忘年会だったから羽目外しちゃったよ」とごまかすように笑って言った。
「そう。でも気を付けて」
利央は少し首を傾げ、考えるような表情をした後で「おはよう」とキスしてきた。
「う、ん」
俺、何が一番居たたまれなくて落ち着かないって、キスだ。
キス自体他の人とほぼしたことないというのに弟にされるという、これこそ最も落ち着かないし居たたまれない状況でしかない。とはいえ利央はそれ以上何もしてこないし、中学の頃を思うと凄く優しくなったしで、律的に実は嬉しい気持ちもある。
昔みたいに甘えてくれはしないが、それでも慕ってくれているのがものすごくわかってとても嬉しい。
慕っているというか好き、らしいけど、さ……。
忘年会が無事終わり、クリスマスが近づくとやたら海や亨が「今年は楽しいクリスマスを過ごせ」と言ってきていた。ニコニコ意味ありげに言ってくるので遠まわしに「一緒にクリスマス会をしよう」とでも言っているのかと思って「よかったら」と言うと何故か苦笑された。亨には「よくねぇんだよ。俺は海と過ごすに決まってんだろ」とまで言われて首を傾げるしかなかった。海にはただ頭を優しくポンポンとされただけだった。
それを翔に言うと「俺が一緒に過ごす」と微妙な顔で言われた。
「でも翔は松田さんと過ごすんじゃ?」
「違ぇし。だからあの人とは仕事の付き合いだっつってんだろ。まあ別にそれも悪くねぇけどあの人がそんな気ねぇだろ」
「そんなのわかんないだろ」
「いや、まあ俺の事はいいんだよ。いつケーキやら買ってするんだ? その日は速攻で帰ろう」
「お前、まだ職場でペーペーなんだろ。大丈夫なのか?」
「うるせぇ。普段やることやってっから問題ねぇよ」
クリスマスは毎年、利央と一緒に好きなケーキを買って過ごしていた。それは今年も変わらない。翔も一緒は数年ぶりかもしれない。
美味しいものを食べ、甘いケーキを食べ、そして少しだけ泡の綺麗な酒を飲んで、律は気持ちよくなって眠ってしまっていた。
目が覚めたら布団に入っていた。
「あれ……?」
体を起こすと薄暗い部屋の片隅で、小さなクリスマスツリーの灯りがチカチカと点滅している。
「おはよ、兄貴。起きたんだ。そのまま朝まで寝てるかと思ったけど」
起き上がった律に気づいた利央が、明かりのついた台所からやってきた。
「俺、寝てたんだ」
「うん。最近兄貴はここで寝るの多いよな。もう二階の部屋、要らないんじゃないの」
利央は笑いながら水を差し出してきた。それをありがたく受け取って律はゆっくり飲む。
「片づけ、してくれたんだ。ありがとう、ごめん、りお。翔も帰っちゃったんだね」
「何謝ってんの。うん、楽しかったみたいだよ、翔」
「そっか、よかった」
律がコップを置いてニッコリ笑うと、利央がそっと抱きしめてきた。途端、今までほんわかとしていた律は少し固まってしまう。
すると利央は一旦体を離してきた。だが顔を近づけてくる。
ああ、またキスをされるのか。
律は思わず目をぎゅっと閉じた。迎えるためではなく明らかに構えていると、だが何も反応ない。恐る恐る律が目を開けると、何とも言えない表情をした利央がとても近くにいた。利央は律を見つめた後ニッコリ笑うと、律が置いたコップを手にして立ち上がる。
「じゃあ、おやすみ。兄貴」
そのまま台所の方へ消えていった。
……あんな顔させてしまった。
律はぼんやりしつつも脳内に先ほどの利央の顔がぐるぐると回る。
悲しませたいわけないのに。でも……りお、本当に、俺のこと……好き、なん……だ。兄弟なのに。
兄弟だから律は利央が好きなのだろうか、とふと思った。今まで当然のように弟として大事だと思っていたが、それは弟だからだろうか。
あまりに当たり前すぎて浮かんだこともない自分の考えに、律は怪訝な顔をする。
ぐるぐる……回る。
クリスマスツリーの灯りがチカチカしていてますます頭の中や目の前がぐるぐる回った。
俺は悩み過ぎなんだろうか。いやでも普通悩むだろう……?
律は誰とはなしに心の中で呟いた。他に例がないからわからないが、普通は悩むはずだと思う。
でもそもそも普通って何だろう。
親がいなくてずっと子どもだけで生きてきた律たちはそうすると普通ではないということにならないだろうか。
普通じゃなくて、その上俺が頼りないからりおは好きという気持ちこじらせた、とか?
考えたところで律はそっと首を振った。そして実際に目が回る。
自分が頼りないから利央が律を好きになるのだという発想はある意味利央をバカにしている気がした。
あんなに……本気で想ってくれているというのに。
ますます、ぐるぐる回る。
「……兄貴? 大丈夫か? ちょっと待ってろ、もう一回水いれるから。そんでそれ飲んだらもう寝ろよ」
台所に引っ込んだはずの利央の声がする。あんな何とも言えない顔をしていたのに、気にして覗いてくれたのだろうか。
暫くするとコップを差し出された。律は小さな声で「ありがとう」と呟いてそれを受け取る。
「飲んで」
言われた通り、素直に水を口にした。コクリコクリと喉を通っていく水は何かを浄化してくれるような気がした。
「ほら、もう寝て」
「……ん」
コップを受け取った後で利央が横になるのを手伝ってくれた。そして横になった律の髪に優しく触れてくる。
「……おやすみ、兄貴」
「……おやすみ、りお」
利央がまた部屋を出て行く。律はそっと目を閉じた。まだぐるぐるしている。
俺は、何故りおにあんな顔させているんだろう。兄弟って何なんだろう。俺がりお好きなのは弟だからなのだとしたら、弟じゃなかったらどうだったんだろう。
目を閉じていてもクリスマスツリーがチカチカ光っているのがわかった。律はむしょうに切なくなってきた。
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