32 / 44
33.悩む
しおりを挟む
忘年会ではそれこそ忘れようと酒を律なりに飲んで、海や利央に迷惑をかけた。
海は心配していたが、さすがに利央とのことを律はどう言っていいのかわからなかった。翔ですら会いには行ったが本当は言うつもりなかったくらいだ。
しかしすでに亨が知っていてそこから海にも漏れたとその後知った時は、穴があったらどころか掘り倒してその中に埋めて欲しい気分になった。
もちろん利央を恥じてなどいない。利央に好きだと言われた後でもやはり律の中では大切でかわいい、できのいい大事な弟というのは変わらない。だが元々恋愛関係に疎い上に兄弟でということがやはりどうにも居たたまれない。
自分の教育が悪かったのだろうか、自分が兄として至らないからだったのだろうかとつい思ってしまうし、ただでさえ誰かに好きだと思われているだけでも色々と落ち着かないのに、その相手が弟だと思うと、落ち着かないを通り越して本当に居たたまれない。
利央は律に「いつも通りでいい」と言ってくれた。好きだけれども律はそれに対してどうこうしなくていい、と。それでもしばらくは動揺が止まらなかったし、結果翔にすぐバレてそこから最終的に今は海にまでバレる羽目になっているのだが、とりあえず今は一応普通に接せられているのではないだろうか。
だがそれでも内心ではひたすら消えてくれなくて、という時に忘年会だったのでやってしまった。
海が家まで送ってくれた。利央がおそらく怒っていたのを覚えている。その後布団で横になっている時に水を持ってきてくれて「……俺のせいかな」と呟いていた気がする。あまり諸々覚えていないのだが、そこだけが翌朝起きた時も気になった。利央と顔を合わせた途端「昨日はお酒割と飲みに行くようになってから初めての忘年会だったから羽目外しちゃったよ」とごまかすように笑って言った。
「そう。でも気を付けて」
利央は少し首を傾げ、考えるような表情をした後で「おはよう」とキスしてきた。
「う、ん」
俺、何が一番居たたまれなくて落ち着かないって、キスだ。
キス自体他の人とほぼしたことないというのに弟にされるという、これこそ最も落ち着かないし居たたまれない状況でしかない。とはいえ利央はそれ以上何もしてこないし、中学の頃を思うと凄く優しくなったしで、律的に実は嬉しい気持ちもある。
昔みたいに甘えてくれはしないが、それでも慕ってくれているのがものすごくわかってとても嬉しい。
慕っているというか好き、らしいけど、さ……。
忘年会が無事終わり、クリスマスが近づくとやたら海や亨が「今年は楽しいクリスマスを過ごせ」と言ってきていた。ニコニコ意味ありげに言ってくるので遠まわしに「一緒にクリスマス会をしよう」とでも言っているのかと思って「よかったら」と言うと何故か苦笑された。亨には「よくねぇんだよ。俺は海と過ごすに決まってんだろ」とまで言われて首を傾げるしかなかった。海にはただ頭を優しくポンポンとされただけだった。
それを翔に言うと「俺が一緒に過ごす」と微妙な顔で言われた。
「でも翔は松田さんと過ごすんじゃ?」
「違ぇし。だからあの人とは仕事の付き合いだっつってんだろ。まあ別にそれも悪くねぇけどあの人がそんな気ねぇだろ」
「そんなのわかんないだろ」
「いや、まあ俺の事はいいんだよ。いつケーキやら買ってするんだ? その日は速攻で帰ろう」
「お前、まだ職場でペーペーなんだろ。大丈夫なのか?」
「うるせぇ。普段やることやってっから問題ねぇよ」
クリスマスは毎年、利央と一緒に好きなケーキを買って過ごしていた。それは今年も変わらない。翔も一緒は数年ぶりかもしれない。
美味しいものを食べ、甘いケーキを食べ、そして少しだけ泡の綺麗な酒を飲んで、律は気持ちよくなって眠ってしまっていた。
目が覚めたら布団に入っていた。
「あれ……?」
体を起こすと薄暗い部屋の片隅で、小さなクリスマスツリーの灯りがチカチカと点滅している。
「おはよ、兄貴。起きたんだ。そのまま朝まで寝てるかと思ったけど」
起き上がった律に気づいた利央が、明かりのついた台所からやってきた。
「俺、寝てたんだ」
「うん。最近兄貴はここで寝るの多いよな。もう二階の部屋、要らないんじゃないの」
利央は笑いながら水を差し出してきた。それをありがたく受け取って律はゆっくり飲む。
「片づけ、してくれたんだ。ありがとう、ごめん、りお。翔も帰っちゃったんだね」
「何謝ってんの。うん、楽しかったみたいだよ、翔」
「そっか、よかった」
律がコップを置いてニッコリ笑うと、利央がそっと抱きしめてきた。途端、今までほんわかとしていた律は少し固まってしまう。
すると利央は一旦体を離してきた。だが顔を近づけてくる。
ああ、またキスをされるのか。
律は思わず目をぎゅっと閉じた。迎えるためではなく明らかに構えていると、だが何も反応ない。恐る恐る律が目を開けると、何とも言えない表情をした利央がとても近くにいた。利央は律を見つめた後ニッコリ笑うと、律が置いたコップを手にして立ち上がる。
「じゃあ、おやすみ。兄貴」
そのまま台所の方へ消えていった。
……あんな顔させてしまった。
律はぼんやりしつつも脳内に先ほどの利央の顔がぐるぐると回る。
悲しませたいわけないのに。でも……りお、本当に、俺のこと……好き、なん……だ。兄弟なのに。
兄弟だから律は利央が好きなのだろうか、とふと思った。今まで当然のように弟として大事だと思っていたが、それは弟だからだろうか。
あまりに当たり前すぎて浮かんだこともない自分の考えに、律は怪訝な顔をする。
ぐるぐる……回る。
クリスマスツリーの灯りがチカチカしていてますます頭の中や目の前がぐるぐる回った。
俺は悩み過ぎなんだろうか。いやでも普通悩むだろう……?
律は誰とはなしに心の中で呟いた。他に例がないからわからないが、普通は悩むはずだと思う。
でもそもそも普通って何だろう。
親がいなくてずっと子どもだけで生きてきた律たちはそうすると普通ではないということにならないだろうか。
普通じゃなくて、その上俺が頼りないからりおは好きという気持ちこじらせた、とか?
考えたところで律はそっと首を振った。そして実際に目が回る。
自分が頼りないから利央が律を好きになるのだという発想はある意味利央をバカにしている気がした。
あんなに……本気で想ってくれているというのに。
ますます、ぐるぐる回る。
「……兄貴? 大丈夫か? ちょっと待ってろ、もう一回水いれるから。そんでそれ飲んだらもう寝ろよ」
台所に引っ込んだはずの利央の声がする。あんな何とも言えない顔をしていたのに、気にして覗いてくれたのだろうか。
暫くするとコップを差し出された。律は小さな声で「ありがとう」と呟いてそれを受け取る。
「飲んで」
言われた通り、素直に水を口にした。コクリコクリと喉を通っていく水は何かを浄化してくれるような気がした。
「ほら、もう寝て」
「……ん」
コップを受け取った後で利央が横になるのを手伝ってくれた。そして横になった律の髪に優しく触れてくる。
「……おやすみ、兄貴」
「……おやすみ、りお」
利央がまた部屋を出て行く。律はそっと目を閉じた。まだぐるぐるしている。
俺は、何故りおにあんな顔させているんだろう。兄弟って何なんだろう。俺がりお好きなのは弟だからなのだとしたら、弟じゃなかったらどうだったんだろう。
目を閉じていてもクリスマスツリーがチカチカ光っているのがわかった。律はむしょうに切なくなってきた。
海は心配していたが、さすがに利央とのことを律はどう言っていいのかわからなかった。翔ですら会いには行ったが本当は言うつもりなかったくらいだ。
しかしすでに亨が知っていてそこから海にも漏れたとその後知った時は、穴があったらどころか掘り倒してその中に埋めて欲しい気分になった。
もちろん利央を恥じてなどいない。利央に好きだと言われた後でもやはり律の中では大切でかわいい、できのいい大事な弟というのは変わらない。だが元々恋愛関係に疎い上に兄弟でということがやはりどうにも居たたまれない。
自分の教育が悪かったのだろうか、自分が兄として至らないからだったのだろうかとつい思ってしまうし、ただでさえ誰かに好きだと思われているだけでも色々と落ち着かないのに、その相手が弟だと思うと、落ち着かないを通り越して本当に居たたまれない。
利央は律に「いつも通りでいい」と言ってくれた。好きだけれども律はそれに対してどうこうしなくていい、と。それでもしばらくは動揺が止まらなかったし、結果翔にすぐバレてそこから最終的に今は海にまでバレる羽目になっているのだが、とりあえず今は一応普通に接せられているのではないだろうか。
だがそれでも内心ではひたすら消えてくれなくて、という時に忘年会だったのでやってしまった。
海が家まで送ってくれた。利央がおそらく怒っていたのを覚えている。その後布団で横になっている時に水を持ってきてくれて「……俺のせいかな」と呟いていた気がする。あまり諸々覚えていないのだが、そこだけが翌朝起きた時も気になった。利央と顔を合わせた途端「昨日はお酒割と飲みに行くようになってから初めての忘年会だったから羽目外しちゃったよ」とごまかすように笑って言った。
「そう。でも気を付けて」
利央は少し首を傾げ、考えるような表情をした後で「おはよう」とキスしてきた。
「う、ん」
俺、何が一番居たたまれなくて落ち着かないって、キスだ。
キス自体他の人とほぼしたことないというのに弟にされるという、これこそ最も落ち着かないし居たたまれない状況でしかない。とはいえ利央はそれ以上何もしてこないし、中学の頃を思うと凄く優しくなったしで、律的に実は嬉しい気持ちもある。
昔みたいに甘えてくれはしないが、それでも慕ってくれているのがものすごくわかってとても嬉しい。
慕っているというか好き、らしいけど、さ……。
忘年会が無事終わり、クリスマスが近づくとやたら海や亨が「今年は楽しいクリスマスを過ごせ」と言ってきていた。ニコニコ意味ありげに言ってくるので遠まわしに「一緒にクリスマス会をしよう」とでも言っているのかと思って「よかったら」と言うと何故か苦笑された。亨には「よくねぇんだよ。俺は海と過ごすに決まってんだろ」とまで言われて首を傾げるしかなかった。海にはただ頭を優しくポンポンとされただけだった。
それを翔に言うと「俺が一緒に過ごす」と微妙な顔で言われた。
「でも翔は松田さんと過ごすんじゃ?」
「違ぇし。だからあの人とは仕事の付き合いだっつってんだろ。まあ別にそれも悪くねぇけどあの人がそんな気ねぇだろ」
「そんなのわかんないだろ」
「いや、まあ俺の事はいいんだよ。いつケーキやら買ってするんだ? その日は速攻で帰ろう」
「お前、まだ職場でペーペーなんだろ。大丈夫なのか?」
「うるせぇ。普段やることやってっから問題ねぇよ」
クリスマスは毎年、利央と一緒に好きなケーキを買って過ごしていた。それは今年も変わらない。翔も一緒は数年ぶりかもしれない。
美味しいものを食べ、甘いケーキを食べ、そして少しだけ泡の綺麗な酒を飲んで、律は気持ちよくなって眠ってしまっていた。
目が覚めたら布団に入っていた。
「あれ……?」
体を起こすと薄暗い部屋の片隅で、小さなクリスマスツリーの灯りがチカチカと点滅している。
「おはよ、兄貴。起きたんだ。そのまま朝まで寝てるかと思ったけど」
起き上がった律に気づいた利央が、明かりのついた台所からやってきた。
「俺、寝てたんだ」
「うん。最近兄貴はここで寝るの多いよな。もう二階の部屋、要らないんじゃないの」
利央は笑いながら水を差し出してきた。それをありがたく受け取って律はゆっくり飲む。
「片づけ、してくれたんだ。ありがとう、ごめん、りお。翔も帰っちゃったんだね」
「何謝ってんの。うん、楽しかったみたいだよ、翔」
「そっか、よかった」
律がコップを置いてニッコリ笑うと、利央がそっと抱きしめてきた。途端、今までほんわかとしていた律は少し固まってしまう。
すると利央は一旦体を離してきた。だが顔を近づけてくる。
ああ、またキスをされるのか。
律は思わず目をぎゅっと閉じた。迎えるためではなく明らかに構えていると、だが何も反応ない。恐る恐る律が目を開けると、何とも言えない表情をした利央がとても近くにいた。利央は律を見つめた後ニッコリ笑うと、律が置いたコップを手にして立ち上がる。
「じゃあ、おやすみ。兄貴」
そのまま台所の方へ消えていった。
……あんな顔させてしまった。
律はぼんやりしつつも脳内に先ほどの利央の顔がぐるぐると回る。
悲しませたいわけないのに。でも……りお、本当に、俺のこと……好き、なん……だ。兄弟なのに。
兄弟だから律は利央が好きなのだろうか、とふと思った。今まで当然のように弟として大事だと思っていたが、それは弟だからだろうか。
あまりに当たり前すぎて浮かんだこともない自分の考えに、律は怪訝な顔をする。
ぐるぐる……回る。
クリスマスツリーの灯りがチカチカしていてますます頭の中や目の前がぐるぐる回った。
俺は悩み過ぎなんだろうか。いやでも普通悩むだろう……?
律は誰とはなしに心の中で呟いた。他に例がないからわからないが、普通は悩むはずだと思う。
でもそもそも普通って何だろう。
親がいなくてずっと子どもだけで生きてきた律たちはそうすると普通ではないということにならないだろうか。
普通じゃなくて、その上俺が頼りないからりおは好きという気持ちこじらせた、とか?
考えたところで律はそっと首を振った。そして実際に目が回る。
自分が頼りないから利央が律を好きになるのだという発想はある意味利央をバカにしている気がした。
あんなに……本気で想ってくれているというのに。
ますます、ぐるぐる回る。
「……兄貴? 大丈夫か? ちょっと待ってろ、もう一回水いれるから。そんでそれ飲んだらもう寝ろよ」
台所に引っ込んだはずの利央の声がする。あんな何とも言えない顔をしていたのに、気にして覗いてくれたのだろうか。
暫くするとコップを差し出された。律は小さな声で「ありがとう」と呟いてそれを受け取る。
「飲んで」
言われた通り、素直に水を口にした。コクリコクリと喉を通っていく水は何かを浄化してくれるような気がした。
「ほら、もう寝て」
「……ん」
コップを受け取った後で利央が横になるのを手伝ってくれた。そして横になった律の髪に優しく触れてくる。
「……おやすみ、兄貴」
「……おやすみ、りお」
利央がまた部屋を出て行く。律はそっと目を閉じた。まだぐるぐるしている。
俺は、何故りおにあんな顔させているんだろう。兄弟って何なんだろう。俺がりお好きなのは弟だからなのだとしたら、弟じゃなかったらどうだったんだろう。
目を閉じていてもクリスマスツリーがチカチカ光っているのがわかった。律はむしょうに切なくなってきた。
0
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
月夜のキス
すずかけあおい
BL
会社帰り、星治は自宅マンションの斜め向かいにある公園で実千と出会う。
高校生×社会人です。
〔攻め〕黒澤 実千(くろさわ みち)高二・17歳
〔受け〕春日 星治(かすが せいじ)会社員・25歳
君に会える夜のこと
朝賀 悠月
BL
短いお話です。
健司は、廃校になった古い校舎に来ていた。
別に約束をしているわけじゃないけれど、年に一度、毎年この場所で、会いたい君と他愛もない話を沢山して笑い合うために。
君と過ごすこの時間が、何よりも幸せだった。
けれど、あの日から十二年経つ明日、この校舎は壊されてしまう……
健司と隼斗、二人の思い出の場所が……
思い出して欲しい二人
春色悠
BL
喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。
そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。
一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。
そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。
ハルとアキ
花町 シュガー
BL
『嗚呼、秘密よ。どうかもう少しだけ一緒に居させて……』
双子の兄、ハルの婚約者がどんな奴かを探るため、ハルのふりをして学園に入学するアキ。
しかし、その婚約者はとんでもない奴だった!?
「あんたにならハルをまかせてもいいかなって、そう思えたんだ。
だから、さよならが来るその時までは……偽りでいい。
〝俺〟を愛してーー
どうか気づいて。お願い、気づかないで」
----------------------------------------
【目次】
・本編(アキ編)〈俺様 × 訳あり〉
・各キャラクターの今後について
・中編(イロハ編)〈包容力 × 元気〉
・リクエスト編
・番外編
・中編(ハル編)〈ヤンデレ × ツンデレ〉
・番外編
----------------------------------------
*表紙絵:たまみたま様(@l0x0lm69) *
※ 笑いあり友情あり甘々ありの、切なめです。
※心理描写を大切に書いてます。
※イラスト・コメントお気軽にどうぞ♪

初恋はおしまい
佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。
高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。
※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。
今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

俺の推し♂が路頭に迷っていたので
木野 章
BL
️アフターストーリーは中途半端ですが、本編は完結しております(何処かでまた書き直すつもりです)
どこにでも居る冴えない男
左江内 巨輝(さえない おおき)は
地下アイドルグループ『wedge stone』のメンバーである琥珀の熱烈なファンであった。
しかしある日、グループのメンバー数人が大炎上してしまい、その流れで解散となってしまった…
推しを失ってしまった左江内は抜け殻のように日々を過ごしていたのだが…???
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる