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23.気がつけば
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「おう、律じゃねーか」
仕事で使う道具関係を少し見たくて、久しぶりに一人で外出していると翔の声がした。
え、っと思って律がきょろきょろしていると丁度通りかかったカフェから翔が顔をのぞかせていた。
「お前が一人でこの辺ぶらつくとか珍しいな。利央は?」
「ちょっと仕事関係のものが見たくて。りおは今日友達と約束あったから」
明日街へ出て少し見てくるよと律が昨晩、利央に言うと何故かとてもショックを受けた顔をされたのを思い出す。
「え、ちょ、じゃあ俺も……」
「別に少し仕事関係の道具見に行くだけだし、りお明日は翼くんとこに行くって言ってたよね?」
「別にそれはまたにすれば……」
「何言ってんの。兄優先してどうするんだよ、りお」
律が苦笑すると何ともまた微妙な顔をしていた。もしかして自分に甘えてくれているのだろうかと嬉しくなっていると「明日、気をつけて行けよ兄貴。ふらふらしてたら駄目だからな」とどちらが年上かわからないようなことを言われた。
「おい、どうしたんだよ、そんな変な顔して」
思い出していると翔に笑われる。
「ああいや、何でもない。翔は何してんの? 一人?」
「いや、一緒してる人いるよ。その人もお前知ってるみたいでさ、最初その人がお前見つけたんだけど」
「え、誰だろ」
「時間別にあんだろ? ちょっと茶、飲んでけよ」
まるで自分の家に誘うかのように翔はニッコリ笑うとカフェの中へ入っていく。ちょっと待ってと言う前に店内へ入ってしまった翔に苦笑すると、仕方なく律も中へ入った。
確かに急ぐ理由はないし、コーヒーか何かを飲むのも悪くない。だが勝手にいいのだろうか、相手に悪くないのだろうかと思ってしまう。
それにしても誰だろうと少しきょろきょろしながら奥へ行くと、多分そこから外にいる律が見えたのだろうなと思われる窓際の椅子の高いカウンターに、戻って座っている翔がまず目についた。そして隣に誰かいるのも目に入る。女性のようで、ますます「いいのだろうか」と躊躇しながら律は近づいた。
「翔……」
「お、来た来た。そんで彼女、知ってんだろ?」
「え?」
翔が振り向いた後に隣の女性も律を見てきた。確かにどこかで……そう思った後浮かんだ姿に、律は顔を赤らめ口を押さえた。
「こんにちは。えーっと、黒宮くん久しぶりね。飲み会以来かな」
そう言ってニコニコしているのは春頃に一度、海に誘われて行った飲み会で出会った女性だった。
「あ、の……」
「あら、もしかして忘れられちゃった? ショックねえ。松田です。松田望奈」
「い、いえ。その、覚えてます……」
むしろ忘れようにも忘れられないだろう。弟を除いて初めてキスをした、というかされた人だ。
「何赤くなってんだよ律。純情ぶって落とす作戦か?」
「翔は黙ってくれる? そういうんじゃないから」
律を見て笑いながら茶化してくる翔に、律はぴしゃりと言い返した。
「あはは。仲よしだったのね」
それを見て望奈は楽しそうに笑っている。律はそっとため息をついた後、とりあえず翔の隣に座ろうとしたら「三人でカウンターはちょっとアレだな」と翔が立ち上がる。
「松田さん、いいですか?」
「全然構わないわよ」
望奈が頷いたのを見ると、翔は望奈の飲み物を自分の分と一緒に持ちながら席を移動した。その後に店員に声をかけて許可を得ている。
席につくと律は「何の知り合い……」と翔を見る。
「んだよそこは彼女? とか思わねえの?」
「志水くんがそういう雰囲気を醸し出してないからじゃないの?」
「それ言うなら松田さんだってそうですよね?」
「あの……」
律が困ったように二人を見ると望奈がおかしそうに笑ってきた。
「ごめんね、黒宮くん。置いてけぼりみたいな感じするよね。私と志水くんは仕事関係での知り合いなの」
「仕事……」
「そうそ。取引先ってヤツな」
なるほどと思いつつ、仕事関係の付き合いは休日にも発生するものなのだろうかと律は思う。
「黒宮くん。今絶対、休みの日にまで会うもの? とか思ってたでしょ」
「う」
望奈にズバリと言われて律は言葉に詰まる。
「律、テメ。別に勘違いすんのはいいけど」
「あら、よくないわよ。私黒宮くんの事気に入ってるもの」
「あーそいや、かわいいのがいたっつってましたねー。律のことかよ」
ニッコリする望奈に、翔はからかうような目を向ける。
「な、に言って……」
律がついていけずに唖然としていると望奈がさらにニッコリ笑ってきた。
「結構気に入ってるのよ? 本当に。でも安心して、むりやり襲ったりはもうしないから」
「は、はい……」
「って無理やりてなんだよ」
「な、何でもない!」
翔に怪訝そうに聞かれ、律は顔をひきつらせながら首を振った。望奈はただニコニコそんな二人を見ていた。
ようやく翔が「仕事の付き合いっつっても仲よくしてもらってるしな。とはいえ平日だとどうしても飲みになるし」と説明してきたが、律は首を傾げる。
「飲みだとダメなのか?」
「駄目って訳じゃねえけどまあ、たまにならな。あまりだとちょっとな。松田さんこれでも女性だしな」
「これでもって何? 志水くん。聞き捨てならないわね。別にそういう気遣いは不要だって言ってるんだけどね。でも休みって言ってもわりと私、仕事しちゃうから。志水くんがこうしてたまに誘ってくれるのは嬉しいわよ。仕事の話もしつつ息抜きもできるしね」
呑気なように見える翔はそれでも仕事もしているようで、今担当している案件の打ち合わせを仕事中たまに会議として行う以外に、こうして仕事外にも気軽な感じでやっているらしい。それを聞いて律はキラキラした目を翔へ向けた。
「んだその顔は」
「いや、翔がビジネスマンに見えたから」
「何だそりゃ。まあ三人とかでなら飲みもありだよなー。律も松田さんも今度一緒に飲み行かね?」
誘ってくれるのは嬉しいが、女性と一緒は本当に落ち着かない上、望奈にはこの間とても焦らされた記憶がまだ明確に残っている。律は微妙な顔になりそうなのを必死に堪えた。
「まあいつかね。でもその前にこの案件を無事通してもらってからかしら。志水くんとこの上司さん、厳しそうだもんね」
少し黙って律を見ていた望奈がニッコリと翔に言う。翔は「あーまじ……!」とテーブルに突っ伏しかねない勢いで望奈の言葉が突き刺さっているようだ。
今のは律を気にしてくれての反応なのだろうかと律は望奈を見るが、ただニッコリ笑われただけだった。またその笑顔が何を考えているのかわからなくて、律は苦笑する。
暫く喋った後で、律は先に店を出た。外へ少し出てから大きな窓をチラリと窺うと、二人は何やら話しこんでいる。仕事の話なのかただの世間話なのかはどちらの表情を見ても判断できないが、律は何となく微笑ましくなってそっと笑った。
ただでさえ女性に縁がないので色々わからない律だが、望奈は本当に何を考えているのかよくわからない。だがやはり悪い人ではなさそうで、そして翔と一緒にいるのを見ると、二人がお似合いに見えた。お互いそんな気はないようだし、翔は元々年上好きでもないようだが、いい感じの二人に思えた。
あと翔が仕事を、大変ながらに頑張っているのを垣間見て、恰好いいような応援したいような羨ましいような、そして何故か切ないような不思議な気分になる。
わけもわからず強引に大人の仲間入りをしていた律だが、気づけばもう同級生も大人なのだなあと当たり前なことがどうにもしみじみと感慨深く感じられた。
仕事で使う道具関係を少し見たくて、久しぶりに一人で外出していると翔の声がした。
え、っと思って律がきょろきょろしていると丁度通りかかったカフェから翔が顔をのぞかせていた。
「お前が一人でこの辺ぶらつくとか珍しいな。利央は?」
「ちょっと仕事関係のものが見たくて。りおは今日友達と約束あったから」
明日街へ出て少し見てくるよと律が昨晩、利央に言うと何故かとてもショックを受けた顔をされたのを思い出す。
「え、ちょ、じゃあ俺も……」
「別に少し仕事関係の道具見に行くだけだし、りお明日は翼くんとこに行くって言ってたよね?」
「別にそれはまたにすれば……」
「何言ってんの。兄優先してどうするんだよ、りお」
律が苦笑すると何ともまた微妙な顔をしていた。もしかして自分に甘えてくれているのだろうかと嬉しくなっていると「明日、気をつけて行けよ兄貴。ふらふらしてたら駄目だからな」とどちらが年上かわからないようなことを言われた。
「おい、どうしたんだよ、そんな変な顔して」
思い出していると翔に笑われる。
「ああいや、何でもない。翔は何してんの? 一人?」
「いや、一緒してる人いるよ。その人もお前知ってるみたいでさ、最初その人がお前見つけたんだけど」
「え、誰だろ」
「時間別にあんだろ? ちょっと茶、飲んでけよ」
まるで自分の家に誘うかのように翔はニッコリ笑うとカフェの中へ入っていく。ちょっと待ってと言う前に店内へ入ってしまった翔に苦笑すると、仕方なく律も中へ入った。
確かに急ぐ理由はないし、コーヒーか何かを飲むのも悪くない。だが勝手にいいのだろうか、相手に悪くないのだろうかと思ってしまう。
それにしても誰だろうと少しきょろきょろしながら奥へ行くと、多分そこから外にいる律が見えたのだろうなと思われる窓際の椅子の高いカウンターに、戻って座っている翔がまず目についた。そして隣に誰かいるのも目に入る。女性のようで、ますます「いいのだろうか」と躊躇しながら律は近づいた。
「翔……」
「お、来た来た。そんで彼女、知ってんだろ?」
「え?」
翔が振り向いた後に隣の女性も律を見てきた。確かにどこかで……そう思った後浮かんだ姿に、律は顔を赤らめ口を押さえた。
「こんにちは。えーっと、黒宮くん久しぶりね。飲み会以来かな」
そう言ってニコニコしているのは春頃に一度、海に誘われて行った飲み会で出会った女性だった。
「あ、の……」
「あら、もしかして忘れられちゃった? ショックねえ。松田です。松田望奈」
「い、いえ。その、覚えてます……」
むしろ忘れようにも忘れられないだろう。弟を除いて初めてキスをした、というかされた人だ。
「何赤くなってんだよ律。純情ぶって落とす作戦か?」
「翔は黙ってくれる? そういうんじゃないから」
律を見て笑いながら茶化してくる翔に、律はぴしゃりと言い返した。
「あはは。仲よしだったのね」
それを見て望奈は楽しそうに笑っている。律はそっとため息をついた後、とりあえず翔の隣に座ろうとしたら「三人でカウンターはちょっとアレだな」と翔が立ち上がる。
「松田さん、いいですか?」
「全然構わないわよ」
望奈が頷いたのを見ると、翔は望奈の飲み物を自分の分と一緒に持ちながら席を移動した。その後に店員に声をかけて許可を得ている。
席につくと律は「何の知り合い……」と翔を見る。
「んだよそこは彼女? とか思わねえの?」
「志水くんがそういう雰囲気を醸し出してないからじゃないの?」
「それ言うなら松田さんだってそうですよね?」
「あの……」
律が困ったように二人を見ると望奈がおかしそうに笑ってきた。
「ごめんね、黒宮くん。置いてけぼりみたいな感じするよね。私と志水くんは仕事関係での知り合いなの」
「仕事……」
「そうそ。取引先ってヤツな」
なるほどと思いつつ、仕事関係の付き合いは休日にも発生するものなのだろうかと律は思う。
「黒宮くん。今絶対、休みの日にまで会うもの? とか思ってたでしょ」
「う」
望奈にズバリと言われて律は言葉に詰まる。
「律、テメ。別に勘違いすんのはいいけど」
「あら、よくないわよ。私黒宮くんの事気に入ってるもの」
「あーそいや、かわいいのがいたっつってましたねー。律のことかよ」
ニッコリする望奈に、翔はからかうような目を向ける。
「な、に言って……」
律がついていけずに唖然としていると望奈がさらにニッコリ笑ってきた。
「結構気に入ってるのよ? 本当に。でも安心して、むりやり襲ったりはもうしないから」
「は、はい……」
「って無理やりてなんだよ」
「な、何でもない!」
翔に怪訝そうに聞かれ、律は顔をひきつらせながら首を振った。望奈はただニコニコそんな二人を見ていた。
ようやく翔が「仕事の付き合いっつっても仲よくしてもらってるしな。とはいえ平日だとどうしても飲みになるし」と説明してきたが、律は首を傾げる。
「飲みだとダメなのか?」
「駄目って訳じゃねえけどまあ、たまにならな。あまりだとちょっとな。松田さんこれでも女性だしな」
「これでもって何? 志水くん。聞き捨てならないわね。別にそういう気遣いは不要だって言ってるんだけどね。でも休みって言ってもわりと私、仕事しちゃうから。志水くんがこうしてたまに誘ってくれるのは嬉しいわよ。仕事の話もしつつ息抜きもできるしね」
呑気なように見える翔はそれでも仕事もしているようで、今担当している案件の打ち合わせを仕事中たまに会議として行う以外に、こうして仕事外にも気軽な感じでやっているらしい。それを聞いて律はキラキラした目を翔へ向けた。
「んだその顔は」
「いや、翔がビジネスマンに見えたから」
「何だそりゃ。まあ三人とかでなら飲みもありだよなー。律も松田さんも今度一緒に飲み行かね?」
誘ってくれるのは嬉しいが、女性と一緒は本当に落ち着かない上、望奈にはこの間とても焦らされた記憶がまだ明確に残っている。律は微妙な顔になりそうなのを必死に堪えた。
「まあいつかね。でもその前にこの案件を無事通してもらってからかしら。志水くんとこの上司さん、厳しそうだもんね」
少し黙って律を見ていた望奈がニッコリと翔に言う。翔は「あーまじ……!」とテーブルに突っ伏しかねない勢いで望奈の言葉が突き刺さっているようだ。
今のは律を気にしてくれての反応なのだろうかと律は望奈を見るが、ただニッコリ笑われただけだった。またその笑顔が何を考えているのかわからなくて、律は苦笑する。
暫く喋った後で、律は先に店を出た。外へ少し出てから大きな窓をチラリと窺うと、二人は何やら話しこんでいる。仕事の話なのかただの世間話なのかはどちらの表情を見ても判断できないが、律は何となく微笑ましくなってそっと笑った。
ただでさえ女性に縁がないので色々わからない律だが、望奈は本当に何を考えているのかよくわからない。だがやはり悪い人ではなさそうで、そして翔と一緒にいるのを見ると、二人がお似合いに見えた。お互いそんな気はないようだし、翔は元々年上好きでもないようだが、いい感じの二人に思えた。
あと翔が仕事を、大変ながらに頑張っているのを垣間見て、恰好いいような応援したいような羨ましいような、そして何故か切ないような不思議な気分になる。
わけもわからず強引に大人の仲間入りをしていた律だが、気づけばもう同級生も大人なのだなあと当たり前なことがどうにもしみじみと感慨深く感じられた。
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