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15.やりとり
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利央の声がして海が楽しげに「はいはい」とマンション入口から鳴ったインターフォンに出た後も、律は怪訝な表情をしていた。
利央がいるなら飯、あったほうがいいだろうし米炊くか、と海はそのまま台所へ向かっていった。
「りお、何でそんなに心配するんだろ。俺、そんなに頼りない兄貴なのかなぁ」
少し寂しく思って呟くと「ちげぇよ」と冷ややっこを食べながら亨が首を振ってきた。
「違う?」
「頼りねぇからじゃなくて、お前が好きだから色々心配してんだろ、あいつは。あいつも知ってっからな、俺と海の事。んで俺らが人目気にせずイチャつくのがお前に悪影響だとでも思ってんじゃね?」
「え? りおも知ってたんだ? ってゆーか、何で悪影響……」
「さっきだってお前、俺らが軽いキスしただけで赤くなって固まってただろーが」
「う……」
でも……むしろじゃあ、りおはそんなのを見ても平気ってこと……?
律が何となくそんなことを考えていると、亨が続けてきた。
「つかお前だってすげぇ利央のこと心配してんだろ。ちょっと見当たらないと翔に電話かけたりしてんの知ってんぞ」
「だ、だって。それはほら、俺はお兄ちゃんだから……」
「んなもん関係ねぇだろ。弟だってじゃあ弟だからっつーだろそれだと。だいたい兄だったら心配する必要あんのか? 俺、翔に対して心配なんて基本しねぇぞ。そりゃまあお前んとこ歳離れてるし二人だからっつーのもあんだろうけどな」
亨も二杯目のビールを開けながら言ってきた。
そういえば亨兄も、兄なんだよな……。
ふと今さらなことに律は気づく。ただ昔から見ているからだろうか、亨が志水兄弟の兄だというのが当たり前すぎて意識していなかった。それに弟よりも背が低いのは律たちと同じだが、亨を見ていると間違いなく兄にしか見えない。口は悪い方だし適当で軽い感じなのにやはり亨は「兄」らしく見えたし、翔を見ていても全然弟らしさなんて見えないのにやはり亨の弟ということに違和感はなかった。
「ねえ、亨兄。俺、ちゃんと兄に見える?」
「見える見える」
「すごい適当に答えたよね」
「見えるのはでも嘘じゃねぇよ? つかお前ほどすげぇ兄ちゃん見たことねえんだから、自信持てよ。でもさぁ、別に兄とか弟とか気にしなくていいだろ。仲がいい家族。それで十分じゃね?」
「そ、うだね。……ありがと、亨兄」
ニヤリと笑って言ってくる亨は、やはり兄らしく感じた。
とりあえず律も冷ややっこを口に入れる。
確かに兄だとか弟だとか拘らなくてはいけない理由はない。ただそれでもかわいい利央には「兄」としていつまでも頼って欲しいと思ってしまうのだ。要は自分のわがままなのかなとそっと律は苦笑した。
この間も利央に叱られたばかりだからついほんのり落ち込んでしまう。
高校生に説教される大人とか。
しかも「しっかりしてる」と自分で主張しながら実際簡単に押し倒されてしまった。あれは密かにショックだった。
まだまだ子どもだと思っていたりおに……。
律はため息を押し殺し、チュウハイをコクリと飲む。
子どもだと思っていた利央に、身長だけでなく力や判断力など色んなものを追い抜かれたような、そんな気になってしまった。
でも皆が楽しく飲んでるのにこんな風に落ち込んでるのはよくないとねと、律は飲み終えた後に亨を見た。
「そういえば亨兄も車は詳しいの?」
「は? 何いきなり。あんま知らねえよ」
「そうなの? ほらだって藤堂さんて車のこと、話しだしたら止まらない勢いだから」
「あー。海、車好きだからな、あいつ。俺は動いたらそれでいい」
亨はニヤリと笑いながら、海が買ってきたテーブルワインを今度は開け出した。
「じゃあ話に付き合ってあげないの?」
「適当にふんふん聞いてるだけでもあいつ嬉しいらしいぞ。要は好きなこと喋れたらいいんだろ」
「へえ。……何か、何だろ、何て言うか、やっぱお似合いなんだね、亨兄と藤堂さんって。今亨兄、奥さんみたいだった」
律がニッコリ言うと、グラスに入れたワインを飲んだ後で亨が「まじかよ」と微妙な顔をしている。
「うん、お似合いだけど?」
「いや、そーじゃなくて俺が奥さん? 止めてくんねぇ? 奥さんって何つーか甲斐甲斐しくしてるイメージじゃね? 俺、色々するよりされる方が好きなんだよね」
「ああ、確かに藤堂さん優しいし、亨兄が我がまま言っても何でも聞いてくれそう」
なるほどね、と律が頷くと亨がまたニヤリと笑った後、思わせぶりな表情をしながら律の首に片手を回し、そっと撫でる。
「まあでもあっちの方では俺確かに女役だけどな。それにアレならわりと色々俺がすんのも好きかも」
「え?」
何言って……と律がポカンと亨を見た時、背後から「ほんっと最悪だな」と利央の声がした。
「え? りお?」
律が振り向く前に利央が亨から律を引き離してくる。
「ちょ、りお、いきなり何……」
「俺来たの知っててわざと兄貴からかおうとしてたろ」
「あは、バレてんのか。っち。ほんっと利央ってかわいくねぇなー」
律がポカンとしている中、利央が亨を睨みつけている。しかし亨はしれっとした様子でまたワインを飲みつつ開けた袋からチーズのつまみをとろうとしていた。
「亨兄にかわいいとか思われたくねーし。だいたいそんな事しても兄貴疎いからわからなかったんじゃないのか?」
「あー、まぁそーだろーな。バカ面してたしな」
呆れたように言う利央に亨も頷き、律を見てニヤリと笑う。
「は? え? ていうか何二人して俺のことバカみたいに……、ああいやそんなことより、りおどうしたの? 何で急に?」
相変わらずポカンとした後でハッとなり、律は利央を見た。
「何? 兄貴は俺が来たら迷惑?」
「そんな訳ないだろ。そうじゃなくて……ああ、そっか、りおも亨兄に会いたかったんだな」
利央が小学生の頃はよくこの志水兄弟に遊んでもらっていた。中学生になるとそういったこともなくなっていったが、やはり懐かしい上に慕っているのだなと律はニッコリ利央を見た。律が心配というより、そう考える方が何となくしっくりとした。
すると何故か利央はため息をついてくる。
「え、俺なんか変なこと言った……?」
律がまたポカンとすると「いや、兄貴はそれでいいよ」とまるで慰められるかのように利央に言われた。横では亨が少し笑っている。
「亨兄笑ってんじゃねえよ。ったく。兄貴、こいつらほんっとろくでもないから俺、心配で」
ジロリと亨を睨んだ後での言葉に、律は首を傾げる。
やはり心配だからなんだ……。
律はそっと項垂れた。弟に心配される兄というのが相変わらず何だか切ない。だがやはり何故心配なのかわからなかった。
「りお、どういう意味? 亨兄は昔から知ってるし、藤堂さんは職場でいつもいる人だよ?」
「それはわかってるけど。亨兄と海さんの組合せがろくでもねぇっつってんの」
「利央てめ、失礼なヤツだな」
ろくでもないと言われつつも気を悪くした様子もなく、亨はニヤニヤと言ってくる。
「ほんと失礼だよねえ利央くん。せっかく利央くんのために米炊いてたのに。おかずもちょっと増やそうと面倒ながらに簡単なもん作ってたのに」
家に来た利央を入れるため一旦台所を離れ玄関に行った後、またずっと台所にいた海が笑いながらやってきた。
「頼んでないし。でもありがとう」
利央が礼を言った途端、海はきょとんとした顔で利央を見た。
「何だよ」
「いやー、利央くんちゃんとお礼が言える子なんだねえ、かわいい」
途端ニッコリ笑いながら海は利央の頭を撫でてきた。
「ちょ、やめろ」
「だってほら、利央くん俺に対していつもシビアだろ」
「兄貴に変なことしかねない軽さにシビアなんだよ……ったく」
「ええー、酷いなあ。俺が律に変なことするわけないでしょ」
「そうそう。たまに俺らがいちゃいちゃするだけだろ」
「それがたち悪いっつってんの」
海の手から逃れた利央が呆れたようにため息ついている。何となく置いてきぼりをくらったような気がして律は「俺、何だろう、ついていけてない?」と首を傾げた。
「兄貴はいいんだよ、むしろついて行くな」
「く、く。お前らほんといい兄弟だよな。かわいいから特別に俺がキスしてやろう」
「いるかよ! 亨兄、冗談でも兄貴に手、出すなよ」
いっそ息の合った利央と亨のやりとりに律がポカンとしていると、海に「ほら、食え」と律は頭を撫でられる。
何だろう、本当にどちらが兄かわからないような、と律はそっとため息ついた。
利央がいるなら飯、あったほうがいいだろうし米炊くか、と海はそのまま台所へ向かっていった。
「りお、何でそんなに心配するんだろ。俺、そんなに頼りない兄貴なのかなぁ」
少し寂しく思って呟くと「ちげぇよ」と冷ややっこを食べながら亨が首を振ってきた。
「違う?」
「頼りねぇからじゃなくて、お前が好きだから色々心配してんだろ、あいつは。あいつも知ってっからな、俺と海の事。んで俺らが人目気にせずイチャつくのがお前に悪影響だとでも思ってんじゃね?」
「え? りおも知ってたんだ? ってゆーか、何で悪影響……」
「さっきだってお前、俺らが軽いキスしただけで赤くなって固まってただろーが」
「う……」
でも……むしろじゃあ、りおはそんなのを見ても平気ってこと……?
律が何となくそんなことを考えていると、亨が続けてきた。
「つかお前だってすげぇ利央のこと心配してんだろ。ちょっと見当たらないと翔に電話かけたりしてんの知ってんぞ」
「だ、だって。それはほら、俺はお兄ちゃんだから……」
「んなもん関係ねぇだろ。弟だってじゃあ弟だからっつーだろそれだと。だいたい兄だったら心配する必要あんのか? 俺、翔に対して心配なんて基本しねぇぞ。そりゃまあお前んとこ歳離れてるし二人だからっつーのもあんだろうけどな」
亨も二杯目のビールを開けながら言ってきた。
そういえば亨兄も、兄なんだよな……。
ふと今さらなことに律は気づく。ただ昔から見ているからだろうか、亨が志水兄弟の兄だというのが当たり前すぎて意識していなかった。それに弟よりも背が低いのは律たちと同じだが、亨を見ていると間違いなく兄にしか見えない。口は悪い方だし適当で軽い感じなのにやはり亨は「兄」らしく見えたし、翔を見ていても全然弟らしさなんて見えないのにやはり亨の弟ということに違和感はなかった。
「ねえ、亨兄。俺、ちゃんと兄に見える?」
「見える見える」
「すごい適当に答えたよね」
「見えるのはでも嘘じゃねぇよ? つかお前ほどすげぇ兄ちゃん見たことねえんだから、自信持てよ。でもさぁ、別に兄とか弟とか気にしなくていいだろ。仲がいい家族。それで十分じゃね?」
「そ、うだね。……ありがと、亨兄」
ニヤリと笑って言ってくる亨は、やはり兄らしく感じた。
とりあえず律も冷ややっこを口に入れる。
確かに兄だとか弟だとか拘らなくてはいけない理由はない。ただそれでもかわいい利央には「兄」としていつまでも頼って欲しいと思ってしまうのだ。要は自分のわがままなのかなとそっと律は苦笑した。
この間も利央に叱られたばかりだからついほんのり落ち込んでしまう。
高校生に説教される大人とか。
しかも「しっかりしてる」と自分で主張しながら実際簡単に押し倒されてしまった。あれは密かにショックだった。
まだまだ子どもだと思っていたりおに……。
律はため息を押し殺し、チュウハイをコクリと飲む。
子どもだと思っていた利央に、身長だけでなく力や判断力など色んなものを追い抜かれたような、そんな気になってしまった。
でも皆が楽しく飲んでるのにこんな風に落ち込んでるのはよくないとねと、律は飲み終えた後に亨を見た。
「そういえば亨兄も車は詳しいの?」
「は? 何いきなり。あんま知らねえよ」
「そうなの? ほらだって藤堂さんて車のこと、話しだしたら止まらない勢いだから」
「あー。海、車好きだからな、あいつ。俺は動いたらそれでいい」
亨はニヤリと笑いながら、海が買ってきたテーブルワインを今度は開け出した。
「じゃあ話に付き合ってあげないの?」
「適当にふんふん聞いてるだけでもあいつ嬉しいらしいぞ。要は好きなこと喋れたらいいんだろ」
「へえ。……何か、何だろ、何て言うか、やっぱお似合いなんだね、亨兄と藤堂さんって。今亨兄、奥さんみたいだった」
律がニッコリ言うと、グラスに入れたワインを飲んだ後で亨が「まじかよ」と微妙な顔をしている。
「うん、お似合いだけど?」
「いや、そーじゃなくて俺が奥さん? 止めてくんねぇ? 奥さんって何つーか甲斐甲斐しくしてるイメージじゃね? 俺、色々するよりされる方が好きなんだよね」
「ああ、確かに藤堂さん優しいし、亨兄が我がまま言っても何でも聞いてくれそう」
なるほどね、と律が頷くと亨がまたニヤリと笑った後、思わせぶりな表情をしながら律の首に片手を回し、そっと撫でる。
「まあでもあっちの方では俺確かに女役だけどな。それにアレならわりと色々俺がすんのも好きかも」
「え?」
何言って……と律がポカンと亨を見た時、背後から「ほんっと最悪だな」と利央の声がした。
「え? りお?」
律が振り向く前に利央が亨から律を引き離してくる。
「ちょ、りお、いきなり何……」
「俺来たの知っててわざと兄貴からかおうとしてたろ」
「あは、バレてんのか。っち。ほんっと利央ってかわいくねぇなー」
律がポカンとしている中、利央が亨を睨みつけている。しかし亨はしれっとした様子でまたワインを飲みつつ開けた袋からチーズのつまみをとろうとしていた。
「亨兄にかわいいとか思われたくねーし。だいたいそんな事しても兄貴疎いからわからなかったんじゃないのか?」
「あー、まぁそーだろーな。バカ面してたしな」
呆れたように言う利央に亨も頷き、律を見てニヤリと笑う。
「は? え? ていうか何二人して俺のことバカみたいに……、ああいやそんなことより、りおどうしたの? 何で急に?」
相変わらずポカンとした後でハッとなり、律は利央を見た。
「何? 兄貴は俺が来たら迷惑?」
「そんな訳ないだろ。そうじゃなくて……ああ、そっか、りおも亨兄に会いたかったんだな」
利央が小学生の頃はよくこの志水兄弟に遊んでもらっていた。中学生になるとそういったこともなくなっていったが、やはり懐かしい上に慕っているのだなと律はニッコリ利央を見た。律が心配というより、そう考える方が何となくしっくりとした。
すると何故か利央はため息をついてくる。
「え、俺なんか変なこと言った……?」
律がまたポカンとすると「いや、兄貴はそれでいいよ」とまるで慰められるかのように利央に言われた。横では亨が少し笑っている。
「亨兄笑ってんじゃねえよ。ったく。兄貴、こいつらほんっとろくでもないから俺、心配で」
ジロリと亨を睨んだ後での言葉に、律は首を傾げる。
やはり心配だからなんだ……。
律はそっと項垂れた。弟に心配される兄というのが相変わらず何だか切ない。だがやはり何故心配なのかわからなかった。
「りお、どういう意味? 亨兄は昔から知ってるし、藤堂さんは職場でいつもいる人だよ?」
「それはわかってるけど。亨兄と海さんの組合せがろくでもねぇっつってんの」
「利央てめ、失礼なヤツだな」
ろくでもないと言われつつも気を悪くした様子もなく、亨はニヤニヤと言ってくる。
「ほんと失礼だよねえ利央くん。せっかく利央くんのために米炊いてたのに。おかずもちょっと増やそうと面倒ながらに簡単なもん作ってたのに」
家に来た利央を入れるため一旦台所を離れ玄関に行った後、またずっと台所にいた海が笑いながらやってきた。
「頼んでないし。でもありがとう」
利央が礼を言った途端、海はきょとんとした顔で利央を見た。
「何だよ」
「いやー、利央くんちゃんとお礼が言える子なんだねえ、かわいい」
途端ニッコリ笑いながら海は利央の頭を撫でてきた。
「ちょ、やめろ」
「だってほら、利央くん俺に対していつもシビアだろ」
「兄貴に変なことしかねない軽さにシビアなんだよ……ったく」
「ええー、酷いなあ。俺が律に変なことするわけないでしょ」
「そうそう。たまに俺らがいちゃいちゃするだけだろ」
「それがたち悪いっつってんの」
海の手から逃れた利央が呆れたようにため息ついている。何となく置いてきぼりをくらったような気がして律は「俺、何だろう、ついていけてない?」と首を傾げた。
「兄貴はいいんだよ、むしろついて行くな」
「く、く。お前らほんといい兄弟だよな。かわいいから特別に俺がキスしてやろう」
「いるかよ! 亨兄、冗談でも兄貴に手、出すなよ」
いっそ息の合った利央と亨のやりとりに律がポカンとしていると、海に「ほら、食え」と律は頭を撫でられる。
何だろう、本当にどちらが兄かわからないような、と律はそっとため息ついた。
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