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7.親友
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家へやってきた律の幼馴染兼親友である翔を、利央は胡散臭い目で見る。
「……いらっしゃい」
「りおテメェ相変わらず俺に無愛想だな! 兄ちゃんとられそーでヤキモキしてんのかー?」
利央の態度に腹を立てた様子もなく、翔はむしろ利央を羽交い絞めにして楽しげだ。
「そういうことするからだろ、うざいし離して」
「もー。りおの反応楽しくねぇよ」
「翔に喜んでもらいたい気持ちなんてこれっぽっちもないっていうかむしろウザい。俺と身長あんま変わらないんだから暴れないで欲しいね」
冗談で泣きごとを言ってくる翔に、利央はジロリと見返すと「でも惣菜とかはサンキュー」と呟いて踵を返した。
「ほんともう、かわいくないけどかわいいんだからな」
翔はニヤリと笑い、ようやくスーツの上着を脱ぎ出した。
まだ利央が小さかった頃でも、中学を卒業した律は仕事があり夜にならないと帰ってこなかった。翔はそんな利央をよく家に呼んだしここにもちょくちょく遊びに来ていたものだった。
その頃の利央はかわいかったのに今じゃあれだよと翔が苦笑していると、風呂に入っていたのか、まだ濡れた髪のままの律がやってきた。
「翔、おかえり。悪い、風呂入ってた」
「おー。酒も買ってきたし今日は飲もうぜ」
律が仕事から帰ってくると基本的にすぐに風呂に入るのは翔もよく知っている。工場だから汗やら油やらが気になるのだろう。
「あれ? 翔ってもしかして飲めるの?」
長い付き合いではあるが、よく考えなくとも律は翔と飲んだ記憶がない。
「リーマンやってんだぜ、酒飲めねぇときっついわ。つか好きですお酒! いやあれだよお前が全然そういう素振り見せねーし飲めねえんだと思ってたんだよ」
「ああ」
「したら兄貴がさ、お前と飲んでた的なこと言ってくるからさー。何それ聞いてねぇよってな。だから誘った。家だし落ち着いて飲めるよな、そんで髪、乾かせよ?」
「ん。……って亨兄が? ……あ」
亨と飲んだ覚えは、と思ったところで律は思い出した。海と飲んだ。
そして海の恋人は多分……。
だが翔はそのことを知らないかもしれない。なので言いかけてすぐに口をつぐんだ。
「あ、って何だよ」
「何でもないよ。とりあえず寛いでてよ。俺髪乾かしてりおを手伝ってくる」
怪訝そうな顔をされ、律はニッコリと笑ってごまかした。
「だからさー、マジウチとこの上司怖ぇの! でも仕事できるからなー。あれだよな硬いんだよな、メガネのせいか。メガネがそうさせてんのか」
「何その眼鏡が本体みたいなの」
ビールを何本か飲んだ後に、買ってきていたワインも開けていい気分になっている翔に、利央が呆れたように突っ込んでいる。
翔は利央にも「まあ飲めよ」と最初勧めてきて律に「怒るよ翔」と叱られていた。
「あー、それ! それアリ! メガネ本体だわ絶対……」
「何言ってんだよ全く……」
利央は相変わらず呆れたまま翔の買って来た惣菜の一つであるほうれん草のキッシュを口に入れた。美味しいけれどもチーズの味が濃厚過ぎて、茶とはイマイチ合わない気がする。かといって米と一緒に食べにるのも何か違う。パンもしかりだ。というかキッシュ自体がパイ生地なのでパンのようなものだ。言うなればチャーハンをおかずに白米を食べるようなものだろうか。
あはは、と楽しそうに笑っている律をチラリと見て利央はそっとため息をついた。律や翔が飲んでいるチュウハイやワインならきっとこのキッシュはとても合うのだろう。
他にも翔が買ってきたサラダやちょこちょことしたおかずはどれも美味しいけれども白米と一緒に食べるより酒と一緒に食べた方が美味しそうな気がする。
未成年はつまらない。料理すら美味しく食べるのに制限がある気がする。それに多分、人との付き合いにもきっと制限があるような気がした。こうして三人で食事をしていても、茶だと何故か少し疎外感を感じる。
少し前なら律も利央と同じように酒は飲んでいなかったのにと利央は持っている茶に目を落とした。何となくまた少し差を開けられたような気、すらする。気のせいだとわかっていてもこの感じは否めない。
「俺、風呂入ってくる」
利央は食べ終えた自分の食器を集めるとそれを持って立ち上がった。
「うん」
律はニッコリ利央を見てきた。その表情がこそばゆくて利央は何も言わず台所へ行き、自分が使った食器を洗ってから風呂へ向かった。
「そいやお前、海さんに合コンしよとか言われてんだって? あの人バイだろ?」
利央が風呂に向かってからもとりとめのない話をしていた二人だが、ふと翔は思い出したように言ってきた。
「っご、ふ。……え?」
ビールが苦手な律は翔が買って来た缶チュウハイを飲んでいたのだがそれを吹き出しそうになった。
「ん?どうした? 合コン、秘密だった? でもまだするって決まった訳でもねーんだろ? 海さんがお前にしよーぜって言ったくらいで」
そこじゃない。
律はだが曖昧に笑った。聞き間違いかもしれないし何かの間違いかもしれないのに自分から海の恋愛に関して言っていいものかわからない。
「いい機会じゃねえの。お前さー誰かと付き合ったこと、ねーんじゃねえの? 俺が知ってる限りではさぁ、ねぇな」
「あー、うん」
「はーっ、やっぱり童貞かよ」
「そこ、強調しなくちゃいけないところか?」
翔はわざとなのか盛大にため息をついてきた。
「だってさー、お前絶対モテるだろうにもったいねえなってさ。いや多分実際お前がモテてて女の子とっかえひっかえしてたらそれはそれで俺、羨ましすぎてムカつくけどな!」
何杯目かもう全くわからないワインをごくりと飲みながら翔はニヤリと笑う。
「じゃあ別に今のままで構わないってことだろ」
「構うわ。あれだろ、どうせお前りおが一人立ちするまではとかしょーもないこと思ってんだろ」
「しょうもないかな……」
律は困ったように笑った。そんな笑顔を見て翔はため息つく。
「兄弟愛はいいがな、りおはしっかりしてるしお前が絶えず心配しなきゃな小さいガキはもういねぇだろ。お前がそんなだからあいつ、りおも何つーかすげぇブラコンになっちまってんじゃねぇのか?」
「え? りおが?」
利央がブラコン? と律は怪訝に思って頭を傾げた。アルコールが低いとはいえ既に顔は熱いし律の頭の中は重くぼんやりとしている。だがそんな状態でも、利央に「お兄ちゃん好き」と甘えられた記憶は相当昔のものしかないことくらいわかる。
「甘えてくれないんだけど」
少しシュンとしながら律が俯くと「そんなわかりやすい甘えとかじゃねーし」と翔に苦笑された。
「? よくわからないよ、俺からしたらもっと甘えて欲しいけど」
「ならいっそもっと突き放してみろよ。お前がある意味弟にベッタリだからあいつもお前が言うような甘え方する必要ねぇんじゃねーの?」
「突き放すとか、そんなの無理だよ。ていうか最近何だろう? この間藤堂さんにもそんな感じの事言われたんだけど」
「お前がいつまでたってもそんなだからじゃね?」
そんな、と言われても律にはどんなかよくわからない。弟にベッタリしているつもりはないし、変に甘やかしているつもりもない。ちゃんと駄目なことは駄目だと、昔から叱りもしてきた。
ただ大切だから弟に幸せになってもらいたいだけだ。毎日健やかに楽しく過ごして欲しいだけ。
「そんな怪訝そうな顔すんなよ」
「んー……。とりあえずよくわからないけれども、藤堂さんやお前が言うようにもっと飲み会的なものに参加すればいいんだろ」
正直金がもったいない気もするし、ちょくちょく飲みに行けば利央に心配や迷惑をかけるかもしれないし気はすすまないけれども……と律がその後で呟くと「そこだっつーの」と翔に頭を小突かれた。
「ちょ、地味に痛いんだけど」
「えー今のがぁ?」
「だったらお前も味わってみろよ」
「やだよ」
「何それ」
律が小突き返そうとしたらヘラリと笑った翔に避けられた。
「お前の動きは読めてんだよ。バーカ」
そして今度はデコピンをしようと指を構えながら翔が律の方に近づいてきた。
「それやだ、絶対痛いだろそれ!」
律も翔を倣って避けようとした。だが先ほどから動きが鈍いのは酒のせいであり、今回もバランスを崩しそのまま倒れそうになる。
「おいおい、なーにしてんだよバッカ!」
翔は苦笑しながらとっさに伸ばしていた手で律を支え、そのまま畳に律の体を横たえる。
「悪い」
「お前さー、酒弱す……」
弱すぎだと笑いながら言おうとして翔は殺気を感じた。
「翔こそてめぇ何してんの……」
部屋の入り口に頭にタオルをかけた、今にも翔を殺しかねない利央をそして発見し、翔の笑顔は固まった。
「……いらっしゃい」
「りおテメェ相変わらず俺に無愛想だな! 兄ちゃんとられそーでヤキモキしてんのかー?」
利央の態度に腹を立てた様子もなく、翔はむしろ利央を羽交い絞めにして楽しげだ。
「そういうことするからだろ、うざいし離して」
「もー。りおの反応楽しくねぇよ」
「翔に喜んでもらいたい気持ちなんてこれっぽっちもないっていうかむしろウザい。俺と身長あんま変わらないんだから暴れないで欲しいね」
冗談で泣きごとを言ってくる翔に、利央はジロリと見返すと「でも惣菜とかはサンキュー」と呟いて踵を返した。
「ほんともう、かわいくないけどかわいいんだからな」
翔はニヤリと笑い、ようやくスーツの上着を脱ぎ出した。
まだ利央が小さかった頃でも、中学を卒業した律は仕事があり夜にならないと帰ってこなかった。翔はそんな利央をよく家に呼んだしここにもちょくちょく遊びに来ていたものだった。
その頃の利央はかわいかったのに今じゃあれだよと翔が苦笑していると、風呂に入っていたのか、まだ濡れた髪のままの律がやってきた。
「翔、おかえり。悪い、風呂入ってた」
「おー。酒も買ってきたし今日は飲もうぜ」
律が仕事から帰ってくると基本的にすぐに風呂に入るのは翔もよく知っている。工場だから汗やら油やらが気になるのだろう。
「あれ? 翔ってもしかして飲めるの?」
長い付き合いではあるが、よく考えなくとも律は翔と飲んだ記憶がない。
「リーマンやってんだぜ、酒飲めねぇときっついわ。つか好きですお酒! いやあれだよお前が全然そういう素振り見せねーし飲めねえんだと思ってたんだよ」
「ああ」
「したら兄貴がさ、お前と飲んでた的なこと言ってくるからさー。何それ聞いてねぇよってな。だから誘った。家だし落ち着いて飲めるよな、そんで髪、乾かせよ?」
「ん。……って亨兄が? ……あ」
亨と飲んだ覚えは、と思ったところで律は思い出した。海と飲んだ。
そして海の恋人は多分……。
だが翔はそのことを知らないかもしれない。なので言いかけてすぐに口をつぐんだ。
「あ、って何だよ」
「何でもないよ。とりあえず寛いでてよ。俺髪乾かしてりおを手伝ってくる」
怪訝そうな顔をされ、律はニッコリと笑ってごまかした。
「だからさー、マジウチとこの上司怖ぇの! でも仕事できるからなー。あれだよな硬いんだよな、メガネのせいか。メガネがそうさせてんのか」
「何その眼鏡が本体みたいなの」
ビールを何本か飲んだ後に、買ってきていたワインも開けていい気分になっている翔に、利央が呆れたように突っ込んでいる。
翔は利央にも「まあ飲めよ」と最初勧めてきて律に「怒るよ翔」と叱られていた。
「あー、それ! それアリ! メガネ本体だわ絶対……」
「何言ってんだよ全く……」
利央は相変わらず呆れたまま翔の買って来た惣菜の一つであるほうれん草のキッシュを口に入れた。美味しいけれどもチーズの味が濃厚過ぎて、茶とはイマイチ合わない気がする。かといって米と一緒に食べにるのも何か違う。パンもしかりだ。というかキッシュ自体がパイ生地なのでパンのようなものだ。言うなればチャーハンをおかずに白米を食べるようなものだろうか。
あはは、と楽しそうに笑っている律をチラリと見て利央はそっとため息をついた。律や翔が飲んでいるチュウハイやワインならきっとこのキッシュはとても合うのだろう。
他にも翔が買ってきたサラダやちょこちょことしたおかずはどれも美味しいけれども白米と一緒に食べるより酒と一緒に食べた方が美味しそうな気がする。
未成年はつまらない。料理すら美味しく食べるのに制限がある気がする。それに多分、人との付き合いにもきっと制限があるような気がした。こうして三人で食事をしていても、茶だと何故か少し疎外感を感じる。
少し前なら律も利央と同じように酒は飲んでいなかったのにと利央は持っている茶に目を落とした。何となくまた少し差を開けられたような気、すらする。気のせいだとわかっていてもこの感じは否めない。
「俺、風呂入ってくる」
利央は食べ終えた自分の食器を集めるとそれを持って立ち上がった。
「うん」
律はニッコリ利央を見てきた。その表情がこそばゆくて利央は何も言わず台所へ行き、自分が使った食器を洗ってから風呂へ向かった。
「そいやお前、海さんに合コンしよとか言われてんだって? あの人バイだろ?」
利央が風呂に向かってからもとりとめのない話をしていた二人だが、ふと翔は思い出したように言ってきた。
「っご、ふ。……え?」
ビールが苦手な律は翔が買って来た缶チュウハイを飲んでいたのだがそれを吹き出しそうになった。
「ん?どうした? 合コン、秘密だった? でもまだするって決まった訳でもねーんだろ? 海さんがお前にしよーぜって言ったくらいで」
そこじゃない。
律はだが曖昧に笑った。聞き間違いかもしれないし何かの間違いかもしれないのに自分から海の恋愛に関して言っていいものかわからない。
「いい機会じゃねえの。お前さー誰かと付き合ったこと、ねーんじゃねえの? 俺が知ってる限りではさぁ、ねぇな」
「あー、うん」
「はーっ、やっぱり童貞かよ」
「そこ、強調しなくちゃいけないところか?」
翔はわざとなのか盛大にため息をついてきた。
「だってさー、お前絶対モテるだろうにもったいねえなってさ。いや多分実際お前がモテてて女の子とっかえひっかえしてたらそれはそれで俺、羨ましすぎてムカつくけどな!」
何杯目かもう全くわからないワインをごくりと飲みながら翔はニヤリと笑う。
「じゃあ別に今のままで構わないってことだろ」
「構うわ。あれだろ、どうせお前りおが一人立ちするまではとかしょーもないこと思ってんだろ」
「しょうもないかな……」
律は困ったように笑った。そんな笑顔を見て翔はため息つく。
「兄弟愛はいいがな、りおはしっかりしてるしお前が絶えず心配しなきゃな小さいガキはもういねぇだろ。お前がそんなだからあいつ、りおも何つーかすげぇブラコンになっちまってんじゃねぇのか?」
「え? りおが?」
利央がブラコン? と律は怪訝に思って頭を傾げた。アルコールが低いとはいえ既に顔は熱いし律の頭の中は重くぼんやりとしている。だがそんな状態でも、利央に「お兄ちゃん好き」と甘えられた記憶は相当昔のものしかないことくらいわかる。
「甘えてくれないんだけど」
少しシュンとしながら律が俯くと「そんなわかりやすい甘えとかじゃねーし」と翔に苦笑された。
「? よくわからないよ、俺からしたらもっと甘えて欲しいけど」
「ならいっそもっと突き放してみろよ。お前がある意味弟にベッタリだからあいつもお前が言うような甘え方する必要ねぇんじゃねーの?」
「突き放すとか、そんなの無理だよ。ていうか最近何だろう? この間藤堂さんにもそんな感じの事言われたんだけど」
「お前がいつまでたってもそんなだからじゃね?」
そんな、と言われても律にはどんなかよくわからない。弟にベッタリしているつもりはないし、変に甘やかしているつもりもない。ちゃんと駄目なことは駄目だと、昔から叱りもしてきた。
ただ大切だから弟に幸せになってもらいたいだけだ。毎日健やかに楽しく過ごして欲しいだけ。
「そんな怪訝そうな顔すんなよ」
「んー……。とりあえずよくわからないけれども、藤堂さんやお前が言うようにもっと飲み会的なものに参加すればいいんだろ」
正直金がもったいない気もするし、ちょくちょく飲みに行けば利央に心配や迷惑をかけるかもしれないし気はすすまないけれども……と律がその後で呟くと「そこだっつーの」と翔に頭を小突かれた。
「ちょ、地味に痛いんだけど」
「えー今のがぁ?」
「だったらお前も味わってみろよ」
「やだよ」
「何それ」
律が小突き返そうとしたらヘラリと笑った翔に避けられた。
「お前の動きは読めてんだよ。バーカ」
そして今度はデコピンをしようと指を構えながら翔が律の方に近づいてきた。
「それやだ、絶対痛いだろそれ!」
律も翔を倣って避けようとした。だが先ほどから動きが鈍いのは酒のせいであり、今回もバランスを崩しそのまま倒れそうになる。
「おいおい、なーにしてんだよバッカ!」
翔は苦笑しながらとっさに伸ばしていた手で律を支え、そのまま畳に律の体を横たえる。
「悪い」
「お前さー、酒弱す……」
弱すぎだと笑いながら言おうとして翔は殺気を感じた。
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部屋の入り口に頭にタオルをかけた、今にも翔を殺しかねない利央をそして発見し、翔の笑顔は固まった。
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