猫と鼠

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17.誘導する猫 ※

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 身をこわばらせ、完全に委縮してしまっている内藤先生を俺は楽しんでいた。後ろから耳や首筋に唇を這わせながら、怯える内藤先生のズボンの前に手を回して寛げさせる。

「な、何、するんです……? あの、や、やめてくだ、さい……」

 内藤先生は震えた声で懇願してくる。それはただ単に俺を煽るだけだとこの人はいい加減学習しても良さそうなものだ。
 それに俺も鬼じゃない。心からの恐怖を察知したならもちろんやめる。怯えた鼠をいたぶるのは楽しいが、相手の心身を壊してまで楽しみたいと思うような病んだ心は持っていない。だからいたぶりつつも、当然優しく扱う。それでも泣きわめいて拒否してきたり青ざめて心神喪失しそうな勢いなら、即やめていただろう。

「やめて欲しい? でも先生……、ほら、あなたのここはわりと楽しんでおられるようですよ?」

 とりあえずガタガタと震えているものの、怯えてというのが大半だろうが身動きとれなさそうな内藤先生のペニスを弄っていると、あっという間に首をもたげてきていた。

「っえ……」

 怯えた鼠は震えるのすら止めてポカンとしてきた。そういえば保健室でも唖然としていたようだが、何なのだ。俺は少々首を傾げつつも内藤先生の手をとった。

「ほら……。なぜ驚いておられるのかは知りませんが、ご自分で確かめてみてはどうです?」

 囁きながら、彼の手を小さいながらも反応して硬くなってきている彼自身へ誘導した。内藤先生は怯えているからか驚いているからか、大人しく手をされるがままだったので、そのまま手の甲を握りペニスをつかませる。そして彼の手を包み込んだまま上下に動かした。

「……っぁ……、や……」
「ん……? どうです? ほら、そのままご自分で動かしてみて」

 後ろから抱きしめるようにした体勢は変わらないが、手だけを離す。すると内藤先生の手も止まった。だがペニスは握りこんだままだ。

「どうしたんです? 止まってますよ。ほら、そのまま動かして……」

 俺は耳元で囁いた。内藤先生はビクリと震えながらも、まるで暗示にかかったかのように手を動かし始めた。

「おやおや、先生、だめですよ……? 優しく扱うのはいいですが、そんな腫れものを扱うようなのは。もっとここをこう、動かして」
 
 ぎこちない動きに、俺は内心苦笑しながらも優しく囁き、もう一度手を添える。

「……ん、ふ……」

 暫く手を包み込んで一緒に動かした後、また離した。

「そう、いいですね……その調子」

 ようやく先も濡れてきて、静かな空間に卑猥な水音がかすかに響く。

「そのまま続けて?」

 囁いて耳朶を食んだ後、俺は後ろから、まだ少々ぎこちなく手を動かしている内藤先生のシャツのボタンを少し外した。そして中に手を入れ、小さな乳首を摘まむ。

「っぁ、ん……っ」
「もうここ、尖ってましたね。でも触ったら乳首、ぷっくりしてきましたよ? 先生、乳首お好きなんですね」
「ぁ、は……っち、違……」
「否定、してもいいですがね。ここで、わかりますし」

 こんなに硬く、そしてぷっくりとさせているくせにな。

 俺はそのかわいらしい乳首を咥えたくなったが、内藤先生の手の動きを邪魔したくないので我慢する。代わりに首筋へ食いついた。

「っや、ぁ……」

 内藤先生は俺が手や唇で体を刺激する度にビクビク震えさせてきた。それは怯えているからではなく、明らかに感じているからとわかる。

「どうです? 俺に見られながらご自分で弄る気分は」

 先生の手淫を見ながら乳首を弄り、耳元で囁くと涙目になりながらますますビクリと体を震わせる。かなり楽しい。

「……っん……ぁ……っ、で、でも、僕、僕」
「ん?」
「何か……駄目、です、イけな……い」

 感じているようにしか見えないが、恥ずかしくてでも、冗談で言っているわけでもなさそうだ。俺は内藤先生のペニスを改めて見た。

「……っん、ふ……、ぅ」

 小さいながらも明らかに硬くなっているソレは先走りも出ており、やはり感じでいるように見える。だが俺が体を触ったり唇を這わせたりするのを止めると、体を震わせないし声すらあげてこない。ただ手を動かしているだけ、にも見える。

「だったら何かやらしいこと、考えてみてくださいよ」
「そ、そんな……、む、ムリです。ぼ、僕、け、経験、ない、し……」
「経験ないと言えども、エロ本やDVDとか。何か見たことくらいあるでしょう?」
「……」

 ないのか。
 ……って、ないのか……っ?

 俺は珍しく本気で驚いてしまった。

 何この人。どんな純粋培養で育っているんだ。……まさか?

「……あの、おしべとめしべは……」
「……いくら何でも、子どもの作り方くらいは、し、知って、ます……!」

 それはよかった。別に内藤先生と子作りするわけではないが、そこまで無知だったらどうしようかと一瞬本気で思ってしまった。
 俺は、機械的に動かしているのであろう先生の手にまた自分の手を添えて動かした。途端「っぁ……」と声を漏らしてくる。

「……にしても、だったらなぜ、俺が触ると感じるんです」
「……っ」

 俺が聞くと、内藤先生は本気で驚いたような、でも怪訝な顔をした。どうやら自分でもわからないようだ。

「まあ、いいです。あ、そうだ先生。お勉強に夢中になっていて聞くのを忘れてました」
「お……勉強……?」
「ふふ。ねえ先生。『カンノ』って、誰です」

 俺が手を動かしながら聞くと、内藤先生はビクビクまた体を震わせながらも首を傾げてきた。

「……? さっき、いらっしゃった、管理人さん、です、が……、っん」
「へえ? だったら先生は酔っぱらって朦朧としながらも管理人さんの名前を呼ぶくらい、先ほどの人と親しいというわけですか」

 俺は少々ピクリと頬をひきつらせながら、つい内藤先生の尿道口に指をグリッと突き立ててしまった。

「っぁ、はぁ……っああ」

 途端、思わず内藤先生はビクンと体を震わせながら精液をあっけなく撒き散らかしてきた。そして息を荒げている。
 簡単にイかせるつもりはなかったので内心舌打ちをしつつ、俺はドロドロになった内藤先生のペニスをそのまま先生の手ごと擦りつづけた。

「っぁ、や……、やめ……っ、イった、から、もっ……」

 内藤先生が辛そうに囁く。イったばかりは確かに辛いだろうと思いつつ、俺は構わず扱く。出したばかりのペニスが、また硬くなってきたようだ。

「何度でもイけばいいじゃないですか。で? どうなんです。それほど親しいんですか」
「っや、や……、も、っひ、ぁ……っ、やめて、くださ……っ」
「先生がちゃんとおっしゃれば、やめてあげますよ……?」
「っひ、ん……っ、ぼ、僕はそ、そんなに親しく、は……っ」
「だったらなぜ。先生、うわ言おっしゃってましたが? カンノくん、と」

 俺は相変わらず背後からもう片方の手で乳首をいたぶりつつ、ぐちゅぐちゅ音をたてながら内藤先生の手の中にあるペニスを扱き続けた。内藤先生はポロポロ涙を流しながら頬を赤らめ、こんな状況なのに相変わらず俺を煽ってくる。

「ぁ、んっ、や……っ」
「や、じゃないですよね? ほら、言って……?」
「ぁ、あ、あ……っ、か、んの……くん……、っあ、そ、うだ。神野く、んは僕の、っぁひ、……っ小学校、の時の、んっ、同級、生、で……す」

 同級生。だったら明らかに年齢が違いそうな先ほどの男は違う。なら、なぜ管理人はあんな表情をしてくるのか。単に名字が同じだけの隣人なのか。にしては態度が気にくわない。内藤先生が好きなのだろうか。
 とりあえずその同級生とやらについて聞こうと思ったが、今はこれ以上ちゃんと聞くことはできなさそうだと思い、俺は一旦は聞くのをやめた。

「とりあえずやめてあげてもいいですが……、先生そこ、またヤラシくさせてますよ? このままでいいんですか?」

 俺が一旦手を止めて聞くと、内藤先生はまた明らかに驚いているようであった。

「ほら、もう一度、イきましょう……。今度は先生の手でゆっくりされたら、辛くないでしょう?」

 このまま潮吹きしてくれてもいいが。

「でも、でも僕は……」
「大丈夫です。俺があなたを見ててあげます。俺に見られながらそこを擦って……。そう、いいですね……。そんなにヤラシイ音を立てて、本当にあなたは」
「……っぁ……」
「そう、そうですよ……、もっと動かして……? 俺があなたのそんなイヤらしい姿、ちゃんと見てますから。いいですね、もっと、そう……」
「っぁっ、あっ、あっ、ああああっ」

 今度こそ、内藤先生は自分の手でビクビクと射精した。
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