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14.試す鼠
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僕は本気でどうしていいかわからなかった。他の先生方に聞いてしまった以上、お礼を言いに行くべきだろうと恐る恐る保健室へ向かったのが間違いだったか。もっと人が沢山いるところでお礼を言うべきだったのかもしれない。
あの後五月先生はこともあろうにこちらの乱れた服を整える手伝いさえしてきた。もちろん「あなたが乱したくせに」などと言える訳もなく。
そしてあんなことしてきたというのにニッコリ僕を見てきた上に、まるで子どもにするかのように脇に手をさしやって僕をベッドから降ろし立てるよう手伝ってきた。
僕はといえばずっと放心状態だったのだけど、情けないことにふらついてしまい、五月先生が「おっと」と僕を抱きとめてきたせいでようやく我に返った。
「っと、とりあえず、お、お礼はっ、い、言いました、の、で……っ」
何とかそれだけ言うと、僕はどうしようもなく情けなさと恥ずかしさと恐ろしさで熱くなった顔を伏せ、逃げるようにその場から立ち去ることしかできなかった。その後、授業をするのにもかなりの労力が必要だった。ただでさえ僕は毎回、授業の度にドキドキする心臓を何とか押さえつつ、気合いを入れているというのに。
しかも次の授業が六組だった。
僕の……いや、こんなこと思ってはいけないのはわかっているけれども……苦手な生徒がいるクラス。
とてつもない気合いを入れて授業をこなしたけれども、たまに目が合うとその生徒はすごく綺麗な笑顔で僕に微笑んできた。その笑顔が、やはり怖い。
僕が五月先生に変なことされ、しかも僕はだ、出し、出しちゃった、の、すら見透かされているようで……。
いや、水橋くんはとても優秀で周りからの信望もあるいい生徒じゃないか。なのに僕は何てことを。しかも一年生の時は担任だったというのに。
そう思いながらも、ますます落ち着かなくなった気持ちを必死に堪え、僕は授業を終えた。
職員室では「ちゃんとお礼、言えたっすか?」などと数名から聞かれ、熱くなりそうな顔をごまかしつつどうにかやり過ごしていた。
どうしていいか何て考える余地など、結局ないということだけはわかった。
今日ほど色んな意味で混乱し疲れた日はないのではないだろうかと思いつつようやく終わり、スーパーへ寄った後でアパートに帰ると、階段前で管理人さ……神野さんに出会った。
「お帰りなさい、内藤さん。……あれ? 具合でも悪いの?」
「た、ただいま……ぇ? い、いえ! そんなことは、ないです……」
「そう? でもなんか顔色が青い……って思ったら赤いね、あはは。いやでもほんと、疲れてそうに見えるし」
「あ、あの、本当に大丈夫、なんで……」
「だったらいいけど。具合悪いなら無理しないでね。あと、いつでも俺頼ってくれていいからね」
「ありがとう、ございます……」
僕は頭を下げると少々緊張しながら階段を昇った。何となく後ろ姿を見られている気、すらする。五月先生とのことがあまりのこと過ぎて、今なお過敏に、そして自意識過剰になっているのかもしれない。
というか、管理……神野さんにすらバレるほど、僕は挙動不審か何かになっているのだろうか。少し恥ずかしいな。
でも本当にいい人だなとしみじみ思った。五月先生とは大違いだ。
……ううん、五月先生も多分いい人なのかもしれないけど。
基本穏やかそうだしいつもニコニコしている。
それにおとついは酔っぱらったらしい僕の面倒を……。いやいやいやでも!
いつもニコニコしているあの笑顔が僕は怖いし、おとついだって面倒見過ぎじゃないだろうか。酔っぱらいの面倒を見てくれるのは凄くいい人っぽい。けれども。
でも、あ、あ、アレのめ、面倒まで見る必要なんて、な、ないよね……?
僕は部屋で一人、また顔を熱くしながら唇を噛みしめ、俯いていた。
その後ようやく気を取り直し、晩御飯を作る。みょうがを取り出し、帰りに寄ったスーパーでタコを買ったので、今日は簡単にタコと香味野菜でどんぶりにする。ボウルにご飯と酢を入れ混ぜてすし飯を作ってから、削ぎ切りにしたタコやらみょうがやらカイワレ大根やらをすし飯の上に乗せるべく、準備しておく。
料理は嫌いではなかった。お腹を満たしてくれるものを作るのは嫌いじゃない。それに何となく気持ちが落ち着いてくる。
ある程度作り終えて使った道具を洗い終えると、僕は先に風呂へ入った。心穏やかに髪を洗い、そして体を洗っているとふと、頭に五月先生が過った。僕の体を泡だらけにしながら手を色んなところに這わせてくる先生だ。
「……っ?」
今の記憶は……何。
そういえば昨日の朝もそんな感じが頭をよぎったのを思い出す。せっかく穏やかになっていた心をまた乱しながら、僕はドキドキしつつ頭を捻る。そして今日保健室で変なことしながら五月先生が言っていた内容を思い出した。
「おとついは楽しんでおられたじゃないですか。俺に触れられ、体をのけぞらせて」
「お疲れ様、内藤先生。どうです? おとついのこと、思い出した?」
……いったい、僕は送られた後何されたの。
体がブルリと震えた。だが、それは恐怖だけという訳でもなく。
そっと、泡にまみれた自分のモノに手を這わせてみる。それは体が震えドキドキとした後も大人しいものだった。指をキュ、と曲げて動かしてみる。
不本意だけれども、今日五月先生に握られた時は気持ちよかった。心の底から、不本意だけれども。
僕だって男だ。あんなことされてはっきり言って先生には怒っているし(怖くて言えないけれども)、やめて欲しいと思っているが、気持ちよかったのは否めない。
「ん……」
何ともないわけではない。だが僕のソレは相変わらず元気ないままだ。一応自分でして達する時もある。だけれども本当にそれは滅多にないし、実際僕は今日既に出している。
だからだろうかな。
でもあろうことか今日されたことが頭に過った時は少しソレは頭をもたげていた。納得いかない。
とはいえ、結局大きくなることもないようなので、僕は触れるのをやめた。シャワーで体を流してからとりあえずゆっくり湯に浸かった。
お風呂を出てからようやく準備しておいたすし飯に材料とわさびを乗せ、醤油を少し回しいれた。それをゆっくり堪能する。美味しいし、寛ぐ。
食後は洗い物をしてから暖かいお茶を淹れた。他の人ならお風呂上がりとか食前とかにビール飲んだりするんだろうなとお茶を飲みながら思う。
そしてまたおとついのことを思い出してしまった。
お酒、本当に怖いな……。
そして五月先生が怖い。何を考えておられるのだろう。
ああでもそういえば、前に男子生徒と保健室でいかがわしいことしようとしていた。いつだったか、堂本先生も「あいつは男も女もイけるろくでなし」などと冗談めいた言い方だったがしていた。
誰でも……。
でも僕はありえない。五月先生が実際モテているのは知っている。女性教師の間でも人気があるようだし。そんな人が僕に関心を寄せるとは思えない。
本当に何を考えておられるんだろう。
今度は今日の出来事が頭をよぎった。自分の顔が熱くなる。本気で恥ずかしいし情けないし、そして怖い。
にしても僕があんな簡単に射精してしまうものなのか……?
先ほど結局大きくもならなかったことを思い出しぼんやりとしたまま固まった。
……まさか、五月先生にしてもらわないとイけないとか、そんな羽目にならない、よ……ね?
そんなの怖すぎる。元々あまり興味がないとは言え、それは酷過ぎる。まるで獰猛な猫に餌を貰わないと食べられない鼠にでもなった気分だ。
ないよね。また後日、試してみよう。
僕はつい勢いよくお茶を流し込んでしまった。
「っあっつ!」
あの後五月先生はこともあろうにこちらの乱れた服を整える手伝いさえしてきた。もちろん「あなたが乱したくせに」などと言える訳もなく。
そしてあんなことしてきたというのにニッコリ僕を見てきた上に、まるで子どもにするかのように脇に手をさしやって僕をベッドから降ろし立てるよう手伝ってきた。
僕はといえばずっと放心状態だったのだけど、情けないことにふらついてしまい、五月先生が「おっと」と僕を抱きとめてきたせいでようやく我に返った。
「っと、とりあえず、お、お礼はっ、い、言いました、の、で……っ」
何とかそれだけ言うと、僕はどうしようもなく情けなさと恥ずかしさと恐ろしさで熱くなった顔を伏せ、逃げるようにその場から立ち去ることしかできなかった。その後、授業をするのにもかなりの労力が必要だった。ただでさえ僕は毎回、授業の度にドキドキする心臓を何とか押さえつつ、気合いを入れているというのに。
しかも次の授業が六組だった。
僕の……いや、こんなこと思ってはいけないのはわかっているけれども……苦手な生徒がいるクラス。
とてつもない気合いを入れて授業をこなしたけれども、たまに目が合うとその生徒はすごく綺麗な笑顔で僕に微笑んできた。その笑顔が、やはり怖い。
僕が五月先生に変なことされ、しかも僕はだ、出し、出しちゃった、の、すら見透かされているようで……。
いや、水橋くんはとても優秀で周りからの信望もあるいい生徒じゃないか。なのに僕は何てことを。しかも一年生の時は担任だったというのに。
そう思いながらも、ますます落ち着かなくなった気持ちを必死に堪え、僕は授業を終えた。
職員室では「ちゃんとお礼、言えたっすか?」などと数名から聞かれ、熱くなりそうな顔をごまかしつつどうにかやり過ごしていた。
どうしていいか何て考える余地など、結局ないということだけはわかった。
今日ほど色んな意味で混乱し疲れた日はないのではないだろうかと思いつつようやく終わり、スーパーへ寄った後でアパートに帰ると、階段前で管理人さ……神野さんに出会った。
「お帰りなさい、内藤さん。……あれ? 具合でも悪いの?」
「た、ただいま……ぇ? い、いえ! そんなことは、ないです……」
「そう? でもなんか顔色が青い……って思ったら赤いね、あはは。いやでもほんと、疲れてそうに見えるし」
「あ、あの、本当に大丈夫、なんで……」
「だったらいいけど。具合悪いなら無理しないでね。あと、いつでも俺頼ってくれていいからね」
「ありがとう、ございます……」
僕は頭を下げると少々緊張しながら階段を昇った。何となく後ろ姿を見られている気、すらする。五月先生とのことがあまりのこと過ぎて、今なお過敏に、そして自意識過剰になっているのかもしれない。
というか、管理……神野さんにすらバレるほど、僕は挙動不審か何かになっているのだろうか。少し恥ずかしいな。
でも本当にいい人だなとしみじみ思った。五月先生とは大違いだ。
……ううん、五月先生も多分いい人なのかもしれないけど。
基本穏やかそうだしいつもニコニコしている。
それにおとついは酔っぱらったらしい僕の面倒を……。いやいやいやでも!
いつもニコニコしているあの笑顔が僕は怖いし、おとついだって面倒見過ぎじゃないだろうか。酔っぱらいの面倒を見てくれるのは凄くいい人っぽい。けれども。
でも、あ、あ、アレのめ、面倒まで見る必要なんて、な、ないよね……?
僕は部屋で一人、また顔を熱くしながら唇を噛みしめ、俯いていた。
その後ようやく気を取り直し、晩御飯を作る。みょうがを取り出し、帰りに寄ったスーパーでタコを買ったので、今日は簡単にタコと香味野菜でどんぶりにする。ボウルにご飯と酢を入れ混ぜてすし飯を作ってから、削ぎ切りにしたタコやらみょうがやらカイワレ大根やらをすし飯の上に乗せるべく、準備しておく。
料理は嫌いではなかった。お腹を満たしてくれるものを作るのは嫌いじゃない。それに何となく気持ちが落ち着いてくる。
ある程度作り終えて使った道具を洗い終えると、僕は先に風呂へ入った。心穏やかに髪を洗い、そして体を洗っているとふと、頭に五月先生が過った。僕の体を泡だらけにしながら手を色んなところに這わせてくる先生だ。
「……っ?」
今の記憶は……何。
そういえば昨日の朝もそんな感じが頭をよぎったのを思い出す。せっかく穏やかになっていた心をまた乱しながら、僕はドキドキしつつ頭を捻る。そして今日保健室で変なことしながら五月先生が言っていた内容を思い出した。
「おとついは楽しんでおられたじゃないですか。俺に触れられ、体をのけぞらせて」
「お疲れ様、内藤先生。どうです? おとついのこと、思い出した?」
……いったい、僕は送られた後何されたの。
体がブルリと震えた。だが、それは恐怖だけという訳でもなく。
そっと、泡にまみれた自分のモノに手を這わせてみる。それは体が震えドキドキとした後も大人しいものだった。指をキュ、と曲げて動かしてみる。
不本意だけれども、今日五月先生に握られた時は気持ちよかった。心の底から、不本意だけれども。
僕だって男だ。あんなことされてはっきり言って先生には怒っているし(怖くて言えないけれども)、やめて欲しいと思っているが、気持ちよかったのは否めない。
「ん……」
何ともないわけではない。だが僕のソレは相変わらず元気ないままだ。一応自分でして達する時もある。だけれども本当にそれは滅多にないし、実際僕は今日既に出している。
だからだろうかな。
でもあろうことか今日されたことが頭に過った時は少しソレは頭をもたげていた。納得いかない。
とはいえ、結局大きくなることもないようなので、僕は触れるのをやめた。シャワーで体を流してからとりあえずゆっくり湯に浸かった。
お風呂を出てからようやく準備しておいたすし飯に材料とわさびを乗せ、醤油を少し回しいれた。それをゆっくり堪能する。美味しいし、寛ぐ。
食後は洗い物をしてから暖かいお茶を淹れた。他の人ならお風呂上がりとか食前とかにビール飲んだりするんだろうなとお茶を飲みながら思う。
そしてまたおとついのことを思い出してしまった。
お酒、本当に怖いな……。
そして五月先生が怖い。何を考えておられるのだろう。
ああでもそういえば、前に男子生徒と保健室でいかがわしいことしようとしていた。いつだったか、堂本先生も「あいつは男も女もイけるろくでなし」などと冗談めいた言い方だったがしていた。
誰でも……。
でも僕はありえない。五月先生が実際モテているのは知っている。女性教師の間でも人気があるようだし。そんな人が僕に関心を寄せるとは思えない。
本当に何を考えておられるんだろう。
今度は今日の出来事が頭をよぎった。自分の顔が熱くなる。本気で恥ずかしいし情けないし、そして怖い。
にしても僕があんな簡単に射精してしまうものなのか……?
先ほど結局大きくもならなかったことを思い出しぼんやりとしたまま固まった。
……まさか、五月先生にしてもらわないとイけないとか、そんな羽目にならない、よ……ね?
そんなの怖すぎる。元々あまり興味がないとは言え、それは酷過ぎる。まるで獰猛な猫に餌を貰わないと食べられない鼠にでもなった気分だ。
ないよね。また後日、試してみよう。
僕はつい勢いよくお茶を流し込んでしまった。
「っあっつ!」
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