猫と鼠

Guidepost

文字の大きさ
上 下
11 / 45

11.かわいがる猫 ※

しおりを挟む
 目の前の小動物はたった一杯のビールを飲みきらない内に、とんでもなく酔っている様子だ。いつもなら怯えて目もまともに合わせてこない俺に対しての警戒も全くない。
 今後何があっても、俺だけの前以外では酒を飲ませないようにしようと心底思った。

 誰にでも簡単にヤられてしまうだろうが、これでは。

 いままでよく無事、童貞でいられたものだ。いや、この場合俺的には処女でいられたものだ、か?
 そんな事を思いながら内藤先生の頬を掌でそっと触れてみる。すると「……神野、く……ん……」などと呟いてきた。

 誰だ、それ。

 まさかこの人の口から他人の名前、しかも男だと思われるような名前を聞かされるとは。

「……こんな時に他の人の名前ですか。いい根性だ」

 俺がニヤリと笑いかけながら言うと、内藤先生はぼんやりとこちらを見てきただけだった。この様子だと、明日になれば今のことを覚えているかどうかも定かじゃない。あわよくば最後まで頂こうかと思っていたが、それはやめておくことにした。

 だけどな、先生?

 俺はニヤリとまた笑って顔を近づけ、キスした。

「……っんぅ」

 最後までしないのは、その時とその後のあなたの反応が楽しめないからやめるのであって、あなたをかわいがらないという意味では、ない。
 そのまま舌を差し入れて内藤先生の口内を蹂躙しつつ、俺は抵抗しない相手の服を脱がせていった。
 ちゃんと送り届けたお礼は、あなたをいたぶり、かわいがることで返してもらおう。内藤先生の、ぼんやりとしながらも赤い顔が俺を煽ってくるし、な。
 俺は十分キスを堪能すると、そのまま唇を内藤先生の首筋から鎖骨へと滑らせていく。

「ぁ……」

 スッと肌に滑らせた指に、先生の体はビクリと揺れた。

「内藤先生。この間は質問に答えてくれてませんでしたが。ご自分で、なさるでしょう?」

 俺は小さな乳首に唇を這わせると、そこにキスした後に聞いた。

「っぁ……? じ、ぶん、で……ぇ?」
「ええ」

 あまりよくわかっていなさそうな先生にニッコリ頷くと、俺はさらにその乳首を咥え、含んだまま舌で刺激させながら軽く吸う。

「ひ、ぅっ?」

 内藤先生はわけわからないといった様子のまま、また体をビクリと震わせた。味わったことない感覚とアルコールのせいで肌が敏感になっているのかもしれない。それとも、開発せずとも乳首が弱いとかなら俺としては楽しい。

「ほら、言ってくれないと、俺にどんどん変なこと、されますよ?」
「ぇ……? へん、な……こと、や、っぁ」

 俺に乳首をいたぶられながら、這わせた指に合わせて体を震わせる内藤先生が楽しい。

「じ、ぶんで、するけ、ど、たまぁに、れす……。らって、気持ちよく、な、いんれ、す……」
「へぇ?」

 俺はそのまま内藤先生のズボンと下着も脱がせた。多分、一般的なものよりも少々小ぶりであろうソレがいかにも内藤先生らしくてかわいらしい。

 いや、背は別に小さくないんだが、な。

「気持ちよくない? それはよくないな。俺が教えてあげますよ。どうすれば、気持ちがいいのか」
 そう言ってまた内藤先生にキスしながら右手を下へ伸ばした。ペニスを握ると、そのままゆっくり上下に擦る。
「っひ、ぁ?」

 多分ただペニスを持ち、機械的に動かしていただけなのだろうな。俺はいつもの内藤先生を思い苦笑した。
 自慰で気持ちよくないなどと。不感症でないのは今、この内藤先生を見たら十分わかる。
 ゆるゆる擦った後に根元から亀頭へ滑らせ、割れ目を指で擦る。また亀頭から根元に向かって上下させる。強く握ったりゆるめたりを繰り返すとそれだけで小さなペニスは持ち主本人と違って激しく主張しだした。

「こんなに濡らしてるのに、気持ちよくないんですか?」
「っん、ぁ……、な、何、を……」

 未だに状況わかっていないのか……?

 わかっていないまま、それでも感じている様子が表情にもありありと出ている。本当にこの人、今まで誰ともしたことないのだろうなと俺は苦笑した。

 ……こんな美味しい反応を見せてくれるとは嬉しい誤算だが。

 目に涙を溜めつつ赤くなり、逸らせた顔を自分の挙げた腕へ向け、唇を押し当て何とか声を押さえてる様子が堪らない。

「っふ、ぁ、っぅん、ぅ……」

 酔っているからなのか、シラフでもこうなのか、今度はそこを是非試してみたいものだ。

「……ほら。手だけでも十分、イけるじゃないですか……」

 カリや鈴口をいたぶりながらペニスを擦り続けていると、内藤先生はギュッと目を閉じて達した。乱れはだけた服に、玄関だけついている灯りのせいで仄暗い部屋に浮かび上がる肌。
 もっと乱れさせたいところだが、今日はこれくらいにしといてあげよう。それでなくても酔った状態ですら今の状況に唖然とし、どうすればいいのかわからない様子のようだ。
 荒くなった息を静めようとしている内藤先生に、俺はまたニッコリ笑いかけるとキスした。

「かわいかったですよ、先生。とりあえずあなたので濡れた俺の手、洗って来ますね」

 俺は濡れた指を、内藤先生がぼんやりと見ている前でペロリと舐めてから立ちあがった。手をキッチンのシンクで洗い、戻ると先生はまだ乱れた姿のままぼんやりしていた。俺を誘っているのかと思ってしまいそうだ。

「まあ、これ以上はしませんが……。でも一向に覚めなさそうな酔いが心配なのでね。泥酔まではいってないようですが、その状態で風呂に入られるかもしれないと思うと気になります」

 俺は先生の体を起こした。

「……?」
「ちゃんと俺が、先生を洗ってあげますよ」

 普通に洗うだけだ。普通に。くまなく。
 だが俺の欲望がつい笑顔に出ていたのか、酔っているにも関わらずとうとう内藤先生が「……っひ?」といつものように怯えた声をあげていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ハルとアキ

花町 シュガー
BL
『嗚呼、秘密よ。どうかもう少しだけ一緒に居させて……』 双子の兄、ハルの婚約者がどんな奴かを探るため、ハルのふりをして学園に入学するアキ。 しかし、その婚約者はとんでもない奴だった!? 「あんたにならハルをまかせてもいいかなって、そう思えたんだ。 だから、さよならが来るその時までは……偽りでいい。 〝俺〟を愛してーー どうか気づいて。お願い、気づかないで」 ---------------------------------------- 【目次】 ・本編(アキ編)〈俺様 × 訳あり〉 ・各キャラクターの今後について ・中編(イロハ編)〈包容力 × 元気〉 ・リクエスト編 ・番外編 ・中編(ハル編)〈ヤンデレ × ツンデレ〉 ・番外編 ---------------------------------------- *表紙絵:たまみたま様(@l0x0lm69) * ※ 笑いあり友情あり甘々ありの、切なめです。 ※心理描写を大切に書いてます。 ※イラスト・コメントお気軽にどうぞ♪

初恋はおしまい

佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。 高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。 ※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。 今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。

ヤンデレだらけの短編集

BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。 全8話。1日1話更新(20時)。 □ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡 □ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生 □アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫 □ラベンダー:希死念慮不良とおバカ □デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。 かなり昔に書いたもので芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただければ嬉しいです!

思い出して欲しい二人

春色悠
BL
 喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。  そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。  一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。  そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。

エリート上司に完全に落とされるまで

琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。 彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。 そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。 社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

処理中です...