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一時の平和な日常

えっ?これはデートなのか?

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お腹を満たした三人は、次に行く場所を話し合った。

アーシュリーは、

「冒険者ギルドへ行こう」

と言い、シンもサラも特に代案も無い為、アーシュリーの話に乗る事にした。

冒険者ギルドに到着した三人は、中へと入りマスガンに会いたいとアーシュリーが言う為、受け付けに取り継いで貰う様に頼んだ。

やや暫くして、マスガン自ら顔を出しに来た。

「で、陛下自ら御用件とは?」

マスガンは控え目の声で、シンに話す。

「ん、アーシュリーが話があるみたいで立ち寄ったんだ。」

チラリとシンはアーシュリーを見る。

アーシュリーは視線に気が付き、マスガンの元へやって来た。

「兎に角暇だ。何か討伐系のミッションは無いのか?」

アーシュリーはマスガンに尋ねる。

「討伐系ですか。……う~ん。」

マスガンは依頼の書類を丁寧に調べながら、シン達に提案する。

しかし、アーシュリーが

「つまらん」

「遊びにもならん」

等と却下する為に決定には至らないのである。

マスガンも「こりゃ無理かな」と呟いた時に、ギルド入り口から、いかつい男が入って来た。

「ヴィルドーア帝国の北部付近にドラゴンが発見されたと言う報告が入った。」

ツカツカとシン達に近付きながら、男は相も変わらず無表情で抑揚の無い喋り方で報告をする。

「アーノルドン、詳しく。」

シンが言う前にサラが促す。

「了解。目撃されたドラゴンは、ミドルサイズ。種類はレッド。知性的では無いものと判断される。我が国で派兵するにせよ、帝国からの依頼が無い為、冒険者ギルドに依頼し派遣する話を持って来た。」

マスガンも「なるほど」とうなずきながら、シン達に依頼を促してみる。

シンも立場はあるものの、冒険者として討伐に出るのも悪く無いと思っていた。

アーシュリーは、

「ミドルサイズかぁ、まぁ、退屈よりいいかぁ」

等と若干の不満はあるものの、無いよりマシみたいなノリで依頼を受ける方針。

「ところで、アーシュリー様が退屈しない討伐って?


サラは何気無く質問を投げ掛けた。

「うん?やっぱり、魔王や魔神の類い……」

その言葉を聴き、アーノルドンを除く一同は頭を抱えた。
そして内心、

「この方の物差しは異常」

と思った。

アーシュリーは、シンの手を引き、

「さぁ、シンよ。デートに行くぞ!」

と嬉々として言った。

この言葉にはアーノルドンも含め、

「えっ?これがデート?この方の感覚って…………」

と更に内心の呟きと抱える頭の回数が増えた。
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