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大乱と統一
研究所、強襲準備
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サラ達は事前の作戦通りに、工作班と強襲班に別れ開始された。
「リーチェ、そっちはどう?」
サラは強襲班として、残っている為、工作班のリーチェに通信で状況を確認する。
「こちらは次々と、爆裂玉をセットしてるッス。順調ッスよ。」
爆裂玉とは、拳ぐらいの大きさの金属玉であり、中には霊法と術法が合わさった、爆裂と火炎の能力を持つ兵器である。
この兵器は、投擲型と、設置型があり、設置仕様に関しては、時限型と動体感知反応型と遠隔手動型がある。
今回、使用しているのは、誤作動させず、確実に破壊する為、遠隔手動型である。
「このまま、ドンドン設置して行くッス。副長達は待ってるッスよ。」
リーチェからの通信が終わり、サラ達、待機している強襲班に伝令が来る。
「申し上げます。アルフォンス様、フォルクハルト様、決起に成功。現在、城を攻略中。以上!」
「ご苦労。引き続き、結果を報告してくれ。」
「ハッ!!」
オスカーが代わりに返答すると、伝令は城の方向へと戻って行った。
「……まず第一段階は成功ね。」
「左様で御座りまするな。こちらも、何としてでも成功させ、レビウスの驚異を除去せねば。」
サラの呟きに、オスカーも同感しながら、自分達の任務の成功を祈っていた。
そこに、リックから通信が入る。
「こちらリック。実験体で自我がある者、数名発見。如何致しますか?」
リックは上申し確認をしてきた。
現場の判断では無く、作戦を統括するサラに委ねたのである。
リック達もオスカー達も、この決断にてサラの力量を試している様にも見えた。
サラは迷った。
囚われている人間を見捨てるべきか。
しかし、レビウスが覚醒し、他者への驚異にも成り得る。
それでも、サラは苦渋の決断をした。
「……リック。実験体は……全て……抹殺対象よ。」
「……了解。御英断、感服致しました。早速、作業を再開致します。では。」
通信が切れる。
サラは、ふぅ、と溜め息を吐くとオスカー達に詫びの言葉を述べる。
「……貴方達の国の民の命なのに、切り捨てる様な決断をして…………本当に……申し訳ないわ。」
すると、オスカーを筆頭に、騎士団の面々が頭を下げ、サラに謝る。
「我々こそ、我が国の事なのに、決断を貴女に委ねてしまった。不甲斐なき、我々にどうか、お許しを。」
一人ひとりの表情は、サラに対して本当に申し訳ないと、言葉より雄弁に語っていた。
サラは気を取り直し、騎士団に喝を入れる。
「この決断も、この苦しみも、この胸の痛みも、未来の為よ。ここが正念場、挫けたら失敗するわ。」
その言葉に「はい!」と、小声ではあるが、力強い返事が返って来た。
「こちら、アンジュ。爆裂玉を全て配置完了。指示を待つ。」
「こちら、サラ。工作班脱出後、起爆。速やかに退去されたし。起爆後、強襲班は突入する。」
「了。では、退去します。以上。」
さて、勝負はここからだ。とサラは気持ちを奮い立たせた。
「リーチェ、そっちはどう?」
サラは強襲班として、残っている為、工作班のリーチェに通信で状況を確認する。
「こちらは次々と、爆裂玉をセットしてるッス。順調ッスよ。」
爆裂玉とは、拳ぐらいの大きさの金属玉であり、中には霊法と術法が合わさった、爆裂と火炎の能力を持つ兵器である。
この兵器は、投擲型と、設置型があり、設置仕様に関しては、時限型と動体感知反応型と遠隔手動型がある。
今回、使用しているのは、誤作動させず、確実に破壊する為、遠隔手動型である。
「このまま、ドンドン設置して行くッス。副長達は待ってるッスよ。」
リーチェからの通信が終わり、サラ達、待機している強襲班に伝令が来る。
「申し上げます。アルフォンス様、フォルクハルト様、決起に成功。現在、城を攻略中。以上!」
「ご苦労。引き続き、結果を報告してくれ。」
「ハッ!!」
オスカーが代わりに返答すると、伝令は城の方向へと戻って行った。
「……まず第一段階は成功ね。」
「左様で御座りまするな。こちらも、何としてでも成功させ、レビウスの驚異を除去せねば。」
サラの呟きに、オスカーも同感しながら、自分達の任務の成功を祈っていた。
そこに、リックから通信が入る。
「こちらリック。実験体で自我がある者、数名発見。如何致しますか?」
リックは上申し確認をしてきた。
現場の判断では無く、作戦を統括するサラに委ねたのである。
リック達もオスカー達も、この決断にてサラの力量を試している様にも見えた。
サラは迷った。
囚われている人間を見捨てるべきか。
しかし、レビウスが覚醒し、他者への驚異にも成り得る。
それでも、サラは苦渋の決断をした。
「……リック。実験体は……全て……抹殺対象よ。」
「……了解。御英断、感服致しました。早速、作業を再開致します。では。」
通信が切れる。
サラは、ふぅ、と溜め息を吐くとオスカー達に詫びの言葉を述べる。
「……貴方達の国の民の命なのに、切り捨てる様な決断をして…………本当に……申し訳ないわ。」
すると、オスカーを筆頭に、騎士団の面々が頭を下げ、サラに謝る。
「我々こそ、我が国の事なのに、決断を貴女に委ねてしまった。不甲斐なき、我々にどうか、お許しを。」
一人ひとりの表情は、サラに対して本当に申し訳ないと、言葉より雄弁に語っていた。
サラは気を取り直し、騎士団に喝を入れる。
「この決断も、この苦しみも、この胸の痛みも、未来の為よ。ここが正念場、挫けたら失敗するわ。」
その言葉に「はい!」と、小声ではあるが、力強い返事が返って来た。
「こちら、アンジュ。爆裂玉を全て配置完了。指示を待つ。」
「こちら、サラ。工作班脱出後、起爆。速やかに退去されたし。起爆後、強襲班は突入する。」
「了。では、退去します。以上。」
さて、勝負はここからだ。とサラは気持ちを奮い立たせた。
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