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ハンサーラ公国と亡国の思惑

サラside

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一方、サラ達はと言うと、かなりの距離を調査しながら進んでいた。

「……ここまでは、異常無し……ね。」

ふうっ、と息を吐きながら、サラは呟いた。

「……提案だが、シルヴェスタンが封印門近郊の町まで行った、と言う事は、公国側からいずれかの門を解放した……と判断したのでしょう。ならば、我々も封印門のある場所まで進むべきかと。時間にも限りはあります。」

アーノルドンは、変わらず無表情と抑揚の無い声で、サラに提案した。

「アーノルドンの言う通りッス。ギルドの依頼に時間が掛かり過ぎは、門番に怪しまれるッスよ。」

リーチェもアーノルドンに賛成する。

確かに、情報は正確である事に越した事は無い。

だが、時間を掛け過ぎて、内情を探っているのが、バレたら三流以下である。

ある程度の情報を集め、そこに接する事が出来れば儲け。
出来なければ、次に続きを探る。

それで良いと、サラも判断した。

「わかったわ。取り敢えず、一週間以内で進めましょう。ブラヴォーチームにも一報いれるわ。」

そう言うと、サラはロベルタに命令を通達した。

「……さて、問題はここからね。私達が向かっているのは、西側。つまり、こちら側の封印門が開いていた場合……」

「……最悪のケースだな。」

「……そーッスね。」

つまり帝国だけで無く、王国まで近い状況での開門。

亡国が、その門だけの聖壁の力を弱める事が出来れば、上位種なアンデッドだけで無く、下位種のアンデッドまで、難なく雪崩込んで来る可能性が非常に高くなる。

開門した公国はもとより、国境近郊の帝国・王国にも、亡国の軍勢が襲い掛かって来るのが想像出来る。

そうなると、公国相手だけで無く、アンデッドを含めた大混戦になるだろう。

そうなると、例え強力な帝国が味方として存在しても、同盟国たる王国が脆弱ならば、足を引っ張ってしまうのは間違いない。

ならば、開門の原因と公国の研究を一刻も早く突き止め、収束させねばならない。

気持ちが先走りするサラを見て、何かを感じたのか

「副長、焦るな。結果は必ず出る。今は任務の隠密性に集中するんだ。」

アーノルドンは、サラにそう語り掛けると、サラはハッとし、「うん」と言って、冷静さを取り戻す。

「そうね。急いで的確に。任務継続するわよ!」

『了解!』


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