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暗雲たちこめる王国と公国

グレイの正体。

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「…………ッチ。観られたか。」

確かにシンの予測は的中していた。

だが。

(グレイのDNAセンサー鑑定。)

(99%の確率で、サイクォーダー本人。)

バイザーに表示される。

サイと同一?
整形や似た者で無く?

つまり、可能性は

「…………双子か?」

「……フン、この時点で、種明かしになってしまうとは、な。観られた限り、生かしてはおかぬ。」

グレイは、斬魔糸を再び構えた。

斬っても、すぐに伸びて斬りかかる糸。

先程のブラストナックルは、ようやくして生じた隙を狙った、乾坤一擲の一撃だった。

果たして、次々も隙を見せるのか?
その保障は何処にもない。

しかし、ここで負ける訳にはいかない。

レーザーセイバーを再び構え直し対峙した、その時。

「……ほほぅ?余に似た者が確かにおる。」

完全武装のサイクォーダーが現れた。

「っ!!……貴様っ!!」

グレイは、ギリギリっと歯ぎしりをたてる。

「余に似た?……否、お前は、クォーロスト・アーシュリー・ヴェルナントか。」

「ノコノコと、姿を現したか。この糸で斬り刻んでやるっ!俺の積年の怨みと共になぁっ!!」

グレイ…………もとい、クォーロストはサイに素早く、斬魔糸で斬りかかった。

先程のメタルバトラーへの攻撃の比では無い速さ。

メタルバトラーは瞬動し、サイの前に立ち、レーザーセイバーで弾く。

「シンよ。良い。後は余が引き受けようぞ。」

「!?……しかし。」

「余を侮るなよ?シン」

サイは剣を抜き構える。

「………さぁ来い、愚兄よ。」
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