変身HERO異世界へ征く！

暗雲たちこめる王国と公国

見廻り

リーチェはメイドの仕事に一旦戻り、シンとサラは城下の見廻りをする事とした。

敵が仕掛けるならば、近い日取りか、忘れた頃を見計らい、仕掛ける可能性が高いからだ。

「サラ、頼んだ事は大丈夫？」

「言うべき事は、朝に言ったわ。あとは、どう判断するかね。」

「そうか。だが、この先にも最悪は想定出来る。」

２人は大通りに出て、例のカフェに休憩がてら寄る事にした。



「いらっしゃ……あっ！あなた様は！ようこそ、カフェブラウニーへ、いらっしゃいました。どうぞどうぞ」

店主は、にこやかにもてなしてくれた。

「あーっ！お兄ちゃんとお姫様、いらっしゃいませぇ」

まだ小さいが、あの時の女の子が迎えてくれる。

店主の名前は、ボビー。
その奥さんは、ヘレン。
娘は、シェレン。

と言うのだと、自己紹介がてら、話を交えながら、紅茶ダージリンと、アップルパイをサラと一緒に頂く。

サラは、シェレンの話し相手になって、楽しそうだった。

「さてサラ、そろそろ行こうか。ボビーさん、ご馳走様。」

「ありがとうございました。またのお越しを。」

シン達は料金を置くと、店を後にした。

「さて、と。グレイはどんな手を打ってくるのか。しかし、どんな手で来ようが、必ずサイとサラ達王室と、この国を俺は護る。必ずだ。」

すると、サラは少し驚いた様にシンを見る。

「え？私も含まれてるんですか？」

シンはサラの頭をポンポンと軽く叩きなでながら、

「当たり前だろ？」

と、優しい笑みを浮かべながら言った。

「～～～～～っ」

サラは赤面して、シンの顔をマトモには視れなかった。

「ん？熱があるのか？顔が赤いな。城へ帰るか。」

サラが風邪でない事をシンに伝えるも、万が一、との事でシン達は城に帰る事にした。