25 / 111
暗雲たちこめる王国と公国
策略の予測。
しおりを挟む
会議が終了し、主要な人間以外は席を外した。
サイはシンの方に顔を向け発言する。
「さて、シン。ここに居る者は、城の重要な事を良く知る者達であり、今、ここでシンが敢えて話さなかった事を話してもかまわないぞ?」
「陛下。申し訳ありませんが、公でも構わないと、あの時に言われましたが、この場においては、言葉を固くする事を、お許し下さい。」
シンは一礼をもってサイに断りを入れる。サイも「許す」と言って許した。
ここに残っている者は、
サイクォーダー陛下。
サラ・アーシュリー・ヴェルナント姫。
ゴンザレス宰相。
ブレイブ近衛騎士団長。
ギルバルト将軍。
ヤースキー将軍。
リーチェ・シルフェン嬢。
そして、
シン・フジクラ。
の8名。
サイの言葉に、シンは頷き、敢えて言わなかった話を始める。
「それでは陛下。他の皆様の手前、敢えて言わなかったのですが。さて、先程述べた話の中で伏せていたのは、これから起こり得る、陛下の暗殺方法です。」
「どんな方法で来るのか、判るのか?」
ギルバルト将軍は、シンに尋ね、シンは答える。
「大体、ある程度は。あくまでも、予測範囲内ですが。」
一呼吸置き、シンは更に話を続ける。
「さっき、相手の手段は限られてると言いましたが、それは『直接な方法』で来るだろうって事です。」
「直接?」
そう言ってサラは首をかしげる。シンは、頷きながら言葉を返し、更にどんな方法で来るのかを手段の可能性から列挙する。
「直接。やり方は幾つか挙げる事が出来ます。」
1、グレイが変装して侵入してくる。
2、部下や人材を雇い、暗殺者として送り込む。
3、城の関係者の家族等を人質にして、暗殺者として実行させる。
4、城下町で騒ぎを起こし、警備が手薄になった所に侵入してくる。
その上で、
1、毒物等で殺害してくる。
2、ダガー等で直接殺りにくる。
3、陽動を仕掛けた上で、別動隊で城に攻めてくる。
「……な位でしょうか。ん?皆さん、いかがなされましたか?」
一同(女性陣以外)は、ポカンとした表情で、シンを見ていた。
「……????。皆さん?何か?」
シンは質問を、もう一度投げ掛けた。
「……い、いや、シンは意外と……ゴホン!な、何でもないぞ?本当だぞ?余が言うのだから、間違いないぞ?」
サイが皆を代表して、少し引きつった顔をしながら言った。他の男性陣は、その言葉に激しく頭をブンブンと縦に大きく振った。
(男性陣の胸中の声)
『あ、危なかった……シンは脳筋と思っていたんだが、認識を改めてなければならないな……』
サイとサラが、ある時にシンの武勇伝を聴いて、サイもここにいる男達に「余が友と認めた男はな~」と、その武勇伝を語っていた為、この場の人達はシンを「単なるパワータイプな男」と、心の何処かでは思っていたのである。
「……と、言う訳で、取れる対策が見えてくるとは、思いますが、一つ質問が御座います。」
と、シンはサイに質問をする。
「許す、申せ。」
「はい。このヴェーラング城において、術に対する何かはあるのですか?」
「うむ。この城はな。聖法により護られておってな。他の術、特に魔法と術法においては、作動はしない。他の国々で居るはずの宮廷術法師が城に居ないのは、この為なのだ。」
サイの言葉にシンは得心した。
故に前国王陛下が城から、出さねばならなかった。
だが、王族全てを亡き者に出来ないと言う欠点があり、再びこの策略を用いて、上手く行けば現国王陛下を亡きものにした後、混乱に乗じて国を滅ぼし、策が失敗したら、王族もろとも、暗殺か何かで仕掛ける。
そして、まとめる王族無き混乱期に乗じて、王国を滅亡させ、土地を我が物とする算段なのだろう。
「やはり、次は直接的に仕掛けてきますね。」
シンの言葉で、周囲に緊張の空気が走る。
「面白い!ならば仕掛けさせようではないか?余の命を狙うは、決して安くは無い事を身をもって教えてやろう。」
フハハハハっ!
と豪快にサイは笑い飛ばした。
大丈夫だろうか?
この国王陛下は。
その後、それぞれの問題点を挙げ、検討、対策を練って、閉会をした。
サイはシンの方に顔を向け発言する。
「さて、シン。ここに居る者は、城の重要な事を良く知る者達であり、今、ここでシンが敢えて話さなかった事を話してもかまわないぞ?」
「陛下。申し訳ありませんが、公でも構わないと、あの時に言われましたが、この場においては、言葉を固くする事を、お許し下さい。」
シンは一礼をもってサイに断りを入れる。サイも「許す」と言って許した。
ここに残っている者は、
サイクォーダー陛下。
サラ・アーシュリー・ヴェルナント姫。
ゴンザレス宰相。
ブレイブ近衛騎士団長。
ギルバルト将軍。
ヤースキー将軍。
リーチェ・シルフェン嬢。
そして、
シン・フジクラ。
の8名。
サイの言葉に、シンは頷き、敢えて言わなかった話を始める。
「それでは陛下。他の皆様の手前、敢えて言わなかったのですが。さて、先程述べた話の中で伏せていたのは、これから起こり得る、陛下の暗殺方法です。」
「どんな方法で来るのか、判るのか?」
ギルバルト将軍は、シンに尋ね、シンは答える。
「大体、ある程度は。あくまでも、予測範囲内ですが。」
一呼吸置き、シンは更に話を続ける。
「さっき、相手の手段は限られてると言いましたが、それは『直接な方法』で来るだろうって事です。」
「直接?」
そう言ってサラは首をかしげる。シンは、頷きながら言葉を返し、更にどんな方法で来るのかを手段の可能性から列挙する。
「直接。やり方は幾つか挙げる事が出来ます。」
1、グレイが変装して侵入してくる。
2、部下や人材を雇い、暗殺者として送り込む。
3、城の関係者の家族等を人質にして、暗殺者として実行させる。
4、城下町で騒ぎを起こし、警備が手薄になった所に侵入してくる。
その上で、
1、毒物等で殺害してくる。
2、ダガー等で直接殺りにくる。
3、陽動を仕掛けた上で、別動隊で城に攻めてくる。
「……な位でしょうか。ん?皆さん、いかがなされましたか?」
一同(女性陣以外)は、ポカンとした表情で、シンを見ていた。
「……????。皆さん?何か?」
シンは質問を、もう一度投げ掛けた。
「……い、いや、シンは意外と……ゴホン!な、何でもないぞ?本当だぞ?余が言うのだから、間違いないぞ?」
サイが皆を代表して、少し引きつった顔をしながら言った。他の男性陣は、その言葉に激しく頭をブンブンと縦に大きく振った。
(男性陣の胸中の声)
『あ、危なかった……シンは脳筋と思っていたんだが、認識を改めてなければならないな……』
サイとサラが、ある時にシンの武勇伝を聴いて、サイもここにいる男達に「余が友と認めた男はな~」と、その武勇伝を語っていた為、この場の人達はシンを「単なるパワータイプな男」と、心の何処かでは思っていたのである。
「……と、言う訳で、取れる対策が見えてくるとは、思いますが、一つ質問が御座います。」
と、シンはサイに質問をする。
「許す、申せ。」
「はい。このヴェーラング城において、術に対する何かはあるのですか?」
「うむ。この城はな。聖法により護られておってな。他の術、特に魔法と術法においては、作動はしない。他の国々で居るはずの宮廷術法師が城に居ないのは、この為なのだ。」
サイの言葉にシンは得心した。
故に前国王陛下が城から、出さねばならなかった。
だが、王族全てを亡き者に出来ないと言う欠点があり、再びこの策略を用いて、上手く行けば現国王陛下を亡きものにした後、混乱に乗じて国を滅ぼし、策が失敗したら、王族もろとも、暗殺か何かで仕掛ける。
そして、まとめる王族無き混乱期に乗じて、王国を滅亡させ、土地を我が物とする算段なのだろう。
「やはり、次は直接的に仕掛けてきますね。」
シンの言葉で、周囲に緊張の空気が走る。
「面白い!ならば仕掛けさせようではないか?余の命を狙うは、決して安くは無い事を身をもって教えてやろう。」
フハハハハっ!
と豪快にサイは笑い飛ばした。
大丈夫だろうか?
この国王陛下は。
その後、それぞれの問題点を挙げ、検討、対策を練って、閉会をした。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
恋愛
公爵家の末娘として生まれた8歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。
ただ、愛されたいと願った。
そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる