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グラード王国王都ヴェーテル
HEROは救出成功し、街のHEROとなる。
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一方のメタルバトラーはと言うと、爆炎を直撃したのだが、ダメージを一つも受けていなかった。
センサーをフル稼働させ、子供が居ないか探索を開始する。
煙と炎が視界を邪魔するも、マッピング機能等を利用しながら移動をする。
「これは、急がないとな。燃え崩れる前に、人命が危うい。」
メタルバトラーはインカム越しに神を呼び出した。
「済まないが、生命探知機能は解放出来るか?」
すると、
『汝のレベルならば可能だ。バイタル確認も出来るぞ。』
と独特な音声で返答があった。
「解放する。頼む。」
『了承した。解放する。』
するとバイザーモニターに小さな子供の人の形が赤い縁取りで表れた。
その場所へと、炎の中を突き進み向かう。
「…………!?、見つけた!」
急ぎ女の子の倒れている場所へ行き、抱き起こす。
「バイタル確認……」
モニターの計器では(生命反応あり)と表示される。
しかし女の子はグッタリしている。
熱による脱水と、煙を多少でも吸い込んだせいかも知れない。
気道熱傷の恐れもあったが、モニターの表示では、(異常無し)と表示された。
しかし、急いで脱出せねば、助けた命も助からない。
メタルバトラーは女の子を抱き抱えて、炎に包まれる壁を一瞥すると、少し下がって軽く助走し、それに向かって突進しながら技を繰り出した。
「グラビティーキーーック!!!」
必殺の蹴りよりは威力は劣るが、これで充分な状況だ。
軽い飛び蹴りに、重力波を蹴り足に纏わせ、壁を粉砕し外へ飛び出す。
その瞬間、建物は一気に炎に呑み込まれながら崩落した。
(数分前の外側)
「……あぁ、娘は、娘は……。」
今にも崩れそうな建物と猛火を眺めながら、店主の妻は独り言の様に呟く。
サラも不安を感じながらも、夫婦を激励する。
「親である、あなた達が娘の無事を信じなくてどうするんですか!………信なら、メタルバトラーなら、必ず…必ず助けてくれます!」
「ひ……姫様ぁ………」
「絶望的かも知れません。しかし今は彼が助けてくれるのを信じるのです!」
そこに2人のメイドがやって来た。
「姫様!協会の司祭様をお連れしましたザマス。怪我をされた方は居ないザマス?」
「サーマメイド長とリーチェ。ご苦労様。どうして此処に?と言うのは、この際どうでも良い話ですね。怪我人は今は居ませんが、これから出るかも知れません。それと、ヒュース司祭様、お忙しい所申し訳ありません。」
年配の司祭であるヒュースに対し、深々と頭を下げ一礼をする。
ヒュース司祭も火事を目の当たりにし驚いたが、気を取り直し
「姫様、怪我人が出るやもと申したが、それは。」
「子供が中に取り残されているのです。その子が無事なら良いのですが…今は凄い方が救出に中に入っております。」
「な、なんと。この中に…しかも、この炎の勢いでは……」
普通ならば生還出来ない。
そう。
普通ならば。
そこに凄まじい破壊音を轟き、2階の壁が崩れて何かが飛び出して来た。
その瞬間、建物は一気に崩れ落ちた。
………スタッ。
見事に着地をし、サラ達の方に振り替えるメタルバトラー。
そして、その胸の中に抱えられた女の子の姿を皆は注目する。
「…………女の子は無事だ。生命状態も大事ない。多分、熱にやられて倒れたんだろう。床は新鮮な空気が残りやすい。煙もあまり吸ってはいない筈だ。だが、一応は大事を取った方がいいだろう」
メタルバトラーは、そう言いながら夫婦の元へと歩み寄り、娘をそっと返した。
ヒュース司祭も大事無いか確認をし、念には念を入れよと、治療の聖法をかける。
ヒュース司祭は娘が無事なのを確認すると、その事を夫婦とサラに伝えた。
その場にいた人々は、娘の無事と言う宣言を聞くと、喝采の声を上げた。
「あの炎の中を?凄い!アンタはHEROだよ!なぁ!」
わーーっ
歓声に背中をくるりと向け、メタルバトラーはサラと何故かこの場に居るメイド2人に対し、か細い声で告げる。
「俺、こう言うのは慣れてないんだ。…帰ろうぜ?」
等と言いつつも去り際には、後ろ向きの左手で、ヒラヒラと群衆にサヨナラをアピールした。
サラとメイドは、そんか彼の姿を一瞬、呆気にとらわれたが、3人が顔合わせると、クスクスと笑った。
「私達も、お城に帰りましょうか。では司祭様、私達はこれで。そして、」
店主夫婦に革袋を渡し、本日の食事代と宿泊費を持たせながら、新しく住む場所は明日のお城で詳しく話すと言って、サラ達も去った。
その日は、姫様が連れた謎の青年の話題と称える話が尽きる事が無かったという。
センサーをフル稼働させ、子供が居ないか探索を開始する。
煙と炎が視界を邪魔するも、マッピング機能等を利用しながら移動をする。
「これは、急がないとな。燃え崩れる前に、人命が危うい。」
メタルバトラーはインカム越しに神を呼び出した。
「済まないが、生命探知機能は解放出来るか?」
すると、
『汝のレベルならば可能だ。バイタル確認も出来るぞ。』
と独特な音声で返答があった。
「解放する。頼む。」
『了承した。解放する。』
するとバイザーモニターに小さな子供の人の形が赤い縁取りで表れた。
その場所へと、炎の中を突き進み向かう。
「…………!?、見つけた!」
急ぎ女の子の倒れている場所へ行き、抱き起こす。
「バイタル確認……」
モニターの計器では(生命反応あり)と表示される。
しかし女の子はグッタリしている。
熱による脱水と、煙を多少でも吸い込んだせいかも知れない。
気道熱傷の恐れもあったが、モニターの表示では、(異常無し)と表示された。
しかし、急いで脱出せねば、助けた命も助からない。
メタルバトラーは女の子を抱き抱えて、炎に包まれる壁を一瞥すると、少し下がって軽く助走し、それに向かって突進しながら技を繰り出した。
「グラビティーキーーック!!!」
必殺の蹴りよりは威力は劣るが、これで充分な状況だ。
軽い飛び蹴りに、重力波を蹴り足に纏わせ、壁を粉砕し外へ飛び出す。
その瞬間、建物は一気に炎に呑み込まれながら崩落した。
(数分前の外側)
「……あぁ、娘は、娘は……。」
今にも崩れそうな建物と猛火を眺めながら、店主の妻は独り言の様に呟く。
サラも不安を感じながらも、夫婦を激励する。
「親である、あなた達が娘の無事を信じなくてどうするんですか!………信なら、メタルバトラーなら、必ず…必ず助けてくれます!」
「ひ……姫様ぁ………」
「絶望的かも知れません。しかし今は彼が助けてくれるのを信じるのです!」
そこに2人のメイドがやって来た。
「姫様!協会の司祭様をお連れしましたザマス。怪我をされた方は居ないザマス?」
「サーマメイド長とリーチェ。ご苦労様。どうして此処に?と言うのは、この際どうでも良い話ですね。怪我人は今は居ませんが、これから出るかも知れません。それと、ヒュース司祭様、お忙しい所申し訳ありません。」
年配の司祭であるヒュースに対し、深々と頭を下げ一礼をする。
ヒュース司祭も火事を目の当たりにし驚いたが、気を取り直し
「姫様、怪我人が出るやもと申したが、それは。」
「子供が中に取り残されているのです。その子が無事なら良いのですが…今は凄い方が救出に中に入っております。」
「な、なんと。この中に…しかも、この炎の勢いでは……」
普通ならば生還出来ない。
そう。
普通ならば。
そこに凄まじい破壊音を轟き、2階の壁が崩れて何かが飛び出して来た。
その瞬間、建物は一気に崩れ落ちた。
………スタッ。
見事に着地をし、サラ達の方に振り替えるメタルバトラー。
そして、その胸の中に抱えられた女の子の姿を皆は注目する。
「…………女の子は無事だ。生命状態も大事ない。多分、熱にやられて倒れたんだろう。床は新鮮な空気が残りやすい。煙もあまり吸ってはいない筈だ。だが、一応は大事を取った方がいいだろう」
メタルバトラーは、そう言いながら夫婦の元へと歩み寄り、娘をそっと返した。
ヒュース司祭も大事無いか確認をし、念には念を入れよと、治療の聖法をかける。
ヒュース司祭は娘が無事なのを確認すると、その事を夫婦とサラに伝えた。
その場にいた人々は、娘の無事と言う宣言を聞くと、喝采の声を上げた。
「あの炎の中を?凄い!アンタはHEROだよ!なぁ!」
わーーっ
歓声に背中をくるりと向け、メタルバトラーはサラと何故かこの場に居るメイド2人に対し、か細い声で告げる。
「俺、こう言うのは慣れてないんだ。…帰ろうぜ?」
等と言いつつも去り際には、後ろ向きの左手で、ヒラヒラと群衆にサヨナラをアピールした。
サラとメイドは、そんか彼の姿を一瞬、呆気にとらわれたが、3人が顔合わせると、クスクスと笑った。
「私達も、お城に帰りましょうか。では司祭様、私達はこれで。そして、」
店主夫婦に革袋を渡し、本日の食事代と宿泊費を持たせながら、新しく住む場所は明日のお城で詳しく話すと言って、サラ達も去った。
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