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4.目の前で
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翌朝、食堂の扉を開けると、2年の内村先輩の軽快な声が飛び込んできた。
「おい藤原!遅いぞ、パンなくなるって!」
彼が片手にトレーを持ちながら、大げさに振り返る。明るいその姿に、俺は思わず笑みを浮かべた。
「そんな急がなくても大丈夫ですよ、先輩。」
俺が軽く返すと、「いやいや、朝飯をナメると午後の練習で地獄を見るぞ!」と笑い声を上げる。
内村先輩の隣には浅井先輩が座っていた。だが、その姿にはどこか違和感があった。目の下の薄いクマ、椅子に腰掛けるたびに微妙に歪む表情――そして額には薄く汗が滲んでいる。
「浅井先輩、大丈夫ですか?」
俺が尋ねると、浅井先輩は少し驚いたように目を開き、それから柔らかな笑顔を作った。
「ああ、大丈夫だよ。ただ……寝違えただけみたいでね。」
その答えに俺は頷いたが、ぎこちなさが漂うその様子が頭から離れなかった。
「寝違えたっていうか、夜更かししてたんじゃねえの?」
内村先輩が軽い調子でからかう。その言葉に、胸の奥でざわつきが生まれる。
(夜更かし……?)
昨夜のことがよぎる。大塚先輩が浅井先輩の部屋の方向に消えていった光景――あの後、何が行われたのか。その考えが頭を支配し、知らないうちに唾を飲み込んでいた。
大学が終わり、いつも通りの練習が始まった。だが、浅井先輩の動きはどこかぎこちない。ボールを受けるたびにタイミングがずれ、足元でおさめきれない場面が続く。
「浅井、どうしたんだよ?」
内村先輩が軽い調子で問いかける。彼の言葉には心配も混ざっているが、どこか冗談めいた軽さがあった。
「……悪い。ちょっと体の調子が……」
浅井先輩が申し訳なさそうに返す。だが、その表情には苦痛と何か別の感情が入り混じっているように見えた。
浅井先輩がボールを追いかけるたび、腰をかばうような微妙な動きが目についた。走るたびに額に汗が滲み、息遣いが荒くなっていく。
(やっぱり……何かあるんじゃないか?)
昨日の大塚先輩の言葉――「明日、面白いものを見せてやるよ」――が頭をよぎる。それが今、この光景とどう繋がっているのか。その答えが徐々に浮かび上がる中、胸の奥が奇妙に熱を帯びていく。
「藤原、止まってるぞ!」
監督の声にハッとする。練習に集中しなければいけないのに、視線はどうしても浅井先輩を追ってしまう。
練習が終わり、夕暮れのグラウンドには柔らかな赤い光が差し込んでいた。部員たちが次々とロッカールームへと向かう中、浅井先輩は一人、ストレッチを続けていた。その様子を横目で見ながら、俺もボールを片付けに向かう。
そのときだった。大塚先輩がふと浅井先輩に近づき、軽く肩を叩いた。
「おい、浅井。今日の動き、随分鈍かったじゃないか?」
その声には、どこか含みのある響きがあった。
「……すみません、少し…………。」
浅井先輩が控えめに答えると、大塚先輩はニヤリと笑い、耳元に何かを囁いた。俺は距離があったため、その内容を聞き取ることはできなかったが、浅井先輩の顔が一瞬で赤くなるのを見逃さなかった。
「ま、無理しないことだな。でも――今日はよくやったな。」
そう言い残して、大塚先輩はグラウンドを後にする。その後ろ姿を見送りながら、浅井先輩は息を整えるように胸を上下させていた。
俺がロッカールームへ向かおうとすると、入り口の近くで待ち構えていた大塚先輩が声をかけてきた。
「藤原、お前――気づいてたか?」
その問いに、俺は思わず足を止めた。何を指しているのか分からず、戸惑いながら振り返る。
「……何のことですか?」
そう答えると、大塚先輩は悪戯っぽい笑みを浮かべ、ゆっくりと近づいてきた。その視線には、俺の中を見透かすような鋭さが宿っていた。
「浅井のことだよ。さっきの様子、どう見えた?」
その言葉に、俺は練習中の浅井先輩のぎこちなさや、ストレッチ中の苦しげな表情を思い出す。しかし、何も答えられずにいると、大塚先輩はさらに一歩近づき、小声で続けた。
「お前、分かってないのか?――あいつ、今日ずっと『装着』してたんだよ。」
その一言に、胸が大きく跳ねる。
「……装着、ですか?」
俺が聞き返すと、大塚先輩は笑みを深めた。
「エネマグラだよ。朝からずっと入れてたんだ。」
彼の言葉は静かだが、どこか楽しげだった。その言葉の意味が完全に飲み込めたとき、俺の中に得体の知れない感情が渦巻き始めた。
「驚いたか?あいつ、昼間に装着して動くのは初めてだったんだよ。ほら――最初はああやってぎこちなくなる。でも、それが徐々に快感に変わるんだよな。」
大塚先輩は悪い笑みを浮かべながら話を続けた。その声には、浅井先輩の反応を楽しむような歪んだ満足感が漂っていた。
「俺が浅井を見てたの、気づいたろ?あれはただからかってたんじゃない――ちゃんと調子を確認してただけさ。」
その言葉に、練習中の浅井先輩の動きが脳裏によみがえる。苦しげな表情、ぎこちない動き――それが全て大塚先輩の仕掛けによるものだと知った瞬間、胸の奥がざわつき、そしてどこか熱を帯びていく。
「さて、お前も気づいたことだし――どうだ?面白くなってきただろ」
彼の声に、俺は返す言葉を見つけられなかった。ただ、その場に立ち尽くし、浅井先輩の姿を思い返すばかりだった。
「あいつはまだ『慣れ』の段階だ。これからどんどん面白くなるところだけどな。」
その言葉の意味を完全に飲み込むことはできなかったが、胸の奥にざわつく感情が広がる。彼の話はどこまでが事実で、どこまでが俺をからかうためのものなのか――判断できないまま、大塚先輩は踵を返し、さっさとその場を去っていった。
彼の背中を見送りながら、頭の中は浅井先輩のことばかりだった。
練習中のぎこちなさ、夕食時の無口な態度――それが全て、大塚先輩の言う「指示」に従っていた結果だというのか。
その日の夕方、部屋でぼんやりと過ごしているとスマホが震えた。画面には「大塚先輩」からのメッセージが表示されている。
「今から部屋に来い。もっと面白いものを見せてやる。」
その言葉に、胸が大きく跳ねた。今日の浅井先輩の様子が脳裏をかすめる。体が震えるほどの緊張感と、それを上回る好奇心。断るという選択肢はすぐに消えた。
時間が近づくにつれて心臓の鼓動が速くなる。俺は意を決して部屋を出た。大塚先輩の部屋の前に立ち、静かにノックをする。ドアが開き、薄暗い部屋から大塚先輩の顔が覗く。
「よく来たな。」
ドアを開けると同時に聞こえた低い声に、背筋が一瞬にして伸びる。大塚先輩はいつものように余裕たっぷりの笑みを浮かべていた。
「さあ、入れよ。」
彼の言葉に促され、俺は部屋に足を踏み入れる。薄暗い照明がぼんやりと室内を照らし、その雰囲気が不自然なほど静まり返っている。
視線を奥に向けた瞬間、俺の目はその光景に釘付けになった。浅井先輩がそこにいた。だが、普段の明るく親しげな先輩の姿ではないーー。
彼は目隠しをされ、後ろ手に縛られて床に座り込んでいた。
全身には一糸まとわぬ状態で、ぼんやりとした光がその体を浮かび上がらせ、彼の発達した筋肉の輪郭を際立たせていた。普段のシャツの下では想像もつかないほど、彼の体は鍛え上げられていて、何度も視線を奪われる。彼の肩は小刻みに震え、耳を澄ますと微かな振動音が部屋の中に混じっているのが分かった。
「今日はギャラリーがいるからな。」
大塚先輩が浅井先輩に向かって低く言い放つ。その声は冷たくもあり、どこか愉快そうでもある。
その言葉を聞いた瞬間、浅井先輩の体が明らかに反応した。彼の筋肉がピクリと動き、縛られた腕がぎこちなく引き寄せられる。
それでも目隠し越しに周囲を探るような様子はなく、むしろ声を詰まらせるように唇を震わせ、かすかに喘ぎ声を漏らし始めた。
「……っ、は……っ。」
かすかな喘ぎ声が漏れるたびに、彼の体が小刻みに反応する。視線をそらそうとしても、どうしても目が離せない。特にあの部分――鼓動に合わせるように主張を続ける浅井先輩の肉棒が目に入るたび、頭が熱くなり、息が詰まりそうになった。
大塚先輩はその様子をじっと眺めていたが、不意に浅井先輩の体の前に屈み込み、意地悪そうに微笑んだ。
「ほら、こんなふうになるんだよ。」
彼は浅い先輩の肉棒に顔を寄せると、わざとらしく息をふうっと吹きかけた。
「……っ! あ……っ。」
浅井先輩の体が跳ね上がり、抑えきれない声が口を突いて出る。その反応に満足したのか、大塚先輩は唇の端を上げ、悪意の滲む笑みを浮かべた。
「なあ、面白いだろう?」
振り返りざまに俺の肩を叩き、じっと目を覗き込んでくる。その視線には、俺の反応を楽しむ意図が明らかに見て取れた。
「今日はな、一日中エネマグラを装着してたんだ。それで、だいぶ素直になっただろう?」
彼の言葉に、胸の奥がさらにざわつく。目の前の浅井先輩がどれだけの時間、この状況を耐えてきたのか――その想像が頭を駆け巡ると、息苦しいほどの高揚感が押し寄せてきた。
浅井先輩は相変わらず小さく喘ぎ、全身が震えている。目隠しでこちらの存在に気づいているかどうかも分からないが、その無防備な姿は、妙に目に焼き付いて離れなかった。
「こんなふうになってくんだよ。」
大塚先輩の声が、部屋の静けさを切り裂くように響く。
その言葉に俺は何も答えられなかった。
「おい藤原!遅いぞ、パンなくなるって!」
彼が片手にトレーを持ちながら、大げさに振り返る。明るいその姿に、俺は思わず笑みを浮かべた。
「そんな急がなくても大丈夫ですよ、先輩。」
俺が軽く返すと、「いやいや、朝飯をナメると午後の練習で地獄を見るぞ!」と笑い声を上げる。
内村先輩の隣には浅井先輩が座っていた。だが、その姿にはどこか違和感があった。目の下の薄いクマ、椅子に腰掛けるたびに微妙に歪む表情――そして額には薄く汗が滲んでいる。
「浅井先輩、大丈夫ですか?」
俺が尋ねると、浅井先輩は少し驚いたように目を開き、それから柔らかな笑顔を作った。
「ああ、大丈夫だよ。ただ……寝違えただけみたいでね。」
その答えに俺は頷いたが、ぎこちなさが漂うその様子が頭から離れなかった。
「寝違えたっていうか、夜更かししてたんじゃねえの?」
内村先輩が軽い調子でからかう。その言葉に、胸の奥でざわつきが生まれる。
(夜更かし……?)
昨夜のことがよぎる。大塚先輩が浅井先輩の部屋の方向に消えていった光景――あの後、何が行われたのか。その考えが頭を支配し、知らないうちに唾を飲み込んでいた。
大学が終わり、いつも通りの練習が始まった。だが、浅井先輩の動きはどこかぎこちない。ボールを受けるたびにタイミングがずれ、足元でおさめきれない場面が続く。
「浅井、どうしたんだよ?」
内村先輩が軽い調子で問いかける。彼の言葉には心配も混ざっているが、どこか冗談めいた軽さがあった。
「……悪い。ちょっと体の調子が……」
浅井先輩が申し訳なさそうに返す。だが、その表情には苦痛と何か別の感情が入り混じっているように見えた。
浅井先輩がボールを追いかけるたび、腰をかばうような微妙な動きが目についた。走るたびに額に汗が滲み、息遣いが荒くなっていく。
(やっぱり……何かあるんじゃないか?)
昨日の大塚先輩の言葉――「明日、面白いものを見せてやるよ」――が頭をよぎる。それが今、この光景とどう繋がっているのか。その答えが徐々に浮かび上がる中、胸の奥が奇妙に熱を帯びていく。
「藤原、止まってるぞ!」
監督の声にハッとする。練習に集中しなければいけないのに、視線はどうしても浅井先輩を追ってしまう。
練習が終わり、夕暮れのグラウンドには柔らかな赤い光が差し込んでいた。部員たちが次々とロッカールームへと向かう中、浅井先輩は一人、ストレッチを続けていた。その様子を横目で見ながら、俺もボールを片付けに向かう。
そのときだった。大塚先輩がふと浅井先輩に近づき、軽く肩を叩いた。
「おい、浅井。今日の動き、随分鈍かったじゃないか?」
その声には、どこか含みのある響きがあった。
「……すみません、少し…………。」
浅井先輩が控えめに答えると、大塚先輩はニヤリと笑い、耳元に何かを囁いた。俺は距離があったため、その内容を聞き取ることはできなかったが、浅井先輩の顔が一瞬で赤くなるのを見逃さなかった。
「ま、無理しないことだな。でも――今日はよくやったな。」
そう言い残して、大塚先輩はグラウンドを後にする。その後ろ姿を見送りながら、浅井先輩は息を整えるように胸を上下させていた。
俺がロッカールームへ向かおうとすると、入り口の近くで待ち構えていた大塚先輩が声をかけてきた。
「藤原、お前――気づいてたか?」
その問いに、俺は思わず足を止めた。何を指しているのか分からず、戸惑いながら振り返る。
「……何のことですか?」
そう答えると、大塚先輩は悪戯っぽい笑みを浮かべ、ゆっくりと近づいてきた。その視線には、俺の中を見透かすような鋭さが宿っていた。
「浅井のことだよ。さっきの様子、どう見えた?」
その言葉に、俺は練習中の浅井先輩のぎこちなさや、ストレッチ中の苦しげな表情を思い出す。しかし、何も答えられずにいると、大塚先輩はさらに一歩近づき、小声で続けた。
「お前、分かってないのか?――あいつ、今日ずっと『装着』してたんだよ。」
その一言に、胸が大きく跳ねる。
「……装着、ですか?」
俺が聞き返すと、大塚先輩は笑みを深めた。
「エネマグラだよ。朝からずっと入れてたんだ。」
彼の言葉は静かだが、どこか楽しげだった。その言葉の意味が完全に飲み込めたとき、俺の中に得体の知れない感情が渦巻き始めた。
「驚いたか?あいつ、昼間に装着して動くのは初めてだったんだよ。ほら――最初はああやってぎこちなくなる。でも、それが徐々に快感に変わるんだよな。」
大塚先輩は悪い笑みを浮かべながら話を続けた。その声には、浅井先輩の反応を楽しむような歪んだ満足感が漂っていた。
「俺が浅井を見てたの、気づいたろ?あれはただからかってたんじゃない――ちゃんと調子を確認してただけさ。」
その言葉に、練習中の浅井先輩の動きが脳裏によみがえる。苦しげな表情、ぎこちない動き――それが全て大塚先輩の仕掛けによるものだと知った瞬間、胸の奥がざわつき、そしてどこか熱を帯びていく。
「さて、お前も気づいたことだし――どうだ?面白くなってきただろ」
彼の声に、俺は返す言葉を見つけられなかった。ただ、その場に立ち尽くし、浅井先輩の姿を思い返すばかりだった。
「あいつはまだ『慣れ』の段階だ。これからどんどん面白くなるところだけどな。」
その言葉の意味を完全に飲み込むことはできなかったが、胸の奥にざわつく感情が広がる。彼の話はどこまでが事実で、どこまでが俺をからかうためのものなのか――判断できないまま、大塚先輩は踵を返し、さっさとその場を去っていった。
彼の背中を見送りながら、頭の中は浅井先輩のことばかりだった。
練習中のぎこちなさ、夕食時の無口な態度――それが全て、大塚先輩の言う「指示」に従っていた結果だというのか。
その日の夕方、部屋でぼんやりと過ごしているとスマホが震えた。画面には「大塚先輩」からのメッセージが表示されている。
「今から部屋に来い。もっと面白いものを見せてやる。」
その言葉に、胸が大きく跳ねた。今日の浅井先輩の様子が脳裏をかすめる。体が震えるほどの緊張感と、それを上回る好奇心。断るという選択肢はすぐに消えた。
時間が近づくにつれて心臓の鼓動が速くなる。俺は意を決して部屋を出た。大塚先輩の部屋の前に立ち、静かにノックをする。ドアが開き、薄暗い部屋から大塚先輩の顔が覗く。
「よく来たな。」
ドアを開けると同時に聞こえた低い声に、背筋が一瞬にして伸びる。大塚先輩はいつものように余裕たっぷりの笑みを浮かべていた。
「さあ、入れよ。」
彼の言葉に促され、俺は部屋に足を踏み入れる。薄暗い照明がぼんやりと室内を照らし、その雰囲気が不自然なほど静まり返っている。
視線を奥に向けた瞬間、俺の目はその光景に釘付けになった。浅井先輩がそこにいた。だが、普段の明るく親しげな先輩の姿ではないーー。
彼は目隠しをされ、後ろ手に縛られて床に座り込んでいた。
全身には一糸まとわぬ状態で、ぼんやりとした光がその体を浮かび上がらせ、彼の発達した筋肉の輪郭を際立たせていた。普段のシャツの下では想像もつかないほど、彼の体は鍛え上げられていて、何度も視線を奪われる。彼の肩は小刻みに震え、耳を澄ますと微かな振動音が部屋の中に混じっているのが分かった。
「今日はギャラリーがいるからな。」
大塚先輩が浅井先輩に向かって低く言い放つ。その声は冷たくもあり、どこか愉快そうでもある。
その言葉を聞いた瞬間、浅井先輩の体が明らかに反応した。彼の筋肉がピクリと動き、縛られた腕がぎこちなく引き寄せられる。
それでも目隠し越しに周囲を探るような様子はなく、むしろ声を詰まらせるように唇を震わせ、かすかに喘ぎ声を漏らし始めた。
「……っ、は……っ。」
かすかな喘ぎ声が漏れるたびに、彼の体が小刻みに反応する。視線をそらそうとしても、どうしても目が離せない。特にあの部分――鼓動に合わせるように主張を続ける浅井先輩の肉棒が目に入るたび、頭が熱くなり、息が詰まりそうになった。
大塚先輩はその様子をじっと眺めていたが、不意に浅井先輩の体の前に屈み込み、意地悪そうに微笑んだ。
「ほら、こんなふうになるんだよ。」
彼は浅い先輩の肉棒に顔を寄せると、わざとらしく息をふうっと吹きかけた。
「……っ! あ……っ。」
浅井先輩の体が跳ね上がり、抑えきれない声が口を突いて出る。その反応に満足したのか、大塚先輩は唇の端を上げ、悪意の滲む笑みを浮かべた。
「なあ、面白いだろう?」
振り返りざまに俺の肩を叩き、じっと目を覗き込んでくる。その視線には、俺の反応を楽しむ意図が明らかに見て取れた。
「今日はな、一日中エネマグラを装着してたんだ。それで、だいぶ素直になっただろう?」
彼の言葉に、胸の奥がさらにざわつく。目の前の浅井先輩がどれだけの時間、この状況を耐えてきたのか――その想像が頭を駆け巡ると、息苦しいほどの高揚感が押し寄せてきた。
浅井先輩は相変わらず小さく喘ぎ、全身が震えている。目隠しでこちらの存在に気づいているかどうかも分からないが、その無防備な姿は、妙に目に焼き付いて離れなかった。
「こんなふうになってくんだよ。」
大塚先輩の声が、部屋の静けさを切り裂くように響く。
その言葉に俺は何も答えられなかった。
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