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第四章 砂漠の遺跡
第六十七話 砂の海
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ハバルの町でマブルさんと出会う事ができ、一緒にヘイトルーガに向かう事になる。
その前にフランと言う男の子を連れて行く事になった。
マブルさんにハバルの町の外れに案内され……。
「これは……?」
岩場の間に隠して合ったのは中型のボートだ。
砂漠にボート?
「マブルさん、これは一体……」
「これはな、魔導航砂船の小型版【サンドフィッチャー】じゃ」
「サンドフィッチャー?」
「簡単に言えば砂漠を移動出来る船じゃよ」
「船で砂漠を!?」
このヨットのような見た目の船で砂漠の上を移動出来るのか?
「このヘイトルーガの砂漠はの、水のように流動的で、地下から空気が沸いている為に、生身で入ると場所に寄っては沈んでしまうのじゃよ」
「だから船なんですか?」
「そうじゃ、ほれ見てなさい」
マブルさんはその辺の石を砂がポコポコとしている場所の近くに投げ込むと、石は砂の中に沈んで行った。
「これは……、知らないで入ってたら危なかったです」
「そうじゃろ? ま、ハバルの町からヘイトルーガまでは砂漠を通らなくても行けるがの。 こっちの方が近道なんじゃよ」
「砂漠で船か。 ちょっと新鮮だな」
「そうじゃろう、そうじゃろう」
「僕も楽しみ!」
「私も楽しみです!」
「私も私も!」
フラン、ルルアと一緒にエイルもはしゃいでいる。
ん? そう言えば……。
「あー! そうだっ! エイル! 一緒に来てくれ!」
「え? え?」
「フランとマブルさんの事で忘れてたよ! リューリさんに合わないと! すいません! ちょっと行って来ます!」
エイルの手を引っ張ってガル支部へ向かった。
「いらっしゃいませ……、あら、ケンジさん」
「はぁはぁ……、リューリさん、すいません。 俺とエイルのランクについて何かわかりましたか?」
「その事ね。 わかったわよ」
リューリさんはカウンターの奥から資料を出して来た。
「えーと、まずはケンジさん」
「はい」
「プラチナに昇進おめでとう!」
「ありがとうございます」
「次にエイルさん」
「はい! 私もついにプラチナか~」
「エイルさんはゴールドです」
「えー! 私ゴールドなんですか?」
「そうですね。 でも昇進ですよ」
「あ、はい。 ありがとうございます」
「二人共、これからも頑張ってね」
「「はいっ!!」」
「でも、いつの間に昇進したんですか?」
アームダレスのライア姫を助けた位しかしてない。
「どうやら、アームダレスのお姫様を助ける依頼を完了した時にランクが上がってたみたいなのよ」
「そうなんですか? ホランさん何も言ってなかったですけど……」
「それはね……、ホランが忘れてたみたいなのよ……、ごめんなさいね」
そうだったのか……。
「大丈夫です。 ここに来るまで依頼とか受けて無いですから」
「そう? なら良かったわ」
「あ、それと、今からヘイトルーガに皆んなで向かいます」
「突然ね。 ここからヘイトルーガまでの道は魔生獣も出るから気をつけなさい。 水も忘れずにね。 それと、砂漠には絶対に入っちゃダメよ」
「わかりました。 色々ありがとうございました」
「フランちゃんにもよろしくね」
そうか、リューリさんはフランが男の子とはまだ知らないんだったな。
今度寄った時に説明してあげよう。
「それじゃ、リューリさんまた」
「はい、良き旅を」
リューリさんに別れを告げ、急いでマブルさん達の元へ戻る。
「お待たせしました」
「もう良いのか?」
「はあ、はあ……、だ、大丈夫ですぅ~」
ちょっと早く走り過ぎたか?
でも最近のエイルは体力落ちてるよな。 レアに頼り過ぎだ。
「それじゃ行くぞい」
マブルさんの運転によって、サンドフィッチャーは出発した。
「お爺ちゃん、このサンドフィッチャーって帆の所にある魔導法術機で風を作って帆に当ててるの?」
「あの魔導法術機は受けた風を圧縮して船体の下にある場所から噴出させるのじゃよ。 船はその圧縮された空気とスクリューで動いておるのじゃ。 もちろんスクリューも海の船とは違って、ドリルのようになっておる」
「そっか~、なるほど、なるほど……」
ルルアはサンドフィッチャーに夢中だな。
「この砂の海は波が無いから静かに進むわよね」
「そうじゃろ? でも、場所に寄っては止まってしまうと沈んでしまうから、基本はずっと動いていないといかん」
「それはちょっと怖い……」
「安心せい。 万が一沈む時も海水程早くは無いからの。 ただ、魔生獣に襲われたら別じゃがの」
ああ……、そんなフラグを言ってしまっては……。
「ええ! 魔生獣が襲ってくるの!? お兄ちゃん僕怖い」
見事にフラグの重ねがけをしてくるフランは俺にくっついてくる。
「それで、さっきから気になっとったんじゃが、帆の所にいる子は知り合いかの?」
マブルさんに言われ、眩しい日差しを手で遮りながら上を見る。
本当だ。 誰かいる……、……もしかして……。
「そこにいるのはアン! 君だろ!」
「……見つかっちゃった……、よっ!」
クルクルと回転しながら降りてきた。
「……百点……」
見事に着地を決めたアンは、ポーズを決めている、
「何が百点ですか! 着いてくるなら普通にしてて下さい」
レアは着いてきてた事を気がついていたようだな。
「アンさん、お久しぶりです」
「……ルルア、久しぶり……」
お互いハイタッチをしてる。
「温泉以来ね」
「……はい……」
アンはエイルにペコっと頭を下げる。
「ねえ、お兄ちゃん、あの人誰?」
「え~と……、元暗殺者……かな?」
「暗殺者?」
「もとな、もと」
「ふ~ん……」
いきなり元暗殺者って言ってもピンと来ないよな。
「お、そろそろヘイトルーガ王都へ着くぞ」
砂漠の海から見える王都は太陽の光りに照らされ赤く輝いている。
その前にフランと言う男の子を連れて行く事になった。
マブルさんにハバルの町の外れに案内され……。
「これは……?」
岩場の間に隠して合ったのは中型のボートだ。
砂漠にボート?
「マブルさん、これは一体……」
「これはな、魔導航砂船の小型版【サンドフィッチャー】じゃ」
「サンドフィッチャー?」
「簡単に言えば砂漠を移動出来る船じゃよ」
「船で砂漠を!?」
このヨットのような見た目の船で砂漠の上を移動出来るのか?
「このヘイトルーガの砂漠はの、水のように流動的で、地下から空気が沸いている為に、生身で入ると場所に寄っては沈んでしまうのじゃよ」
「だから船なんですか?」
「そうじゃ、ほれ見てなさい」
マブルさんはその辺の石を砂がポコポコとしている場所の近くに投げ込むと、石は砂の中に沈んで行った。
「これは……、知らないで入ってたら危なかったです」
「そうじゃろ? ま、ハバルの町からヘイトルーガまでは砂漠を通らなくても行けるがの。 こっちの方が近道なんじゃよ」
「砂漠で船か。 ちょっと新鮮だな」
「そうじゃろう、そうじゃろう」
「僕も楽しみ!」
「私も楽しみです!」
「私も私も!」
フラン、ルルアと一緒にエイルもはしゃいでいる。
ん? そう言えば……。
「あー! そうだっ! エイル! 一緒に来てくれ!」
「え? え?」
「フランとマブルさんの事で忘れてたよ! リューリさんに合わないと! すいません! ちょっと行って来ます!」
エイルの手を引っ張ってガル支部へ向かった。
「いらっしゃいませ……、あら、ケンジさん」
「はぁはぁ……、リューリさん、すいません。 俺とエイルのランクについて何かわかりましたか?」
「その事ね。 わかったわよ」
リューリさんはカウンターの奥から資料を出して来た。
「えーと、まずはケンジさん」
「はい」
「プラチナに昇進おめでとう!」
「ありがとうございます」
「次にエイルさん」
「はい! 私もついにプラチナか~」
「エイルさんはゴールドです」
「えー! 私ゴールドなんですか?」
「そうですね。 でも昇進ですよ」
「あ、はい。 ありがとうございます」
「二人共、これからも頑張ってね」
「「はいっ!!」」
「でも、いつの間に昇進したんですか?」
アームダレスのライア姫を助けた位しかしてない。
「どうやら、アームダレスのお姫様を助ける依頼を完了した時にランクが上がってたみたいなのよ」
「そうなんですか? ホランさん何も言ってなかったですけど……」
「それはね……、ホランが忘れてたみたいなのよ……、ごめんなさいね」
そうだったのか……。
「大丈夫です。 ここに来るまで依頼とか受けて無いですから」
「そう? なら良かったわ」
「あ、それと、今からヘイトルーガに皆んなで向かいます」
「突然ね。 ここからヘイトルーガまでの道は魔生獣も出るから気をつけなさい。 水も忘れずにね。 それと、砂漠には絶対に入っちゃダメよ」
「わかりました。 色々ありがとうございました」
「フランちゃんにもよろしくね」
そうか、リューリさんはフランが男の子とはまだ知らないんだったな。
今度寄った時に説明してあげよう。
「それじゃ、リューリさんまた」
「はい、良き旅を」
リューリさんに別れを告げ、急いでマブルさん達の元へ戻る。
「お待たせしました」
「もう良いのか?」
「はあ、はあ……、だ、大丈夫ですぅ~」
ちょっと早く走り過ぎたか?
でも最近のエイルは体力落ちてるよな。 レアに頼り過ぎだ。
「それじゃ行くぞい」
マブルさんの運転によって、サンドフィッチャーは出発した。
「お爺ちゃん、このサンドフィッチャーって帆の所にある魔導法術機で風を作って帆に当ててるの?」
「あの魔導法術機は受けた風を圧縮して船体の下にある場所から噴出させるのじゃよ。 船はその圧縮された空気とスクリューで動いておるのじゃ。 もちろんスクリューも海の船とは違って、ドリルのようになっておる」
「そっか~、なるほど、なるほど……」
ルルアはサンドフィッチャーに夢中だな。
「この砂の海は波が無いから静かに進むわよね」
「そうじゃろ? でも、場所に寄っては止まってしまうと沈んでしまうから、基本はずっと動いていないといかん」
「それはちょっと怖い……」
「安心せい。 万が一沈む時も海水程早くは無いからの。 ただ、魔生獣に襲われたら別じゃがの」
ああ……、そんなフラグを言ってしまっては……。
「ええ! 魔生獣が襲ってくるの!? お兄ちゃん僕怖い」
見事にフラグの重ねがけをしてくるフランは俺にくっついてくる。
「それで、さっきから気になっとったんじゃが、帆の所にいる子は知り合いかの?」
マブルさんに言われ、眩しい日差しを手で遮りながら上を見る。
本当だ。 誰かいる……、……もしかして……。
「そこにいるのはアン! 君だろ!」
「……見つかっちゃった……、よっ!」
クルクルと回転しながら降りてきた。
「……百点……」
見事に着地を決めたアンは、ポーズを決めている、
「何が百点ですか! 着いてくるなら普通にしてて下さい」
レアは着いてきてた事を気がついていたようだな。
「アンさん、お久しぶりです」
「……ルルア、久しぶり……」
お互いハイタッチをしてる。
「温泉以来ね」
「……はい……」
アンはエイルにペコっと頭を下げる。
「ねえ、お兄ちゃん、あの人誰?」
「え~と……、元暗殺者……かな?」
「暗殺者?」
「もとな、もと」
「ふ~ん……」
いきなり元暗殺者って言ってもピンと来ないよな。
「お、そろそろヘイトルーガ王都へ着くぞ」
砂漠の海から見える王都は太陽の光りに照らされ赤く輝いている。
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