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第三章 コロシアム
第五十話 共闘
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武術大会はガスパを破って優勝した。
優勝した事によって、奴隷達の解放、そして三人の契約も無くなった。
俺の体はボロボロになったが、レアが口移しで魔力を分けてくれているので、死なずにすんだようだ。
レアと俺のキスをエイルは顔を真っ赤にしながらルルアの目を押さえている。
ルルアは隙間から見ているようだけど?
「ぷあ……」
口移しが終わると、レアの額が光り俺の額も光る。
失った左足が再生され、左腕も再生される。
だがまだ力は戻らない。
「レア、えと……、ありがとう」
「いえ、私はご主人様のサポートですから、この位は当然です」
「だけど俺はどうなったんだ?」
俺にあんな力があるなんて……。
「ご主人様はピンチになると自己防衛機能が発動します。 それはご主人様が持つ本来の力ですが、まだ体や魔力がついていきません。 一歩間違えれば自滅の可能性もあります。 だから私が側にいない時はピンチになったら逃げて下さい」
「そうか……、わかった」
めちゃくちゃやって体がボロボロの状態になった時に俺を再生させられるレアがいなかったら死ぬって事だな。
気をつけないとな。
「それじゃ、そろそろお姫様を連れて帰ろうか?」
「そうですね、そうしましょう」
「お待ち下さい」
レアに抱えられて、闘技場を抜けようとすると、執事さんとメイドさん二人が立ち塞がった。
「なにか? ……、そうか優勝賞品の授与か?」
「そうではございません。 奴隷や屋敷で囚われている者など全て天秤の対価になってしまいましたから、既に解放されております」
「じゃ、なんだ? 家主の仇でもとるつもりか?」
「まさか、めっそうもない。 あんな役立たずのブタはどうなろうと私の知った事ではございません」
ブ、ブタ……。
「せっかく私がレリックを差し上げたてやったと言うのに……、使えないブタでしたよ。 まあ、ケンジ様の実力を見る事が出来たのが唯一役に立ったと言う所ですね」
「…………お前、何者だ?」
「申し遅れました。 わたくし、ヴァルスケルハイトが一人【魔血のハイブラ】と申します」
「ヴァルスケルハイトだと!!」
「そうでございます。 ケンジ様の実力を見る為にこの大会にご招待した次第でございます」
「ヴァルスケルハイトが俺に何のようだ!」
「もちろん、ケンジ様の人造人間としての実力を見るためでございます」
「招待……、まさか、アンの雇い主はお前か!」
「御明察でございます。 この大会に参加する実力があるかどうか、洞窟に魔導獣のスライムを配置し、大会ではケンジ様が楽しんで頂けるように、実力のある方達と対戦出来る様に致しました。 楽しんで頂けましたでしょうか?」
そうか、だから俺の時だけ強敵が多かったのか……。
「何が狙いだ?」
「簡単な事でございます。 ケンジ様、レア様の人造人間としての実力を見せて頂く、そして我々の研究材料となって頂きます」
「研究材料だと! ふざけるな! 研究材料になんてなる訳ないだろっ!」
「そうですか、なら仕方ないですね。 しかし実力の半分も出ないケンジ様なら容易く倒せますよ。 おとなしく捕まって下さいませ」
魔血のハイブラの背中からコウモリの様な黒い羽が生え、顔や体が異形へと変わりだした。
そして二人のメイドもメイド服から剣を取り出して襲ってきた。
「ケンジ! レア!」
エイルは観客席から魔導銃をメイドめがけて打つが素早くメイドは飛び退いて態勢を直す。
あのメイド二人も強いな。
「お二人共、自己紹介がまだでしょう」
「……申し訳ございません。 私はヴァルスケルハイト【赤き月のワルキューレ】様の配下、ヴァルキュリア隊が一人、【ラル】と申します」
「同じく【赤き月のワルキューレ】様の配下、ヴァルキュリア隊が一人、【ララ】と申します」
二人はメイド服のスカートの裾を持ってお辞儀をしてくる。
ワルキューレにヴァルキュリア隊だと.…、まだいるのか……、どれだけ大きい組織なんだよ!
「今回の作戦のためにワルキューレからお借りしましてね、実力は確かですよ」
実力の半分も出ない俺と、サポートメインのレア、魔導銃で遠距離のエイル、マジックハンドのルルア、この四人でヴァルスケルハイトの一人とその配下を退けられるか……?
「お二人共、ケンジ様とレア様以外は必要ございません。 殺してしまっても結構です。 私は二人を捕らえますので、他はご自由に」
「「はいっ!」」
ラルはエイルとルルアに向かって走り出し、ララは気絶しているガスパに向かって走り出した。
そして俺達の前にはハイブラがいる。
俺とレアは臨戦態勢をとる。
「ひょ、ひょえ~~!!」
気絶から目覚め、気がついたガスパはララに追われている。
「醜いブタは死になさい!」
「こ、殺さないで~~!!」
パンツ一丁で逃げているが逃げ切れる訳がない。
「ぴょっ!」
ガスパの首は胴から離れ倒れた。
今までしてきた事を考えれば因果応報ってやつだろうが……少し哀れだな……。
観客席ではラルの攻撃をエイルの魔導銃とルルアのマジックハンドでなんとかしのいではいるが……。
「ちっ! 邪魔な腕ですねっ!」
ラルの攻撃でルルアのマジックハンドが片方斬り落とされた。
「ルルア!」
「だ、大丈夫です!」
エイルが魔導銃で牽制するが、ラルの攻撃が早い。
ガキンッ!!
ラルの剣が弾かれた。
「なっ! お前は!」
ラルの剣を弾いたのはリーナの大盾。
「私も参加させてもらうよっ!」
「後ろがガラ空きっ!」
ララがリーナの背後を攻撃するが、ララの足元に火の魔法が炸裂する。
「貴様っ!」
「レディがそんな暴れるものでは無いよ」
魔法を打ったのは階段の上で帽子を押さえてポーズをキメているラヴィンだ。
「おやおや、お呼びで無い者が二人も出て来るとは……、……おっと、三人でしたか……」
獣化したお姫様の蹴りがハイブラの頬を掠める。
「全て貴方の差し金なのでしょう? 私が正義の鉄槌を下します!」
ララ、ラルと戦っているエイルとルルアには、リーナとラヴィン。 ハイブラと戦う俺とレアにはお姫様が味方についた。
これならヴァルスケルハイトのハイブラとやり合うことも出来るはずだ!
優勝した事によって、奴隷達の解放、そして三人の契約も無くなった。
俺の体はボロボロになったが、レアが口移しで魔力を分けてくれているので、死なずにすんだようだ。
レアと俺のキスをエイルは顔を真っ赤にしながらルルアの目を押さえている。
ルルアは隙間から見ているようだけど?
「ぷあ……」
口移しが終わると、レアの額が光り俺の額も光る。
失った左足が再生され、左腕も再生される。
だがまだ力は戻らない。
「レア、えと……、ありがとう」
「いえ、私はご主人様のサポートですから、この位は当然です」
「だけど俺はどうなったんだ?」
俺にあんな力があるなんて……。
「ご主人様はピンチになると自己防衛機能が発動します。 それはご主人様が持つ本来の力ですが、まだ体や魔力がついていきません。 一歩間違えれば自滅の可能性もあります。 だから私が側にいない時はピンチになったら逃げて下さい」
「そうか……、わかった」
めちゃくちゃやって体がボロボロの状態になった時に俺を再生させられるレアがいなかったら死ぬって事だな。
気をつけないとな。
「それじゃ、そろそろお姫様を連れて帰ろうか?」
「そうですね、そうしましょう」
「お待ち下さい」
レアに抱えられて、闘技場を抜けようとすると、執事さんとメイドさん二人が立ち塞がった。
「なにか? ……、そうか優勝賞品の授与か?」
「そうではございません。 奴隷や屋敷で囚われている者など全て天秤の対価になってしまいましたから、既に解放されております」
「じゃ、なんだ? 家主の仇でもとるつもりか?」
「まさか、めっそうもない。 あんな役立たずのブタはどうなろうと私の知った事ではございません」
ブ、ブタ……。
「せっかく私がレリックを差し上げたてやったと言うのに……、使えないブタでしたよ。 まあ、ケンジ様の実力を見る事が出来たのが唯一役に立ったと言う所ですね」
「…………お前、何者だ?」
「申し遅れました。 わたくし、ヴァルスケルハイトが一人【魔血のハイブラ】と申します」
「ヴァルスケルハイトだと!!」
「そうでございます。 ケンジ様の実力を見る為にこの大会にご招待した次第でございます」
「ヴァルスケルハイトが俺に何のようだ!」
「もちろん、ケンジ様の人造人間としての実力を見るためでございます」
「招待……、まさか、アンの雇い主はお前か!」
「御明察でございます。 この大会に参加する実力があるかどうか、洞窟に魔導獣のスライムを配置し、大会ではケンジ様が楽しんで頂けるように、実力のある方達と対戦出来る様に致しました。 楽しんで頂けましたでしょうか?」
そうか、だから俺の時だけ強敵が多かったのか……。
「何が狙いだ?」
「簡単な事でございます。 ケンジ様、レア様の人造人間としての実力を見せて頂く、そして我々の研究材料となって頂きます」
「研究材料だと! ふざけるな! 研究材料になんてなる訳ないだろっ!」
「そうですか、なら仕方ないですね。 しかし実力の半分も出ないケンジ様なら容易く倒せますよ。 おとなしく捕まって下さいませ」
魔血のハイブラの背中からコウモリの様な黒い羽が生え、顔や体が異形へと変わりだした。
そして二人のメイドもメイド服から剣を取り出して襲ってきた。
「ケンジ! レア!」
エイルは観客席から魔導銃をメイドめがけて打つが素早くメイドは飛び退いて態勢を直す。
あのメイド二人も強いな。
「お二人共、自己紹介がまだでしょう」
「……申し訳ございません。 私はヴァルスケルハイト【赤き月のワルキューレ】様の配下、ヴァルキュリア隊が一人、【ラル】と申します」
「同じく【赤き月のワルキューレ】様の配下、ヴァルキュリア隊が一人、【ララ】と申します」
二人はメイド服のスカートの裾を持ってお辞儀をしてくる。
ワルキューレにヴァルキュリア隊だと.…、まだいるのか……、どれだけ大きい組織なんだよ!
「今回の作戦のためにワルキューレからお借りしましてね、実力は確かですよ」
実力の半分も出ない俺と、サポートメインのレア、魔導銃で遠距離のエイル、マジックハンドのルルア、この四人でヴァルスケルハイトの一人とその配下を退けられるか……?
「お二人共、ケンジ様とレア様以外は必要ございません。 殺してしまっても結構です。 私は二人を捕らえますので、他はご自由に」
「「はいっ!」」
ラルはエイルとルルアに向かって走り出し、ララは気絶しているガスパに向かって走り出した。
そして俺達の前にはハイブラがいる。
俺とレアは臨戦態勢をとる。
「ひょ、ひょえ~~!!」
気絶から目覚め、気がついたガスパはララに追われている。
「醜いブタは死になさい!」
「こ、殺さないで~~!!」
パンツ一丁で逃げているが逃げ切れる訳がない。
「ぴょっ!」
ガスパの首は胴から離れ倒れた。
今までしてきた事を考えれば因果応報ってやつだろうが……少し哀れだな……。
観客席ではラルの攻撃をエイルの魔導銃とルルアのマジックハンドでなんとかしのいではいるが……。
「ちっ! 邪魔な腕ですねっ!」
ラルの攻撃でルルアのマジックハンドが片方斬り落とされた。
「ルルア!」
「だ、大丈夫です!」
エイルが魔導銃で牽制するが、ラルの攻撃が早い。
ガキンッ!!
ラルの剣が弾かれた。
「なっ! お前は!」
ラルの剣を弾いたのはリーナの大盾。
「私も参加させてもらうよっ!」
「後ろがガラ空きっ!」
ララがリーナの背後を攻撃するが、ララの足元に火の魔法が炸裂する。
「貴様っ!」
「レディがそんな暴れるものでは無いよ」
魔法を打ったのは階段の上で帽子を押さえてポーズをキメているラヴィンだ。
「おやおや、お呼びで無い者が二人も出て来るとは……、……おっと、三人でしたか……」
獣化したお姫様の蹴りがハイブラの頬を掠める。
「全て貴方の差し金なのでしょう? 私が正義の鉄槌を下します!」
ララ、ラルと戦っているエイルとルルアには、リーナとラヴィン。 ハイブラと戦う俺とレアにはお姫様が味方についた。
これならヴァルスケルハイトのハイブラとやり合うことも出来るはずだ!
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