49 / 163
第三章 コロシアム
第四十九話 優勝者
しおりを挟む
デカくなったゴーレムの光線によって腹を貫かれ、意識を失くしてしまった。
このままではガスパに負ける……。
俺の意識は暗い空間で眠るように横たわっていた……。
「ひょ……? ……ひょっひょっひょっ! 勝った、勝ったぞい! ワシの勝ちじゃあああ!!」
ガスパは嬉しそうにピョンピョンと跳ね回っている。
「……ひょ? どうしたんじゃ? ワシは勝ったはずなのにゴーレムが元に戻らん……、バリアも消えぬ……」
ゴーレムは倒れた俺に近づいている。
まだ攻撃してくるつもりだ。
ゴーレムが腕を振りかぶった時、俺は意識の無いまま立ち上がり、ゴーレムの拳を片手で受け止め、攻撃の重さがわかる程、俺の足は地面にめり込む。
地面から足を抜き、剣のもとまで攻撃を回避しながら移動し剣を取る。
腹に空いた穴も立ち所に治るとゴーレムへ斬り込む。
何度も硬い体へ斬り込んでいたせいか、刀身にはヒビが入っていた。
無意識の攻撃で剣は砕けてしまい魔導法術機は外れて吹っ飛んだ。
剣が砕けた事はお構い無しに殴りにいく。
ゴーレムの光線や棘を躱し殴る。
拳に魔力を纏わせながらひたすら殴る。
そんな無茶苦茶な攻撃のせいで、俺の腕や体に負荷がかかり始め体に亀裂が入り出した。
「ご主人様! それ以上はダメです!!」
レアが叫ぶが俺の攻撃は止まらない。
「レア、どう言う事?」
「ご主人様は今、意識が無く自己防衛機能で戦っています。 相手を倒すまで止まらないでしょう。 ただ今のご主人様じゃその力に体がついていきません! もしこのまま攻撃を続けていたらご主人様は……」
「どうなるんですか……?」
ルルアは恐る恐る聞いてみる。
「ご主人様の体は砕けてしまいます……」
「「えっ!」」
「早く止めないといけません!」
レアが闘技場へ降りようとすると、執事さんが止めた。
「今降りたらケンジ様の負けとなってしまいます。 そうなると天秤の契約が発動してしまいますよ」
「それじゃケンジはどうなるの?」
「見守るしか無いですな」
「そんな……」
俺の攻撃ではゴーレムにヒビ一つ入らない。
だが意識の無い俺は攻撃の手を休める事は無く、殴っている。
ゴーレムも攻撃してくるが、俺は片手で止めぶん殴る。
棘も飛ばしてくれば弾き、光線を打とうとすれば懐に入って攻撃されないようにする。
動きは意識がある時より良く動く。
尻尾を振り回してくるが、片手で掴み、ゴーレムをジャイアントスイングの様に振り回して投げた。
投げつけられたゴーレムは壁だけでは無く、観客席まで破壊する。
皆んながいる場所の反対方向に投げたようで皆んなは無事だが、次はどうなるか分からない。
追い討ちをかけようと突進した時、ゴーレムは壁にめり込んだまま光線を放ってきた。
その光線は俺の左腕を消し飛ばした。
だが俺は止まらずそのままゴーレムの顔を殴りつけた。
腕から体に更にヒビが入る。
ゴーレムの顔は壁にめり込むが、やはり無傷だ。
ゴーレムが壁から起き上がってくる頃、俺は剣から外れて落ちている魔導法術機を拾い右手で握る。 すると、魔導法術機が手の中に吸い込まれ、右手と一体化した。
手の甲に宝玉の様な物が付き、指へと線が出ている。
そこに魔力を込めてゴーレムに殴りかかる。
ミスリルゴーレムも軽く砕ける。
だが、少ない魔力を使い続けているためか、俺の体や顔にもヒビが入り少しずつ欠けて行く。
ゴーレムの放つ光線も魔力のこもった右手で受け止めるが、ゴーレムは光線の出力を上げてきた。
魔力を高め光線を受け止めながら前進し、ゴーレムの顔の前まで来ると、ゴーレムの顔にありったけの魔力を叩き込みぶん殴る。
ゴーレムは頭部を貫き破壊され、倒れ塵となって行く。
魔力が完全に枯渇すると右足、左脇腹が砕けてしまう。
それでもまだガスパが残っている。
あいつを倒さないと決着がつかない……。
敵を倒した事で意識は少し戻ったが、体が言う事をきかない。
体はガスパを敵と認識しているらしく勝手に這いつくばりながらガスパの元へ。
ガスパの黄金のバリアは消え、手にしていた天秤も砕けていた。
「あわ、あわわわ……」
ガスパはボロボロになりながらも這いつくばって近づいてくる俺に恐怖を感じたのか、下半身が濡れている。
片足に力を込め、ガスパめがけて飛びかかり魔力も何も無いただのパンチをでっぷりとした腹に一撃当てる。 ガスパは くの字になって吹き飛び、泡を吹いて気絶した。
「勝者! ケンジーー!!」
執事さんの声が響き渡り、俺の優勝が決まった。
でも、俺は止まらず、ガスパに襲い掛かろうと、地面を這いつくばって向かっている。
意識ではもうやめろ! と思っているのに、体が止まらない。
勝手に動いているのだ!
「ご主人様ーー!!」
レアが闘技場へ飛び込み俺に向かって走ってくる。
ダメだレア! 体が勝ってに攻撃してしまう!
レアは俺を抱きしめると、俺の動きが止まった。
どうやらレアには攻撃しないようだ。
良かった……。
レアは俺を抱き抱えると、口をつけ魔力を俺に流し始めた。
ん! レア! 何を.………。
魔力が流れ込んで回復し出すと心地いい……。
俺はしばらくレアに体を預けるのだった。
このままではガスパに負ける……。
俺の意識は暗い空間で眠るように横たわっていた……。
「ひょ……? ……ひょっひょっひょっ! 勝った、勝ったぞい! ワシの勝ちじゃあああ!!」
ガスパは嬉しそうにピョンピョンと跳ね回っている。
「……ひょ? どうしたんじゃ? ワシは勝ったはずなのにゴーレムが元に戻らん……、バリアも消えぬ……」
ゴーレムは倒れた俺に近づいている。
まだ攻撃してくるつもりだ。
ゴーレムが腕を振りかぶった時、俺は意識の無いまま立ち上がり、ゴーレムの拳を片手で受け止め、攻撃の重さがわかる程、俺の足は地面にめり込む。
地面から足を抜き、剣のもとまで攻撃を回避しながら移動し剣を取る。
腹に空いた穴も立ち所に治るとゴーレムへ斬り込む。
何度も硬い体へ斬り込んでいたせいか、刀身にはヒビが入っていた。
無意識の攻撃で剣は砕けてしまい魔導法術機は外れて吹っ飛んだ。
剣が砕けた事はお構い無しに殴りにいく。
ゴーレムの光線や棘を躱し殴る。
拳に魔力を纏わせながらひたすら殴る。
そんな無茶苦茶な攻撃のせいで、俺の腕や体に負荷がかかり始め体に亀裂が入り出した。
「ご主人様! それ以上はダメです!!」
レアが叫ぶが俺の攻撃は止まらない。
「レア、どう言う事?」
「ご主人様は今、意識が無く自己防衛機能で戦っています。 相手を倒すまで止まらないでしょう。 ただ今のご主人様じゃその力に体がついていきません! もしこのまま攻撃を続けていたらご主人様は……」
「どうなるんですか……?」
ルルアは恐る恐る聞いてみる。
「ご主人様の体は砕けてしまいます……」
「「えっ!」」
「早く止めないといけません!」
レアが闘技場へ降りようとすると、執事さんが止めた。
「今降りたらケンジ様の負けとなってしまいます。 そうなると天秤の契約が発動してしまいますよ」
「それじゃケンジはどうなるの?」
「見守るしか無いですな」
「そんな……」
俺の攻撃ではゴーレムにヒビ一つ入らない。
だが意識の無い俺は攻撃の手を休める事は無く、殴っている。
ゴーレムも攻撃してくるが、俺は片手で止めぶん殴る。
棘も飛ばしてくれば弾き、光線を打とうとすれば懐に入って攻撃されないようにする。
動きは意識がある時より良く動く。
尻尾を振り回してくるが、片手で掴み、ゴーレムをジャイアントスイングの様に振り回して投げた。
投げつけられたゴーレムは壁だけでは無く、観客席まで破壊する。
皆んながいる場所の反対方向に投げたようで皆んなは無事だが、次はどうなるか分からない。
追い討ちをかけようと突進した時、ゴーレムは壁にめり込んだまま光線を放ってきた。
その光線は俺の左腕を消し飛ばした。
だが俺は止まらずそのままゴーレムの顔を殴りつけた。
腕から体に更にヒビが入る。
ゴーレムの顔は壁にめり込むが、やはり無傷だ。
ゴーレムが壁から起き上がってくる頃、俺は剣から外れて落ちている魔導法術機を拾い右手で握る。 すると、魔導法術機が手の中に吸い込まれ、右手と一体化した。
手の甲に宝玉の様な物が付き、指へと線が出ている。
そこに魔力を込めてゴーレムに殴りかかる。
ミスリルゴーレムも軽く砕ける。
だが、少ない魔力を使い続けているためか、俺の体や顔にもヒビが入り少しずつ欠けて行く。
ゴーレムの放つ光線も魔力のこもった右手で受け止めるが、ゴーレムは光線の出力を上げてきた。
魔力を高め光線を受け止めながら前進し、ゴーレムの顔の前まで来ると、ゴーレムの顔にありったけの魔力を叩き込みぶん殴る。
ゴーレムは頭部を貫き破壊され、倒れ塵となって行く。
魔力が完全に枯渇すると右足、左脇腹が砕けてしまう。
それでもまだガスパが残っている。
あいつを倒さないと決着がつかない……。
敵を倒した事で意識は少し戻ったが、体が言う事をきかない。
体はガスパを敵と認識しているらしく勝手に這いつくばりながらガスパの元へ。
ガスパの黄金のバリアは消え、手にしていた天秤も砕けていた。
「あわ、あわわわ……」
ガスパはボロボロになりながらも這いつくばって近づいてくる俺に恐怖を感じたのか、下半身が濡れている。
片足に力を込め、ガスパめがけて飛びかかり魔力も何も無いただのパンチをでっぷりとした腹に一撃当てる。 ガスパは くの字になって吹き飛び、泡を吹いて気絶した。
「勝者! ケンジーー!!」
執事さんの声が響き渡り、俺の優勝が決まった。
でも、俺は止まらず、ガスパに襲い掛かろうと、地面を這いつくばって向かっている。
意識ではもうやめろ! と思っているのに、体が止まらない。
勝手に動いているのだ!
「ご主人様ーー!!」
レアが闘技場へ飛び込み俺に向かって走ってくる。
ダメだレア! 体が勝ってに攻撃してしまう!
レアは俺を抱きしめると、俺の動きが止まった。
どうやらレアには攻撃しないようだ。
良かった……。
レアは俺を抱き抱えると、口をつけ魔力を俺に流し始めた。
ん! レア! 何を.………。
魔力が流れ込んで回復し出すと心地いい……。
俺はしばらくレアに体を預けるのだった。
0
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説


特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編


無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる