竜探しのお話

hachijam

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4章.竜の研究者

45.

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「そもそも、何を勘違いしたら、お前如きが才能があると思えるんだ?ん、もしかしたら、私が才能があるから、近くにいる自分も才能があると勘違いしてしまうのか?だったら私のせいなのか?才能がある者の責任なのか?」

一人で問答するようにリアリが呟いていた。その場には相応しくない様子がどこか場をしらけさせた。

「いつまでも言っていろ。いくら強がろうが今の状況ぐらい分かるだろう。それとも天才は死なないとでも思っているのか?お前が死ねば、研究所は全て私の物だ。お前の研究結果も全てだ」

リアリのそんな態度を負け惜しみだと感じたドレロは、可笑しそうに高笑いした。サントたちはリラとホウミの姿を見て手を出せなかった。しかし、そんなドレロの様子を見て、リアリは大きくため息をついた。

「はあ」

そして、大きく首を振った。

「なあ、ドレロ。お前は本当に何も疑問に思わなかったのか?」

呆れたように続ける。

「お前より、遥かに才能があるホウミが、どうして、こんな安っぽい、馬鹿っぽい芝居に付き合っているのか、不思議だとは思わなかったのか?」

「…?」

ドレロは言われた事の意味が分からなかった。

「まさか、自分の言う事なら絶対に聞くはずだとか、信じていたわけじゃないよな?それとも緻密な計画だから失敗は無いと考えたのか?」

どこか可笑しそうに言う。

「ん?でも、そんなに緻密ではないか…。だったら勘違いしないと思うのだが…。おいおい、本当に?まさかそうなのか?自分の計画が完ぺきだとか、信頼されているとか本当に思っていたのか。おめでたい奴だ」

「な、何を言っている」

リアリの言いようにドレロが戸惑った。リアリは笑いがこらえられないようだった。

「あ、あの、もういいでしょうか」

恐る恐ると言う感じでホウミが言った。

「ああ、すまんすまん。見事な演技で見惚れてしまったよ」

笑いながらリアリが言った。

「はい。あの、私、だいぶ恥ずかしいんですが…」

どこか顔を赤らめるようにホウミが言う。

「研究よりもそっちの才能の方があるんじゃないか」

少しだけ真剣な表情をしたが、声を抑えられないようにリアリが言った。

「もういいです。はい、リラさん。こちらへ」

リアリの発言を無視して、そういうと、リラをサントたちのところに連れてきた。

「すいません。私は嫌だったんですよ。でも、所長命令で仕方なく…」

そうリラが謝る。

「ええっと、どういう…」

ラテアがその場にいる全員の聞きたい事を尋ねた。全員の視線がホウミとリアリに向いていた。
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