落書きモノ

hachijam

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5.体を取り戻す方法を考える

36.

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自分でも意識していない事が起こって、ぼくはかなり焦った。そして、その結果として、あっさりと姿を現してしまった。あれこれと迷っていたのがバカみたいだと思えるほどあっさりと。

ぼく以外のぼくがこれだけたくさんいるのは、ぼく自身気が付いていたのだろうか。気が付いていたような気もするし、全く気が付いていなかった気がする。ただ、いる事を知ってしまった後だと、ぼくが行った行動、そのものが本当にぼくの考えなのかも疑問に思ってしまった。たくさん現れた、あの中の存在にぼくに影響を与えた存在がいても不思議ではないし、むしろ、その方が自然に思えた。ぼくが与えた影響と言うのもたくさんあるのかもしれないと思った。

おそらく個々の存在はお互いを認識していないと思う。だから、きっと、僕やボク、そして、たくさんのぼくが初めて出会った瞬間だったのではないかなと思った。その中で、ぼくには焦りが生まれてしまい結果的に姿を現す事になった。

もしかしたら、どうしようか迷っているぼくをどうにかしなければいけないと考えた、ぼくがいるのかもしれないとも思った。そんな事を考えると、訳が分からなくなるが、いずれにしろ、ぼくは姿を現してしまった。

こうなったら、ぼくは僕と対話するしかないだろう。気になるのはボクの事だろうか。身体の存在であるボクが何を考えているのかが一番よく分からなかった。ただ、その事を考えても、もう仕方がない気がする。今となっては全てが一歩進んでしまったようで、駆け引きをするような感じではなくなっていた。ぼく以外のぼくが現れて、交渉し始めても困る。

そして、これはこれで、ぼくが望んでいた事なのかもしれないとも思った。それは、ある意味で僕とボクが期待していた事でもあろう。何が最善なのか、最善なんてものが存在するのか分からなかったが、それを求めるタイミングになっているのかもしれないと思った。何もかもが手遅れになる前にこういう機会が訪れたのも、結局のところ、僕やボク、そして、ぼくが望んでいた事なのかもしれない。そんな風に考えると気分的に少し楽になる。

どんな結論になった都市ても、それを全て受け入れる覚悟と言うのが必要なのかもしれないと思った。それがどんなものなのか、分かっている訳では無かったが、なるようにしかならないという気にもなっていた。出来れば一番いい答えを見つけたい。そうは考えていた。

そして、不思議な奇妙な話し合いが開かれることになる。
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