38 / 38
冬
7.
しおりを挟む
合格した時の気持ちをなんて表現すれば良いのか良く分からない。嬉しかったというのは確かだろう。安心した、ホッとしたというのも正直な気持ちだと思う。でも、思ったほどではなかったというのも正直な気持ちだった。
何でそんな風に思ったかと言えば、多分、年末のプレッシャーがあったからだ。後で考えれば、そこまでプレッシャーに感じる必要はなかったと思うけど、それはやっぱり後から思う事で、その時には尋常では無かった。それを考えれば、本番なんて大したことないと思えたし、発表を待つのも苦にもならなかった。
そのプレッシャーに負けなくてすんだのは、初詣だったと思う。何か特別な事ではなく、だからこそ意味があった事なのかもしれない。あの初詣が無かったらどうなっていたのだろうか。それを考えると不安に思ってしまう。
彼にそのことを言ったらどうなるだろうか。そんな事無いよ、頑張った成果だよと言いそうだなと思うけど、でも、そうではない事は察してくれそうな気もした。
ただ、その時、私は私の事で精一杯だった。それを彼の不合格の話を聞いて思い知らされた。連絡は彼の方からあった。遠慮がちに結果を聞いてきて、受かった事を告げると喜んでくれた。私は彼も受かっていたと思っていたのだけど、その後に告げられた言葉は不合格だった。
だから、それがすごいショックだった。
まだ、国立があるからと言っていたけど、あまり自信がある口調では無かった。センター試験の結果から考えると難しいというのも前に言っていたのを思い出す。
私がショックを受けていた理由は何なんだろう。それも良く分からない。私が受かった事で、彼と同じ大学に行けると考えていたからだろうか。でも、私は、彼は両方とも受かるだろうと思っていた。根拠のない自信と言ってしまえば、それまで何だけど、でも、それは私の中では当然だと思っていた事でもある。だから、どっちにしろ、同じ大学に行けるとは思っていなかった。
ショックを受けた一番の理由。それは、私が彼に迷惑をかけてしまったことだろう。どういう事と言われると具体的には分からない。でも、多分、あの時の初詣が影響している。彼は私の事を一生懸命考えて誘ってくれて、その結果として、私は受かった。でも、彼はその逆になった。きっと、初詣に行かなければ、逆の結果になっていただろう。それもまた根拠のない事なんだけど、でも、やっぱり、そうなっていただろうなと思った。
何でそんな風に思ったかと言えば、多分、年末のプレッシャーがあったからだ。後で考えれば、そこまでプレッシャーに感じる必要はなかったと思うけど、それはやっぱり後から思う事で、その時には尋常では無かった。それを考えれば、本番なんて大したことないと思えたし、発表を待つのも苦にもならなかった。
そのプレッシャーに負けなくてすんだのは、初詣だったと思う。何か特別な事ではなく、だからこそ意味があった事なのかもしれない。あの初詣が無かったらどうなっていたのだろうか。それを考えると不安に思ってしまう。
彼にそのことを言ったらどうなるだろうか。そんな事無いよ、頑張った成果だよと言いそうだなと思うけど、でも、そうではない事は察してくれそうな気もした。
ただ、その時、私は私の事で精一杯だった。それを彼の不合格の話を聞いて思い知らされた。連絡は彼の方からあった。遠慮がちに結果を聞いてきて、受かった事を告げると喜んでくれた。私は彼も受かっていたと思っていたのだけど、その後に告げられた言葉は不合格だった。
だから、それがすごいショックだった。
まだ、国立があるからと言っていたけど、あまり自信がある口調では無かった。センター試験の結果から考えると難しいというのも前に言っていたのを思い出す。
私がショックを受けていた理由は何なんだろう。それも良く分からない。私が受かった事で、彼と同じ大学に行けると考えていたからだろうか。でも、私は、彼は両方とも受かるだろうと思っていた。根拠のない自信と言ってしまえば、それまで何だけど、でも、それは私の中では当然だと思っていた事でもある。だから、どっちにしろ、同じ大学に行けるとは思っていなかった。
ショックを受けた一番の理由。それは、私が彼に迷惑をかけてしまったことだろう。どういう事と言われると具体的には分からない。でも、多分、あの時の初詣が影響している。彼は私の事を一生懸命考えて誘ってくれて、その結果として、私は受かった。でも、彼はその逆になった。きっと、初詣に行かなければ、逆の結果になっていただろう。それもまた根拠のない事なんだけど、でも、やっぱり、そうなっていただろうなと思った。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる