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夏
5.
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予定はすぐに決まった。お盆休みの時だ。彼の方も休みみたいでホッとする。やっぱり、お互い受験生なので、そういうところでは迷惑を掛けたくなかった。遊びに行くと言ったら、親に怒られるかなと少し思ったけど、息抜きには丁度いいんじゃないと言われた。一応、友達と行くと説明した。彼と具体的には言わなかったけど、嘘ではない。親が想像したのは、たまに話す仲の良い友達の事だと思うけど。
その友達にも遊園地デートの事を話したら、喜んでくれて、なぜか、彼女が張り切る。どういう服装をしていくのか、どういうデートプランにするのか、いろいろと言ってきた。それが単純に楽しかった。あんまり楽しかったので、あれこれと妄想していたら、夏期講習の際に注意されてしまった。恥ずかしい。
勉強する時には集中しないといけない。でも、油断すると楽しみが膨らんできてしまう。それまでは必死に勉強していて、あっという間に夏休みが過ぎていく感じだったけど、そこからの一日一日はとても長くて待ち遠しかった。
予定が決まってから、彼からの連絡は無かった。これがきっかけで毎日電話とかしてくれてもいいのにと思ったけど、それは贅沢なお願いかもしれないと思う。でも、だんだんと、思いだけが募っていくのがとても切なく感じた。
出来るだけ可愛い格好をしてみた。他の人と比べたら、どうだかわからない、おそらく、地味な気もするけど、私なりに精一杯の可愛さを演出したつもりだ。母親が私の服装を見て、何だか可愛い格好しているねと言ってきた。もしかしたら、何か勘づいているのかもしれない。でも、それを深く追及される事は無かった。
よく考えると、高校で会う時はいつも制服姿だから、私服姿の彼と言うのは、ほとんど見た事が無い気がする。何かの時に見た気がするけど、あまり印象が無かった。と言う事は、私の私服姿もだろう。張り切ってしまったけど、どう思われるのか、緊張してくる。
彼の姿も気になる。ビックリするぐらい格好良かったらどうしよう。並んで歩けるだろうか。それとも物凄く格好悪かったらどうしよう。そんな事も想像する。それだけで幻滅してしまうのだろうか。とにかく、訳が分からなるくらい、いろいろと考えてデートに向かった。待ち合わせは大きなターミナル駅。初めての待ち合わせがそういうところで大丈夫なのか不安に思う。私は携帯を持っているけど、彼は持っていない。会えなかったらどうしよう。そんな不安が少しだけあった。
でも、待ち合わせの場所に彼はすでに来ていて、何の不安も無かったと安心した。ちなみに彼は、Tシャツにジーンズと言う格好だった。合格点だろうと、少し偉そうに思った。
その友達にも遊園地デートの事を話したら、喜んでくれて、なぜか、彼女が張り切る。どういう服装をしていくのか、どういうデートプランにするのか、いろいろと言ってきた。それが単純に楽しかった。あんまり楽しかったので、あれこれと妄想していたら、夏期講習の際に注意されてしまった。恥ずかしい。
勉強する時には集中しないといけない。でも、油断すると楽しみが膨らんできてしまう。それまでは必死に勉強していて、あっという間に夏休みが過ぎていく感じだったけど、そこからの一日一日はとても長くて待ち遠しかった。
予定が決まってから、彼からの連絡は無かった。これがきっかけで毎日電話とかしてくれてもいいのにと思ったけど、それは贅沢なお願いかもしれないと思う。でも、だんだんと、思いだけが募っていくのがとても切なく感じた。
出来るだけ可愛い格好をしてみた。他の人と比べたら、どうだかわからない、おそらく、地味な気もするけど、私なりに精一杯の可愛さを演出したつもりだ。母親が私の服装を見て、何だか可愛い格好しているねと言ってきた。もしかしたら、何か勘づいているのかもしれない。でも、それを深く追及される事は無かった。
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