この命を君に。

「俺の命は後11年なんだ。」

中学からの友人、夕凪 拓馬(ゆうなぎたくま)は高校二年の夏にそう告白した。
俺は言葉が出ず戸惑うことしかできなかった。
何故このタイミングなのだろうか。

「何故俺にその事を?中学からの中だが他にも友人はいるだろうに。」

正直に思った事を聞いた。
すると拓馬はこう答えた。

「お前だからだよ。」

この一言に最初は疑問しか出なかった。
この一言がまさかあの事件に深く関わるとも知らずに…。
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