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第8章 新たなる人物は敵か味方か
え?どうすれば良いの?誰か教えて
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ナナは、何度も何度も声の方を、改めて確かめてみた。
やはり、声は現女王(レイ子の義母)の寝室から聞こえてくる。
間違えてたら、どうしよう?
ハイヒールか壺でも、私を目がけて、飛んでくるかしら?
それとも、今度こそ、王様に怒られて、追放かしら?
想像するだけで、ナナは震えた。
現女王は、この2年くらいで現国王(レイ子の父親)の後妻なった人で、
ナナは話をしたことがなかった。
また、同じ場に居ても、ナナを一瞥するだけで、現女王からナナに声をかけて来たことは、無かった。
どうしよう?
どうしよう?
頑張ってノックしてみよう。
そう、ナナは決意すると、震えながら、ノックをした。
「女王様、ナナでございます。」
ドアを開ける音がした。
ナナが顔を上げると、そこには、現女王と王様がいた。
「お前、女王の指輪を盗んだそうだな。」
王様が見たこともない凄い形相で、怒鳴った。
「罰として、今日1日は、馬小屋で寝るんだ。」
王様がそう命令すると、すぐに側近達がナナを引きずっていく。
「女王様の指輪を、私は見たこともございません。」
ナナは叫んだ。
誰も、聞いてなんかくれない。
まるで、私の人格も私の存在も無いもののように扱われていると、ナナは思った。
悲しさと絶望感で胸が、張り裂けそうだった。泣きたくてたまらなかったが、ナナが泣くと、余計に王様も現女王も笑うかと思うと、必死で涙が溢れるのを堪えた。
現女王は、ナナに一瞥をくれただけで、一言も声をかけることもせず、ナナを庇うこともなかった。
馬小屋について、ナナは1人で泣いた。
馬小屋の外でナナを見張っている門番達に、聞こえないように、静かな声で泣いた。
私、本当に1人なのね。
明日は舞踏会だというのに、馬小屋なんて。きっと、明日も馬小屋から、出してもらえないわ。
レイン王子を一目でも見たかった。
ナナは、孤独と絶望で、今にも倒れそうだった。
「良い気味ね。あなたには、馬小屋かお似合いよ。」
ただ、それだけを言い残して、レイ子は来たと思ったら、立ち去って行った。
泣いていたナナの様子が心底嬉しかったのか、レイ子の高笑いが響いていた。
ナナは寝ていたのだろうか、朝方になっていた。寝ぼけているのだろうか?
また、あの懐かしい声がした。
「ナナ様、もう少しお待ち下さい。
そしたら、救い出しますから。」
辺りを見渡したが、やっぱり誰もいない。
寝ぼけているのだろうか?
ナナは不思議で信じられなかった。
「そこを、おどきなさい。
あなた達は、朝ごはんの時間ですよ。」
門番達が急いで立ち去る音がした。
馬小屋に入って来たのは、現女王(レイ子の義母)である。
ナナは驚いて言葉を失ってしまった。
また、ねれ着ぬをきせられるのだろうか?
何か嫌なことでもあって、私への八つ当たりかしら?
それとも、本当に追放されるのだろうか?
ナナは不安で、顔を上げることが出来ずにいた。
「ナナ様、お待たせいたしました。これから、私の本当の姿をお見せします。」
現女王はそう言って、ナナに頭を下げて挨拶をした。
やはり、声は現女王(レイ子の義母)の寝室から聞こえてくる。
間違えてたら、どうしよう?
ハイヒールか壺でも、私を目がけて、飛んでくるかしら?
それとも、今度こそ、王様に怒られて、追放かしら?
想像するだけで、ナナは震えた。
現女王は、この2年くらいで現国王(レイ子の父親)の後妻なった人で、
ナナは話をしたことがなかった。
また、同じ場に居ても、ナナを一瞥するだけで、現女王からナナに声をかけて来たことは、無かった。
どうしよう?
どうしよう?
頑張ってノックしてみよう。
そう、ナナは決意すると、震えながら、ノックをした。
「女王様、ナナでございます。」
ドアを開ける音がした。
ナナが顔を上げると、そこには、現女王と王様がいた。
「お前、女王の指輪を盗んだそうだな。」
王様が見たこともない凄い形相で、怒鳴った。
「罰として、今日1日は、馬小屋で寝るんだ。」
王様がそう命令すると、すぐに側近達がナナを引きずっていく。
「女王様の指輪を、私は見たこともございません。」
ナナは叫んだ。
誰も、聞いてなんかくれない。
まるで、私の人格も私の存在も無いもののように扱われていると、ナナは思った。
悲しさと絶望感で胸が、張り裂けそうだった。泣きたくてたまらなかったが、ナナが泣くと、余計に王様も現女王も笑うかと思うと、必死で涙が溢れるのを堪えた。
現女王は、ナナに一瞥をくれただけで、一言も声をかけることもせず、ナナを庇うこともなかった。
馬小屋について、ナナは1人で泣いた。
馬小屋の外でナナを見張っている門番達に、聞こえないように、静かな声で泣いた。
私、本当に1人なのね。
明日は舞踏会だというのに、馬小屋なんて。きっと、明日も馬小屋から、出してもらえないわ。
レイン王子を一目でも見たかった。
ナナは、孤独と絶望で、今にも倒れそうだった。
「良い気味ね。あなたには、馬小屋かお似合いよ。」
ただ、それだけを言い残して、レイ子は来たと思ったら、立ち去って行った。
泣いていたナナの様子が心底嬉しかったのか、レイ子の高笑いが響いていた。
ナナは寝ていたのだろうか、朝方になっていた。寝ぼけているのだろうか?
また、あの懐かしい声がした。
「ナナ様、もう少しお待ち下さい。
そしたら、救い出しますから。」
辺りを見渡したが、やっぱり誰もいない。
寝ぼけているのだろうか?
ナナは不思議で信じられなかった。
「そこを、おどきなさい。
あなた達は、朝ごはんの時間ですよ。」
門番達が急いで立ち去る音がした。
馬小屋に入って来たのは、現女王(レイ子の義母)である。
ナナは驚いて言葉を失ってしまった。
また、ねれ着ぬをきせられるのだろうか?
何か嫌なことでもあって、私への八つ当たりかしら?
それとも、本当に追放されるのだろうか?
ナナは不安で、顔を上げることが出来ずにいた。
「ナナ様、お待たせいたしました。これから、私の本当の姿をお見せします。」
現女王はそう言って、ナナに頭を下げて挨拶をした。
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