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第13章
伝わりやすざはゼロからは生み出せない、ノウハウを学んで真似ろー第13の課題解答編ー
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ゲーテさんからもらったヒントをもとに
企画書を作り直す前にYouTubeの検索窓にキーワードを打ち込んだ。
検索:企画書 作り方
カチカチと、キーワードのタイプ音が響き
検索結果がずらっと並ぶ。
「ダメな企画書を一瞬で良い企画書に変える方法」
「企画書の作り方を教えます」
などなど、いかにも役立ちそう動画がいくつも見つかった。
今の時代、ほとんどのノウハウはオンライン上に転がっている。
探そうとするかしないか、そして情報の真偽を見極められるかどうか
それだけの差がきっと大きな違いになる。
企画書の作り方に悩んだ時に調べようともしなかった時点で
僕はすでにやり方を間違えていたのだろう。
気分を一新すべく、ブラックコーヒーを傍らに用意した。
上位に表示された動画をいくつか見ながら
共通するポイントをまとめていく。
そうして、得た気づきをもとに改めて自分が作った企画を見直した。
僕が気付いた企画書の改善点は大きく分けて3つ。
・情報を詰め込みすぎていて見づらい
・色が多すぎるし、フォントも読みづらい
・一つ一つの文章が長すぎて分かりづらい
「なるほど、見づらい」
思わず苦笑してしまった。
ゲーテさんが一言で切り捨てたのも納得だ。
他にも細かな修正点は山ほどある。
動画で学んだことを参考に、ひたすら直して調整を繰り返す。
動画以外にも、デザイン関係のブログも参考になった。
ゼロから作ろうとしていたことも間違っていた。
すでにある完成されたデザインをもとに、アレンジすればいい。
試行錯誤を重ねて、資料が出来上がった頃には
手元のコーヒーはすっかり冷え切っていた。
ちびりと一口飲むと、苦味が口に広がる。
「うわ、もう6時間も経ってる!」
時計を見て驚いた。
あっという間に6時間、時間があまりに早く過ぎていく。
デスクの隅っこに追いやっていた携帯をふと見やる。
特にランプは光っていない。
着信はなかったらしい。
今は仕事中。
プライベートはいったん後回しにしよう。
出来上がった資料をさっそくゲーテさんに見せに行った。
「うん、だいぶ分かりやすくなったね」
資料全てに目を通してから
ゲーテさんはふっと微笑んだ。
「資料の見やすさってホント大事なんだよね~。さて、理由はもう分かるかな?」
その問いかけに僕は大きく頷いた。
実は、YouTubeの動画の中にヒントがあったのだ。
その動画はあるコンペに関する動画だった。
いくつもの資料を見比べながら、配信者が様々な指摘を加えていく。
それを見て思ったのだ。
お客様が見る企画書は、1つだけとは限らない。
競合の企画書と比較されるのは当たり前。
むしろ比べて頂くために企画書があると言ってもいい。
だからこそ、見やすさに欠けた企画書は
どれだけ内容がよかったとしてもそもそも読んでもらえない。
がんばって作ろうがどうしようが、お客様からすれば関係ない話だ。
パッと見てよく分からないものは読まない。
僕だって、いろんな資料を見ていたら当然そういう判断を下すだろう。
だって時間は有限なのだ。
分かりやすいことは最初にクリアすべき前提条件でしかない。
その上で内容のクオリティが伴って、はじめて選んで頂ける。
それが企画書。
「そーそー、ようは相手の立場をきちんと考慮できるかってことなんだよね」
ゲーテさんも笑いながら頷いてくれた。
僕はほっと胸を撫で下ろした。
「さーて、この調子で残りの音声全部やっちゃおー!」
残り、全部。
そのフレーズに僕はくらりとめまいを感じた。
「ええっと…残りはあと、何本でしたっけ…?」
僕の問いかけに、ゲーテさんはさらっと答えを返す。
「ん?あと100本ちょっとじゃない?」
執事さんは今日もラジオ配信をしていたから
また本数が増えているはずだ。
ざあっと血の気が引いていく。
今回の企画書の所要時間が、結局トータルで約9時間。
そして9時間に100を掛けたら…
小学生でもできる簡単な計算式で900時間。
はっきり言おう、シャレにならない。
「スピードアップしないとまずいねえ、あーがんばれ~」
ゲーテさんが無責任に応援してくれた。
あまりうれしくはない。
それからの僕は、ひたすら企画書作りに追われ続けた。
もちろんクオリティに妥協しては意味がない。
寝る間も惜しんで約2週間もの間、ひたすらに作業を繰り返す。
その間、携帯は何度も着信を告げた。
ほとんどのメールは仕事関係だが
いくつかは私的なものだった。
親友からのメールが届く。
その時の僕が何かを返せていたら、この先の未来は変わったのだろうか。
たらればの話なんて意味がない。
当時の僕は、毎日燃え尽きるように仕事をしていた。
返事を返すキャパシティなど、どこにもなかったのだ。
=====
<×月×日 気づきノート>
色は3色まで、余白を大切に。
だめだ、眠い。
=====
企画書を作り直す前にYouTubeの検索窓にキーワードを打ち込んだ。
検索:企画書 作り方
カチカチと、キーワードのタイプ音が響き
検索結果がずらっと並ぶ。
「ダメな企画書を一瞬で良い企画書に変える方法」
「企画書の作り方を教えます」
などなど、いかにも役立ちそう動画がいくつも見つかった。
今の時代、ほとんどのノウハウはオンライン上に転がっている。
探そうとするかしないか、そして情報の真偽を見極められるかどうか
それだけの差がきっと大きな違いになる。
企画書の作り方に悩んだ時に調べようともしなかった時点で
僕はすでにやり方を間違えていたのだろう。
気分を一新すべく、ブラックコーヒーを傍らに用意した。
上位に表示された動画をいくつか見ながら
共通するポイントをまとめていく。
そうして、得た気づきをもとに改めて自分が作った企画を見直した。
僕が気付いた企画書の改善点は大きく分けて3つ。
・情報を詰め込みすぎていて見づらい
・色が多すぎるし、フォントも読みづらい
・一つ一つの文章が長すぎて分かりづらい
「なるほど、見づらい」
思わず苦笑してしまった。
ゲーテさんが一言で切り捨てたのも納得だ。
他にも細かな修正点は山ほどある。
動画で学んだことを参考に、ひたすら直して調整を繰り返す。
動画以外にも、デザイン関係のブログも参考になった。
ゼロから作ろうとしていたことも間違っていた。
すでにある完成されたデザインをもとに、アレンジすればいい。
試行錯誤を重ねて、資料が出来上がった頃には
手元のコーヒーはすっかり冷え切っていた。
ちびりと一口飲むと、苦味が口に広がる。
「うわ、もう6時間も経ってる!」
時計を見て驚いた。
あっという間に6時間、時間があまりに早く過ぎていく。
デスクの隅っこに追いやっていた携帯をふと見やる。
特にランプは光っていない。
着信はなかったらしい。
今は仕事中。
プライベートはいったん後回しにしよう。
出来上がった資料をさっそくゲーテさんに見せに行った。
「うん、だいぶ分かりやすくなったね」
資料全てに目を通してから
ゲーテさんはふっと微笑んだ。
「資料の見やすさってホント大事なんだよね~。さて、理由はもう分かるかな?」
その問いかけに僕は大きく頷いた。
実は、YouTubeの動画の中にヒントがあったのだ。
その動画はあるコンペに関する動画だった。
いくつもの資料を見比べながら、配信者が様々な指摘を加えていく。
それを見て思ったのだ。
お客様が見る企画書は、1つだけとは限らない。
競合の企画書と比較されるのは当たり前。
むしろ比べて頂くために企画書があると言ってもいい。
だからこそ、見やすさに欠けた企画書は
どれだけ内容がよかったとしてもそもそも読んでもらえない。
がんばって作ろうがどうしようが、お客様からすれば関係ない話だ。
パッと見てよく分からないものは読まない。
僕だって、いろんな資料を見ていたら当然そういう判断を下すだろう。
だって時間は有限なのだ。
分かりやすいことは最初にクリアすべき前提条件でしかない。
その上で内容のクオリティが伴って、はじめて選んで頂ける。
それが企画書。
「そーそー、ようは相手の立場をきちんと考慮できるかってことなんだよね」
ゲーテさんも笑いながら頷いてくれた。
僕はほっと胸を撫で下ろした。
「さーて、この調子で残りの音声全部やっちゃおー!」
残り、全部。
そのフレーズに僕はくらりとめまいを感じた。
「ええっと…残りはあと、何本でしたっけ…?」
僕の問いかけに、ゲーテさんはさらっと答えを返す。
「ん?あと100本ちょっとじゃない?」
執事さんは今日もラジオ配信をしていたから
また本数が増えているはずだ。
ざあっと血の気が引いていく。
今回の企画書の所要時間が、結局トータルで約9時間。
そして9時間に100を掛けたら…
小学生でもできる簡単な計算式で900時間。
はっきり言おう、シャレにならない。
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ゲーテさんが無責任に応援してくれた。
あまりうれしくはない。
それからの僕は、ひたすら企画書作りに追われ続けた。
もちろんクオリティに妥協しては意味がない。
寝る間も惜しんで約2週間もの間、ひたすらに作業を繰り返す。
その間、携帯は何度も着信を告げた。
ほとんどのメールは仕事関係だが
いくつかは私的なものだった。
親友からのメールが届く。
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色は3色まで、余白を大切に。
だめだ、眠い。
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お読み頂き、ありがとうございます。毎日20時頃に更新していきます。
「面白い!」「続きが気になる…」と思われた方はぜひ、「お気に入り登録」頂ければうれしいです。
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