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第12章
書き言葉も話し言葉も結局、使い分けができなければ損をするー第12の課題解答編ー
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書き起こした文章の中から口語を見つけ出し
文語に直していくのは、地味な作業だった。
そして手間がかかる。時間もかかる。
これだけのコストを掛けてまで
文語にすべき理由とは何なのだろう?
校正関連のWebサイトをいくつか参考にしながら
作業を終えたのは、3時間後。
書き起こしで2時間かかったことを考えると
この時点で当初の想定時間をオーバーしている。
「さて、これでほんとに大丈夫なのか…?」
絶対に見落としがある気がする。
明日ゲーテさんに見せて、合格をもらえるかどうか自信はない。
課題の答えも、まだうまく言葉にできないままだ。
「あ、そういえば携帯メール放置したままだった」
親友から久しぶりにきた連絡なのに
夜まで目を通す余裕もなかった。
心のなかで、ごめんなーと親友に謝りを入れてから
メールの内容をチェックする。
件名:久しぶり
本文:元気か?転職先どうだ
まだ続いてんの?
他愛ない内容だ。
僕が生きてるのか、状況を気にしてくれたのだろう。
夜も遅いがメールなら問題ないだろう。
サクッと返事を返すことにした。
件名:元気だよ
本文:日々しごかれてるけどね
おかげで、だいぶ成長できてるとは思う
メールが送信済みになったのを確認してから
すぐさまベッドに横になった。
眠気がひどい。
いつの間にか意識が落ちて、あっという間に翌朝だ。
僕は朝イチでゲーテさんの所へ向かった。
自分なりの整文をすませた原稿をその場で手渡す。
提出した原稿をチェックするゲーテさんは
いいことでもあったのか、今にも鼻歌を歌いだしそうなほど上機嫌だ。
「ふんふん~、大分がんばったみたいだけど、ううーんちょっと30分待っててー]
デスクに戻った僕は別の業務に取り掛かりながらも
ゲーテさんの様子を横目でうかがった。
楽しげに赤ペンで書き込みをしているのは
おそらく僕の提出原稿だ。
もしかして思った以上に訂正箇所があるんだろうか。
その予想は、正しかった。
30分きっかり経った後、ゲーテさんが僕に手渡した書類には
びっしりと赤で訂正やコメントが記入されていた。
どうやら書き起こしただけの原稿をゲーテさんが
自分で整文してみたらしい。
そう、たったの30分でゲーテさんはその作業を終えたのだ。
「自分の原稿と見比べてチェックしてごらんー」
頭がぐわんぐわんと揺れる。
僕が数時間かかった作業でも
ゲーテさんなら2割ほどのコストで終えられる。
圧倒的な実力差が、数字として突きつけられたのだ。
「…わかりました」
ゲーテさんの指示に、なんとか返事を返す。
思わず握りしめた原稿はぐしゃっと折り目がついてしまった。
僕の2回目の原稿とゲーテさんの原稿とを見比べると
短時間にもかかわらず彼女の仕事のほうが完成度が高かった。
「ああ…ここも見落としてたのか」
比べながら、ひとつひとつチェックを付けていく。
ゲーテさんがくれた原稿には、単なる修正だけではなく
ふせんで注釈も添えられていたので、とてもわかりやすかった。
いっそ、最初からゲーテさんがしていれば
どれだけの時間が無駄にならずにすんだのか。
僕がやる意義は本当にあったのか。
無駄な問いだとはわかっていても、思わず深いため息がもれていく。
「落ち込まなくてイイからさ、結局課題の答えって見つかった?」
後ろからぽんと肩を叩かれた。ゲーテさんだ。
「口語と文語って難しいよね~。なんでわざわざこだわるのか、話してみ?]
当てずっぽうでいいとまで言われると、少し気が楽になる。
問の答えは、なんとなくなら分かっているのだ。
ただうまく言葉にならない。
どうしよう、とうつむいた視線の先
ゲーテさんが添えていた注釈のふせんが目に入った。
注釈のひとつに書いてあったことの一つを思い出す。
[ヒント!]この文章って、ゴールは何だった?
ふと、ひらめきが走った。
やっと何かをつかめた気がする。
僕は考えをそのまま口に出していくことにした。
ゴールは、企画書を作ることだ。
執事さんの音声を、いつでも読み返せるように
わかりやすい企画書にするのが今回の仕事。
でも、企画書はそもそも誰のためのものだろう。
社内のみんなに共有することもあるだろう。
けれど、最終的には社外のお客様にも展開していくつもりで作っていた。
企画書を見る人はきっと様々だ。
ビジネスに関する知識のレベルも文章読解力もばらつきがあるだろう。
だからこそどんな人にでも伝えようと思うのなら
わかりやすく整えておく必要がある。
さらに言えば、これは会社として作る企画書だ。
だから、見た人は会社のイメージやレベルを書類の出来栄えから推測するだろう。
一見細かすぎることでも、きっと
それ以上に細かな部分を見てくる人はきっといるだろう。
だから、文語と口語の違いにもこだわる必要がある。
「…のだと思ったのですが、合ってますか?」
僕はゲーテさんの反応を伺った。
表情を見るに、少なくとも的外れではなかったらしい。
「うん、大体合格かな。文芸作品だと口語と文語を混ぜる事も多いんだけど要はTPOなのよね」
TPO。
つまり、時と場所と状況に応じて使い分けるということ。
会食のマナーと同じく、書き言葉だって場に応じて使い分ける必要がある。
それだけのことだったのだ。
「さてと、だいたいやり方はわかったよね。じゃあ次は一発合格狙ってみよー!」
ゲーテさんのハイテンションに僕は驚いた。
そして、次とはどういうことだろう?
「え、だって音声たくさんあるでしょ。だから次は文章起こしから整文まで一発合格ね!」
どうやら一発合格ができるまでは、企画書作りには進めないらしい。
執事さんのラジオは当然1本だけではない。全部で100本以上音声がある。
だから、当然文字起こしの素材はたくさんあるわけだが…
「なんだ、この徒労感…」
僕はがっくりとうなだれた。
すごろくで「振り出しに戻る」のマスを踏んでしまった気分だ。
まあ先に進めないのなら仕方ない。
ふてくされた気分を切り替えるべく、小休止をとることにした。
洗面所で顔をばしゃばしゃと洗う。
ポケットからハンカチを取り出そうとした時に、ふと携帯が目についた。
メールの着信が1件。宛先は親友からだ。
昨夜送った内容に、律儀に返事をくれたのだろうか。
メールを開く。
内容はシンプルだった。
件名はReだけ。
そして本文には一言、「お前がうらやましい」とそれだけが書かれていた。
僕は首をかしげる。
うらやましいと言われても、何がどううらやましいのか分からない。
日々容赦なくしごかれてはいる環境は厳しくもありがたいとは思うが
こればっかりは運と縁とタイミングが良かったからとしか言えない。
なんと返してよいか分からない内容だったので
僕はいったんそのメールを放置することにした。
「さて、次の音声は一発合格してやるぞ!」
バチンと両手で頬を叩く。
気合を入れて、ゲーテさんから早く一発合格を勝ち取りたい。
そうして、僕は親友からのメールを意識の片隅に追いやった。
=====
<×月×日 気づきノート>
なかなか一発合格に届かない。後もう少しなのになあ。
明日こそは!!
=====
文語に直していくのは、地味な作業だった。
そして手間がかかる。時間もかかる。
これだけのコストを掛けてまで
文語にすべき理由とは何なのだろう?
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作業を終えたのは、3時間後。
書き起こしで2時間かかったことを考えると
この時点で当初の想定時間をオーバーしている。
「さて、これでほんとに大丈夫なのか…?」
絶対に見落としがある気がする。
明日ゲーテさんに見せて、合格をもらえるかどうか自信はない。
課題の答えも、まだうまく言葉にできないままだ。
「あ、そういえば携帯メール放置したままだった」
親友から久しぶりにきた連絡なのに
夜まで目を通す余裕もなかった。
心のなかで、ごめんなーと親友に謝りを入れてから
メールの内容をチェックする。
件名:久しぶり
本文:元気か?転職先どうだ
まだ続いてんの?
他愛ない内容だ。
僕が生きてるのか、状況を気にしてくれたのだろう。
夜も遅いがメールなら問題ないだろう。
サクッと返事を返すことにした。
件名:元気だよ
本文:日々しごかれてるけどね
おかげで、だいぶ成長できてるとは思う
メールが送信済みになったのを確認してから
すぐさまベッドに横になった。
眠気がひどい。
いつの間にか意識が落ちて、あっという間に翌朝だ。
僕は朝イチでゲーテさんの所へ向かった。
自分なりの整文をすませた原稿をその場で手渡す。
提出した原稿をチェックするゲーテさんは
いいことでもあったのか、今にも鼻歌を歌いだしそうなほど上機嫌だ。
「ふんふん~、大分がんばったみたいだけど、ううーんちょっと30分待っててー]
デスクに戻った僕は別の業務に取り掛かりながらも
ゲーテさんの様子を横目でうかがった。
楽しげに赤ペンで書き込みをしているのは
おそらく僕の提出原稿だ。
もしかして思った以上に訂正箇所があるんだろうか。
その予想は、正しかった。
30分きっかり経った後、ゲーテさんが僕に手渡した書類には
びっしりと赤で訂正やコメントが記入されていた。
どうやら書き起こしただけの原稿をゲーテさんが
自分で整文してみたらしい。
そう、たったの30分でゲーテさんはその作業を終えたのだ。
「自分の原稿と見比べてチェックしてごらんー」
頭がぐわんぐわんと揺れる。
僕が数時間かかった作業でも
ゲーテさんなら2割ほどのコストで終えられる。
圧倒的な実力差が、数字として突きつけられたのだ。
「…わかりました」
ゲーテさんの指示に、なんとか返事を返す。
思わず握りしめた原稿はぐしゃっと折り目がついてしまった。
僕の2回目の原稿とゲーテさんの原稿とを見比べると
短時間にもかかわらず彼女の仕事のほうが完成度が高かった。
「ああ…ここも見落としてたのか」
比べながら、ひとつひとつチェックを付けていく。
ゲーテさんがくれた原稿には、単なる修正だけではなく
ふせんで注釈も添えられていたので、とてもわかりやすかった。
いっそ、最初からゲーテさんがしていれば
どれだけの時間が無駄にならずにすんだのか。
僕がやる意義は本当にあったのか。
無駄な問いだとはわかっていても、思わず深いため息がもれていく。
「落ち込まなくてイイからさ、結局課題の答えって見つかった?」
後ろからぽんと肩を叩かれた。ゲーテさんだ。
「口語と文語って難しいよね~。なんでわざわざこだわるのか、話してみ?]
当てずっぽうでいいとまで言われると、少し気が楽になる。
問の答えは、なんとなくなら分かっているのだ。
ただうまく言葉にならない。
どうしよう、とうつむいた視線の先
ゲーテさんが添えていた注釈のふせんが目に入った。
注釈のひとつに書いてあったことの一つを思い出す。
[ヒント!]この文章って、ゴールは何だった?
ふと、ひらめきが走った。
やっと何かをつかめた気がする。
僕は考えをそのまま口に出していくことにした。
ゴールは、企画書を作ることだ。
執事さんの音声を、いつでも読み返せるように
わかりやすい企画書にするのが今回の仕事。
でも、企画書はそもそも誰のためのものだろう。
社内のみんなに共有することもあるだろう。
けれど、最終的には社外のお客様にも展開していくつもりで作っていた。
企画書を見る人はきっと様々だ。
ビジネスに関する知識のレベルも文章読解力もばらつきがあるだろう。
だからこそどんな人にでも伝えようと思うのなら
わかりやすく整えておく必要がある。
さらに言えば、これは会社として作る企画書だ。
だから、見た人は会社のイメージやレベルを書類の出来栄えから推測するだろう。
一見細かすぎることでも、きっと
それ以上に細かな部分を見てくる人はきっといるだろう。
だから、文語と口語の違いにもこだわる必要がある。
「…のだと思ったのですが、合ってますか?」
僕はゲーテさんの反応を伺った。
表情を見るに、少なくとも的外れではなかったらしい。
「うん、大体合格かな。文芸作品だと口語と文語を混ぜる事も多いんだけど要はTPOなのよね」
TPO。
つまり、時と場所と状況に応じて使い分けるということ。
会食のマナーと同じく、書き言葉だって場に応じて使い分ける必要がある。
それだけのことだったのだ。
「さてと、だいたいやり方はわかったよね。じゃあ次は一発合格狙ってみよー!」
ゲーテさんのハイテンションに僕は驚いた。
そして、次とはどういうことだろう?
「え、だって音声たくさんあるでしょ。だから次は文章起こしから整文まで一発合格ね!」
どうやら一発合格ができるまでは、企画書作りには進めないらしい。
執事さんのラジオは当然1本だけではない。全部で100本以上音声がある。
だから、当然文字起こしの素材はたくさんあるわけだが…
「なんだ、この徒労感…」
僕はがっくりとうなだれた。
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まあ先に進めないのなら仕方ない。
ふてくされた気分を切り替えるべく、小休止をとることにした。
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うらやましいと言われても、何がどううらやましいのか分からない。
日々容赦なくしごかれてはいる環境は厳しくもありがたいとは思うが
こればっかりは運と縁とタイミングが良かったからとしか言えない。
なんと返してよいか分からない内容だったので
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☆第12回ドリーム小説大賞エントリー中☆
お読み頂き、ありがとうございます。毎日20時頃に更新していきます。
「面白い!」「続きが気になる…」と思われた方はぜひ、「お気に入り登録」頂ければうれしいです。
感想頂けた方には必ずお返事をさせて頂きます!
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