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序章
謎しかない魔界の会社との出会い-そして全ては始まった-
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何もかもが目まぐるしく移り変わる現代社会。
あまりの情報量に頭がおかしくなってしまいそうな世の中で
「自分はどうありたいのか?」というカンタンなことさえ分からなくなってしまう。
「バカみたいだよな」
ぼやきながら、SNSを巡回する。
ぬるま湯でそのまま死んでいきそうな日々の中で、その日僕は一つのアカウントと出会った。
「なんだ、これ…?魔王の会社??」
とうとう人間だけでなく魔界の住人達も、会社を経営して
ビジネスをするような世の中になったのか。
「まあ、どうせネタだろうけど…」
なんとなく気になって、SNSの発信を追っていく。
どうやら中心となって発言をしているのは、魔王直属の執事らしい。
他の魔物もちらほらと見かける。
「キャラ作りってやつかな。どこまでホントなんだか」
SNSの発信は、いつだって嘘まじりのきらびやかな言葉だらけだ。
そういった世界に憧れないかと言われれば嘘になる。
でも、しょせん自分とは違う遠い世界のことだとも思っていた。
”夢は世界征服”
”遊ぶように仕事をする”
魔物達の発信全てが真実とはとても思えない。
それでも、彼らの言葉はなんだか楽しそうで、それでいてどこか重みがあって
他のアカウントとは何かが違う気がした、
ひとつひとつの言葉に、心を引きつける何かがあった。
当時の僕は、4年間務めた工場の仕事を辞めたばかりだった。
経営者になりたい、とにかくお金を稼ぎたい
なにより、今の自分とは違う何かになりたい
そんな想いで、成功していそうな人を見つけては片っ端からSNSで連絡をとり
出来る限り多くの人と会い続けた。
2ヶ月近く、繰り返しただろうか。
まともな人や信頼できそうな人はいたものの、大半の人には下心があったように思う。
僕に何かを売りつけようとしたり、怪しげな勧誘をしてきたり
大金を稼いで成功しているのだとしても、人として付き合いたいかと言われると
首を縦に振れない人が多かった。
直接話を聞くことで、学べたことも多かった。
たくさんの交通費や時間を使ってしまったけれど、自分の行動に悔いはない。
けれど、ずっと違和感があった。
お金を稼げている人達は、すごいと思う。うらやましいと思う。
けれど、本当に?
僕は本当に、彼らのようになりたいのだろうか?
「そもそも、僕は何になりたいんだろう…?」
自分の人生を変えたかった。
とことんまで突き抜けてみたかった。
けれど、どうしていいのか分からない。
途方に暮れた僕は、人生を変えられるきっかけを
やみくもに探し続けた。
きっかけはいつだって
予期しないところから降ってくる。
ふとしたきっかけで、魔王の会社の一人である執事と
リアルで会う機会を得た僕は、彼を質問攻めにした。
いかにも怪しい執事は
けれどとことん真剣にビジネスに取り組んでいた。
魔物らしいシビアさを感じさせる一方で
彼らの仕事の話はとにかくスケールが大きかった。
パンク?ロック?
そんな言葉じゃとても表現しきれない。
とことんふざけて、とことん面白い
そんな魔物達と僕は一緒に働いてみたいと思った。
相手は魔物だ。
そして僕は人間で、しかも経験値も浅い若輩者。
不安は当然あった。
それでも、どうしても心が「この魔物達と働いてみたい」と叫ぶのだ。
僕は執事さんに頭を下げた。
土下座しろと言われたら間違いなくしただろう。
とにかく入社させてほしいと、熱量で口説き落とした。
魔物たちの巣窟である魔王の会社、通称魔王カンパニー。
魔王カンパニーの新入社員として僕がひたすらに駆け抜けた日々は
今までで一番苦しくて、辛くて、そして最高の経験になった。
この先何があったとしても、僕は生涯
彼らと過ごした日々を忘れることはないだろう。
あまりの情報量に頭がおかしくなってしまいそうな世の中で
「自分はどうありたいのか?」というカンタンなことさえ分からなくなってしまう。
「バカみたいだよな」
ぼやきながら、SNSを巡回する。
ぬるま湯でそのまま死んでいきそうな日々の中で、その日僕は一つのアカウントと出会った。
「なんだ、これ…?魔王の会社??」
とうとう人間だけでなく魔界の住人達も、会社を経営して
ビジネスをするような世の中になったのか。
「まあ、どうせネタだろうけど…」
なんとなく気になって、SNSの発信を追っていく。
どうやら中心となって発言をしているのは、魔王直属の執事らしい。
他の魔物もちらほらと見かける。
「キャラ作りってやつかな。どこまでホントなんだか」
SNSの発信は、いつだって嘘まじりのきらびやかな言葉だらけだ。
そういった世界に憧れないかと言われれば嘘になる。
でも、しょせん自分とは違う遠い世界のことだとも思っていた。
”夢は世界征服”
”遊ぶように仕事をする”
魔物達の発信全てが真実とはとても思えない。
それでも、彼らの言葉はなんだか楽しそうで、それでいてどこか重みがあって
他のアカウントとは何かが違う気がした、
ひとつひとつの言葉に、心を引きつける何かがあった。
当時の僕は、4年間務めた工場の仕事を辞めたばかりだった。
経営者になりたい、とにかくお金を稼ぎたい
なにより、今の自分とは違う何かになりたい
そんな想いで、成功していそうな人を見つけては片っ端からSNSで連絡をとり
出来る限り多くの人と会い続けた。
2ヶ月近く、繰り返しただろうか。
まともな人や信頼できそうな人はいたものの、大半の人には下心があったように思う。
僕に何かを売りつけようとしたり、怪しげな勧誘をしてきたり
大金を稼いで成功しているのだとしても、人として付き合いたいかと言われると
首を縦に振れない人が多かった。
直接話を聞くことで、学べたことも多かった。
たくさんの交通費や時間を使ってしまったけれど、自分の行動に悔いはない。
けれど、ずっと違和感があった。
お金を稼げている人達は、すごいと思う。うらやましいと思う。
けれど、本当に?
僕は本当に、彼らのようになりたいのだろうか?
「そもそも、僕は何になりたいんだろう…?」
自分の人生を変えたかった。
とことんまで突き抜けてみたかった。
けれど、どうしていいのか分からない。
途方に暮れた僕は、人生を変えられるきっかけを
やみくもに探し続けた。
きっかけはいつだって
予期しないところから降ってくる。
ふとしたきっかけで、魔王の会社の一人である執事と
リアルで会う機会を得た僕は、彼を質問攻めにした。
いかにも怪しい執事は
けれどとことん真剣にビジネスに取り組んでいた。
魔物らしいシビアさを感じさせる一方で
彼らの仕事の話はとにかくスケールが大きかった。
パンク?ロック?
そんな言葉じゃとても表現しきれない。
とことんふざけて、とことん面白い
そんな魔物達と僕は一緒に働いてみたいと思った。
相手は魔物だ。
そして僕は人間で、しかも経験値も浅い若輩者。
不安は当然あった。
それでも、どうしても心が「この魔物達と働いてみたい」と叫ぶのだ。
僕は執事さんに頭を下げた。
土下座しろと言われたら間違いなくしただろう。
とにかく入社させてほしいと、熱量で口説き落とした。
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魔王カンパニーの新入社員として僕がひたすらに駆け抜けた日々は
今までで一番苦しくて、辛くて、そして最高の経験になった。
この先何があったとしても、僕は生涯
彼らと過ごした日々を忘れることはないだろう。
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お読み頂き、ありがとうございます。毎日20時頃に更新していきます。
「面白い!」「続きが気になる…」と思われた方はぜひ、「お気に入り登録」頂ければうれしいです。
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