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じじい

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「あぁぁぁぁぁ死ぬぅぅぅぅ。」
 やばい、まだ地面に着かない。降りている時間がめちゃくちゃ長く感じる。走馬灯まで見えて来た。隣で女は
「まぁまぁそんなビビんなよ。大丈夫だから。」
 信用できるかー!そもそもお前誰なんだよ。地面が見えてきた。んーどうみてもコンクリートじゃねぇか!夢だよな夢。死んだら夢から覚めるだけだよな。
「うわぁぁぁぁぁ」
 あれ?地面に体が吸収されていく。もふもふで柔らかい。全身が包み込まれる。どうやら俺は助かったようだ。
「ほーら、大丈夫だったでしょ!」
 女がニタニタした顔でこっちを見る。さっきまで壮絶すぎて顔を見る時間がなかったが、その笑顔をじっくりと見るとこの女めちゃくちゃタイプだ。正直これまで会った女の中で1番可愛いといっても過言ではない。しかし、コミュ障の俺が素直に返せるわけもなく、
「お前急になんなんだよ。本当に死ぬかと思ったわ。」
「そうだね。君はもし私が助けなかったら死んでたかもね。」
「あ、ありがとうございます。そ、そんな事じゃなくてあなたは何者なんですか、、、」
「何気持ち悪い。丁寧になったり声を荒げたり。まあいいわ。とりあえず中で話そう。ついて来て。」
 そういって左側のドアに女が入っていく。おれも仕方なくついていく。
「ドクター・オマリー私が帰って来たわよ。」
 お前何様だよ…
 ちょっと待っていると奥から白髪の老人が出てきた。
「あーはっはっはっはっ!少年よお前のリアクション最高じゃったぞ。わしの開発したアスファルトクッションにまんまと騙されよったな!あ、ビーナスおかえり。」
 なんだこのじじい。あれ作ったのこいつかよ。ぶん殴りたい。
「ちょっとーなんで私よりこいつに先話しかけるのよ。」
 なんでお前はそんなに自己中なんだビーナス。
「まあまあビーナスよ。新しい仲間を喜んで迎入れようじゃないか。」
「な、仲間?おれはお前らの仲間になった覚えなんかねぇぞ。」
「おっと、ビーナス何も説明せずに彼をここに連れて来たのか。」
「仕方ないじゃない。勝手にヒューマンズゲートの前まで行って、監視AIに見つかって危うく殺されそうだったのよ。」
「そうか。ならばわしから説明しよう。なぜ君がこの世界に来て、私たちの仲間になるのかを。」
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