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どんな世にも腐ははびこる
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爽やかな風の吹く秋晴れ。
手入れの届いたローズガーデンにて、昼下がりのパーティが行われていた。
ドレス姿の淑女たちの軽やかな笑い声。
美味しい紅茶。
そこに不釣り合いなくぐもった喘ぎ声を添えて。
「んぐ♡ くあ♡♡♡」
この国の王は、椅子に座る宰相に下から貫かれていた。
「わたくし、閨を鑑賞したいの」
午後の日差しが柔らかく降り注ぐ薔薇園で、正妃はそう、のたまった。にこやかな笑みでこちらを見てくる正妃。実に慈悲に溢れた母性溢れる笑みに見える。
王は紅茶を吹き出さなかった自分を褒めつつ、慎重にティーカップを置く。
「......もう1回、言ってくれるか」
「貴方の情事を見たいの」
美しくたおやかな正妃から、というか自分の妻から、とんでもない事を言われて王は頭を抱えた。頭痛を耐えるように眉間を揉むと、無言でもって続きを促した。
「別に以前のように複数で貴方としたい、という意味ではないのよ? ただ貴方が抱かれてるのが見たいのよ。お願い」
「意味がわからん!」
「貴方が王でありながら、女になっちゃったじゃない?」
「んぐ」
「いいのよ?わたくしは安心したし。これから後継者の教育や趣味にも専念できるし。疲労困憊で寝込むだけの毎日が無くなって、今はとても充実しているの」
「それはすまなかった」
本心からそう言っているのか、正妃は晴れやかな表情で焼き菓子を口に含む。
「それでね、これを見て欲しいのよ」
正妃が合図すると、後ろに控えていたメイドがおずおずと2冊の書物を差し出してきた。薄めの書籍のようだ。
「女性達の間で流行ってる物語なのだけど......ご覧になって。こちらが王宰で、こちらが宰王よ」
「......オウサイ? サイオウ??」
「王と宰相の恋物語よ。勿論架空の王の物語だけど」
王がその本、オウサイ?と呼ばれた本をぺらぺらとめくる。目に飛び込んできたのは、口に出すこともはばかられるような、男同士の情事の本であった。
「な!?はあ!?!?」
恋物語ではなく、とんだどすけべ本である。
しかも、本の中では王が宰相を抱いている。現実とは逆だ。
銀髪の髪を振り乱し、王に愛を乞い願う...って誰だ!?いや、物語だ。現実ではない。
それにしても、見た目や口調は我が国の宰相にかなり寄せている訳だが。
「わたくし、サイオウ派なの」
「......お、おう」
正妃いわく。
抱かれる方が右に配置されるとのこと。
ならサイオウが俺が抱かれる本で、オウサイが宰相が抱かれる本になるわけだ。
公式(げんじつ)が王宰であるなら、公式に創作も従うべきだと。そもそも宰相の解釈違いなのだとか。
その他、にこやかに文句を言っていたが半分くらいは何を言っているか、王にはわからなかった。理解したくもないが。
「いや、それと、どう繋がるんだ」
「圧倒的公式(げんじつ)で、逆カプを叩きのめしたいの!あと純粋に私が楽しみたい!!」
「わけがわからねぇよ!」
頭痛をこらえるように再び頭を抱える王を、正妃は優しく撫でる。
「わたくし達が抱かれてる時は、他の妃にも見せてたわよね。貴方だけ抱かれるのを見られたくないなんて、不公平じゃなくて?」
「それとこれとは違くねえか」
「同じことよ。貴方が宰相の男になったとしても、わたくしは貴方の妻。家族なのよ。隠し事は無しでしょう?ねえだんな様♡」
そうだ。家族なのだから。
それにこんな事になってしまったのは自分が原因で。
ぐらつく王を感じ取ったのか、正妃は身を寄せ手を取る。
「それに。あなた、見られながらするの、好きでしょう?」
こそりと耳元で囁けば、王は白旗を上げた。抱く側であったが、衆人環視の中抱くのは燃えた。それが抱かれる側で実現する。
王の下腹部にぞくりと泡立つ感覚が沸き起こる。
長年寄り添い、家族であり、戦友でもある、王を知り尽くした正妃の完全勝利であった。
さて、うっかりと頷いたはいいものの。一番の問題は王ではなく、相手だった。
(あいつが素直に頷くとは思えない。というか、どう伝えればいいんだ。正妃達が俺らの情事を見たいだなんて)
悶々と悩み、どう切り出せばいいのか考えていたら一日が経っていた。何を悩んでいるのか宰相につつかれ、渋々と吐露する。
「わかりました」
「わかりました、て。お前本当にわかってる?正妃達の前で俺様を抱くのよ?」
「我が君を要らないと押し付けられたとはいえ、結果さえ見れば私が寝とったのも事実」
「ん? うん」
何やら貶されている気もするが今はスルーしておこう。
「その程度で各方面に納得していただけるなら安いものです」
「まじかよ」
(こいつ、いったい何を考えてるんだ。俺の性欲処理までさせられてるのに、その上見世物になってもいいと?)
「わたしのほうから正妃様に伝えておきます。日時場所も調整しておきますね」
「ああ......頼んだ」
「それでは」
話は終わったと会話を切り上げ、仕事に戻っていく宰相。ぽかんとしながらその背中を見送ったのだった。
「ん?なんだか今日の昼飯は少ないな」
「ええ、この後予定が詰まってまして」
「?」
いつもより少ない昼食を終え、昼間から湯浴みを済まし、ゆったりとした襟ぐりの広いシャツと、紐で結んだだけの簡素なズボンに着替える。
「? 正妃達とのガーデンパーティだよな?」
「ええ、正妃様達とのガーデンパーティです」
よく晴れた昼下がり、自慢のバラ園には大小いくつかのテーブルが並べられ、既に到着していた正妃、側妃が楽しげに談笑していた。
王は中央のテーブルに案内される。
「なんか、いつもと違くね?」
「今日は趣向が違いますからね」
なぜか王の隣に座る宰相。このテーブルには王と宰相のみだ。
給仕が紅茶を注ぐと、全員合図されたかのように下がっていく。王族のガーデンパーティに給仕無しなどありえない事だ。だが誰もそれに文句を言う者はいない。
不思議に思いながら、紅茶を二口三口と啜る。宰相もこの不思議な茶会に異を唱えず注がれた紅茶を黙々と堪能していた。
正妃達が声をかけるでもなく、ちらちらとこちらを見ているのは感じる。嫌な予感を覚えつつ、宰相の方をみると、時計を確認している姿があった。
「我が君」
「ん?」
宰相が身を乗り出し、王にそっと口付けをする。
「???」
ガーデンに声にならぬ悲鳴が上がる。貴族として、王に仕える者として教育された者たちは無様な悲鳴をあげるという失態は犯さなかった。
しかし、その目は王と宰相の口付けに鼻息荒く釘漬けであった。
「我が君、私の上に」
「えっ、あ??」
宰相に手を引かれ、すとんと膝の上に横抱きにされる。大柄で筋肉質な王を事も無げに座らせ、手のひらを握りこんだ。
「我が君、キスを」
無表情ではあるが、強請るように下から見られどきりと胸が高鳴る。と同時に、戦場でもあまり感じたことの無い並ならぬ視線を感じていた。
妃達のギラギラした視線が2人に突き刺さる。
(なるほど。今日が例の約束の日か)
引き受けたのは自分だったと諦め半分、期待と興奮半分で口付けを返す。
「先に知らせておけバカ」
「庭で青姦鑑賞会ですと告げたら、我が君は承諾してましたか?」
「......」
王の無言を受け流し、体の向きを変えさせる。
妃達に向かって足を開くような形で抱え込まれ、胸元をはだけさせられた。そこには昨晩、宰相が執拗にまでつけた痕跡が散らばっている。
ざわりと妃達が浮き足立ち、扇子を持つ手に力が入る。
ある者は細かくメモを取り、ある者はデッサンを始める。内なる興奮をアウトプットすべく、ペンの擦れる音がそこかしこで上がった。
「おま...っ」
「しー......」
王の豊満な雄っぱいを宰相が背後から揉みしだく。最近少しだけ大きく育ってきた乳首を刺激し、やや強めにひっぱる。
「......ん」
「我が君が乳首で乱れてるさまを見ていただきましょうね」
宰相の細長く美しい指が、卑猥な乳首を抓り、爪を立てる度に王の体が小さく揺れる。
股間に熱がこもり、服の上からでもその巨大な棒が主張しているのが遠目でも確認することができた。
宰相が首筋にキスをし、乳首を弄っていた手がゆっくりと腹筋、そして下腹部を撫で回して刺激する。
窮屈そうなズボンを寛げてやる。少し腰を浮かせ、下着ごとズボンをはぎとると、散々正妃達を喜ばせ、泣かせた巨大なペニスが天を仰いでいた。
だが今後、その立派なペニスは使われることも無いのだが。もう王は雌になってしまったのだから。
宰相は先走りの零れるペニスには触れず、奥の窄まりを見やすいように広げると、用意してあった潤滑油を塗りこんだ。
散々拡げられた穴だ。宰相の指を2本、3本と難なく飲み込んでいく。
「は、あっ♡」
ぐちゅぐちゅと内壁をかき回し、前立腺を嬲る。
「宰相、っ、もう、入れろって」
「本当によろしいのですね。貴方が、私の男になるところを披露して」
「もう手遅れだろうが」
王は後ろ手で起用に宰相のベルトを外すと、ずっしりと勃起したペニスを掴み、己の穴に添えた。
紅潮した顔で正妃達を挑発するように横目で見ると、その怒張の上に腰を下ろした。
「っっ!」
ぐぽりぐぽりと、王のアナルが美味そうに宰相のペニスを食んでゆく。
「あ~~♡♡♡」
これだよこれ。と、待ちに待った灼熱の感触に王の全身は歓喜で震える。軽くイッたせいか、自身の勃起したペニスからとろとろと精液が溢れた。
(トコロテン!挿されただけで!気持ちよさそう!)
流石の正妃達もこの素晴らしく刺激的な光景に感想を漏らす。
「すげ、っ、いい...あっ♡ ああ♡」
ばちゅばちゅ、ぐちょぐちょと、ヨダレを垂らしながら王は腰を振る。
宰相は王の両乳首を苛み、抱き込むように力強く突き上げた。宰相の大きく長いペニスが根元までねじ込まれ、結腸を突き抜ける。
「あぐぅ、っ~~~♡」
ぼこっと、窄まりを抜けて王の弱点を攻め続ける。こうなるともう王には降伏の手しかない。
びゅるるっと王は精液を盛大に撒き散らし、仰け反る。その間も宰相は容赦なく腰をうちつけた。
てらてらと光る宰相の巨大なペニスが出し入れされるたびに、王は大きく喘ぎながら震える。
突かれる度に王は達する。そう開発されてしまったのだ。
最奥を何度も突かれ、痛いほどに乳首を抓られながら、宰相が中で達したのを感じた。
腹の中に温かいものがじわりと広がる。
はぁはぁと荒い宰相の吐息を聞きながらペニスを抜くと、ぽっかりと空いた穴から出したばかりの精液がとろとろとこぼれ落ち、宰相のズボンを汚した。
一息着いたのもつかの間。
今度は王を椅子に跨らせ、腰だけ突き出させると、獣のように背後から突き入れて犯した。
ズンっと腹奥に凶悪なペニスが我が物顔で出入りする。
張りのある大きな尻が突き入れるたびに、肉を打つ高い音を響かせて震えた。
「あっ♡ あっ♡ あ゛っ♡」
もうこの時点で王は周囲のことなど目に入らず、ただひたすら宰相のちんぽがもたらしてくれる快楽のことしか頭になかった。
ひと突きごとに達し、顔も、体もとろける。
「いいっ♡ ちんぽ♡♡ もっと♡ もっとだ♡♡♡」
「淫乱王にも困ったものですね」
「あ~♡♡♡」
ぴしゃりと尻を叩かれ、振動だけで何度も何度もイク。
「貴方にはお仕置しても喜ばれてしまう。なので」
宰相はポケットから金属製のリングを取り出すと、カウパーや精液でぐちゃどろになった王のペニスにそれを嵌めた。
根元と鬼頭下に嵌められたリングが、大きなペニスに食い込み激痛をもたらす。
「うぎぃ♡♡♡」
「もう、貴方は雌なんですから。ペニスは必要ないですよね」
容赦なく穿たれ、射精出来ないままメスイキをくりかえす王。
結腸に鬼頭がめり込み、意識が飛ぶ。
「あが、っ、あっ、ぎっ~~~♡」
かつて王が沢山の正妃達にさせていたアヘ顔失神。まさか、自分が披露振る側になるとは......とかなんとか思いつつ、流石の王も意識を飛ばしたのだった。
閉じない穴から精液を零しつつ、失神しながら痙攣している王と、それを大事そうに抱き抱える宰相。
「満足していただけましたか」
宰相の問いに、正妃はゆっくりとティーカップを傾け紅茶を含む。
「ええ、大満足よ......♡」
己の夫が男に犯されるのを鑑賞しながらの紅茶は、なんと美味なことか。格別な午後に正妃達は大満足の笑みを浮かべた。
「わたくしたちには、やる事ができました。宰相、王のことを今後とも頼みますわ。皆様!行きましてよ!来月のイベントの新刊は厚くなりますわ!!」
戦士のような闘志を漲らせ、正妃達は去っていく。
宰相はその様子を静かに見送り、腕の中の王に目をやる。いつも通りのぐちゃどろであほ面を晒す、最愛の王だ。
「本当にあほ面」
くすりと笑うとその唇に軽くキスを落とし、身なりを整えてやる。
給仕を呼び、あとを任せると告げ巨体を軽々と運んだのだった。
「ん~、おかわり......」
「いくらでもあげますよ。一生ね」
手入れの届いたローズガーデンにて、昼下がりのパーティが行われていた。
ドレス姿の淑女たちの軽やかな笑い声。
美味しい紅茶。
そこに不釣り合いなくぐもった喘ぎ声を添えて。
「んぐ♡ くあ♡♡♡」
この国の王は、椅子に座る宰相に下から貫かれていた。
「わたくし、閨を鑑賞したいの」
午後の日差しが柔らかく降り注ぐ薔薇園で、正妃はそう、のたまった。にこやかな笑みでこちらを見てくる正妃。実に慈悲に溢れた母性溢れる笑みに見える。
王は紅茶を吹き出さなかった自分を褒めつつ、慎重にティーカップを置く。
「......もう1回、言ってくれるか」
「貴方の情事を見たいの」
美しくたおやかな正妃から、というか自分の妻から、とんでもない事を言われて王は頭を抱えた。頭痛を耐えるように眉間を揉むと、無言でもって続きを促した。
「別に以前のように複数で貴方としたい、という意味ではないのよ? ただ貴方が抱かれてるのが見たいのよ。お願い」
「意味がわからん!」
「貴方が王でありながら、女になっちゃったじゃない?」
「んぐ」
「いいのよ?わたくしは安心したし。これから後継者の教育や趣味にも専念できるし。疲労困憊で寝込むだけの毎日が無くなって、今はとても充実しているの」
「それはすまなかった」
本心からそう言っているのか、正妃は晴れやかな表情で焼き菓子を口に含む。
「それでね、これを見て欲しいのよ」
正妃が合図すると、後ろに控えていたメイドがおずおずと2冊の書物を差し出してきた。薄めの書籍のようだ。
「女性達の間で流行ってる物語なのだけど......ご覧になって。こちらが王宰で、こちらが宰王よ」
「......オウサイ? サイオウ??」
「王と宰相の恋物語よ。勿論架空の王の物語だけど」
王がその本、オウサイ?と呼ばれた本をぺらぺらとめくる。目に飛び込んできたのは、口に出すこともはばかられるような、男同士の情事の本であった。
「な!?はあ!?!?」
恋物語ではなく、とんだどすけべ本である。
しかも、本の中では王が宰相を抱いている。現実とは逆だ。
銀髪の髪を振り乱し、王に愛を乞い願う...って誰だ!?いや、物語だ。現実ではない。
それにしても、見た目や口調は我が国の宰相にかなり寄せている訳だが。
「わたくし、サイオウ派なの」
「......お、おう」
正妃いわく。
抱かれる方が右に配置されるとのこと。
ならサイオウが俺が抱かれる本で、オウサイが宰相が抱かれる本になるわけだ。
公式(げんじつ)が王宰であるなら、公式に創作も従うべきだと。そもそも宰相の解釈違いなのだとか。
その他、にこやかに文句を言っていたが半分くらいは何を言っているか、王にはわからなかった。理解したくもないが。
「いや、それと、どう繋がるんだ」
「圧倒的公式(げんじつ)で、逆カプを叩きのめしたいの!あと純粋に私が楽しみたい!!」
「わけがわからねぇよ!」
頭痛をこらえるように再び頭を抱える王を、正妃は優しく撫でる。
「わたくし達が抱かれてる時は、他の妃にも見せてたわよね。貴方だけ抱かれるのを見られたくないなんて、不公平じゃなくて?」
「それとこれとは違くねえか」
「同じことよ。貴方が宰相の男になったとしても、わたくしは貴方の妻。家族なのよ。隠し事は無しでしょう?ねえだんな様♡」
そうだ。家族なのだから。
それにこんな事になってしまったのは自分が原因で。
ぐらつく王を感じ取ったのか、正妃は身を寄せ手を取る。
「それに。あなた、見られながらするの、好きでしょう?」
こそりと耳元で囁けば、王は白旗を上げた。抱く側であったが、衆人環視の中抱くのは燃えた。それが抱かれる側で実現する。
王の下腹部にぞくりと泡立つ感覚が沸き起こる。
長年寄り添い、家族であり、戦友でもある、王を知り尽くした正妃の完全勝利であった。
さて、うっかりと頷いたはいいものの。一番の問題は王ではなく、相手だった。
(あいつが素直に頷くとは思えない。というか、どう伝えればいいんだ。正妃達が俺らの情事を見たいだなんて)
悶々と悩み、どう切り出せばいいのか考えていたら一日が経っていた。何を悩んでいるのか宰相につつかれ、渋々と吐露する。
「わかりました」
「わかりました、て。お前本当にわかってる?正妃達の前で俺様を抱くのよ?」
「我が君を要らないと押し付けられたとはいえ、結果さえ見れば私が寝とったのも事実」
「ん? うん」
何やら貶されている気もするが今はスルーしておこう。
「その程度で各方面に納得していただけるなら安いものです」
「まじかよ」
(こいつ、いったい何を考えてるんだ。俺の性欲処理までさせられてるのに、その上見世物になってもいいと?)
「わたしのほうから正妃様に伝えておきます。日時場所も調整しておきますね」
「ああ......頼んだ」
「それでは」
話は終わったと会話を切り上げ、仕事に戻っていく宰相。ぽかんとしながらその背中を見送ったのだった。
「ん?なんだか今日の昼飯は少ないな」
「ええ、この後予定が詰まってまして」
「?」
いつもより少ない昼食を終え、昼間から湯浴みを済まし、ゆったりとした襟ぐりの広いシャツと、紐で結んだだけの簡素なズボンに着替える。
「? 正妃達とのガーデンパーティだよな?」
「ええ、正妃様達とのガーデンパーティです」
よく晴れた昼下がり、自慢のバラ園には大小いくつかのテーブルが並べられ、既に到着していた正妃、側妃が楽しげに談笑していた。
王は中央のテーブルに案内される。
「なんか、いつもと違くね?」
「今日は趣向が違いますからね」
なぜか王の隣に座る宰相。このテーブルには王と宰相のみだ。
給仕が紅茶を注ぐと、全員合図されたかのように下がっていく。王族のガーデンパーティに給仕無しなどありえない事だ。だが誰もそれに文句を言う者はいない。
不思議に思いながら、紅茶を二口三口と啜る。宰相もこの不思議な茶会に異を唱えず注がれた紅茶を黙々と堪能していた。
正妃達が声をかけるでもなく、ちらちらとこちらを見ているのは感じる。嫌な予感を覚えつつ、宰相の方をみると、時計を確認している姿があった。
「我が君」
「ん?」
宰相が身を乗り出し、王にそっと口付けをする。
「???」
ガーデンに声にならぬ悲鳴が上がる。貴族として、王に仕える者として教育された者たちは無様な悲鳴をあげるという失態は犯さなかった。
しかし、その目は王と宰相の口付けに鼻息荒く釘漬けであった。
「我が君、私の上に」
「えっ、あ??」
宰相に手を引かれ、すとんと膝の上に横抱きにされる。大柄で筋肉質な王を事も無げに座らせ、手のひらを握りこんだ。
「我が君、キスを」
無表情ではあるが、強請るように下から見られどきりと胸が高鳴る。と同時に、戦場でもあまり感じたことの無い並ならぬ視線を感じていた。
妃達のギラギラした視線が2人に突き刺さる。
(なるほど。今日が例の約束の日か)
引き受けたのは自分だったと諦め半分、期待と興奮半分で口付けを返す。
「先に知らせておけバカ」
「庭で青姦鑑賞会ですと告げたら、我が君は承諾してましたか?」
「......」
王の無言を受け流し、体の向きを変えさせる。
妃達に向かって足を開くような形で抱え込まれ、胸元をはだけさせられた。そこには昨晩、宰相が執拗にまでつけた痕跡が散らばっている。
ざわりと妃達が浮き足立ち、扇子を持つ手に力が入る。
ある者は細かくメモを取り、ある者はデッサンを始める。内なる興奮をアウトプットすべく、ペンの擦れる音がそこかしこで上がった。
「おま...っ」
「しー......」
王の豊満な雄っぱいを宰相が背後から揉みしだく。最近少しだけ大きく育ってきた乳首を刺激し、やや強めにひっぱる。
「......ん」
「我が君が乳首で乱れてるさまを見ていただきましょうね」
宰相の細長く美しい指が、卑猥な乳首を抓り、爪を立てる度に王の体が小さく揺れる。
股間に熱がこもり、服の上からでもその巨大な棒が主張しているのが遠目でも確認することができた。
宰相が首筋にキスをし、乳首を弄っていた手がゆっくりと腹筋、そして下腹部を撫で回して刺激する。
窮屈そうなズボンを寛げてやる。少し腰を浮かせ、下着ごとズボンをはぎとると、散々正妃達を喜ばせ、泣かせた巨大なペニスが天を仰いでいた。
だが今後、その立派なペニスは使われることも無いのだが。もう王は雌になってしまったのだから。
宰相は先走りの零れるペニスには触れず、奥の窄まりを見やすいように広げると、用意してあった潤滑油を塗りこんだ。
散々拡げられた穴だ。宰相の指を2本、3本と難なく飲み込んでいく。
「は、あっ♡」
ぐちゅぐちゅと内壁をかき回し、前立腺を嬲る。
「宰相、っ、もう、入れろって」
「本当によろしいのですね。貴方が、私の男になるところを披露して」
「もう手遅れだろうが」
王は後ろ手で起用に宰相のベルトを外すと、ずっしりと勃起したペニスを掴み、己の穴に添えた。
紅潮した顔で正妃達を挑発するように横目で見ると、その怒張の上に腰を下ろした。
「っっ!」
ぐぽりぐぽりと、王のアナルが美味そうに宰相のペニスを食んでゆく。
「あ~~♡♡♡」
これだよこれ。と、待ちに待った灼熱の感触に王の全身は歓喜で震える。軽くイッたせいか、自身の勃起したペニスからとろとろと精液が溢れた。
(トコロテン!挿されただけで!気持ちよさそう!)
流石の正妃達もこの素晴らしく刺激的な光景に感想を漏らす。
「すげ、っ、いい...あっ♡ ああ♡」
ばちゅばちゅ、ぐちょぐちょと、ヨダレを垂らしながら王は腰を振る。
宰相は王の両乳首を苛み、抱き込むように力強く突き上げた。宰相の大きく長いペニスが根元までねじ込まれ、結腸を突き抜ける。
「あぐぅ、っ~~~♡」
ぼこっと、窄まりを抜けて王の弱点を攻め続ける。こうなるともう王には降伏の手しかない。
びゅるるっと王は精液を盛大に撒き散らし、仰け反る。その間も宰相は容赦なく腰をうちつけた。
てらてらと光る宰相の巨大なペニスが出し入れされるたびに、王は大きく喘ぎながら震える。
突かれる度に王は達する。そう開発されてしまったのだ。
最奥を何度も突かれ、痛いほどに乳首を抓られながら、宰相が中で達したのを感じた。
腹の中に温かいものがじわりと広がる。
はぁはぁと荒い宰相の吐息を聞きながらペニスを抜くと、ぽっかりと空いた穴から出したばかりの精液がとろとろとこぼれ落ち、宰相のズボンを汚した。
一息着いたのもつかの間。
今度は王を椅子に跨らせ、腰だけ突き出させると、獣のように背後から突き入れて犯した。
ズンっと腹奥に凶悪なペニスが我が物顔で出入りする。
張りのある大きな尻が突き入れるたびに、肉を打つ高い音を響かせて震えた。
「あっ♡ あっ♡ あ゛っ♡」
もうこの時点で王は周囲のことなど目に入らず、ただひたすら宰相のちんぽがもたらしてくれる快楽のことしか頭になかった。
ひと突きごとに達し、顔も、体もとろける。
「いいっ♡ ちんぽ♡♡ もっと♡ もっとだ♡♡♡」
「淫乱王にも困ったものですね」
「あ~♡♡♡」
ぴしゃりと尻を叩かれ、振動だけで何度も何度もイク。
「貴方にはお仕置しても喜ばれてしまう。なので」
宰相はポケットから金属製のリングを取り出すと、カウパーや精液でぐちゃどろになった王のペニスにそれを嵌めた。
根元と鬼頭下に嵌められたリングが、大きなペニスに食い込み激痛をもたらす。
「うぎぃ♡♡♡」
「もう、貴方は雌なんですから。ペニスは必要ないですよね」
容赦なく穿たれ、射精出来ないままメスイキをくりかえす王。
結腸に鬼頭がめり込み、意識が飛ぶ。
「あが、っ、あっ、ぎっ~~~♡」
かつて王が沢山の正妃達にさせていたアヘ顔失神。まさか、自分が披露振る側になるとは......とかなんとか思いつつ、流石の王も意識を飛ばしたのだった。
閉じない穴から精液を零しつつ、失神しながら痙攣している王と、それを大事そうに抱き抱える宰相。
「満足していただけましたか」
宰相の問いに、正妃はゆっくりとティーカップを傾け紅茶を含む。
「ええ、大満足よ......♡」
己の夫が男に犯されるのを鑑賞しながらの紅茶は、なんと美味なことか。格別な午後に正妃達は大満足の笑みを浮かべた。
「わたくしたちには、やる事ができました。宰相、王のことを今後とも頼みますわ。皆様!行きましてよ!来月のイベントの新刊は厚くなりますわ!!」
戦士のような闘志を漲らせ、正妃達は去っていく。
宰相はその様子を静かに見送り、腕の中の王に目をやる。いつも通りのぐちゃどろであほ面を晒す、最愛の王だ。
「本当にあほ面」
くすりと笑うとその唇に軽くキスを落とし、身なりを整えてやる。
給仕を呼び、あとを任せると告げ巨体を軽々と運んだのだった。
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