白に染まる

スカートの中の通り道

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第十四話 過去の産物 ※性的な表現が含まれています。観覧の際はご注意ください。

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 人生で最大の幸福が、今日のこれまでの瞬間であるなら、きっとこれから起こることは、人生で最大の不幸の一部になる。僕は、そう思わざる負えなかった。

「なんで……」
 僕は、思わず声を溢す。
「こーんにーちわあ。アッツアツのお二人さん」
 犬絵だ。しかも和志と、金魚のフンのように玉津もくっついている。
「どうしてここに?」
「だってえ、前に会ったときに言ったでしょ? インターハイ、応援してるからねって。やだあ、もう忘れちゃったの?」
 実際、僕は忘れていた。何せこの人は、僕の目の前でありさ先輩に酷いことをしたのだから、その前後の会話なんて覚えているわけがない。けど、覚えているという意味では怒りという感情は忘れていない。まだ完全には消えずに、しっかりと心の奥で燃えている。
 僕は、自分を一度落ち着かせた。
「何のようですか?」
 僕が問う。
 そのとき、ありさ先輩の手がかすかに震えているのがわかった。汗がしっとりと滲み、肌を通して不安と恐怖が伝わってくる。
「もう、そんなに冷たくしないでよ。ほら、にっこり笑って。ありさも、そんなに怖がらないでよお」
 言って、犬絵が僕の隣に座る。そしてそれを合図に、先輩の正面に和志、隣に……僕の正面に玉津が、何か企んでいるであろう軽薄な笑みで座った。今日もしっかりと、ストラップがついたカメラを首から下げている。
 しかしさっそく、本人の許可もなくそのカメラをありさ先輩に向けてシャッターを切った。
「……やめて」
 先輩が顔を隠しながら訴える。
「イヤです」
 玉津は即答だった。
「お前……」
 僕が、目に力を入れ睨みつける。
「無理い」
 そう答えることはわかっていた。今までの行動をまじかで見てきた僕には、こいつがそんな一言で自分の欲求を自制するとは考えられなかった。
「みっちゃん、ダメよ」
 その言葉に、僕とありさ先輩が同時に驚く。
「ふふ、意外? 気づいていなかったかもしれないけど、今日も昨日も、あなたたちの近くで応援してたのよ」
 全然知らなかった。
「そのときのありさったら、まるで恋する乙女だったからね。もう初々しくって、見てるこっちが恥ずかしくなっちゃうくらい」
 ありさ先輩が頬を赤くして俯く。手に力が込められる。
「そうそう、それだよ」
 和志だ。
「お前って、試合ではあんなにカッケーのに、コートを出たらまるで子猫だ。そのギャップがたまんねえんだよな、俺は」
 言い終えると、和志は不気味な笑みを浮かべ、なんとありさ先輩の腕を掴むと強引に引っ張り寄せた。先輩は体がつんのめるようになり、そのまま和志の盛り上がった粘土のような胸に抱きしめられる。
 僕は唖然とする。先輩も、何が起こったのかわからないといった感じだった。繋がれていた手は、その強引なまでの力によっていつの間にか引き離されてしまっていた。
「お前ってさ、ほんとに男をその気にさせるよ。この匂いも甘くて、めちゃくちゃ官能的」
 和志は愛らしく、先輩の首筋に鼻を近づけ、這うように匂いを嗅いだ。その際に、背中に回していた手をお尻の方から太ももの裏側に回し、下から持ち上げるようにして自分の股の上にありさ先輩を乗せた。
「……やめてください!」
 僕は思わず叫ぶ。これ以上黙って見ているわけにはいかない。ありさ先輩が和志の上に座らされ、その腕に抱きすくめられている。そんな理不尽な光景を目の当たりにして、どうして静かでいられるだろうか。
 しかしその思いに反発するかのように、あの日の記憶が頭の中に鮮明に蘇ってきた。冷たい視線、圧倒的な力の差、そして突き飛ばされたときのあの衝撃と絶望感。それらが全身に重くのしかかる。だけど今、僕の体を動かしているのは恐怖ではなく、ありさ先輩を守りたいという決意だった。だが、そんな僕の思いなど意にも介さず、和志はまるで僕が存在しないかのように振る舞い続けている。
「お前、やっぱ最高だな。たまんねえよ」
 和志は先輩を片腕で抱き寄せながら、もう一方の手でゆっくりと体を撫で回していた。その仕草はあまりにも馴れ馴れしく、所有物であるかのような手つきだった。
 先輩は目を閉じ、じっと耐えている。以前も同じように、先輩は何一つ抵抗しなかった。その理由が今の僕には痛いほどわかる気がする。
『……こんなことには、ならなかった』
 体育館でのあの言葉が、胸を鋭く締めつける。あの時の自分の無力さが、また頭をよぎる。
「ふふ、和志はね、深刻なありさ不足なのよ」
 耳元で犬絵が囁くように言った。
 和志は、先輩の腕を自分の首に回すように指示する。それは恋人同士のような仕草で、僕の怒りと焦りをさらに煽った。
「お前は本当に従順だな。まあ、それでいい」
 その言葉に僕の心の中で何かが音を立てて崩れていく。

 ーー何を言ってるんだ、この人は。

 僕を無視して、自分の欲望のままに行動している。先輩がどんな気持ちでこの状況を耐えているのか、この人にはわかっていないのか。人の心がないのか。けれど、僕は何もできない自分にも苛立っていた。先輩がなぜ耐えているのか……ありさ先輩は、自分が傷つくことで仲間たちに危害が及ばないようにしているのだ。だからこそ、僕がここで軽率に動いてはいけない。そうすれば、先輩の苦しみを無駄にしてしまうことになる。
 守ると誓ったばかりだ。だからこそ、間違えるわけにはいかない。どうすればこの状況を打開できるのか、必死に考えなければならなかった。その時、
「うっ!」
 僕は視線を落とし、目を見開く。突然、犬絵が僕の股間をきつく掴んだ。
「今はおとなしくしていなさい。あなたも見たいでしょ? ありさ先輩の女の姿を……」
 痛みと痒みが下腹から突き上げてくる。犬絵の猟奇的な行動に、僕は思わず逃げ腰になる。しかし、犬絵の手はそれを許さない。容赦なく僕のズボン中に入ってきて、直接股間をまさぐり、秘めた欲求を炙り出そうとする。その意志を揶揄うみたいに。
 しかもその指遣いは巧みで、指の腹だけでなく、背や、手の甲など、あらゆる部分を使って刺激してくる。まるで、温かいゼリーをまとわりつかせるみたいに……。これまで経験したことのない感覚が、徐々に言い訳できない変化となって、喜びを表していく。

 ーー嫌だ、認めたくないのに……。

 すでに僕のペニスは、勃起しきっていた。
 一方で、玉津は僕の痴態に見向きもせず、背中を向けカメラをいじっていた。ありさ先輩の背後にしゃがみこみ、見上げる姿勢でレンズを向けていた。
 和志もその意図を汲み取るみたいに、ゆっくりと先輩のスカートを捲り始めた。まるで僕を挑発するかのように、カメラの向こうで少しずつその素肌を露わにしていく。
「ふうーっ!」
 玉津が高揚した声をあげる。
 やがて、ありさ先輩のピンク色のパンツが生々しく姿を見せる。
「待ってました!」
 威勢のいい声を張り上げると、玉津は舌なめずりをする。ズボンからペニスを取り出し、その場でしごき始めた。

 ーー僕の……大切なありさ先輩で……。

 悔しさが、とても虚しい。前回とまるで同じ状況でいて、それでも僕は同様の思いを抱き、また苦しんでいる。
 やがて調子に乗った玉津は、先輩のパンツをつまむと引っ張り、肌との間に隙間を作った。そこにカメラを入れ覗き込む。
「ふう! 割れ目!」
 一度や二度ならず、その言い方が、僕は怒りを沸き立たせる。
 次の瞬間だった。顔を真っ赤に染め、我慢ならないといった具合の玉津は、パンツを下にずらし、尾てい骨あたりに突然しゃぶりつき、舌を這わせた。
 僕は唖然とした。ありさ先輩の表情が苦痛に歪む。
「お前好きだろ、舐められんの」
 和志の問いに、先輩は首を振る。フン、と鼻を鳴らし微笑すると、和志はスカートからブラウスの裾を引っ張り出し、下からブラウスの中に手を進める。背中の真ん中までやって来ると、和志は躊躇することなくブラのホックを外した。
「俺はな、この前からずっと我慢してんだよ」
 言い放つと、今度はブラウスのボタンを上から一気に外してしまう。
「あっ……」
 僕の乾いた声が、窓から吹き込む風にかき消された。
 和志は、ブラウスを肩から下ろした。ありさ先輩の上半身は、かろうじて引っ掛かっているブラを残し、彫刻のような真っ白い裸身を顕にした。
 すかさず、玉津が発情する。
「やべえ、やべえ」
 透き通る肌に鼻を押し付けながら、舌を使って上から下に舐めていく。
「いや……」
 聞くに堪えないかすかな先輩の声が、聞こえた。
 でも僕は、犬絵によって欲情していた。いつの間にかペ○スはズボンから取り出されていて、犬絵の眼下で恥じらいを忘れている。そしてもう自分では制御できないほどギンギンに勃起したペ○スからは、先輩を求めて我慢汁がドバドバ溢れ出ていた。
 犬絵が失笑する。
 そんな中、和志は手を緩めない。なんとブラを剥ぎ取ると、
「頭の後ろで手を組め」
 裸身を露わにしたありさ先輩に、容赦ない命令が下る。
 屈辱的な格好だった。ありさ先輩は両手を言われた通りにした。和志の目の前で、服従しているような姿になってしまったのだ。
 そして和志は、その裸身を一度じっくり眺めたあと、記憶に刻み込み、無言のまま乳首にしゃぶりついた。
「ジュルリ……ジュルリ……チュー……」
 卑猥な音が、車内に響いた。
 先輩の体が和志の愛撫に、ビクッ、ビクッと反応する。
 それは前回と同じ。ありさ先輩が、まるで和志を受け入れているかのような光景だった。

 ーーありさ先輩……。

 和志はその後も、片方の乳首を吸い上げながら、もう片方の乳房を乱雑に揉みまくる。これまで溜まっていた鬱憤を晴らすかのように、以前の静けさはまるでない。すでに性の野獣と化している。
 玉津も、それを見ながらオナニーを繰り返している。たまらないだろう。僕と同様に、玉津もありさ先輩に想いを寄せていた。こんな形で、自分の意中の女性の裸身を見れるのだから、願ったり叶ったりだろう。
 加えて、先輩の体に触れることができる。背後にいた玉津は、先輩の肩のところから顔を出して、その美麗な乳房や乳首を入念に確認する。
 表情が、気色悪く歪んでいく。

 ーーついに、玉津にまで……。

 悔しくてたまらない。なぜ、いつも僕だけか見れないのか。
 しかもドサクサに紛れ、玉津の両手がありさ先輩のお腹からスカートの中にスルスルと侵入した。股間の辺りで、その卑劣な手が蠢いているのが見える。

 ーーやめろ……。

 しかし、心の中の声なんて届くわけがない。
 玉津は天井を見上げ、満足気な、極上の表情を浮かべながら、悦に浸っている。パンツを避け、黒く生い茂る陰毛を掻き分け、そして、
「あん……」
 まさかの瞬間だった。ありさ先輩の口から、ついに可憐な声が漏れてしまう。
 和志が乳首を甘噛みすると同時に、おそらく玉津の指が秘部に侵入したのだ。
「ん……あん……うん……あっ……ん……」
 なんなんだこれ、本当にクソだ。悔しくてたまらない。怒りで頭がおかしくなりそうだ。でも股間は、それに反して心地よい快感を脳に伝えてくる。犬絵によってもたらされているその感覚は、まるで心と体を分離させてるみたいだ。
 次第にありさ先輩の表情が、二人の男の愛撫によってとろけていく。さきほどまであったはずの強張りや恐怖、恥じらいがまるで消え失せている。二人もそのことに気づいているのか、和志はより乱暴に乳房と乳首を虐め抜き、玉津もスカートの中でジュプジュプと激しく音を掻き鳴らして、指を前後に運動させている。
「あンっ……アん……アアっん……うっ……アアン……」
 次第に声が大きく、妖艶になってきた。

 ーーまた……またイッてしまうのか?

 そう思った次の瞬間。
「アァっ……!」
 かぎりなく短い絶叫が、ありさ先輩の口から解き放たれた。総身をビクビクと痙攣させ、イった。そして肩で息をしながら、先輩は力尽きたように和志の体に倒れ込んだ。
 和志は大事そうに抱きしめると、頭を優しく撫でる。まるで、今まさに愛の昂りをぶつけ終えたカップルのような光景だった。
 僕は、嫉妬で息が詰まりそうだった。
 そのときの玉津は、僕の視界の隅で、まだ足りないといった様子で、手をスカートから引き抜くと、また再度ありさ先輩の背中に舌を這わせ始めた。
「ふふっ、楽しめた?」
 犬絵だ。
「でもね、実はこれからが本題なの」
 信じられなかった。僕はその言葉に、何度も耳を疑った。

 ーーまださらに、ありさ先輩になにかするつもりなのか?

 途端に、僕の胸に焦りが広がる。

 ーーこれ以上って……まさか……。

 背中にイヤな汗な滴る。ペ○スが、一気に縮こまる。
「こっちに来て」
 犬絵は僕を、通路を挟んだ反対の席に促す。
 犬絵が、ペ○スを掴んだまま立ち上がる。どうすることも出来ない僕は誘われるがままに、まるでペ○スを人質に取られた気分で席を立つ。
 ふと、視線をありさ先輩に戻した。僕はすぐに、後悔と絶望を味わった。
 なんとありさ先輩は、和志に唇を奪われていたのだ。
「えっ……?」
 頭の中が真っ白になった。理解ができない。目の前のものが、すべてスローモーションになった。
 僕は、さらに唖然とした。よく見れば、奪わている、ではなかった。ありさ先輩は、完全に和志を受け入れていた。証拠に、一切の力みがその表情からはなくなっていて、口はされるがままに開け放たれ、先輩の舌は和志の舌と交わっていた。

 ーーなん……で……。

 さらに、ありさ先輩の手が和志のズボン中から猛然とそり返るペニスを掬い出すと、まるで壊れ物を扱うように両手で包みこみながら、ゆっくり上下に動かし始めた。
 僕は、正気を保つのに必死だった。むしろ自分が、この場に相応しくないのかと錯覚を起こしそうになるほどだった。
 目を凝らしてみる。
 しかし何度確認しても、もうそこにはありさ先輩と和志の世界しかなかった。僕も玉津も、犬絵でさえも、そこにはいなかった。
「フフフ、もう妬いちゃうわあ。あんなアツアツな雰囲気だされちゃったら」
 いったいこの人は、何枚の舌を持っているのだろうか。さっきは僕に言っていたのに……。
「ねえ、あなたは気にならない?」
 席に座るや否や、犬絵が言う。
「ありさは、本当に自分を犠牲にして耐えているだけなのかって。ならなんで、あんなに感じて、ドバドバと液を溢れさせているの? おかしくない?」
 たしかに、言われてみればそうだ。たとえ強引な状況で追い詰められたとはいえ、前回も、今回も、むしろ今のありさ先輩は、自分から求めているように見える。
 僕はふと先輩の方に視線を移す。
 和志が、ありさ先輩の体を抱いたまま席の上に寝かせていた。和志は、足と足の間に収まる格好になっている。そして、邪魔者のようにパンツを脱がせると、玉津にそれを放った、受け取った玉津は、一度鼻に押し付け匂いを嗅いだあと、ポケットに押し込む。

 ーーここでもまた、僕からはなにも見えないんだな……。

 さきほど、ありさ先輩に告白したときの甘酸っぱい気持ちは、いったいどこに行ってしまったのか、僕にはわからなかった。はっきりしていることは、今あるのは、嫉妬に駆られた先輩に対する下心だけだ。
 和志が、ありさ先輩の膝を押し広げ、お○ンコ目掛けて顔を埋めた。
「あっん……」
 たまらず、先輩の声が漏れる。
「ジュルリ……ジュルル……チュー……ジュル……」
 溢れ出ているのであろう先輩の恥汁を、和志がこれ見よがしに吸い上げている。
 そして席には座らず、横でしゃがんでいる玉津も、カメラで撮影を継続しながら羨ましそうにそれを見つめていた。かと思いきや、いきなり奮い立ったみたいにありさ先輩に顔を近づけ、キスをした。
 僕は、バットでぶん殴られたような衝撃を胸に感じだ。

 ーーなんで、玉津が……。

 ねっとりと唇を重ね、時折舌がありさ先輩の口内に入っていく。そして何かを寄せ集めると、玉津が喉をゴクリと動かす。僕は目を覆いたくなった。なぜ? 疑問が頭の中を埋め尽くす。
 なんとありさ先輩は、玉津のキスまでも受け入れているのだ。舌の動きに追従するように、自分の舌を絡め、唾液の交換までしていた。
「……ふざ……けるなよ……」
 ポツリと言った。でも、その感情が怒りなのか呆れなのか、誰に向けられた言葉なのか、何がなんだか自分でもわからなかった。
「ごめんね」
 犬絵だ。
「実はね、私のせいなの」
「……え?」
「私がね、どうしてもエッチになって欲しかったから、ありさの体をたーくさん解してあげたの」
 意味がわからなかった。
「あなたも知ってるでしょう? ありさは元々、とーっても誠実で、堅実で、真面目で、どんなことにも真剣に向き合う純粋無垢なヒロインちゃんだった」
 犬絵は、まるで思い出話でもするかのように語り始めた。
「でもね、色々と問題が起こってしまったの。なんと、ヒロインの前に立ち塞がったのは、犬絵紗奈という魔女。とーっても美人さんで、意外と人気者だったんだよ?」
 この人は、どこまで本気なのだろう……。
「その魔女はね、すぐにありさに目をつけたの。だって可愛いし、私と同じで美人だし、汚れてないし。なーんだか、気になるじゃない。だから友達になりたかったんだけど、いざ話してみると、真面目すぎてつまらなかったの。真っ白で魅力がないわあって」
 犬絵は口を尖らせる。
「だからありさといて面白くなるように、魅力たっぷりお色気全開の、大人の女の子に改造しようって思い始めたの」
 空気が、一気に重くなった。
「その日から、私はありさの体にイタズラしまくったの。最初はずいぶん抵抗されたけど、犠牲心が宿ってからはとーっても素直で従順で可愛かったわ。それからの私はやりたい放題。場所を問わず、あんなとこやこんなところで、さらにあーんなことやこーんなことまでするようにして、ありさの体を敏感体質のエッチエチボディに改造したってわけ」
 淡々とした事実を並べるようにして続ける犬絵の言葉が、僕の心に刺さり続ける。
「学校でも、家でも、外でも。優しく丁寧に。でも時には弄んでいたぶって、楽しむことって、非常に大事よ。私の舌技と指技でありさを何度も絶頂させたのよ」
 淡々と続ける。
「でも、たまに私もその気になっちゃって、思わず膜を破っちゃったことがあるのよぉ。あらあらって、私もたまには失敗しちゃうのよねえ。でもぉ、許して。あの子はまだ入れられたことはないから。そういう意味ではちゃんと処女よ。てへっ」
 拳に力が入る。
「それであるときに、私、もっとありさを汚したくなったの。だから私……今度はおじさんの前でありさをイかせちゃった」
「なっ……!?」
「そういえば、一番最初のときも電車の中だったわね」

 ーー一番最初のとき……?
 
「対面におじさんが座っててね、なかなかに良いタイミングだったのよ。だから、ありさのスカートを捲り上げて、見せつけながら私が指でお○ンコを弄くってあげたの。そしたらね、そのおじさん、ありさのお○ンコをガン見しながらオナニーしてたわ」
 
 ーーやめて……。

「たしかその次がパチンコ屋の駐車場だったかな。おじいちゃんが、年甲斐もなく私たちをナンパしてきてね、死ぬ前に一度だけーとか言って。まあでも、どうせ負けた腹いせってやつね。シチュエーション的にはあんなり好きじゃなかったけど、どうしてもって言うからありさの胸を見せてあげたの。そしたらそいつも狂ったようにオナニーしてたわ。あっ、ちなみにありさの乳首を美味しいおいしいって言って味わったのは、そのおじいちゃんが初よ。そのあとはもう獣になっちゃって、きったない体で胸は揉みまくるは尻は舐めまくるは……。でもね、その様子を見てて珍しく私も感化されちゃって、なんだか興奮してきちゃったの。だから私とありさ、二人で交互におじいちゃんのペ○スをパイズリしてあげちゃった。ホントに贅沢よねえ。まあでも、今頃は天国でしょうけどね。あはは!」

 ーーもう……やめて……。

「その次はいつだったかしら……」
「やめてください!」
 気づいたときには、叫んでいた。まるで自分の体じゃないみたいに、涙がとめどなく溢れていた。
「お願いです。もう、ありさ先輩には……お願いしますから……もうやめてください」
 細々とした儚い声が、意識の外側からこぼれる。
「あらあら、ボク、泣かないで。お姉さんも、別にいじめてるわけじゃないのよ? それに、もうこれは過去のお話。ねっ、以前夕方に放送してたでしょ? にっぽん昔話みたいなやつ。それと同じ感覚よ」
「……」
「まあいいや。で、本題に戻るわね」
 犬絵はどこまでも楽しげな口調で続けたが、突然僕の頬を両手で挟み、冷たい視線をこちらに向けた。
「私の今の気分は……あ・な・た」
 
 そのときのありさ先輩は、和志と玉津の二人に乳首を吸われていた。
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