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第1部-ファフニール王国・自由編-
014_茶会
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茶会の朝、緊張している表情のリリアを安心させようと、昨日のことなどなかったようにふるまうアン。準備から出発まで絶え間なく話しかけたが、硬い表情のリリアが笑顔を見せたのはほんのわずかだった。
「お気をつけて」
アンに見送られて茶会へと向かう。クロウが御者を務める馬車が動き出してしばらく、オズウェルは不思議そうに問いかけた。
「何に緊張しているのですか? 茶会は初めてではないとお聞きしたかとおもいますが」
「茶会なんて幼い時以来だからずいぶん経つし……初めて会う方ばかりだから」
「リリア嬢なら大丈夫だと思いますが。多少失敗したところで、遠縁ということにしてありますから、まだこちらのやり方に慣れてないと思われるだけかと。そうだ、ここから少し離れたところにハミルトンという叔父の管理する土地があります。何か聞かれたらそこから来たと」
「うん。わかった」
緊張がわずかに緩和する。ハミルトン、と馴染ませるように呟いているうちに、馬車はある屋敷の前で止まった。オズウェルの屋敷よりは規模は小さいものの、遠くに見える庭園は色とりどりの花を咲かせているのが見える。
「さあ行きましょうか」
深呼吸して、差し出された手に応えてリリアも馬車を降りた。屋敷の横を歩いていくと、賑わいがどんどん近づいてくる。
ぎゅっと力を込めた手は、力強く握り返されてオズウェルを見上げれば、静かに頷きが帰ってくる。大丈夫、と自らを鼓舞して頷いたリリアは、ようやくぎこちない笑顔を見せた。
庭園へ足を踏み入れると、カラフルな花に負けないくらいの鮮やかなドレスをきた女性たちが大勢揃っており、オズウェルの姿を見て次々と集まってくる。当然、陰に隠れるようにしてそばにいるリリアにも、注目が集まる。
「オズウェル様、ご機嫌麗しゅう」
「久しぶりですね、アンドロメダ様」
「そちらのご令嬢はどちらさまでしょう? はじめてお目にかかります」
独り者愛想なしのオズウェルが見知らぬ令嬢を連れているとあり、会場中が静まり返る。オズウェルはその場に紹介するように、リリアを自分の前へと軽く押し出す。
「叔父から少しの間、預かっているのです。よろしければ皆様に仲良くしていただければと。リリア、ご挨拶を」
「リリアと申します。どうぞお見知りおきを」
濃いグリーンのドレスの裾をつまんで頭を下げると、拍手が起きる。慌てて、オズウェルの後ろに隠れてしまったリリアは、恥ずかしそうに顔を伏せた。次々とオズウェルに挨拶にくる人々の中には同じような年ごろの令嬢を連れている者もおり、数人がリリアと話したいと申し出た。
オズウェルがまだ挨拶を受ける横で、女性だけの小さな輪ができる。
「ブラウン公爵の娘、アンドロメダよ。忘れないでね」
「わたくし、カミーユ・コリンズと申します。わたくしともお話していただけないでしょうか?」
自己紹介を必死に覚えながら、リリアも笑みを作った。今まで公の場に出てこなかったことや、バーロンド家に滞在していることなどを一通り根掘り葉掘り聞かれたあとは、最初のほうに名乗ったカミーユだけが残った。爵位の低いカミーユは会話の輪に入ることが難しく、そばでずっとおどおどとしていたのだった。
人が少なくなりほっと息を吐いたリリアに、カミーユは控えめに話しかける。
「リリア様、よろしければあちらでお休みになりませんか?」
「ええ」
近くでどこかの男性と話していたオズウェルに声をかけ、庭園に備え付けられたベンチに二人並んで座った。目の前ではさっき挨拶した令嬢が、婚約者らしき男性と一緒にミニゲームに興じている。その様子を目で追っていたリリア。
「あの、実はお忍びの王族の方だったりってことはない……ですよね?」
おそるおそる尋ねたカミーユに、リリアは目を真ん丸にして振り向く。驚いたその様子に、慌ててカミーユは手を振って発言を取り消した。
「ごめんなさいっ、あまりにも皇太后さまにそっくりだったものだから」
「え?」
「勘違いでした! オズウェル様のご親戚だと伺ったものですから、てっきり王族の方かと……。忘れてください」
「うん……私、そんなに似ているの?」
「本当に。幼いころに肖像画を拝見したことがあって、素敵だったからずっと記憶に残っていて」
「そうなの」
「気にしないでください! わたくしの勘違いですから」
カミーユは恥ずかしそうに照れ笑いで誤魔化した。リリアもこれ以上掘り下げるような話題ではないと考え、別の話題を振る。距離をとったところでクロウが見守っていることも大きかったのだろう。二人は当たり障りのない会話をし、オズウェルが迎えに行ったときは楽しそうに笑いあっていた。
「リリア、そろそろ帰りましょうか」
「うん。カミーユ様、今日はありがとうございました」
「こちらこそお話しできて嬉しかったです」
馬車に乗り込んでもニコニコと笑顔を浮かべているリリアに、オズウェルは感想を尋ねた。
「とても楽しかったよ。――そういえば、カミーユ様が不思議なことをおっしゃっていて」
「不思議なこと?」
リリアは、カミーユに言われたままのことを話した。スウィフト家がファフニール王国の王族と婚礼したことはない。なぜリリアに王族の面影を見たのか。
じっとリリアを見つめていたオズウェルははっとした表情になり、考え込んでしまう。何か心当たりがあるならと身を乗り出したリリアだが、オズウェルは首を横に振るだけ。
「確かめるのでしばらく時間をください。」
馬車がちょうど屋敷に着きアンが迎えに出てくると、オズウェルはクロウを呼んで部屋へと籠ってしまう。
真相を知る人がいるかもしれない、とオズウェルがに告げられたのはそれから数日後のことだった。
「お気をつけて」
アンに見送られて茶会へと向かう。クロウが御者を務める馬車が動き出してしばらく、オズウェルは不思議そうに問いかけた。
「何に緊張しているのですか? 茶会は初めてではないとお聞きしたかとおもいますが」
「茶会なんて幼い時以来だからずいぶん経つし……初めて会う方ばかりだから」
「リリア嬢なら大丈夫だと思いますが。多少失敗したところで、遠縁ということにしてありますから、まだこちらのやり方に慣れてないと思われるだけかと。そうだ、ここから少し離れたところにハミルトンという叔父の管理する土地があります。何か聞かれたらそこから来たと」
「うん。わかった」
緊張がわずかに緩和する。ハミルトン、と馴染ませるように呟いているうちに、馬車はある屋敷の前で止まった。オズウェルの屋敷よりは規模は小さいものの、遠くに見える庭園は色とりどりの花を咲かせているのが見える。
「さあ行きましょうか」
深呼吸して、差し出された手に応えてリリアも馬車を降りた。屋敷の横を歩いていくと、賑わいがどんどん近づいてくる。
ぎゅっと力を込めた手は、力強く握り返されてオズウェルを見上げれば、静かに頷きが帰ってくる。大丈夫、と自らを鼓舞して頷いたリリアは、ようやくぎこちない笑顔を見せた。
庭園へ足を踏み入れると、カラフルな花に負けないくらいの鮮やかなドレスをきた女性たちが大勢揃っており、オズウェルの姿を見て次々と集まってくる。当然、陰に隠れるようにしてそばにいるリリアにも、注目が集まる。
「オズウェル様、ご機嫌麗しゅう」
「久しぶりですね、アンドロメダ様」
「そちらのご令嬢はどちらさまでしょう? はじめてお目にかかります」
独り者愛想なしのオズウェルが見知らぬ令嬢を連れているとあり、会場中が静まり返る。オズウェルはその場に紹介するように、リリアを自分の前へと軽く押し出す。
「叔父から少しの間、預かっているのです。よろしければ皆様に仲良くしていただければと。リリア、ご挨拶を」
「リリアと申します。どうぞお見知りおきを」
濃いグリーンのドレスの裾をつまんで頭を下げると、拍手が起きる。慌てて、オズウェルの後ろに隠れてしまったリリアは、恥ずかしそうに顔を伏せた。次々とオズウェルに挨拶にくる人々の中には同じような年ごろの令嬢を連れている者もおり、数人がリリアと話したいと申し出た。
オズウェルがまだ挨拶を受ける横で、女性だけの小さな輪ができる。
「ブラウン公爵の娘、アンドロメダよ。忘れないでね」
「わたくし、カミーユ・コリンズと申します。わたくしともお話していただけないでしょうか?」
自己紹介を必死に覚えながら、リリアも笑みを作った。今まで公の場に出てこなかったことや、バーロンド家に滞在していることなどを一通り根掘り葉掘り聞かれたあとは、最初のほうに名乗ったカミーユだけが残った。爵位の低いカミーユは会話の輪に入ることが難しく、そばでずっとおどおどとしていたのだった。
人が少なくなりほっと息を吐いたリリアに、カミーユは控えめに話しかける。
「リリア様、よろしければあちらでお休みになりませんか?」
「ええ」
近くでどこかの男性と話していたオズウェルに声をかけ、庭園に備え付けられたベンチに二人並んで座った。目の前ではさっき挨拶した令嬢が、婚約者らしき男性と一緒にミニゲームに興じている。その様子を目で追っていたリリア。
「あの、実はお忍びの王族の方だったりってことはない……ですよね?」
おそるおそる尋ねたカミーユに、リリアは目を真ん丸にして振り向く。驚いたその様子に、慌ててカミーユは手を振って発言を取り消した。
「ごめんなさいっ、あまりにも皇太后さまにそっくりだったものだから」
「え?」
「勘違いでした! オズウェル様のご親戚だと伺ったものですから、てっきり王族の方かと……。忘れてください」
「うん……私、そんなに似ているの?」
「本当に。幼いころに肖像画を拝見したことがあって、素敵だったからずっと記憶に残っていて」
「そうなの」
「気にしないでください! わたくしの勘違いですから」
カミーユは恥ずかしそうに照れ笑いで誤魔化した。リリアもこれ以上掘り下げるような話題ではないと考え、別の話題を振る。距離をとったところでクロウが見守っていることも大きかったのだろう。二人は当たり障りのない会話をし、オズウェルが迎えに行ったときは楽しそうに笑いあっていた。
「リリア、そろそろ帰りましょうか」
「うん。カミーユ様、今日はありがとうございました」
「こちらこそお話しできて嬉しかったです」
馬車に乗り込んでもニコニコと笑顔を浮かべているリリアに、オズウェルは感想を尋ねた。
「とても楽しかったよ。――そういえば、カミーユ様が不思議なことをおっしゃっていて」
「不思議なこと?」
リリアは、カミーユに言われたままのことを話した。スウィフト家がファフニール王国の王族と婚礼したことはない。なぜリリアに王族の面影を見たのか。
じっとリリアを見つめていたオズウェルははっとした表情になり、考え込んでしまう。何か心当たりがあるならと身を乗り出したリリアだが、オズウェルは首を横に振るだけ。
「確かめるのでしばらく時間をください。」
馬車がちょうど屋敷に着きアンが迎えに出てくると、オズウェルはクロウを呼んで部屋へと籠ってしまう。
真相を知る人がいるかもしれない、とオズウェルがに告げられたのはそれから数日後のことだった。
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