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3話①

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結果から言うと初めての魔法は成功した。

火剋金かこくきん

火は金属を溶かす。

つまり俺が使った魔法は火に関する魔法だ。ちなみにこれは来るときに希望し、与えられた能力ではない。

使うとなぜか相手の金属は溶ける途中で消えた。

熱くて意図的に解除したのか、それとも勝手に解除したのかは知らないが、使っていた金属魔法というものは解除された。

それでも素手で襲われるかも知れないと思ったが、火傷したようで、捨て台詞を吐きながら走って去って行った。

あの溶け方で、大火傷じゃなかったのはかなり驚いた。

 
 というかそもそも火力でいうと、テレビや漫画で見るような派手な感じではなく、チャッカマンの火をそのまま伸ばしたくらいのサイズで、ちょっと強めの手持ちの花火のような火力だった。

そもそも10秒弱くらいしか使ってないし、普通に考えると、あんなしょぼい火力じゃ金属は溶けないどころか、いくら金属は熱を通しやすいとは言っても、あの感じの分厚さのやつだと多分火傷はおろか、叫ぶほど熱く感じるには時間がかかるはずだし、あんな熱がり方にならないんじゃ……。

はんだ付けする時に使うあの針金みたいな素材で出来てんのか? ってぐらい。いくらなんでもちゃっちくないか?


この世界の魔法は属性が大切だとか書いてあったが、
あんなに分厚くて詳しく説明されてる説明本なのにも関わらず魔法についてはについては使い方以外は、魔法には個有魔法、一般魔法があり、大きくわけると、属性魔法と非・属性魔法と付与魔法があるという感じのざっくりとしたことしか書いてなかった気がする。
(あんなに分厚いんだからもっと詳しく分かりやすく書いといてくれよ!  )

それでもあの感じはおかしいと思っている。普通じゃない。俺が強すぎるとか周りのレベルが低すぎるとかそういうものじゃない。

明らかに違和感がある。そもそも異世界だからそういうものと言われたら何も言えないけど。

とはいえあの時、属性魔法はその名の通り属性が大切だと書いてあったのを思い出せてよかった。

四大元素の関係性とかは知らなかったから、消去法で咄嗟に一か八かで五行説の関係性の方でやってみたけど、当たってよかった。

四大元素は名前しか知らないし、こういう異世界だと本やアニメじゃ四大元素+光属性と闇属性とかいうのが多いイメージだし、ここも世界なのかと思っていた。

そもそも、異世界なわけだから元いた世界と全く違う、未知の何かよくわからない聞いたこともない属性というのもあったかもしれないし。そこは運が良かったと思う。

「あのーすみません! こいつやったのあんただよね」

もしかして、早すぎると思うけどさっき奴の仲間とかからの報復って奴だったりするのか?

え、俺逃げたり戦ったりで体力もだけど、なんか異様に疲れて戦うどころか走って逃げる程の余力がもうないぞ。

大きな声で叫びながらこっちにやってきたのは、俺とあまり年が変わらなさそうな女の子だった。
手にはさっき倒した男が太い蔓のようなもので拘束されている。

 少なくともこの感じは報復の類いじゃなさそうだ。よかった。


「そうですが、どうしたんですか?」

「さっき倒した所をちょっと見えたんだよ。やっぱりあんただったんだ、 依頼書のボードに貼ってあった手配書にあって内容の割にそれなりにいい報酬額だったから狙ってたんだよね、倒してくれたしこの件の報酬お礼じゃないけどあんたと半分に分けようと思って」

「やったというか.......これは正当防衛だし、まさかあんな風になるとは思わなかったし、そもそも逃げられてるからそんなのいいよ。捕まえたのは君なんだから」


「それは助かるんだけど、でもそれだとあたし的にはあんまりなぁ......んー……あっ! じゃあ朝ごはん......はさっき食べたばっかだし.……昼ごはん! 昼ごはん奢らせてよ、聞きたいことも色々あるしさ。ご飯って言っても、安めの店になっちゃうけど」

初対面の女の子に初めて1対1でご飯に誘われた。
初対面の人に奢ってもらうのは何だかんだか悪くて気が引けるけど、そこまで言われて断るのも逆になんだか失礼な気もする。それに俺も彼女に聞きたいことがあるし。


「ご飯ならいいよ」

「じゃあ――――」

昼前くらいにさっきいたところの近くにあった公園とかによく置いてあるタイプの時計のそばて待ち合わせすることになった。





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