幽霊学校からの脱出

速水静香

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第七話

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 時刻は、学校から寄り道をして家に帰った時と同じくらいの時間だった。
 誰もいない体育館で、僕とメリーさんは向かい合っていた。

「じゃあね、カズキ。また、会いましょう。」
「うん。また、連絡するよ。」

 僕は、メリーさんにそういった。

「あっ、カズキ。ちゃんとメッセージアプリを見ておくのよ?私の番号から検索してね?じゃあね。」

 メリーさんがそういったとき、これまでいたはずのメリーさんの姿が見えなくなった。

「えっ?」
 
 僕は不意を突かれて、立ち尽くしていた。
 メリーさんとの突然のお別れ。
 彼女は神出鬼没だった。
 メリーさんと僕は、突然出会って、突然別れた。

 僕には、悲しいという感情すら、中途半端にしか残らなかった。

 だけど、しばらくすると、僕は現実に戻ってきたことを実感してきた。
 あれはすべて夢だったのではないだろうか?
 そう思えるくらいに、不思議な経験だった。
 
 僕は、体育館から一人出た。
 そして廊下を通って、学校の出入口へと向かった。
 昇降口には、僕が放置したランドセルがあった。
 ほっと一安心だった。
 
 僕はランドセルを回収して、校舎を後にした。

 いつもより遅く家に帰った。
 お母さんからは、事前に連絡してくれ、と怒られたのだった。
 いろいろとあった僕は、ようやく自分の部屋に戻った。
 そして、ベッドに腰を掛けてメリーさんの言葉を思い出した。

「メッセージアプリ?」

 スマホを確認する。
 多分、日本で一番使われているメッセージアプリを起動した。
 そして、僕はメリーさんの電話番号で検索をした。
 友達が出てきた。
 名前は、ずはりメリーさんだった。

 僕は、メリーさんを友達に設定する。
 そして、試しにメッセージを入力した。

『メリーさん、また会えるといいね。』

 そうメッセージを送った。
 すぐに既読がついた。

『すぐに会えるわ。』

 返信が早い。
 すると、何もないはずの僕のベッドから何かが出てきた。
 青い人形のような…

「カズキ!遅いわよ。」

 メリーさんが、僕のベッドから這い出てきていた。

「ああ、ごめん。」
「私は、カズキと別れた後、花子さんに報告しないといけなかったんだから!」

 メリーさんは、プンプンとした様子で僕にそう言った。

「ごめん、メリーさん。」

 僕は素直に謝った。

「でも、ほら!また会えたよ!」

 そういいながら、僕は笑った。

「もう、カズキは……。」

 メリーさんは、呆れながらも笑った。

 
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感想 1

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みんなの感想(1件)

琴音
2024.07.08 琴音

面白いです!
メリーさんや花子さんと友達になっちゃうし、サトルくんとかアクロバティックさらさらとか、色々な都市伝説も出てきて、あ、この都市伝説知ってる!とか興奮しながらスラスラ読めました!

2024.08.08 速水静香

ご感想ありがとうございます!

解除

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