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異世界転移!アキラの冒険
裏拍子魔法かまいたち
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<アキラ視点>
足がこれほどまでもかと言われるほどに早く回る。
吹奏楽部は、肺活量が勝負の部活で、普段から、運動部に交じって長距離走を走るトレーニングを積んでいる。
だから、僕も、なんとか息を切らさずに走ることができるのだ。
これで無事に村に逃げ切れるか?
だが、そうは問屋が卸さなかった。
前方を山賊2人が遮る。
後方から3人の山賊が迫る。
挟撃をされる形になった。
「そうか。こんな用意周到に襲ってきた相手だ。そう簡単に逃げ道を確保させてくれないか……」
「そういうわけだ」
鎖鎌をぶんぶんと振り回す。
「もう、私たちの命はここで終わりなのね……」
「そうだぜ。姉ちゃん。あきらめな」
「LALALALALALA♪」
「ふ、今更、足が速くなるだけの呪文を唱えても無駄なあがきだぜ」
(まてよ?歌にちょっとアレンジ加えてみたらどうなる……)
「NLALALALALALA♪」
詠唱したそのときだった。
あたりから風が沸き起こり、そして、それは小さな刃を形作った。
「かまいたちだわ!」
そして、その刃は、鎖鎌をやぶり、山賊の胸板を切る。
「いてえ!」
「今のうちに逃げよう」
再び、呪文を詠唱して、再び、ナーシャと僕は逃げ始めた。
息がゼイゼイ上がる中、ナーシャは僕に話しかけた。
「あなた。裏拍使いね?」
「裏拍使い?」
確かに裏拍を使ってリズムを変則的にして歌ったが、それが魔法の効果に変化をもたらしたとでもいうのか?
「かまいたちってなかなか初心者が唱えられる呪文じゃないのにすごいわ。あなた、魔法の才能あるのかも」
そのまま山賊とかけっこしたが、一足先に僕たちは村につくと、村の屈強な男たちが、中に案内をした。
「山賊が胸に怪我しているんだ」
と僕が言うと男はにかっと笑った。
「兄ちゃん、なかなか優しいな。命を狙ってきたやつなのに。まあ、兄ちゃんの顔に免じてやつらの命までは取らないでおいてやろうか」
その言葉通り、山賊はつかまり、牢屋の中で治療を受けたのだった。
僕は、自分は日本の山梨県からやってきたことを自己紹介すると、興味津々に村の人たちは話を聞いていた。
「で、そのコウフって町には、優れた魔法使いがたくさんいるのかい?」
「い、いやあ。僕たちは音楽を娯楽として消費しているだけで、この世界のように生活と密着しているわけじゃ……」
「そうか。ところで、君が言うブラックホールっていうのは、1000年に1度現れる異世界同士をつなぐ穴かもしれないな。なにせ、それくらいの頻度だから、元の世界には戻れないと思った方がええよ」
「そんなあ……」
僕は、村長の言葉に学っと肩を下した。
「落ち込む気持ちはわかるのだがな。ああ、そうそう、それはそうと、君、魔法学校というものに興味はないかね?」
足がこれほどまでもかと言われるほどに早く回る。
吹奏楽部は、肺活量が勝負の部活で、普段から、運動部に交じって長距離走を走るトレーニングを積んでいる。
だから、僕も、なんとか息を切らさずに走ることができるのだ。
これで無事に村に逃げ切れるか?
だが、そうは問屋が卸さなかった。
前方を山賊2人が遮る。
後方から3人の山賊が迫る。
挟撃をされる形になった。
「そうか。こんな用意周到に襲ってきた相手だ。そう簡単に逃げ道を確保させてくれないか……」
「そういうわけだ」
鎖鎌をぶんぶんと振り回す。
「もう、私たちの命はここで終わりなのね……」
「そうだぜ。姉ちゃん。あきらめな」
「LALALALALALA♪」
「ふ、今更、足が速くなるだけの呪文を唱えても無駄なあがきだぜ」
(まてよ?歌にちょっとアレンジ加えてみたらどうなる……)
「NLALALALALALA♪」
詠唱したそのときだった。
あたりから風が沸き起こり、そして、それは小さな刃を形作った。
「かまいたちだわ!」
そして、その刃は、鎖鎌をやぶり、山賊の胸板を切る。
「いてえ!」
「今のうちに逃げよう」
再び、呪文を詠唱して、再び、ナーシャと僕は逃げ始めた。
息がゼイゼイ上がる中、ナーシャは僕に話しかけた。
「あなた。裏拍使いね?」
「裏拍使い?」
確かに裏拍を使ってリズムを変則的にして歌ったが、それが魔法の効果に変化をもたらしたとでもいうのか?
「かまいたちってなかなか初心者が唱えられる呪文じゃないのにすごいわ。あなた、魔法の才能あるのかも」
そのまま山賊とかけっこしたが、一足先に僕たちは村につくと、村の屈強な男たちが、中に案内をした。
「山賊が胸に怪我しているんだ」
と僕が言うと男はにかっと笑った。
「兄ちゃん、なかなか優しいな。命を狙ってきたやつなのに。まあ、兄ちゃんの顔に免じてやつらの命までは取らないでおいてやろうか」
その言葉通り、山賊はつかまり、牢屋の中で治療を受けたのだった。
僕は、自分は日本の山梨県からやってきたことを自己紹介すると、興味津々に村の人たちは話を聞いていた。
「で、そのコウフって町には、優れた魔法使いがたくさんいるのかい?」
「い、いやあ。僕たちは音楽を娯楽として消費しているだけで、この世界のように生活と密着しているわけじゃ……」
「そうか。ところで、君が言うブラックホールっていうのは、1000年に1度現れる異世界同士をつなぐ穴かもしれないな。なにせ、それくらいの頻度だから、元の世界には戻れないと思った方がええよ」
「そんなあ……」
僕は、村長の言葉に学っと肩を下した。
「落ち込む気持ちはわかるのだがな。ああ、そうそう、それはそうと、君、魔法学校というものに興味はないかね?」
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