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【1話】無理に付き合うの止めるっ
いつもと違う保育園の朝
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静かな夜が明けて数時間ほどの空気は澄んでいる気がする。
初菜を後ろの座席に乗せ、電動自転車を電気の力に頼って漕ぐ。
佐奈子は、昨日の夕方、友里ママと話したことを思い出していた。
付き合いが悪くなった理由は不自然じゃなかっただろうか。何か関係を悪くするようなことはいっていなかっただろうか。
特に気にしていないつもりだったけれど、保育園に向かうとなると、急に不安が押し寄せてきたのだ。
自転車置き場では年齢の違う子の母親と挨拶を交わし、門を入るときには、園の中から出てくる父親と会釈しあった。
何も変わらない日のはずだった。
出勤してきた保育士とも挨拶を交わし、年長クラスの部屋に入る。
初菜は自分で必要なルーティンをこなし始めた。ジャンパーを脱いで畳み、ロッカーに入れる。水筒を所定の位置に置く。佐奈子は所定の用紙にお迎えの時間を記入した後、初菜のロッカーの前に立って、どこを見るともなく準備が終わるのを待っていた。
そこへ誰かが親子で近くへ来た。見ると、初菜の隣にロッカーがある萌と萌ママだった。
邪魔になっているかもしれない、と佐奈子は一歩横に避ける。
「おはようございます」
これまでに声を出しているせいか、自分で思っているよりも大きな声が出た感じがした。
でも、萌ママは佐奈子の方を見ることはなく、また挨拶も返ってこなかった。
聞こえていないはずはない。かなり声は出たし、至近距離だった。聞こえていなくても、これほど近くにいるのだから、向こうから声がかかってもいいはずだ。
初菜は出席帳に出席シールを貼っている。どうやら、もたついているらしい。
まだ近くにいる萌ママを振りかえる。
「おはようございます」
もう一度、声をかけるも返事はなかった。
何か機嫌を損ねることでもしただろうか。
子どもたちがはしゃぎ騒ぐ声は、どこか遠いところから聞こえてくるような気がした。
初菜を後ろの座席に乗せ、電動自転車を電気の力に頼って漕ぐ。
佐奈子は、昨日の夕方、友里ママと話したことを思い出していた。
付き合いが悪くなった理由は不自然じゃなかっただろうか。何か関係を悪くするようなことはいっていなかっただろうか。
特に気にしていないつもりだったけれど、保育園に向かうとなると、急に不安が押し寄せてきたのだ。
自転車置き場では年齢の違う子の母親と挨拶を交わし、門を入るときには、園の中から出てくる父親と会釈しあった。
何も変わらない日のはずだった。
出勤してきた保育士とも挨拶を交わし、年長クラスの部屋に入る。
初菜は自分で必要なルーティンをこなし始めた。ジャンパーを脱いで畳み、ロッカーに入れる。水筒を所定の位置に置く。佐奈子は所定の用紙にお迎えの時間を記入した後、初菜のロッカーの前に立って、どこを見るともなく準備が終わるのを待っていた。
そこへ誰かが親子で近くへ来た。見ると、初菜の隣にロッカーがある萌と萌ママだった。
邪魔になっているかもしれない、と佐奈子は一歩横に避ける。
「おはようございます」
これまでに声を出しているせいか、自分で思っているよりも大きな声が出た感じがした。
でも、萌ママは佐奈子の方を見ることはなく、また挨拶も返ってこなかった。
聞こえていないはずはない。かなり声は出たし、至近距離だった。聞こえていなくても、これほど近くにいるのだから、向こうから声がかかってもいいはずだ。
初菜は出席帳に出席シールを貼っている。どうやら、もたついているらしい。
まだ近くにいる萌ママを振りかえる。
「おはようございます」
もう一度、声をかけるも返事はなかった。
何か機嫌を損ねることでもしただろうか。
子どもたちがはしゃぎ騒ぐ声は、どこか遠いところから聞こえてくるような気がした。
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