クセつよ母は今日もいく

高羽志雨

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プロローグ

開店準備中に回想

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 シャッター通り、いやシャッター商店街という言葉とは、この商店街は無縁らしい。

 洗練されたオシャレなカフェやセレクトショップと、昭和の雰囲気を残す八百屋、天ぷら屋、布団店、お茶屋などが混在しているものの、定休日以外でシャッターが閉まっている店はない。

 間中聡はスタンド看板を店の前に立て、腰に手をあてる。

「良い場所だよな」

 5年前に他界した父親が経営していた古びた喫茶店を活かし、3年前からレトロな雰囲気の『カフェ アロン』を営業している。空白の2年間は、商店街の常連客である年配の人たちの休憩場所だった。
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