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新婚生活編
18.花火大会(前編)
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カランコロンと下駄を鳴らしながら歩く俺の横を、彗が鼻歌交じりに歩いている。
「ふーんふん♪」
「こんな蒸し暑いのに機嫌いいなぁお前」
「だって瞬ちゃんとお祭りデートだよ!?嬉しくないわけないじゃん!」
「はいはい、そういうのいいから」
俺は適当にあしらいながらも、横目で彗の姿を盗み見た。
グレーの無地の方の浴衣に身を包んだ彗はやはりイケメンオーラ全開である。
一方俺はなんだか実年齢よりも幼く見えるような気がして少しだけ落ち着かなかった。
「…でも、浴衣で外歩くのなんか恥ずいな」
「なんで?すごく似合ってるよ」
「……それはどうも」
家を出る前にこれでもかと写真を撮られたから彗が気に入ってくれているのは知っている。
俺はどうも「記念」とか「思い出」という言葉に弱いらしい。
「本当に可愛いよ」
「……あっそ」
不意打ちを食らった俺はついぶっきらぼうに返事をしてしまった。
成人男性に使う褒め言葉ではないが、彗の言葉はいつもストレートに胸に響く。
会場に近づくにつれ、目的地が同じらしい浴衣を着たグループが目に入ってくるようになった。
「人増えてきたな」
「ワクワクするね~」
そんな会話をしながらしばらく歩いて行くと、やがて屋台が立ち並ぶ大通りが見えてくる。
辺り一面には所狭しと出店が立ち並び、提灯やライトで彩られている。
「うわ、すげぇ……想像以上だな」
「花火までまだ時間あるから屋台見て回ろうよ~」
「良いけど迷子にるなよ」
「大丈夫大丈夫」
子供のようにはしゃぐ姿は相変わらず犬っぽいというか、大型犬を彷彿とさせた。
ふとあたりを見渡すとカップルのような男女2人組や親子連れが多いようだ。
祭りの雰囲気に呑まれているのか、皆どこか浮かれた表情をしているように見える。
「まずは腹ごしらえだな」
「賛成!俺、焼きそば食べたい!」
2人で相談しながらいくつかの屋台を見て回り、焼きそばやポテトなどを買って空いているベンチに腰掛けた。
「屋台の食べ物ってなんか特別感あって良いよね」
「不思議と家で食べるより美味いんだよな~」
「はぁ~しあわせだなぁ」
そう言いながら美味しそうに焼きそばを頬張る彗を見ていると、こっちまで幸せな気持ちになってくる。俺は口元が緩むのを隠すようにチョコバナナをかじった。
子供の頃は小遣いと相談しながら屋台を回るのが不自由ながらも楽しみだった。
大人になった今、自由に使えるお金は多くなったがそれでもあの頃の高揚感を超えるものはなかなかないと思う。
それでも彗と一緒にいると大人も悪く無いと思えるから不思議だ。
「ねぇ、瞬ちゃん写真撮ろ」
「え?」
「はい、チーズ」
彗に肩を抱かれ引き寄せられたかと思うと、カシャリとスマホのシャッター音が響いた。
「おい、今絶対変な顔してたぞ」
「大丈夫。すごい可愛いから。ほら」
そう言いながらスマホ画面をこちらに向けてきた。
そこにはイケメンの横でチョコバナナを齧る間抜けヅラの男が写っていた。
「消せ」
「やだよー待ち受けにしよーっと」
「じゃ、じゃあせめてもう一回撮らせてくれ……さすがにその写真が残るのは恥ずかしい」
そう言って俺は自分のスマホを取り出してカメラアプリを開いた。
「えっと……インカメってどうやるんだ」
「ここだよ」
「ああ。よし、はいちーず」
俺は彗に顔を近づけてピースサインをすると、画面に映る2人の男の顔に向かってシャッターを押した。
さっそく画面を確認すると先ほどよりも幾分マシな俺の顔が映っている。
そして隣の彗は写真慣れしているのか、やはり様になっていて少し悔しかった。
同じ人間なのにどうしてこうも外見に格差が出てしまうのだろうか。
その後俺たちは再び屋台をまわりながら花火の時間を待つ事にした。
「ねぇ瞬ちゃんあれやろ」
不意に浴衣の袖を引かれて振り返ると、彗が射的屋を指差していた。
「射的か。面白そうだな」
「決まりね。おじさ~ん、2人分お願いしま~す」
俺達は店主に代金を支払いそれぞれ銃を手に取った。
景品はぬいぐるみから流行りのゲーム機、お菓子など様々だ。
子供の頃の俺ならきっと大当たりのゲーム機を本気で狙って散財していたことだろう。
しかし大人になった今となっては「目玉の高額景品は取れないように細工されてるに違いない」なんて夢のないことを考えてしまう。
そんな俺とは対照的に彗は楽しげにコルク弾を詰めていた。
「瞬ちゃんはどれ欲しい?」
「んー、じゃああのラムネ」
棚をざっと見渡した俺は1番手頃そうなラムネの箱を指差した。
「おっけー」
彗はそう言って微笑むと、パンッと軽い音を立ててコルクを撃った。
放たれた弾は狙い通りに飛んでいき、見事ラムネの箱に命中して後ろに落ちていった。
「おお、やるな」
「すごいでしょー」
彗は得意げに笑って再びコルク弾を詰めた。
もしかしたら結構簡単なのかもしれない、と淡い期待を抱きながら景品を狙うが、かする程度で全く倒れる気配がない。
彗が3つ目の景品を取る頃には俺はもう全てのコルクを消費してしまっていた。
「はい、こっちの兄ちゃんは残念賞ね~」
そう言って店主のおじさんは大量のキーホルダーが入ったカゴを差し出してきた。
「ありがとうございます……」
俺はその中から適当に目についたものを選ぶと、それを巾着にしまった。
「あは、瞬ちゃん下手すぎ~」
「お前が上手すぎるんだよ」
「欲しいのあったら俺がとってあげるよー?」
「くそ…むかつく…」
そう言いつつも彗が構える様子はとても様になっていて、思わず目を奪われてしまった。
俺が女の子だったらきっと彼氏のこういう瞬間にときめいたりするんだろう。
「…よし、じゃああのゲーム機取ってくれ」
俺は少し意地悪をして1番難しそうなものをチョイスしてみた。
客寄せ用の高額景品は「大あたり」と書かれた小さな箱を打ち落とせば貰える仕組みになっているらしい。
「やってみるね」
彗は自信ありげにそう言うと、慎重に狙いを定めて引き金を引いた。
「あちゃ~外れちゃった」
「あと一発だな」
俺がニヤリと笑うと、彗は撃ちやすいように体勢を低くして銃を構えた。
そして次の瞬間、彗の放ったコルクは「大あたり」と書かれた箱に命中しそのまま後ろに倒れて落ちていった。
「え、マジか」
「やったぁ!」
彗が嬉しそうにガッツポーズをすると同時に背後から歓声が上がった。
俺たちの後ろにはいつの間にか見物客が増えていて彗の方に視線が集まっていた。
「あのお兄さんカッコイイ~」
「やば!めっちゃイケメンじゃない!?」
注目される事に不慣れな俺とは違い、彗は女性グループの黄色い声に慣れた対応をしていた。
「はい、大当たりおめでと~」
店主のおじさんは彗が取った景品をまとめて紙袋に詰めてくれたようだ。
「ありがとうございます~」
「カッコイイ旦那さんだね~羨ましいわ」
「えっ!?」
なぜ俺たちが夫婦だとバレたのだろうかと疑問符を浮かべて固まっていると、店主はニヤニヤしながら言った。
「結婚指輪はめた男が2人で浴衣着て花火大会なんてそれしかないでしょうよ」
「あ、そっか……」
「あんたらお似合いだよ!」
「へへ、照れますね~」
彗は愛想良く返事をすると、俺の方を見て「行こ!」と嬉しそうに腕を引っ張ってきた。
俺達はとりあえずそのまま人の流れに沿って歩き出した。
「俺達夫婦に見えるみたい」
「らしいな」
「……もしかして嫌だった?俺と夫婦だと思われるの」
そっけない返事をする俺に不安を覚えたのか、彗は眉尻を下げながら問いかけてきた。
「あ、いや。周りから見たら俺が“奥さん側”なのか~と思って」
「えっ気になるとこそこ?」
「大事だろ。お前の方がずっと綺麗だし“奥さん”って感じする」
俺が素直に褒めると彗は意外にも恥ずかしそうにはにかんでいた。
容姿を褒められる事には慣れているはずなのに何だかとても新鮮な反応だ。
「やっぱり瞬ちゃんって面白いね」
そう言ってクスクス笑う彗の頬はほんのり赤かった。
「ふーんふん♪」
「こんな蒸し暑いのに機嫌いいなぁお前」
「だって瞬ちゃんとお祭りデートだよ!?嬉しくないわけないじゃん!」
「はいはい、そういうのいいから」
俺は適当にあしらいながらも、横目で彗の姿を盗み見た。
グレーの無地の方の浴衣に身を包んだ彗はやはりイケメンオーラ全開である。
一方俺はなんだか実年齢よりも幼く見えるような気がして少しだけ落ち着かなかった。
「…でも、浴衣で外歩くのなんか恥ずいな」
「なんで?すごく似合ってるよ」
「……それはどうも」
家を出る前にこれでもかと写真を撮られたから彗が気に入ってくれているのは知っている。
俺はどうも「記念」とか「思い出」という言葉に弱いらしい。
「本当に可愛いよ」
「……あっそ」
不意打ちを食らった俺はついぶっきらぼうに返事をしてしまった。
成人男性に使う褒め言葉ではないが、彗の言葉はいつもストレートに胸に響く。
会場に近づくにつれ、目的地が同じらしい浴衣を着たグループが目に入ってくるようになった。
「人増えてきたな」
「ワクワクするね~」
そんな会話をしながらしばらく歩いて行くと、やがて屋台が立ち並ぶ大通りが見えてくる。
辺り一面には所狭しと出店が立ち並び、提灯やライトで彩られている。
「うわ、すげぇ……想像以上だな」
「花火までまだ時間あるから屋台見て回ろうよ~」
「良いけど迷子にるなよ」
「大丈夫大丈夫」
子供のようにはしゃぐ姿は相変わらず犬っぽいというか、大型犬を彷彿とさせた。
ふとあたりを見渡すとカップルのような男女2人組や親子連れが多いようだ。
祭りの雰囲気に呑まれているのか、皆どこか浮かれた表情をしているように見える。
「まずは腹ごしらえだな」
「賛成!俺、焼きそば食べたい!」
2人で相談しながらいくつかの屋台を見て回り、焼きそばやポテトなどを買って空いているベンチに腰掛けた。
「屋台の食べ物ってなんか特別感あって良いよね」
「不思議と家で食べるより美味いんだよな~」
「はぁ~しあわせだなぁ」
そう言いながら美味しそうに焼きそばを頬張る彗を見ていると、こっちまで幸せな気持ちになってくる。俺は口元が緩むのを隠すようにチョコバナナをかじった。
子供の頃は小遣いと相談しながら屋台を回るのが不自由ながらも楽しみだった。
大人になった今、自由に使えるお金は多くなったがそれでもあの頃の高揚感を超えるものはなかなかないと思う。
それでも彗と一緒にいると大人も悪く無いと思えるから不思議だ。
「ねぇ、瞬ちゃん写真撮ろ」
「え?」
「はい、チーズ」
彗に肩を抱かれ引き寄せられたかと思うと、カシャリとスマホのシャッター音が響いた。
「おい、今絶対変な顔してたぞ」
「大丈夫。すごい可愛いから。ほら」
そう言いながらスマホ画面をこちらに向けてきた。
そこにはイケメンの横でチョコバナナを齧る間抜けヅラの男が写っていた。
「消せ」
「やだよー待ち受けにしよーっと」
「じゃ、じゃあせめてもう一回撮らせてくれ……さすがにその写真が残るのは恥ずかしい」
そう言って俺は自分のスマホを取り出してカメラアプリを開いた。
「えっと……インカメってどうやるんだ」
「ここだよ」
「ああ。よし、はいちーず」
俺は彗に顔を近づけてピースサインをすると、画面に映る2人の男の顔に向かってシャッターを押した。
さっそく画面を確認すると先ほどよりも幾分マシな俺の顔が映っている。
そして隣の彗は写真慣れしているのか、やはり様になっていて少し悔しかった。
同じ人間なのにどうしてこうも外見に格差が出てしまうのだろうか。
その後俺たちは再び屋台をまわりながら花火の時間を待つ事にした。
「ねぇ瞬ちゃんあれやろ」
不意に浴衣の袖を引かれて振り返ると、彗が射的屋を指差していた。
「射的か。面白そうだな」
「決まりね。おじさ~ん、2人分お願いしま~す」
俺達は店主に代金を支払いそれぞれ銃を手に取った。
景品はぬいぐるみから流行りのゲーム機、お菓子など様々だ。
子供の頃の俺ならきっと大当たりのゲーム機を本気で狙って散財していたことだろう。
しかし大人になった今となっては「目玉の高額景品は取れないように細工されてるに違いない」なんて夢のないことを考えてしまう。
そんな俺とは対照的に彗は楽しげにコルク弾を詰めていた。
「瞬ちゃんはどれ欲しい?」
「んー、じゃああのラムネ」
棚をざっと見渡した俺は1番手頃そうなラムネの箱を指差した。
「おっけー」
彗はそう言って微笑むと、パンッと軽い音を立ててコルクを撃った。
放たれた弾は狙い通りに飛んでいき、見事ラムネの箱に命中して後ろに落ちていった。
「おお、やるな」
「すごいでしょー」
彗は得意げに笑って再びコルク弾を詰めた。
もしかしたら結構簡単なのかもしれない、と淡い期待を抱きながら景品を狙うが、かする程度で全く倒れる気配がない。
彗が3つ目の景品を取る頃には俺はもう全てのコルクを消費してしまっていた。
「はい、こっちの兄ちゃんは残念賞ね~」
そう言って店主のおじさんは大量のキーホルダーが入ったカゴを差し出してきた。
「ありがとうございます……」
俺はその中から適当に目についたものを選ぶと、それを巾着にしまった。
「あは、瞬ちゃん下手すぎ~」
「お前が上手すぎるんだよ」
「欲しいのあったら俺がとってあげるよー?」
「くそ…むかつく…」
そう言いつつも彗が構える様子はとても様になっていて、思わず目を奪われてしまった。
俺が女の子だったらきっと彼氏のこういう瞬間にときめいたりするんだろう。
「…よし、じゃああのゲーム機取ってくれ」
俺は少し意地悪をして1番難しそうなものをチョイスしてみた。
客寄せ用の高額景品は「大あたり」と書かれた小さな箱を打ち落とせば貰える仕組みになっているらしい。
「やってみるね」
彗は自信ありげにそう言うと、慎重に狙いを定めて引き金を引いた。
「あちゃ~外れちゃった」
「あと一発だな」
俺がニヤリと笑うと、彗は撃ちやすいように体勢を低くして銃を構えた。
そして次の瞬間、彗の放ったコルクは「大あたり」と書かれた箱に命中しそのまま後ろに倒れて落ちていった。
「え、マジか」
「やったぁ!」
彗が嬉しそうにガッツポーズをすると同時に背後から歓声が上がった。
俺たちの後ろにはいつの間にか見物客が増えていて彗の方に視線が集まっていた。
「あのお兄さんカッコイイ~」
「やば!めっちゃイケメンじゃない!?」
注目される事に不慣れな俺とは違い、彗は女性グループの黄色い声に慣れた対応をしていた。
「はい、大当たりおめでと~」
店主のおじさんは彗が取った景品をまとめて紙袋に詰めてくれたようだ。
「ありがとうございます~」
「カッコイイ旦那さんだね~羨ましいわ」
「えっ!?」
なぜ俺たちが夫婦だとバレたのだろうかと疑問符を浮かべて固まっていると、店主はニヤニヤしながら言った。
「結婚指輪はめた男が2人で浴衣着て花火大会なんてそれしかないでしょうよ」
「あ、そっか……」
「あんたらお似合いだよ!」
「へへ、照れますね~」
彗は愛想良く返事をすると、俺の方を見て「行こ!」と嬉しそうに腕を引っ張ってきた。
俺達はとりあえずそのまま人の流れに沿って歩き出した。
「俺達夫婦に見えるみたい」
「らしいな」
「……もしかして嫌だった?俺と夫婦だと思われるの」
そっけない返事をする俺に不安を覚えたのか、彗は眉尻を下げながら問いかけてきた。
「あ、いや。周りから見たら俺が“奥さん側”なのか~と思って」
「えっ気になるとこそこ?」
「大事だろ。お前の方がずっと綺麗だし“奥さん”って感じする」
俺が素直に褒めると彗は意外にも恥ずかしそうにはにかんでいた。
容姿を褒められる事には慣れているはずなのに何だかとても新鮮な反応だ。
「やっぱり瞬ちゃんって面白いね」
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