11 / 58
第二段階、死守の外郭
マリアナ沖海戦再び
しおりを挟む
1944年6月、マリアナ沖において合衆国軍が久々の大惨敗を喫している頃には既にカルカッタやポート・モレスビーなどが日本軍の手に帰し、間道の連合軍は干乾しにされていた。
それは、高松宮の復讐であった。かつてガダルカナルなどでの陸軍の悲報を聞き、高松宮は海軍の立場でありながら陸軍のためにこの作戦を練っていたのだ。無論、それ自体は同じ国の軍であるため当たり前と言えば当たり前なのだが、こと帝国陸海軍の確執を考えればそれは異様とも言えた。
しかし、それはあくまで官僚としての陸海軍の確執を前提とした思考であり、高松宮親王はそもそも親王である、否、それでは不正確だ、ヨーロッパの酋長でしかない自称皇帝などとは格が違う本物の皇帝の、その弟である。彼は、その敬愛すべき兄の慈しむ臣民が、無為に死地に赴くことが耐えられなかったのだ。だからこそ、彼はより問題の多い海軍に入隊すると同時に、陸軍にも存在する宮様将校と早期の連絡を取り合い、海軍の混乱を契機に立ち上がったというわけだ。
そして、高松宮親王はカルカッタとマンダレーの補給路を確立させ、ポート・モレスビーこそ単独の籠城となったが多くの基地の補給路の再構築を指示、船を動かすだけで彼は数十万、場合によっては百万にも上る連合国将兵が餓死しうる環境を作り出した!
もちろんのこと、連合軍側は焦燥に駆られた。まさか敵に蛙跳び作戦をやられると思わなかったのだ。無論、その慢心もそうであるが、彼等は既に勝った気でいたらしく、連合国同士の戦後支配を行うための会談を頻繁に行っていた。なんとも人を食った態度であったが、その慢心が隙を生み、隙が傷を作る。彼等は、まさか既に罠に掛かっていることにも気づかず、あがき始めることとなった。ひとまずは、急務といえるのは補給路の確保と逆襲作戦であった。
だが、その逆襲作戦構築こそが既に、高松宮親王の仕掛けた大きな罠であった。高松宮親王がたった二ヶ月、否、正確には十五年と二ヶ月で構築したその防衛戦略は「負けない」ことのみを骨子として練り上げた、徹底した守勢作戦であった。
かくて、1944年7月18日、再び内南洋、つまりはマリアナ沖に来襲した合衆国軍に対し、次こそ攻める気力ごと叩き潰すべく、高松宮はまたしても陣頭指揮を執った……。
……敵艦見ゆ!
そう叫んだのは誰だっただろうか。気がついたら連合艦隊は敵軍と接触していた、しかも絶好の位置……丁字である。
この機を逃してはならない。司令官は叫んだ、「敵艦をすべて、生かして帰すな」と。
かくして「第二次マリアナ沖海戦」、日本軍名称「内南洋海戦」、合衆国軍名称「マリアナ沖の惨劇」は始まった。
まず一番槍の誉れを掲げたのは浦風であった。次に襲いかかる五月雨、そして第六駆逐隊が、酒匂が、時雨が、次々と襲いかかった。
それはまさに鬼を退治すべく研ぎ澄まされた勇者の日本刀による一撃必殺の撃剣であった。
少なくとも、合衆国軍にとってはこの一撃だけで護衛艦艇の大半……すなわち空母を守るべく用意されたスクリーンをずたずたに切り裂いた。
そこへ襲いかかる艦砲射撃、皮肉にも戦艦をこそ滅ぼすべく砲撃した最初の被害者は空母エンタープライズであった。
エンタープライズの最期は悲惨とすらいい表わせぬ恐るべき状態であった。
まず戦艦大和の第一斉射の過半が命中。それだけでこのヨークタウン級の空母にとっては充分過ぎる痛手であった。
それだけではなく、榛名、扶桑といった戦艦の射撃を食らったからとんでもない代物……一種の前衛芸術と化して爆発四散した。
エンタープライズの仇を取る暇や、それどころかそれを悲しむ暇すら合衆国軍は持ち合わせていなかった。
次に狙われたのはエセックスであった。現場にいた二番・三番・四番艦ともども武蔵をはじめとした戦艦部隊の実包によって気が付いたらあの世への旅路についていた。
それはまさに「狂乱」であった。一水戦、二水戦をはじめとした水雷戦隊は一刻も早く戦艦との邂逅を夢見て当たり一帯の敵艦をひと山いくらの割合で蹴散らし、それをみて悠々と戦艦が空母を狩り飛ばす。
少なくとも、航空主兵という幻想を打ち崩すには充分過ぎる光景であった。
そこに急いで現場に到着した前衛部隊は錯乱した。そう、この「一撃」に於いて参加した連合艦隊の艦艇はあまりに大多数に上った。
主要な船だけでも大和、武蔵、長門、金剛、榛名、扶桑、山城、伊勢、日向。戦艦だけで九隻である。他の巡洋艦以下の艦などもはや数えること自体が思考することを拒絶させていた。
前衛部隊は急いで本隊との連絡に勤めた、「空母部隊が敵の主力部隊に食われた」と。
だが、結論からいえば前衛部隊はそんな通信をするべきではなかった。なぜならばその一報が傍受されて存在自体を消されただけではなく、応援を頼んだ本隊すらも危険な場所に呼び込むことになったのだから。
一方の本隊……合衆国海軍太平洋艦隊第七任務部隊は当初日本軍の偽報かと疑ったという。無理もない、唯の一撃で自軍の航空兵力が一瞬にして海の藻屑となったという一報を聞いてまず信じる莫迦はいまい。ましてやそれは合衆国軍、世界最大の軍を持ち、ダメコン能力にかけては少なくとも日本軍よりははるかに優秀であったからだ。
だが、ダメコンなど巨砲における一撃に対しては何の役にも立たなかった。少なくとも、46サンチの砲撃をとどめるからくりなど、空母には施されていなかった。
かくして、本隊――すなわち戦艦部隊――が到着したのは連合艦隊がすべてを食い散らかして次の獲物のために隊列を整えて前進する瞬間であったからだ。
合衆国海軍戦艦部隊は、一瞬、ただの一瞬だが怯んだ。その隙を逃すほど大日本帝国の戦艦部隊――すなわち世界最高の装備を持ち世界最強の錬度を積んだ化け物の集団――はお人よしでもまぬけでもなかった。
かくして、アメリカ太平洋部隊の主力、戦艦八隻、空母七隻を主体としたマリアナ攻略部隊は一夜にして海底にきらめく鉄くずに変わった。
対しての日本軍の被害は、せいぜいが駆逐艦が3隻ほど中破し、巡洋艦の一部が小破しただけだった。
航空隊の生かせぬ時間帯といえど、あまりに一方的な差であった。
それは、高松宮の復讐であった。かつてガダルカナルなどでの陸軍の悲報を聞き、高松宮は海軍の立場でありながら陸軍のためにこの作戦を練っていたのだ。無論、それ自体は同じ国の軍であるため当たり前と言えば当たり前なのだが、こと帝国陸海軍の確執を考えればそれは異様とも言えた。
しかし、それはあくまで官僚としての陸海軍の確執を前提とした思考であり、高松宮親王はそもそも親王である、否、それでは不正確だ、ヨーロッパの酋長でしかない自称皇帝などとは格が違う本物の皇帝の、その弟である。彼は、その敬愛すべき兄の慈しむ臣民が、無為に死地に赴くことが耐えられなかったのだ。だからこそ、彼はより問題の多い海軍に入隊すると同時に、陸軍にも存在する宮様将校と早期の連絡を取り合い、海軍の混乱を契機に立ち上がったというわけだ。
そして、高松宮親王はカルカッタとマンダレーの補給路を確立させ、ポート・モレスビーこそ単独の籠城となったが多くの基地の補給路の再構築を指示、船を動かすだけで彼は数十万、場合によっては百万にも上る連合国将兵が餓死しうる環境を作り出した!
もちろんのこと、連合軍側は焦燥に駆られた。まさか敵に蛙跳び作戦をやられると思わなかったのだ。無論、その慢心もそうであるが、彼等は既に勝った気でいたらしく、連合国同士の戦後支配を行うための会談を頻繁に行っていた。なんとも人を食った態度であったが、その慢心が隙を生み、隙が傷を作る。彼等は、まさか既に罠に掛かっていることにも気づかず、あがき始めることとなった。ひとまずは、急務といえるのは補給路の確保と逆襲作戦であった。
だが、その逆襲作戦構築こそが既に、高松宮親王の仕掛けた大きな罠であった。高松宮親王がたった二ヶ月、否、正確には十五年と二ヶ月で構築したその防衛戦略は「負けない」ことのみを骨子として練り上げた、徹底した守勢作戦であった。
かくて、1944年7月18日、再び内南洋、つまりはマリアナ沖に来襲した合衆国軍に対し、次こそ攻める気力ごと叩き潰すべく、高松宮はまたしても陣頭指揮を執った……。
……敵艦見ゆ!
そう叫んだのは誰だっただろうか。気がついたら連合艦隊は敵軍と接触していた、しかも絶好の位置……丁字である。
この機を逃してはならない。司令官は叫んだ、「敵艦をすべて、生かして帰すな」と。
かくして「第二次マリアナ沖海戦」、日本軍名称「内南洋海戦」、合衆国軍名称「マリアナ沖の惨劇」は始まった。
まず一番槍の誉れを掲げたのは浦風であった。次に襲いかかる五月雨、そして第六駆逐隊が、酒匂が、時雨が、次々と襲いかかった。
それはまさに鬼を退治すべく研ぎ澄まされた勇者の日本刀による一撃必殺の撃剣であった。
少なくとも、合衆国軍にとってはこの一撃だけで護衛艦艇の大半……すなわち空母を守るべく用意されたスクリーンをずたずたに切り裂いた。
そこへ襲いかかる艦砲射撃、皮肉にも戦艦をこそ滅ぼすべく砲撃した最初の被害者は空母エンタープライズであった。
エンタープライズの最期は悲惨とすらいい表わせぬ恐るべき状態であった。
まず戦艦大和の第一斉射の過半が命中。それだけでこのヨークタウン級の空母にとっては充分過ぎる痛手であった。
それだけではなく、榛名、扶桑といった戦艦の射撃を食らったからとんでもない代物……一種の前衛芸術と化して爆発四散した。
エンタープライズの仇を取る暇や、それどころかそれを悲しむ暇すら合衆国軍は持ち合わせていなかった。
次に狙われたのはエセックスであった。現場にいた二番・三番・四番艦ともども武蔵をはじめとした戦艦部隊の実包によって気が付いたらあの世への旅路についていた。
それはまさに「狂乱」であった。一水戦、二水戦をはじめとした水雷戦隊は一刻も早く戦艦との邂逅を夢見て当たり一帯の敵艦をひと山いくらの割合で蹴散らし、それをみて悠々と戦艦が空母を狩り飛ばす。
少なくとも、航空主兵という幻想を打ち崩すには充分過ぎる光景であった。
そこに急いで現場に到着した前衛部隊は錯乱した。そう、この「一撃」に於いて参加した連合艦隊の艦艇はあまりに大多数に上った。
主要な船だけでも大和、武蔵、長門、金剛、榛名、扶桑、山城、伊勢、日向。戦艦だけで九隻である。他の巡洋艦以下の艦などもはや数えること自体が思考することを拒絶させていた。
前衛部隊は急いで本隊との連絡に勤めた、「空母部隊が敵の主力部隊に食われた」と。
だが、結論からいえば前衛部隊はそんな通信をするべきではなかった。なぜならばその一報が傍受されて存在自体を消されただけではなく、応援を頼んだ本隊すらも危険な場所に呼び込むことになったのだから。
一方の本隊……合衆国海軍太平洋艦隊第七任務部隊は当初日本軍の偽報かと疑ったという。無理もない、唯の一撃で自軍の航空兵力が一瞬にして海の藻屑となったという一報を聞いてまず信じる莫迦はいまい。ましてやそれは合衆国軍、世界最大の軍を持ち、ダメコン能力にかけては少なくとも日本軍よりははるかに優秀であったからだ。
だが、ダメコンなど巨砲における一撃に対しては何の役にも立たなかった。少なくとも、46サンチの砲撃をとどめるからくりなど、空母には施されていなかった。
かくして、本隊――すなわち戦艦部隊――が到着したのは連合艦隊がすべてを食い散らかして次の獲物のために隊列を整えて前進する瞬間であったからだ。
合衆国海軍戦艦部隊は、一瞬、ただの一瞬だが怯んだ。その隙を逃すほど大日本帝国の戦艦部隊――すなわち世界最高の装備を持ち世界最強の錬度を積んだ化け物の集団――はお人よしでもまぬけでもなかった。
かくして、アメリカ太平洋部隊の主力、戦艦八隻、空母七隻を主体としたマリアナ攻略部隊は一夜にして海底にきらめく鉄くずに変わった。
対しての日本軍の被害は、せいぜいが駆逐艦が3隻ほど中破し、巡洋艦の一部が小破しただけだった。
航空隊の生かせぬ時間帯といえど、あまりに一方的な差であった。
10
お気に入りに追加
63
あなたにおすすめの小説
江戸時代改装計画
華研えねこ
歴史・時代
皇紀2603年7月4日、大和甲板にて。皮肉にもアメリカが独立したとされる日にアメリカ史上最も屈辱的である条約は結ばれることになった。
「では大統領、この降伏文書にサインして貰いたい。まさかペリーを派遣した君等が嫌とは言うまいね?」
頭髪を全て刈り取った男が日本代表として流暢なキングズ・イングリッシュで話していた。後に「白人から世界を解放した男」として讃えられる有名人、石原莞爾だ。
ここはトラック、言うまでも無く日本の内南洋であり、停泊しているのは軍艦大和。その後部甲板でルーズベルトは憤死せんがばかりに震えていた。
(何故だ、どうしてこうなった……!!)
自問自答するも答えは出ず、一年以内には火刑に処される彼はその人生最期の一年を巧妙に憤死しないように体調を管理されながら過ごすことになる。
トラック講和条約と称される講和条約の内容は以下の通り。
・アメリカ合衆国は満州国を承認
・アメリカ合衆国は、ウェーキ島、グアム島、アリューシャン島、ハワイ諸島、ライン諸島を大日本帝国へ割譲
・アメリカ合衆国はフィリピンの国際連盟委任独立準備政府設立の承認
・アメリカ合衆国は大日本帝国に戦費賠償金300億ドルの支払い
・アメリカ合衆国の軍備縮小
・アメリカ合衆国の関税自主権の撤廃
・アメリカ合衆国の移民法の撤廃
・アメリカ合衆国首脳部及び戦争煽動者は国際裁判の判決に従うこと
確かに、多少は苛酷な内容であったが、「最も屈辱」とは少々大げさであろう。何せ、彼らの我々の世界に於ける悪行三昧に比べたら、この程度で済んだことに感謝するべきなのだから……。
我らの輝かしきとき ~拝啓、坂の上から~
華研えねこ
歴史・時代
講和内容の骨子は、以下の通りである。
一、日本の朝鮮半島に於ける優越権を認める。
二、日露両国の軍隊は、鉄道警備隊を除いて満州から撤退する。
三、ロシアは樺太を永久に日本へ譲渡する。
四、ロシアは東清鉄道の内、旅順-長春間の南満洲支線と、付属地の炭鉱の租借権を日本へ譲渡する。
五、ロシアは関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を日本へ譲渡する。
六、ロシアは沿海州沿岸の漁業権を日本人に与える。
そして、1907年7月30日のことである。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
旧陸軍の天才?に転生したので大東亜戦争に勝ちます
竹本田重朗
ファンタジー
転生石原閣下による大東亜戦争必勝論
東亜連邦を志した同志達よ、ごきげんようである。どうやら、私は旧陸軍の石原莞爾に転生してしまったらしい。これは神の思し召しなのかもしれない。どうであれ、現代日本のような没落を回避するために粉骨砕身で働こうじゃないか。東亜の同志と手を取り合って真なる独立を掴み取るまで…
※超注意書き※
1.政治的な主張をする目的は一切ありません
2.そのため政治的な要素は「濁す」又は「省略」することがあります
3.あくまでもフィクションのファンタジーの非現実です
4.そこら中に無茶苦茶が含まれています
5.現実的に存在する如何なる国家や地域、団体、人物と関係ありません
6.カクヨムとマルチ投稿
以上をご理解の上でお読みください

【完結】風天の虎 ――車丹波、北の関ヶ原
糸冬
歴史・時代
車丹波守斯忠。「猛虎」の諱で知られる戦国武将である。
慶長五年(一六〇〇年)二月、徳川家康が上杉征伐に向けて策動する中、斯忠は反徳川派の急先鋒として、主君・佐竹義宣から追放の憂き目に遭う。
しかし一念発起した斯忠は、異母弟にして養子の車善七郎と共に数百の手勢を集めて会津に乗り込み、上杉家の筆頭家老・直江兼続が指揮する「組外衆」に加わり働くことになる。
目指すは徳川家康の首級ただ一つ。
しかし、その思いとは裏腹に、最初に与えられた役目は神指城の普請場での土運びであった……。
その名と生き様から、「国民的映画の主人公のモデル」とも噂される男が身を投じた、「もう一つの関ヶ原」の物語。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?

世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記
颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。
ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。
また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。
その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。
この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。
またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。
この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず…
大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。
【重要】
不定期更新。超絶不定期更新です。

【架空戦記】蒲生の忠
糸冬
歴史・時代
天正十年六月二日、本能寺にて織田信長、死す――。
明智光秀は、腹心の明智秀満の進言を受けて決起当初の腹案を変更し、ごく少勢による奇襲により信長の命を狙う策を敢行する。
その結果、本能寺の信長、そして妙覚寺の織田信忠は、抵抗の暇もなく首級を挙げられる。
両名の首級を四条河原にさらした光秀は、織田政権の崩壊を満天下に明らかとし、畿内にて急速に地歩を固めていく。
一方、近江国日野の所領にいた蒲生賦秀(のちの氏郷)は、信長の悲報を知るや、亡き信長の家族を伊勢国松ヶ島城の織田信雄の元に送り届けるべく安土城に迎えに走る。
だが、瀬田の唐橋を無傷で確保した明智秀満の軍勢が安土城に急速に迫ったため、女子供を連れての逃避行は不可能となる。
かくなる上は、戦うより他に道はなし。
信長の遺した安土城を舞台に、若き闘将・蒲生賦秀の活躍が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる