ESpash(エスパッシュ)

noraneko

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一章(3) 幕開け

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「ロント、いい話をしてあげる。
さっき、父さんと話したでしょ? 
その時に父さん見えていたでしょ? 」


「うん、さっき父さんと話したよ」


「昔はね、姿は見れなかったんだって。
小さい機械に番号を押して、耳に当てて話をしていたんだって」


「そうなの? 」


「今はほら腕につけているベルトから相手の姿が映って声も聞こえてくるし自分だけにしかその声も姿も見れないとかも選べるけど、
昔は違ったんだって」


「なんで? 」


「技術の違いよ。今の方が技術が上がって良くなってるってこと」


「へ~そうなんだ。じゃあ声だけだと寂しいね」


「しかも、その声も国が違ったら話せなかったのよ」


「どういうこと? 」


「今は世界中の人と私たちは話せてるけど、昔は訳してくれるものがなかったから、その国の言語を使わないと話せなかったけど、今はそんなのなくても話せる環境じゃない?
でも、昔は違ったのよ」


「変なの。同じ人なのに話せないなんて」


「不思議だけど、私たち人間は機械に助けられてる事ばかりよ。もし、その技術がなかったらその時代と何ら変わらないのかもしれないよ。
今、当たり前にあることが当たり前じゃないかもしれないんだから」


シャナはそれはつくづく自身で感じていた。


当たり前にある家族。
それが母の死でシャナの生活は一変したのだから。


「僕たちは幸せなのかなぁ」


「そう、幸せよ。エアーカーシステムでさえ、空を走ってた事なんてないって先生が言ってたもの」


「エアーカーもなかったのかぁ」


「自動車っていうのが地上を走ってたんだって」


「乗ってみたいなぁ」


「危なかったんだって。自分で運転しなきゃいけないんだもん。それで事故が沢山あったみたいだし。それも先生が言ってた」


「見たことないね」


「そうね、もう地上は走れないし、どこかに残っていたら見れるのかもしれないね」


「ねぇ、シャナ。この街の外に行ったことある? 」

「あるよ。ずっと昔は違うところに住んでたから、ロントが生まれる前よ」

ロントは目を輝かせてこちらを見つめていた。

シャナは切ない気持ちを隠しながら微笑んだ。
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