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門出
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私は野良のキッチン姿に自然と笑ってしまう。
きっとニヤけた表情になっているだろう。
きっと慣れないことを一生懸命やってくれていると思うと微笑ましく思えた。
コットンに含ませた化粧水でパッティングする。
化粧下地を塗り、リキッドファンデーションの上からパウダーをして、アイブロウ、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、チークにリップと順々に
いつもより入念に化粧をする。
途中、洗い物を終えた野良は私のメイクを観察していたが飽きて、携帯で最近の流行りの服を調べ始めていた。
「おぉ、メイクが終わった?」
「うん、あとは髪を巻く」
「うーん、俺にはわかんないや。もう今のままでめちゃくちゃ綺麗だと思うけど……」
「あともう少し」
「了解。ちょっと電話してくる」
野良は携帯を持ち玄関の方に向かった。
私はどうしたのか疑問に思いながら、
ブラシをしている間にコテを温める。
5分ぐらいで野良は戻ってくる。
「どうしたの?」
私は気になってしまう。
「お店予約してきた。
前から気になっていた素敵な店があるんだ。
君を連れて行きたくて」
「え!予約してくれたの。ありがとう。
どこどこ?」
「内緒。着いてからのお楽しみ。
行ったことないといいんだけど」
「楽しみ」
野良は微笑んでいた。
私は少しずつ髪をとって巻いていく。
「のこは器用だな」
「みんなやってるよ」
「そうかな?俺も髪を整えてくる」
野良はバッグから何かを取り出そうと中を漁っている。
「あった」
手にはヘアワックスを握り、私の側からいなくなった。
きっと洗面所に向かったのだろう。
私は髪を巻き終えると、服を探しに移動する。
確か、買ったまま着ていくところのなかったドレスがあるはずだ。
そう、そのドレスは私の気まぐれで購入した。
前の恋愛が終わった時。
私は一人でフランス旅に出ようとした。
それでドレスや服を買ったのだ。
いざ、旅に出る計画を立てていたら、仕事のオファーが殺到した。
前の男は貧乏神だったのだと私は思っている。
私が貧乏神と離れてから買ったそのドレスはデザインも気に入ったのだ。
今日この機会に着なければ、いつ着るというのだろうか。
クローゼットを確認する。
きっとニヤけた表情になっているだろう。
きっと慣れないことを一生懸命やってくれていると思うと微笑ましく思えた。
コットンに含ませた化粧水でパッティングする。
化粧下地を塗り、リキッドファンデーションの上からパウダーをして、アイブロウ、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、チークにリップと順々に
いつもより入念に化粧をする。
途中、洗い物を終えた野良は私のメイクを観察していたが飽きて、携帯で最近の流行りの服を調べ始めていた。
「おぉ、メイクが終わった?」
「うん、あとは髪を巻く」
「うーん、俺にはわかんないや。もう今のままでめちゃくちゃ綺麗だと思うけど……」
「あともう少し」
「了解。ちょっと電話してくる」
野良は携帯を持ち玄関の方に向かった。
私はどうしたのか疑問に思いながら、
ブラシをしている間にコテを温める。
5分ぐらいで野良は戻ってくる。
「どうしたの?」
私は気になってしまう。
「お店予約してきた。
前から気になっていた素敵な店があるんだ。
君を連れて行きたくて」
「え!予約してくれたの。ありがとう。
どこどこ?」
「内緒。着いてからのお楽しみ。
行ったことないといいんだけど」
「楽しみ」
野良は微笑んでいた。
私は少しずつ髪をとって巻いていく。
「のこは器用だな」
「みんなやってるよ」
「そうかな?俺も髪を整えてくる」
野良はバッグから何かを取り出そうと中を漁っている。
「あった」
手にはヘアワックスを握り、私の側からいなくなった。
きっと洗面所に向かったのだろう。
私は髪を巻き終えると、服を探しに移動する。
確か、買ったまま着ていくところのなかったドレスがあるはずだ。
そう、そのドレスは私の気まぐれで購入した。
前の恋愛が終わった時。
私は一人でフランス旅に出ようとした。
それでドレスや服を買ったのだ。
いざ、旅に出る計画を立てていたら、仕事のオファーが殺到した。
前の男は貧乏神だったのだと私は思っている。
私が貧乏神と離れてから買ったそのドレスはデザインも気に入ったのだ。
今日この機会に着なければ、いつ着るというのだろうか。
クローゼットを確認する。
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