10 / 10
<10> 攻め×攻め編 *エロサンプル
しおりを挟むサンプル。途中からです
********
「ふー。もうやるしかないか」
今日の夕飯を聞くような軽いノリで言って引き返す。頭が軽くパニックになった。「俺、トモ兄に突っ込まれたくないよっ」と慌てて後を追いかける。
「俺が下でいいよ」
腹にグーパンをお見舞いされたみたいに息が止まった。挿れられる覚悟って、そんなにあっさり決まるものなんだろうか?
そりゃ、突っ込まれるより入れるほうが心理的に楽だけど……俺を傷つけたくない、っていう隠しきれない優しさが見えるから、むず痒くなる。この大人の余裕がムカつく。
「よいしょ」
ベッドの前で、プールに飛び込む小学生みたいに勢いよく上とズボンを脱いだ。パジャマを脱ぐのにも毎回恥ずかしがる父さんとは大違いで、情緒も色気もない。
「でも、お前勃つかな」
「……なんでパンツ脱がないの」
「いや、モロ見えたら萎えるかなーと思ってさ」
そう言いながら、シングルの小さいベッドに寝転ぶ。トモ兄はケロッとした顔をして、ローションを躊躇なく自分の手のひらに垂らした。俺も慌ててベッドの上に乗り上げる。
「ん……」
小さく息をついて、それを自分のトランクスの中に突っ込んだ。俺からは見えないから、何が起こってるかわからない。見えない、けど……。あまりの急展開に脳が追いつかなかった。普通、それっぽい雰囲気から始まるもんじゃないんだろうか。
「あー……自分にやるのだと全然違うなー……」
布地が動くので、中で行われていることを想像してしまう。くち……と小さく音が聞こえて、不覚にもドキドキした。
「っ……」
気づいた時には、手首をぎゅっと掴んで止めさせていた。
「……なに」
「……俺が、やるよ」
準備するのを全部相手にやらせて自分は勃ったら挿れるだけって、あんまりすぎるだろう。そこまでひどい男じゃない。そんな風に思われたくない。
「へえ、やってくれるんだ?」
パンツに片手を突っ込んだマヌケな姿勢のまま、「かっこいいなー」「やさしーじゃん」とニヤニヤしながら挑発してきて、腹が立つ。
「俺のちんこ見えてもいいの?」
見えないようにやったほうがいいと思うけど、とこっちを気遣ってくる。トモ兄は俺の親であり、一生のライバルだけど……もうやるしかないんなら、ちゃんと優しくしたい。
「いいよ、早く脱いで」
俺もローションを自分の手のひらに垂らしながら言う。ずるりと太ももの下まで脱いだので、あとは引っ張って足から抜いてやった。男のそこの色は、みんなたいして変わらない。けど、コレがいつも父さんの中に入ってるんだと思うとモヤモヤした。
「……潰すなよ」
心を読まれてドキッとする。超能力者かよ。
「……入れるよ?」
まさかこれを父さん以外の人間に……トモ兄に言う日が来るとは思わなかった。穴も俺の人差し指もドロドロになるくらい濡らして、
「うん……」
ず、と進めると、信じられないくらい狭かった。その……初めてだと、こんなにきついのかと驚愕する。
「すげえ、狭い……力、抜いて」
「や、ってるって……」
と言いながら、ラジオ体操みたいにすー……っとゆっくり息を吐く。その隙に締め付けに逆らって、ゆっくり根本まで入れた。
「うっ……」
熱くて、指一本ほおばるのが精一杯、ってくらいきゅうきゅう締め付けられる。父さん以外の
体内の熱を、初めて感じた。
ぶわっと「浮気」という文字が頭の中を支配してきて、慌ててその妄想を打ち消す。やらないとここから出れないんだから仕方ない、不可抗力で……。
「どう……?」
「んー……一本はまだ平気だな……」
ずるりと爪の先まで引き抜くと、ふふっと笑い声が漏れた。バカにしてるように聞こえて、「何?」と圧をかけて聞くと、「ぞわぞわする」と笑った。本当に色気もへったくれもない。
「ん……ん…ふは……っ」
慣らさないと次も入らないので、そのまま何度か抜き差しする。擬似的にセックスしてるみたいで、なんとも気まずい気持ちになった。平気そうなので、人差し指に沿わすようにして、どろどろにした中指も入れる。
「んっ……」
さっきと違って、息を詰める声が聞こえた。
「痛い?」
「俺の尻、切れてない?」
ここまで萎え要素しか見せてこないのもすごい。
「切れてないよ……ちょっと開くよ?」
ゆっくり抜き差しして馴染ませてから、く……っと左右に開いた途端、「ははっ」と笑った衝撃でぎゅっと締め付けられた。
「う……ふふっ……スースーする……っ」
父さんだったら吐息を漏らしてエロちっくに喘ぐだけなのに、これだ。「これ、俺勃つんかな」と本気で自分の息子の行方が心配になる。俺が挿入できなきゃ、一生この部屋から出られない。
「スースーするってっ……こそばい……っはは」
もううるさいので、半分ヤケクソで少し性急にかき回す。無理矢理作った隙間に、三本目を入れた。
「うぁ……」
一瞬呼吸が止まって、中に力が入った。
「あー……圧、迫感、が……すげ……」
きついなこれ……と、荒い息になってくる。
「苦しい?」
辛そうだったのでしばらく動かさないでじっとしていると、「んー」「ちょっと慣れてきた……」と言うので、ゆっくりと上下に動かした。
「は…、……う」
俺が抜いて奥に入れるたび、「あ」とか「ん゛」とか反射的な声が漏れる。ここで俺が爪先で奥を抉ったら、声を上げて驚くんだろうな、と思いながら拡げる。
「あ……結構、苦しい、な、これ……」
一分前まで萎え要素しかなかった。なのに、ぞわぞわした感覚がお腹の下からせり上がってくる。俺が一生勝てないはずの、敵わないはずの相手が俺に翻弄されてるという状況に、父さんとセックスしてる時とはまた違う……暗い優越感と征服欲が湧き上がる。
「ぅあ゛っ……! っ……」
俺のものはもっと大きいから、もう少し慣らさないと入らない。ローションを足してじりじりと三本の指で中を開いた。……下着の中がきつい。もう脱いでしまいたい。見て見ぬ振りをしてたけど、もう認めるしかなかった。
***
続き(全10話)を収録したものがKindle Unlimited読み放題で配信中です!全部エロです。
Amazonで「五味ほたる」で検索すると出てきます。
0
お気に入りに追加
54
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
夏休みは催眠で過ごそうね♡
霧乃ふー 短編
BL
夏休み中に隣の部屋の夫婦が長期の旅行に出掛けることになった。俺は信頼されているようで、夫婦の息子のゆきとを預かることになった。
実は、俺は催眠を使うことが出来る。
催眠を使い、色んな青年逹を犯してきた。
いつかは、ゆきとにも催眠を使いたいと思っていたが、いいチャンスが巡ってきたようだ。
部屋に入ってきたゆきとをリビングに通して俺は興奮を押さえながらガチャリと玄関の扉を閉め獲物を閉じ込めた。
ライオン×飼育員さん
五味ほたる
BL
噛み殺される覚悟をした直後に性の象徴を押し付けられるなんて、誰が想像するだろう。…まともに考えられず固まっていると、びりびりと音がして歯で作業着を引きちぎられた。頑丈に作られているはずが、人間が紙を破るようにあっという間に引き裂かれてしまった。
「ぁ、うっ…!」
べろん、と胸を乳首ごと舐められる。舐める範囲も強さも人間とは比べ物にならないくらい強くて、突起を強引に持ち上げられる感触にぞわっとした。
■2022/04/13、たくさんの方に読んでいただけたので、書き下ろしを入れてKindle Unlimite配信しました。単品購入もできます(300円)。エロが長いです。
Amazonで「五味ほたる」で検索すると出てきます。
動物園の飼育員さんと雄ライオンのお話。
※この世界のライオンは人間にはあんまり噛みつかない(襲わない)設定です。ファンタジーとしてお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる