黒狐さまと創作狂の高校生

これは、執筆に行き詰まったコミュ症高校生が、妖狐との異文化交流を通して自分の殻を破り、人間的にも作家的にもちょっぴり大人になる物語。

――

脳を創作で支配された高校生『ツキ』。
小説執筆で頭をおかしくしたツキは、神社へ参拝。

「面白い小説を書けますように」

「その願い、叶えよう」

願いを聞き届けたのは、千年妖狐の『黒狐さま』。黒髪ロングの美女である黒狐さまに対し、ツキは言った。

「いやです。だって、願い事叶う系の短編小説のオチって、大抵ろくな事ないじゃないですか」

「では、投稿サイトと、アカウント名を教えておくれ。ただの助言であれば、文句はあるまい」

翌朝、ツキのクラスに、黒狐さまが転入してきた。

こうして始まった、創作狂ツキと黒狐さまの奇妙な妖狐ミュニケーション。種族も年齢も価値観も違う交流。すれ違わないはずもなく……。
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