11 / 14
「小説」を友達に見せるのは、アリか。ナシか。
しおりを挟む
結論から言うと、それは友達次第だ。
●気になったので、友達に直接聞いてみた
日没直後、銭湯へ向かう途中。バスの二人席にて、隣に座っている男友達に、私はぼやいた。
「私は謝らなければならないことがある。私は、今まで『小説』を読ませていた。でもそれは、相当迷惑な行為らしいことがわかった。場合によっては、友情に亀裂が入るレベルの無礼だそうだ。ごめん」
「どうして? べつにぼくはそう思わないけれど」
「新人賞の下読みをした小説家の話によると、素人小説の九割は、最後まで読むに耐えない駄作以下の作品だそうだ。今、小説投稿サイトのランキング上位を占めているのは、読み手至上主義と割り切り、書きたくもない『商品』を書いている人たちがほとんどだ。本屋に置いてある、世間一般では駄作とされている小説ですら、出版社と編集者がついて最低限の質を担保されているものだ。私の書いている小説は『駄作』以下なんだ。それを前提として、『素人小説』を君に見せるのは、失礼に当たるのではないかと思った」
実際、知恵袋で「迷惑だ」とコメントしている人もいた。
「そうなの? ぼくは違うと思うけどな」
「マジ?」
友達は「学校で習うレベルの文章作法を習得していることを前提として」と前置きしてから答えた。
「プロが書いた作品でも、受け手を選ぶ。百田尚樹は世間的には評価されているが、ぼくは百田尚樹の小説は楽しめなかった。逆に、まったくの素人の学生が書いた脚本でも、面白いものがたくさんあった。小説であれ、商品であれ、面白いか判断するのは読み手だよ。『商品』であるか否かと、君の文章をぼくに見せていいかどうかは、別だよ」
「別なのか? 同じだと思っていたけれど」
「マーケティングを意識した読者至上の『商品』をぼくに見せたするでしょ。でも、ぼくに『商品』が刺さるかどうかはわからない。逆も同じ。君が『刺さらないだろう』と思って見せた『小説』が、ぼくに刺さるかもしれない」
「そういうものなのか」
「君は『面白いかどうか』を小説を見せる前に判断してる。でも、実際に『面白いかどうか』を決めるのは、ぼくであって君じゃない。君の言う、『商品』じゃないから『絶対に面白くない』『だから見せてはいけない』理論は、成り立たない。だからぼくは、君が『商品』ではない『小説』を見せることを、迷惑だとは思わない」
「そうか。迷惑に思っていないことを聞けて、ホッとしたよ」
彼の述べた言葉は、目から鱗だった。
私は「小説」を友達に見せることに、否定的だった。しかし、肝心の読み手である友達が「べつにいいんじゃない?」と許してくれた。
私は、自分の視野の狭さと、凝り固まった認知と、一瞬でも友達を疑ったことを恥じた。
●感じ方は読者それぞれ
小説ノウハウ本を読みあさっていると、つい商業至上主義的な考えに陥りがちである。しかし、一つの考え方に過ぎない。読者は、必ずしもそう思っているとは限らない。
素人小説を他者に見せるのはアリか? ナシか?
それを決めるのは私達ではない、読者だ。
他人の心を見ることが出来ない以上、我々に読者が何を考えているのかを知る術はない。私達にできることは、上記のエピソードのように、直接「読ませられるのは不快ではないか」と問いかける程度だろう。
「不快である」と言われたら辞めればいい。
「べつにいいよ」と言われたら、続ければいい。
それだけのことだ。
ただし、どちらにせよ友達にとって「素人小説」を読むのは、大変な労力である。外見上「何も気にしていない」といった態度をとっていても、必ず確認する必要がある。無理をしている可能性が捨てきれないからだ。くれぐれも、「これぐらいのことなら、友達は受け入れてくれるはずだ」と思い込み、無理をさせてはならない。
平気かつごう慢に要求を押し通すことは、あなたと、あなたの小説の魅力を、大きく損なう。「気づいたら友達が消えていた」なんてことにならないよう、友達には最大限敬意を払おう。
●気になったので、友達に直接聞いてみた
日没直後、銭湯へ向かう途中。バスの二人席にて、隣に座っている男友達に、私はぼやいた。
「私は謝らなければならないことがある。私は、今まで『小説』を読ませていた。でもそれは、相当迷惑な行為らしいことがわかった。場合によっては、友情に亀裂が入るレベルの無礼だそうだ。ごめん」
「どうして? べつにぼくはそう思わないけれど」
「新人賞の下読みをした小説家の話によると、素人小説の九割は、最後まで読むに耐えない駄作以下の作品だそうだ。今、小説投稿サイトのランキング上位を占めているのは、読み手至上主義と割り切り、書きたくもない『商品』を書いている人たちがほとんどだ。本屋に置いてある、世間一般では駄作とされている小説ですら、出版社と編集者がついて最低限の質を担保されているものだ。私の書いている小説は『駄作』以下なんだ。それを前提として、『素人小説』を君に見せるのは、失礼に当たるのではないかと思った」
実際、知恵袋で「迷惑だ」とコメントしている人もいた。
「そうなの? ぼくは違うと思うけどな」
「マジ?」
友達は「学校で習うレベルの文章作法を習得していることを前提として」と前置きしてから答えた。
「プロが書いた作品でも、受け手を選ぶ。百田尚樹は世間的には評価されているが、ぼくは百田尚樹の小説は楽しめなかった。逆に、まったくの素人の学生が書いた脚本でも、面白いものがたくさんあった。小説であれ、商品であれ、面白いか判断するのは読み手だよ。『商品』であるか否かと、君の文章をぼくに見せていいかどうかは、別だよ」
「別なのか? 同じだと思っていたけれど」
「マーケティングを意識した読者至上の『商品』をぼくに見せたするでしょ。でも、ぼくに『商品』が刺さるかどうかはわからない。逆も同じ。君が『刺さらないだろう』と思って見せた『小説』が、ぼくに刺さるかもしれない」
「そういうものなのか」
「君は『面白いかどうか』を小説を見せる前に判断してる。でも、実際に『面白いかどうか』を決めるのは、ぼくであって君じゃない。君の言う、『商品』じゃないから『絶対に面白くない』『だから見せてはいけない』理論は、成り立たない。だからぼくは、君が『商品』ではない『小説』を見せることを、迷惑だとは思わない」
「そうか。迷惑に思っていないことを聞けて、ホッとしたよ」
彼の述べた言葉は、目から鱗だった。
私は「小説」を友達に見せることに、否定的だった。しかし、肝心の読み手である友達が「べつにいいんじゃない?」と許してくれた。
私は、自分の視野の狭さと、凝り固まった認知と、一瞬でも友達を疑ったことを恥じた。
●感じ方は読者それぞれ
小説ノウハウ本を読みあさっていると、つい商業至上主義的な考えに陥りがちである。しかし、一つの考え方に過ぎない。読者は、必ずしもそう思っているとは限らない。
素人小説を他者に見せるのはアリか? ナシか?
それを決めるのは私達ではない、読者だ。
他人の心を見ることが出来ない以上、我々に読者が何を考えているのかを知る術はない。私達にできることは、上記のエピソードのように、直接「読ませられるのは不快ではないか」と問いかける程度だろう。
「不快である」と言われたら辞めればいい。
「べつにいいよ」と言われたら、続ければいい。
それだけのことだ。
ただし、どちらにせよ友達にとって「素人小説」を読むのは、大変な労力である。外見上「何も気にしていない」といった態度をとっていても、必ず確認する必要がある。無理をしている可能性が捨てきれないからだ。くれぐれも、「これぐらいのことなら、友達は受け入れてくれるはずだ」と思い込み、無理をさせてはならない。
平気かつごう慢に要求を押し通すことは、あなたと、あなたの小説の魅力を、大きく損なう。「気づいたら友達が消えていた」なんてことにならないよう、友達には最大限敬意を払おう。
1
あなたにおすすめの小説
アルファポリスとカクヨムってどっちが稼げるの?
無責任
エッセイ・ノンフィクション
基本的にはアルファポリスとカクヨムで執筆活動をしています。
どっちが稼げるのだろう?
いろんな方の想いがあるのかと・・・。
2021年4月からカクヨムで、2021年5月からアルファポリスで執筆を開始しました。
あくまで、僕の場合ですが、実データを元に・・・。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
アルファポリスであなたの良作を1000人に読んでもらうための25の技
MJ
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスは書いた小説を簡単に投稿でき、世間に公開できる素晴らしいサイトです。しかしながら、アルファポリスに小説を公開すれば必ずしも沢山の人に読んでいただけるとは限りません。
私はアルファポリスで公開されている小説を読んでいて気づいたのが、面白いのに埋もれている小説が沢山あるということです。
すごく丁寧に真面目にいい文章で、面白い作品を書かれているのに評価が低くて心折れてしまっている方が沢山いらっしゃいます。
そんな方に言いたいです。
アルファポリスで評価低いからと言って心折れちゃいけません。
あなたが良い作品をちゃんと書き続けていればきっとこの世界を潤す良いものが出来上がるでしょう。
アルファポリスは本とは違う媒体ですから、みんなに読んでもらうためには普通の本とは違った戦略があります。
書いたまま放ったらかしではいけません。
自分が良いものを書いている自信のある方はぜひここに書いてあることを試してみてください。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる