金色竜は空に恋う

兎杜唯人

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★満たされる身体 5

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いいタイミングだったなとシシリィは思う。
とはいえ、ノックと同時にノエルの顔に精液をぶちまけたディディエに興奮して同じように服の中に吐き出してしまった自分もおり、恥ずかしさもそこにはあった。


「ディディエ様、シシリィ様、香油をお持ちしました。媚薬も入っている高級品となります。お部屋に入るわけには行きませんので外に並べておきます」
「ご苦労…」

吐精後の荒い息の中でディディエがかろうじて口にする。
ノエルは顔にかかった粘つく精液に呆然としている。ディディエがベッドを降りて香油を取りに行く間シシリィはノエルの顔についたディディエの精液を舐め取った。
吐き出されたばかりのそれはまだ熱く匂いが濃い。ノエルにシシリィが抱かれたときは何もしなかったからか、溜まっていたのだろう。 



「すごく濃い…おいしい…ノエルも舐めてみて」


指ですくったそれをノエルの口元に運ぶ。おずおずと口を開きシシリィの指についた精液を舐め取る。
鼻の奥に来る匂いに眉を寄せるもシシリィの指をきれいにせねばと思いながら舌を這わす。
シシリィの指は時折ノエルの舌やあごを撫でていく。


「おいしかった?」
「わからない…」
「そう。でもすぐにわかるよ」


ノエルの顔をきれいにすれば香油の入った壺を室内に入れたディディエがベッドに上がる。
吐き出したばかりのそれはまだ固く天を向く。


「カノーテ、媚薬入りのなんて気を利かせたね」
「上質なものを手に入れてきた。あとでたっぷり褒めてやらないとな」


壺を傾ければトロリと粘性のあるものが流れ落ちる。
手のひらに広げたそれをディディエはノエルの体に塗りたくる。
入っている媚薬の香りだろうか、甘ったるい香りが部屋に広がる。
胸に触れるたびノエルの体は面白いほどに跳ねた。
シシリィは別の壺から香油を出せばまだ開花しきらない蕾に垂れ流して指で塗り拡げた。
媚薬の混ざるそれのおかげが、ナカは面白いほどにうねり、ノエルは嬌声をあげる。



「ノエルの声、かわいい…あと少しで先端ぐらいは入るようになるからね」

ぬちゃ、にちゃ、と粘つく音がする。蕾が花開き、シシリィの指もたやすく飲み込むようにまでなった。流石に香油があるのとないのとでは違う。
媚薬の影響でノエルはどこを触られても良くなっている。シシリィは夢中でノエルの肌を撫でているディディエに目配せした。
ディディエと体の場所を入れ替え、自分の太ももにノエルの頭を乗せる。
とろけきった顔がとても可愛らしく思えた。



「俺、ノエルが好きになってる…ディディへの好き、と同じなんだ…」
「奇遇だな?俺もだ」

二人は顔を見合わせる。小さく笑えばディディエは己の高ぶりをノエルのひくつくその部分に当てた。
シシリィが解したとはいえどおそらくディディエのすべてを収めることはできないだろう。
先端を飲み込ませるがノエルは引きつった声を上げる。
香油を垂らし滑りを良くするものの無理だった。



「…悪いな、ノエル。痛むか」

ディディエを収めたままの腹を撫でディディエは問う。
ぎちぎちに伸び切ったそこは痛みがないわけがない。
シシリィの手首を強く握るノエルだがディディエの問いかけには気丈にも笑ってみせた。


「いたくない…ディディエは」
「…お前の中は俺のものを食いちぎろうとしてんだよ」
「ぜんぶ、はいった?」
「先端だけだよ。俺だってディディのを全部入れたのは何度も抱かれてからだったからゆっくりね」


シシリィにやさしく言われてノエルはうなずいた。
わずかに腰を引けば離したくないとでも言うように内部が締まる。
ゆるく腰を動かしてノエルの表情を見守った。

「ノエルの弱いところは多分奥の方…俺の指で反応が鈍かったから」
「そうか…なら今日はこっちでイかせてやろうな」



ぐちゅっと濡れた音がした。
軽く熱を押し込み同時にノエルの高ぶったそれを握りこする。


「ゃ、あっ…んん、はっ…でぃでぃ…」
「きもちいいか?」
「ん、いい…」
「そうか」

シシリィはディディエの後ろでびたんびたんと動く尾を見た。
シシリィは小さく笑い声をこぼせばそのままノエルを高みに向かわせるべく胸元の赤い突起をつまむ。
その刺激に引きずられるようにしてディディエの手に再び精液を吐き出す。
ディディエも眉を寄せてノエルの中に吐き出す。



「ノエル…」
「…つかれた」
「うん、眠っていいよ。ちゃんときれいにしてあげるから」


頭を撫でて眠気を呼ぶ。ノエルはわずかに笑みを浮かべて眠りにつく。
まだディディエの欲望を示すそれは萎えていない。
シシリィはじっとそれを見つめた。


「ディディ、ここにきて」
「いい、風呂に先に行く」
「だぁめ」


ぽん、と己の隣を叩いたシシリィの目に負けてディディエは示されたそこにあぐらをかいて座る。
シシリィは少し緊張しながらディディエの熱に触れて指を絡めた。ゆっくりしごけばディディエはわずかに声を漏らす。
顔を寄せ胸いっぱいにシシリィの香りを吸い込めばシシリィの体が震える。
ディディ、と小さく呼ばれた。喉の奥で唸り声を漏らしシシリィの手に二度目の吐精をする。
顔を上げたシシリィにキスがしたい。だが、できるわけもなく鼻先を頬にこすりつけるだけにした。



「ノエルを風呂に入れてくる」
「うん」

ノエルの体を抱き上げたディディエが部屋を出ていく。
シシリィは少しの寂しさを感じた。
俺も番なのになぁとぼやく。
ヤキモチと寂しさとないまぜになる。
もやもやとした気持ちが生まれてしまったがそれを飲み込み汚れたベッドをきれいにすべくシーツを取り払い新しいものをもらうために部屋を出た。
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