45 / 62
幕間 貧弱無敵の枝葉末節
第44話 駄メイド、華麗に働く 後編
しおりを挟む
――お洗濯。
「あれー、洗濯物どこなのよー?」
洗濯カゴに何にも入ってないのよー。あれー?
ふと窓を見ると、なんか裏庭の干し場にもうお洋服が干してあったの。
あれれー? 何でー?
でもお洗濯終わってないのよねー。
お洗濯用の魔法洗浄機も使われた形跡なしなのよー、でも干してあるのー。
つまりどういうことなのよー!
事件の謎を解明するべく、メイド探偵なクゥが現場に急行なのよー!
「ん。クゥナじゃないか」
するとそこには二人目のどたぷんお胸がいらっしゃったのよ。
「クゥの身体には未来が詰まっているのよォォォォォォォォォォ!」
「何だ、どうしたんだ。いきなり……?」
クゥの決まりきった未来への咆哮に、ランねーちゃんが驚いたのよ。
フフフ、さすがはAランクメイドなクゥの気迫といったところね!
「で、ねーちゃんここで何してるのよ?」
「洗濯物を干してたんだけど」
「でもそれお洗濯してないのよー?」
お洗濯してないのに干すってどういうことなのよ。謎が深まったのよ!
「ん、大丈夫大丈夫」
「一体何が大丈夫なのか、クゥには一切全く永遠の謎なのよ」
「こうするから」
「え?」
「破ッ!」
クゥが見てる前で、ランねーちゃんが腰溜めの構えで「破ッ!」したのよ。
「よし、洗濯終わり!」
おまえは何を言ってるんだ。なのよ。
ちょっとこの謎はメイド探偵をしても解けそうにないのよ。
「ま、いいから洗濯物を見てみなよ」
「えー……」
何かランねーちゃんが意味わかんねー要求をしてきたのよ。
でもこの謎を解くべく、メイド探偵クゥは果敢にも洗濯物に挑むのよ!
「こ、これは――ッ!?」
何ということでしょう!
洗濯をしていないはずのお洗濯ものから、おひさまの匂いが!
しかも、洗いたて、乾きたてのようなフワフワ手触りだったのよー!
これは一体どういうことなのよ、謎が謎を呼ぶ展開だわ!
「ちょっと気合いで汚れを消し飛ばしてみた」
おまえは何を言ってるんだ。なのよ。パート2!
気合で汚れ消せるなら世の錬金術師は洗剤の調合に苦労してないのよ!
もー!
こんなのただの超展開よー! やり直しを要求するのよー!
「クゥナ、そんなに手触りいいのかい?」
「……はっ!?」
気が付いたらすっかりきれいになってるお洗濯ものに頬ずりしてたわ。
クゥったら、こんなところで可愛いアピールしちゃってたなんて。
「あ、ねーちゃん、この服破れてるのよ。あ、こっちも」
「う、しまった。力加減を間違ったか……」
別にそこ悔しがる必要ないと思うの。
だって発想自体が異次元なんだから。なのよ。
「もしかしたらできるかなと思ってやってみたけど、これからは控えるよ」
そもそも、何でやろうと思ったのか。
ここに来て最大の謎が立ちはだかってきたわね!
でもメイド探偵なクゥはすでに答えを得ているわ!
そう、謎は全てメルティックなのよ! つまり――
ランねーちゃんはお脳に行くべき栄養がお胸に行きすぎちゃったのね!
「クゥナ、今何か失礼なこと考えてるだろ」
メイド探偵クゥナ、戦線空域を全速力で離脱しますなのよー!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
――お料理。
「パニねーちゃーん、今日のご飯なーにーなのよー」
「あ? テキトー」
またその答えかー、なのよー。
しかもそのクセ、作る料理がクッソうめーのがクセモノなのよ!
正直『エインフェル』時代より全然美味しいモノ食べれてるのよ……。
クゥは誇り高きAランク冒険者だけど、そこだけは感謝してやるのよ!
「あ、野菜使うから地下から持ってきてくれや」
「えー、クゥが持ってくるのー」
「ブツクサ言ってんじゃねぇよ、メイドだろうが。働け働け!」
「やーなのよー。クゥはもう今日はバリバリ働いたのよー」
「一日しっかり動き通してから寝ると体が成長しやすくなるって話が――」
「フッ、野菜の運搬はこのAランクメイドにお任せなのよ!」
「おー、任せたぜー」
後からパニねーちゃんのギャハハ笑いがした気がするけどきっと幻聴ね!
まずは地下の食糧庫にー、お野菜ー、取りにきたのよー。
「……むにゃ?」
野菜保存用の冷蔵箱を開けてみたら、えーと、あれ?
お野菜、これしかないのよ? あれれー? もっとあったと思ったのに。
これくらいならかごに全部入れて、と――
お台所に戻ってテーブルにかごをドーン! なのよー。
「パニねーちゃん、お野菜持ってきたのよー」
「あ? これだけか? これじゃちょっと足りねぇんだけどな」
「むー、野菜用の箱に入ってたのはこれで全部なのよー」
「あー、そうなると……。オイ、ちっこいの。ちょっとおつかい行ってきな」
「えー!」
ちっこいのにちっこいのって言われたのよ!
このひどすぎる誹謗中傷に対してクゥは断固抗議するものなのよー!
「ねーちゃんの方がちっこいのよー!」
「おう、それで? アタシみてぇなのを好くヤツだっているんだぜ?」
「く、強いのよ……」
「無駄話すればするだけメシ遅くなるぜ」
「むー……、おつかい行きたくないのよー……」
もう、クゥは今日本当に頑張ってるのにー!
「やれやれ、仕方がねぇな。ほれ」
「むにゃにゃ?」
パニねーちゃんが何かを指ではじいたのよ。
クゥの手に落ちてきたそれは、およよ、大銀貨みたいなのよ。
「駄賃だ。何か好きなモンでも買いな」
「……パニねーちゃん」
ニカっと明るく笑っているねーちゃんに、クゥはそのとき言ったわ。
「昨日、競馬勝ったのよ?」
「ギャーッハッハッハッハッハ! 勝ちも勝ち、大勝ちさ!」
うん、だよねー。
じゃないとお駄賃なんて絶対くれないもんねー、なのよ。
「ギャッハハハハ! やっぱアタシはもってるよなー!」
あ、これ明日くらいに大負けするパターンなのよ。
じゃあ、いただけるモノはいただけるうちにいただいておくのよ!
「お買い物いってきまーす! なのよー!」
――そんなワケで、クゥは市場に繰り出したワケで。
「お、クゥちゃん。いらっしゃい」
「はーい、ルゥちゃん、やっほーなのよー」
市場の野菜屋さんで、顔なじみの男の子にまずは挨拶ね!
帽子を深くかぶったその子は、ルゥザ・ガーデン。
少し前にウルラシオンにやってきた冒険者志望の子なのよ。
今は野菜屋さんで働きながら“洗礼”の日を待ってるの!
ルゥちゃんとは同い年だけど、クゥは先輩として色々教えてあげたのよ。
「今日は、これとこれとこれ、くーださいな! なのよー」
パニねーちゃんにもらったメモを見つつ、ルゥちゃんにそう告げるの。
そうするとルゥちゃんは笑って「はいよ」と品を見繕ってくれるのよー。
「今日は大きめのが入ってね。おまけしておくね」
「わーい、ルゥちゃん大好きなのよー!」
「はいはい、でもそういう媚び方するなら気を付けなよ?」
「何がなのよー?」
「おいらだって男だし、勘違いしちゃうかもしれないだろ」
白い歯を輝かせて、ルゥちゃんがイケメンスマイルで言ってくるの。
うーん、グレイにーちゃんにはこういうのが足りないのよねー。
「はい、これ代金なのよー!」
「毎度あり。また来てくれよなー」
「もっちろん、なのよー!」
手を振って、クゥはおうちに戻るのよ。
野菜の入ったかごを抱えて、時刻はもうすぐ夕暮れどき。
クゥはゆるい坂道を歩きながら、途中で止まって後ろを振り返るの。
夕焼けに染まったウルラシオンの街並みが、そこからきれいに見えたのよ。
「ふぁ~……。きれいなのよー」
お駄賃で買った飴みたいな、茶色っぽい橙色に染まった景色だったのよ。
それはクゥの髪の色と同じで、すっごく目に鮮やかだったの。
「――変なの」
ちょっと、思ったの。
『エインフェル』にいたときは、街がきれいなんて思ったことはなかったのよ。
ずっとずっと、レベルとか依頼のことばっかり考えてて、でも、
「ホントに、変なのよ」
今のクゥは、街がきれいって思えているのね。
何でかしらって考えて、うん、ちょっと分からないのよ。
「ん、飴、おいしいのよー」
口の中に広がる甘みがとっても優しくて、クゥはにっこりしちゃったわ。
あ、でもご飯の前になめちゃったの。ちょっと失敗したかもなの。
フ、Aランクメイドのクゥでも失敗することはあるのね。
さーて、それじゃあ帰るのよー。
今日は全力で働いたから、きっとよく寝れてよく育つのよ!
育てば育つほど、クゥはあの二大巨乳に迫るのよ。だって――
「クゥの身体には未来が詰まってるんだからー!」
夕日に向かって、クゥは決まった未来を咆哮したのよ。
じゃ、かーえろ! なのよー!
「あれー、洗濯物どこなのよー?」
洗濯カゴに何にも入ってないのよー。あれー?
ふと窓を見ると、なんか裏庭の干し場にもうお洋服が干してあったの。
あれれー? 何でー?
でもお洗濯終わってないのよねー。
お洗濯用の魔法洗浄機も使われた形跡なしなのよー、でも干してあるのー。
つまりどういうことなのよー!
事件の謎を解明するべく、メイド探偵なクゥが現場に急行なのよー!
「ん。クゥナじゃないか」
するとそこには二人目のどたぷんお胸がいらっしゃったのよ。
「クゥの身体には未来が詰まっているのよォォォォォォォォォォ!」
「何だ、どうしたんだ。いきなり……?」
クゥの決まりきった未来への咆哮に、ランねーちゃんが驚いたのよ。
フフフ、さすがはAランクメイドなクゥの気迫といったところね!
「で、ねーちゃんここで何してるのよ?」
「洗濯物を干してたんだけど」
「でもそれお洗濯してないのよー?」
お洗濯してないのに干すってどういうことなのよ。謎が深まったのよ!
「ん、大丈夫大丈夫」
「一体何が大丈夫なのか、クゥには一切全く永遠の謎なのよ」
「こうするから」
「え?」
「破ッ!」
クゥが見てる前で、ランねーちゃんが腰溜めの構えで「破ッ!」したのよ。
「よし、洗濯終わり!」
おまえは何を言ってるんだ。なのよ。
ちょっとこの謎はメイド探偵をしても解けそうにないのよ。
「ま、いいから洗濯物を見てみなよ」
「えー……」
何かランねーちゃんが意味わかんねー要求をしてきたのよ。
でもこの謎を解くべく、メイド探偵クゥは果敢にも洗濯物に挑むのよ!
「こ、これは――ッ!?」
何ということでしょう!
洗濯をしていないはずのお洗濯ものから、おひさまの匂いが!
しかも、洗いたて、乾きたてのようなフワフワ手触りだったのよー!
これは一体どういうことなのよ、謎が謎を呼ぶ展開だわ!
「ちょっと気合いで汚れを消し飛ばしてみた」
おまえは何を言ってるんだ。なのよ。パート2!
気合で汚れ消せるなら世の錬金術師は洗剤の調合に苦労してないのよ!
もー!
こんなのただの超展開よー! やり直しを要求するのよー!
「クゥナ、そんなに手触りいいのかい?」
「……はっ!?」
気が付いたらすっかりきれいになってるお洗濯ものに頬ずりしてたわ。
クゥったら、こんなところで可愛いアピールしちゃってたなんて。
「あ、ねーちゃん、この服破れてるのよ。あ、こっちも」
「う、しまった。力加減を間違ったか……」
別にそこ悔しがる必要ないと思うの。
だって発想自体が異次元なんだから。なのよ。
「もしかしたらできるかなと思ってやってみたけど、これからは控えるよ」
そもそも、何でやろうと思ったのか。
ここに来て最大の謎が立ちはだかってきたわね!
でもメイド探偵なクゥはすでに答えを得ているわ!
そう、謎は全てメルティックなのよ! つまり――
ランねーちゃんはお脳に行くべき栄養がお胸に行きすぎちゃったのね!
「クゥナ、今何か失礼なこと考えてるだろ」
メイド探偵クゥナ、戦線空域を全速力で離脱しますなのよー!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
――お料理。
「パニねーちゃーん、今日のご飯なーにーなのよー」
「あ? テキトー」
またその答えかー、なのよー。
しかもそのクセ、作る料理がクッソうめーのがクセモノなのよ!
正直『エインフェル』時代より全然美味しいモノ食べれてるのよ……。
クゥは誇り高きAランク冒険者だけど、そこだけは感謝してやるのよ!
「あ、野菜使うから地下から持ってきてくれや」
「えー、クゥが持ってくるのー」
「ブツクサ言ってんじゃねぇよ、メイドだろうが。働け働け!」
「やーなのよー。クゥはもう今日はバリバリ働いたのよー」
「一日しっかり動き通してから寝ると体が成長しやすくなるって話が――」
「フッ、野菜の運搬はこのAランクメイドにお任せなのよ!」
「おー、任せたぜー」
後からパニねーちゃんのギャハハ笑いがした気がするけどきっと幻聴ね!
まずは地下の食糧庫にー、お野菜ー、取りにきたのよー。
「……むにゃ?」
野菜保存用の冷蔵箱を開けてみたら、えーと、あれ?
お野菜、これしかないのよ? あれれー? もっとあったと思ったのに。
これくらいならかごに全部入れて、と――
お台所に戻ってテーブルにかごをドーン! なのよー。
「パニねーちゃん、お野菜持ってきたのよー」
「あ? これだけか? これじゃちょっと足りねぇんだけどな」
「むー、野菜用の箱に入ってたのはこれで全部なのよー」
「あー、そうなると……。オイ、ちっこいの。ちょっとおつかい行ってきな」
「えー!」
ちっこいのにちっこいのって言われたのよ!
このひどすぎる誹謗中傷に対してクゥは断固抗議するものなのよー!
「ねーちゃんの方がちっこいのよー!」
「おう、それで? アタシみてぇなのを好くヤツだっているんだぜ?」
「く、強いのよ……」
「無駄話すればするだけメシ遅くなるぜ」
「むー……、おつかい行きたくないのよー……」
もう、クゥは今日本当に頑張ってるのにー!
「やれやれ、仕方がねぇな。ほれ」
「むにゃにゃ?」
パニねーちゃんが何かを指ではじいたのよ。
クゥの手に落ちてきたそれは、およよ、大銀貨みたいなのよ。
「駄賃だ。何か好きなモンでも買いな」
「……パニねーちゃん」
ニカっと明るく笑っているねーちゃんに、クゥはそのとき言ったわ。
「昨日、競馬勝ったのよ?」
「ギャーッハッハッハッハッハ! 勝ちも勝ち、大勝ちさ!」
うん、だよねー。
じゃないとお駄賃なんて絶対くれないもんねー、なのよ。
「ギャッハハハハ! やっぱアタシはもってるよなー!」
あ、これ明日くらいに大負けするパターンなのよ。
じゃあ、いただけるモノはいただけるうちにいただいておくのよ!
「お買い物いってきまーす! なのよー!」
――そんなワケで、クゥは市場に繰り出したワケで。
「お、クゥちゃん。いらっしゃい」
「はーい、ルゥちゃん、やっほーなのよー」
市場の野菜屋さんで、顔なじみの男の子にまずは挨拶ね!
帽子を深くかぶったその子は、ルゥザ・ガーデン。
少し前にウルラシオンにやってきた冒険者志望の子なのよ。
今は野菜屋さんで働きながら“洗礼”の日を待ってるの!
ルゥちゃんとは同い年だけど、クゥは先輩として色々教えてあげたのよ。
「今日は、これとこれとこれ、くーださいな! なのよー」
パニねーちゃんにもらったメモを見つつ、ルゥちゃんにそう告げるの。
そうするとルゥちゃんは笑って「はいよ」と品を見繕ってくれるのよー。
「今日は大きめのが入ってね。おまけしておくね」
「わーい、ルゥちゃん大好きなのよー!」
「はいはい、でもそういう媚び方するなら気を付けなよ?」
「何がなのよー?」
「おいらだって男だし、勘違いしちゃうかもしれないだろ」
白い歯を輝かせて、ルゥちゃんがイケメンスマイルで言ってくるの。
うーん、グレイにーちゃんにはこういうのが足りないのよねー。
「はい、これ代金なのよー!」
「毎度あり。また来てくれよなー」
「もっちろん、なのよー!」
手を振って、クゥはおうちに戻るのよ。
野菜の入ったかごを抱えて、時刻はもうすぐ夕暮れどき。
クゥはゆるい坂道を歩きながら、途中で止まって後ろを振り返るの。
夕焼けに染まったウルラシオンの街並みが、そこからきれいに見えたのよ。
「ふぁ~……。きれいなのよー」
お駄賃で買った飴みたいな、茶色っぽい橙色に染まった景色だったのよ。
それはクゥの髪の色と同じで、すっごく目に鮮やかだったの。
「――変なの」
ちょっと、思ったの。
『エインフェル』にいたときは、街がきれいなんて思ったことはなかったのよ。
ずっとずっと、レベルとか依頼のことばっかり考えてて、でも、
「ホントに、変なのよ」
今のクゥは、街がきれいって思えているのね。
何でかしらって考えて、うん、ちょっと分からないのよ。
「ん、飴、おいしいのよー」
口の中に広がる甘みがとっても優しくて、クゥはにっこりしちゃったわ。
あ、でもご飯の前になめちゃったの。ちょっと失敗したかもなの。
フ、Aランクメイドのクゥでも失敗することはあるのね。
さーて、それじゃあ帰るのよー。
今日は全力で働いたから、きっとよく寝れてよく育つのよ!
育てば育つほど、クゥはあの二大巨乳に迫るのよ。だって――
「クゥの身体には未来が詰まってるんだからー!」
夕日に向かって、クゥは決まった未来を咆哮したのよ。
じゃ、かーえろ! なのよー!
0
お気に入りに追加
414
あなたにおすすめの小説

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中
【BL】どうやら精霊術師として召喚されたようですが5分でクビになりましたので、最高級クラスの精霊獣と駆け落ちしようと思います。
riy
BL
風呂でまったりしている時に突如異世界へ召喚された千颯(ちはや)。
召喚されたのはいいが、本物の聖女が現れたからもう必要ないと5分も経たない内にお役御免になってしまう。
しかも元の世界へも帰れず、あろう事か風呂のお湯で流されてしまった魔法陣を描ける人物を探して直せと無茶振りされる始末。
別邸へと通されたのはいいが、いかにも出そうな趣のありすぎる館であまりの待遇の悪さに愕然とする。
そんな時に一匹のホワイトタイガーが現れ?
最高級クラスの精霊獣(人型にもなれる)×精霊術師(本人は凡人だと思ってる)
※コメディよりのラブコメ。時にシリアス。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる