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第1章 最速無敵の天才重戦士
第6話 最強パーティー、全滅する
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僕はヴァイス、Aランク冒険者だ。
ウルラシオン最強のパーティー『エインフェル』のリーダーをしている。
僕はこれから、三人の仲間と共に“英雄位”になりに行く。
向かう先はウルラシオン古代ダンジョン最深層――通称“大地の深淵”。
ウルラシオンの直下に広がる古代遺跡の地下七十階以降がそう呼ばれている。
これまで、僕達と同じAランクパーティーが数十回挑戦していた。
しかし、このSランクダンジョンが攻略されたことはない。
未だ攻略できていないからこそ、“大地の深淵”はまだ残っているのだ。
ああ、まぁ、当然なんだろうな。
僕は運命の存在を信じている。
僕という人間がここにいること、“大地の深淵”が攻略されていないこと。
そう、全ては運命だ。
僕と仲間達が“英雄位”になるためにお膳立てされたものに違いない。
前に“英雄位”が出たのは今から百年前の話だ。
今、僕達が新たな“英雄位”となれば、その名は大陸中に轟くだろう。
それもまた、運命だ。
もしこの世界に全てを司る最高神がいるならば、僕こそが愛されている。
その確信を、僕はこの胸に抱いていた。
ああ、僕が神に愛されている証拠は幾らでもある。
これまで僕が辿ってきた道のりがそれを証明してくれている。
授かった加護が“王位級(キング)”であることも。
他の仲間も全て同じく“王位級”の加護を授かっていることも。
普通の冒険者連中よりもはるかにレベルが上がりやすいという事実も。
何もかもが僕を“英雄位”に至らせようとする神の手に他ならない。
そう、僕は英雄だ。そして勇者だ。
僕は選ばれた者なんだ。
では僕の仲間達、幼馴染のリオラとクゥナはどうだろうか。
いや、神は僕をこそ愛している。ならば、二人は違うのだろう。
あの二人を含めて、周りの全ては僕という主人公を引き立てるためにあるのだ。
まあいいさ。
神が愛している僕に愛される権利を、あの二人は持っている。
僕が“英雄位”になったら妻に迎えるのも悪くない。
リオラもクゥナも、揃ってしっぽを振って泣いて喜ぶのが目に見えるよ。
「いよいよだな、ヴァイス」
物思いにふけっている僕に声をかける男がいた。
僕よりも頭一つ分は大きい、屈強な男だ。
巨躯を分厚い金属鎧で固めて、背中には傷だらけのタワーシールドを担いでいる。
「ああ、そうだね。ザレック」
ザレックは少し前に僕達『エインフェル』に加わった壁役だ。
わざわざ王都からやってきたこの男は、“鋼壁”の異名で知られている。
自身も、鎧も、盾も、何もかもが傷だらけ。しかし完全な五体満足。
この姿を見るだけでも、ザレックがいかに優れた壁役であるかがうかがえる。
僕が知る限り、彼こそ大陸最高の壁役だ。
「いよいよ、僕達はこれから“大地の深淵”に挑む。準備はいいかい?」
「無論だ。そのためにわざわざ王都からこの辺境にまで来たのだ。抜かりはない」
低く重い声で言いながら、ザレックが一方に視線を送った。
僕も同じ方を見る。
淡い虹色に輝く光の柱が、そこにはあった。
そして僕達が立っているこの場所は、真っ白な砂で満たされた乾いた大地。
ここはウルラシオン古代ダンジョン地下六十九階――“無辜なる砂漠”。
“大地の深淵”手前に存在する領域だ。
おおよそのダンジョンでは、地下十五階以降になると混沌化が発生する。
軽度の混沌化であれば、入るたびにダンジョンの構造が変わる。
そして重度の混沌化となれば、ここのように世界そのものが変わってしまう。
とはいえ、“無辜なる砂漠”は『砂漠になる』という一点については固定だ。
しかもモンスターは出現しないし、オアシスもあるため水の補給もできる。
“大地の深淵”を前にして、ここは最高にして最後の休憩地点だった。
「おまえは、一度挑んだことがあったのだったな」
「ああ、苦い思い出だけどね……」
ザレックに言われ、僕は渋い顔をする。
そのときの記憶が一瞬でも蘇ってしまったからだ。
前回の挑戦も、今とほぼ変わらない。
レベルも同じで、装備も同じ。用意したアイテムもほとんど一緒だ。
違うのは、同行するパーティーメンバー。
前は幼馴染というだけで僕達の仲間のつもりでいた貧弱な寄生虫がいた。
そいつのせいで、失敗した。僕にとっては痛恨きわます失態だった。
もっと早くあいつをパーティーから追い出していればよかったんだ。
そうすれば二回目の挑戦なんてこともせずに済んでいた。つくづく、腹立たしい。
「よほど悪い記憶らしいな」
おっと。
表情に出てしまっていたらしい。ザレックに指摘されて、僕は苦く笑った。
「恥ずかしいね。事実、その通りだけどさ」
「前の壁役というのはよっぽど足手まといだったようだな。追放して正解だ」
「まぁ、いいさ。今回で上塗りすれば何の問題もないよ」
「そうか」
「ああ。そのための挑戦でもある。……頼りにしているよ、ザレック」
「フ。俺を誰だと思っている。俺は“鋼壁”のザレックだぞ」
言葉だけを聞けば、うぬぼれ以外の何物でもないセリフだろう。
しかしうぬぼれではない。僕はそれを知っている。
彼には、そのセリフを言う資格がある。これまでの経歴こそがその証だ。
ザレックもきっと僕と同じなんだ。
自分は選ばれた者だ、という自覚を持って生きているに違いない。
彼の全身からは自己に対する絶対的な自信があふれ出ていた。
それは、何も成していないのにプライドだけが肥大化した無様なものではない。
長い時間をかけて、自分自身に己の実力を証明し続けることで培われたもの。
体の傷、鎧の傷、盾の傷。それら全てを礎としてきた、本物の自信だ。
強者。
まさにその一語こそ、僕やザレックを形容するのにふさわしい。
「共感を覚えるよ、ザレック」
「ほぉ……?」
「君は本当の強者だ。護るという一点において、君は間違いなく大陸随一だ」
「他の重戦士と比べたことはないがな。まぁ、負ける気はしない」
「僕も同じだよ。だから共感してしまうのさ。君とはジャンルが違うけどね」
「では栄光の『エインフェル』リーダー殿は何について大陸随一なのかな」
分かりきっていることを尋ねられて、僕は笑みを深めてしまう。
彼の問いに、僕は答えた。
「使うことさ」
「アイテムの使用か?」
「いいや。使うのは道具じゃない。人だよ」
「それは……」
僕の言葉の意味が分かったのだろう。
ザレックもまた笑った。
「大きく出たな。その言葉、本来は貴族か政治屋が口にするものだぞ」
「僕は『エインフェル』のリーダーだ。大した違いはないよ」
「末は王にでもなるつもりか?」
「その通りだけど、何か悪いかい」
答えると、初めてザレックはその顔に驚きを浮かべた。
ああ、彼もまた、か。僕がそれを口にすると、みんなが同じ表情をするんだ。
「俺は、おまえには共感を覚えられんな」
「そうかい?」
「ああ。俺は使われる側だからな。おまえの感覚は理解できん」
確かに。
彼の言う通り、僕と彼とはそこが違っていたか。
「失礼。確かにその通りだ。『エインフェル』で使う側は、僕だけだった」
「クック、大言壮語もそこまで行くといっそ清々しいな」
「何も僕が全てにおいて優れていると言ってるワケじゃないんだけどね」
「俺からすればあまり違いは感じられんぞ」
「ひどいな。僕は君のように不倒を貫くことはできないし、リオラのように魔導に秀でているワケでもない。それにクゥナのように正確無比にダンジョンの構造を把握することだってできない。僕にできることは、率いることと使うことだけさ」
僕は肩をすくめた。
一切の謙遜なく、一切の誇張なく、僕は僕のできることを語った。
するとザレックはみたび笑って、
「それこそが最も重要だと理解した上での発言だからこそ、こざかしい!」
「まぁ、否定はしないよ。今だって、僕も君も何もしていないだろう。僕達の出番じゃないからさ。今は、リオラとクゥナを使うべき場面だよ」
リオラとクゥナは、虹色の光柱の方にいた。
あの光柱は“深淵の大地”へと続くゲートなのだが、必ずトラップがある。
何もせずに光柱の中に入れば間違いなく、僕達は全滅するだろう。
たとえば石の中に転移させられるかもしれない。
たとえば海の底に転移させられるかもしれない。
たとえば星の外に転移させられるかもしれない。
光柱は高度な術式によるシステムによって制御されている。
だからまずはそのシステムを解析し、正しい転移場所を再設定する必要があった。
もうすぐ、再設定も終わる頃だろう。
「そろそろ出発の準備をしてくれ。出番は近いよ」
「心得た。――ところでヴァイスよ、最後に一つよいか」
「何だい? 手短にお願いするよ」
「戯れに問う。俺やあの女共は、おまえにとって仲間か? 駒か?」
何かと思ったら、そんなことか。
僕はため息を一つついた。本当に戯れ以上の意味が見いだせない質問だ。
「どっちでもないよ」
「ならば、何だ?」
「臣」
「――クック、クッハッハッハッハ! 然様か! ならばおまえはすでに王か!」
いきなり呵々大笑するザレックへ、僕は肩をすくめる。
「まだ王じゃないよ。これから英雄になる。そして次に王になるんだ」
「応、ならばこの身、存分に使い倒せ。代わりにおまえの王器を見せてもらう!」
「そのつもりだよ、ザレック」
言い終えた直後に、虹色の光柱がまばゆく輝いてその色を蒼に変えた。
リオラ達が、術式の解析と転移先の再設定を終えたのだ。
「じゃあ、行こうか。ザレック」
「ああ、“英雄位”は目前だ。気を引き締めていくぞ」
言われるまでもない。
今日のために仲間を揃えた。装備を整えた。アイテムを集めた。
そしてあの寄生虫ももういない。今の僕達に死角はないということだ。
光柱を抜ければ、すぐに門番のボスモンスターとの戦闘が待っている。
しかしそれだって大した苦労もせず屠れるだろう。前回もそうだったのだから。
――今度こそ“英雄位”に。
そして僕は、僕の大事な三人の家臣と共に、蒼の光柱へと入っていった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ありえない。
こんな光景は、絶対にありえない。
蒼の光柱をくぐった先、そこには門番モンスター“魔黒兵団”が待ち構えていた。
中身のない漆黒の鎧騎士が群れで襲い掛かってくる、群体型モンスター。
鎧騎士一体一体は端末でしかなく、それら全てで一体という扱い。
ゆえに、騎士一体を倒した程度では何ら影響はなく、倒されてもいずれ復活する。
これを倒す手段は二通り。
倒した鎧騎士が復活する前に他の鎧騎士全てを倒し切る。
或いは、鎧騎士全てを操っている『兵団長』を見つけて打倒する。
そのどちらかだ。
前者は、百体からなる鎧騎士を短時間ですべて倒し切ることはできない。
後者は、鎧騎士は全て同じ外見をしているため『兵団長』を見つけるのが難しい。
どちらにせよ、攻略難易度はそれなりに高い相手である。
しかし前回は倒せた。
僕と、リオラと、クゥナで、それほど時間をかけずに“魔黒兵団”を倒したのだ。
なのに――
「グ、オオオオオオオ!?」
鎧騎士の一体が戦鎚を振り回し、ザレックがそれを受け止める。
メキャ、という鈍い音がした。彼が前に構えた大盾が、大きく凹んでしまう。
「な、何だこいつらは……! 何なんだ、これは!?」
一撃を受け止めながら、だがザレックの口から出たのは悲鳴に近い声だった。
騎士鎧十数体がさらに迫ってくる。持っている武器は剣、槍、鎚。
「ザレックさん、これ以上は危険です! 一旦下がって――!」
「見て分からんか! 今俺が下がれば全員がお陀仏だぞ!」
「敵、十番、十二番、復活してきたのよ! 倒す速度が追い付かないのよー!」
悲鳴をあげているのは、リオラもクゥナも同様だ。
リオラが詠唱を開始する。クゥナと僕は前に出て鎧騎士を倒しに向かった。
「このー、なのよー!」
クゥナの手にした短剣が、騎士一体の胴部分の隙間を突いた。
動きが鈍る。そこに僕が飛び込んでその騎士をのど元に剣を突き立てる。
鎧騎士の姿がぼやけてそのまま消えた。倒せたようだ、が――
「グ、オ、オ、オォォ!」
ガツンガツンと鈍い音が止まらない。
ザレックが“魔黒兵団”の攻撃を必死に受け止め続けている音だ。
その足元には血だまりができていた。攻撃を受けすぎて、もはや満身創痍だ。
「リオラ、ザレックへの回復はまだなのか!」
「え、待ってください、今、攻撃魔法の詠唱を――」
攻撃? 攻撃だって?
何を考えているんだ。ザレックが倒れたら誰が敵の攻勢を止めるんだ!
「回復を優先しろ! ザレックが今の僕達の生命線だ!」
「分かりました。敵の方はお願いします!」
言われるまでもない!
僕は再び前に出る。すると今度はクゥナが怒鳴り声を出してきた。
「敵十六番! さっきのがもう復活したのよー!」
「何だって……!?」
その報告に僕は驚愕するしかなかった。
復活があまりにも早すぎる。
これでは、僕とクゥナだけではとてもではないが敵を倒し切れない。
「リオラ、こっちに攻撃魔法を――!」
「ウ、グォォ!? が、ゴフ……ッ! か、回復を……、回復をくれェェェ!」
未だ響き続ける“魔黒兵団”の攻撃の音。
ザレックの歴戦を示す証だった大盾と鎧はもはやグシャグシャに壊れている。
そしてザレック自身も斬られ、打たれ、刺されて半死半生の有様だ。
「……何でだ」
目の前に広がるあってはならない光景に、僕は乾いた声で呟いた。
「だって、前は倒せた。倒せたじゃないか……」
そう。
前に来たとき、僕達はザレック抜きでもこの“魔黒兵団”を討伐できた。
苦労した記憶はない。油断はしなかったが、苦戦もしなかった。
なのに――
「ダメなのよー! 敵十四番、五番、復活! 全部復活しちゃったのよー!」
「ヴァイス、攻撃ですか? 回復ですか? バフですか? 指示をください!」
「回復を、早くごっぢに回復をぐでエエェェェェェェェ~……!」
仲間達の声。
仲間達の悲鳴。
仲間達の危機。
中身のない漆黒の鎧が、群れてこちらに押し寄せてくる。
僕は剣で鎧騎士の構えた盾を叩きながら、その実、頭の中は真っ白だった。
何だこれは。ありえない。
「ヴァイスにーちゃん! 生還符よ、生還符を使って逃げるのよー! 早く!」
クゥナが生還符を探そうと鞄を漁り始め、背中から鎧騎士に刺された。
ありえない。
「お、俺は“鋼壁”のザレック……、だぞ! だ、だから助け、たす……!」
ザレックが敵の攻勢に心をへし折られて、そして戦鎚で頭を潰された。
ありえない。
「ヴァイス、ヴァイス! ヴァイス! 指示を。早く指示を! ヴァイ――」
リオラが僕からの指示を待ち続け、そして敵の放った矢に胸と腹を射抜かれた。
ありえない。
屍と化した三人が、僕の足元に転がった。
そして連なる硬い足音が、揃って動けないでいる僕の方へと近づいてくる。
僕の手から、今日のために手に入れた魔力を帯びた剣がこぼれ落ちた。
何だこの結末は。
何だこの地獄は。
僕は認めない。
こんな結末、絶対に認めない。こんな結末は、ありえない。
「僕が率いるパーティーが、こんな結果、あるわけ――」
呟く僕の前に一体の鎧騎士が立った。手には大きな戦斧が握られている。
まさか、そんなものでこの僕を殺すつもりだというのだろうか。
笑わせないでほしい。
僕はAランク冒険者、『エインフェル』のリーダー、ヴァイスだ。
その僕を、まさかそんな小汚い斧で殺すなんてできるはずがないだろう?
笑わせないでくれ。フッフ、本当に笑わせないでくれ。ハッハッハ――
「フッハッハ、ハッハッハッハッハ……、ハーッハッハッハッハッハッハ!」
笑う。
笑う。
僕は笑う。
抑えきれずに僕は笑う。どうしてこれを笑わずにいられるだろうか。
「ハハハハハハハハハハハハ! ハーッハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
鎧騎士が戦斧を振り上げた。
僕を殺せるつもりらしい。面白い。何て面白いんだ。
いいぞ、来い。殺せるものなら殺してみろよ。僕はヴァイスだぞ?
そうさ! 僕は英雄となり! 果ては王へと至る男!
僕はヴァイス、Aランク冒険グシャ。
ウルラシオン最強のパーティー『エインフェル』のリーダーをしている。
僕はこれから、三人の仲間と共に“英雄位”になりに行く。
向かう先はウルラシオン古代ダンジョン最深層――通称“大地の深淵”。
ウルラシオンの直下に広がる古代遺跡の地下七十階以降がそう呼ばれている。
これまで、僕達と同じAランクパーティーが数十回挑戦していた。
しかし、このSランクダンジョンが攻略されたことはない。
未だ攻略できていないからこそ、“大地の深淵”はまだ残っているのだ。
ああ、まぁ、当然なんだろうな。
僕は運命の存在を信じている。
僕という人間がここにいること、“大地の深淵”が攻略されていないこと。
そう、全ては運命だ。
僕と仲間達が“英雄位”になるためにお膳立てされたものに違いない。
前に“英雄位”が出たのは今から百年前の話だ。
今、僕達が新たな“英雄位”となれば、その名は大陸中に轟くだろう。
それもまた、運命だ。
もしこの世界に全てを司る最高神がいるならば、僕こそが愛されている。
その確信を、僕はこの胸に抱いていた。
ああ、僕が神に愛されている証拠は幾らでもある。
これまで僕が辿ってきた道のりがそれを証明してくれている。
授かった加護が“王位級(キング)”であることも。
他の仲間も全て同じく“王位級”の加護を授かっていることも。
普通の冒険者連中よりもはるかにレベルが上がりやすいという事実も。
何もかもが僕を“英雄位”に至らせようとする神の手に他ならない。
そう、僕は英雄だ。そして勇者だ。
僕は選ばれた者なんだ。
では僕の仲間達、幼馴染のリオラとクゥナはどうだろうか。
いや、神は僕をこそ愛している。ならば、二人は違うのだろう。
あの二人を含めて、周りの全ては僕という主人公を引き立てるためにあるのだ。
まあいいさ。
神が愛している僕に愛される権利を、あの二人は持っている。
僕が“英雄位”になったら妻に迎えるのも悪くない。
リオラもクゥナも、揃ってしっぽを振って泣いて喜ぶのが目に見えるよ。
「いよいよだな、ヴァイス」
物思いにふけっている僕に声をかける男がいた。
僕よりも頭一つ分は大きい、屈強な男だ。
巨躯を分厚い金属鎧で固めて、背中には傷だらけのタワーシールドを担いでいる。
「ああ、そうだね。ザレック」
ザレックは少し前に僕達『エインフェル』に加わった壁役だ。
わざわざ王都からやってきたこの男は、“鋼壁”の異名で知られている。
自身も、鎧も、盾も、何もかもが傷だらけ。しかし完全な五体満足。
この姿を見るだけでも、ザレックがいかに優れた壁役であるかがうかがえる。
僕が知る限り、彼こそ大陸最高の壁役だ。
「いよいよ、僕達はこれから“大地の深淵”に挑む。準備はいいかい?」
「無論だ。そのためにわざわざ王都からこの辺境にまで来たのだ。抜かりはない」
低く重い声で言いながら、ザレックが一方に視線を送った。
僕も同じ方を見る。
淡い虹色に輝く光の柱が、そこにはあった。
そして僕達が立っているこの場所は、真っ白な砂で満たされた乾いた大地。
ここはウルラシオン古代ダンジョン地下六十九階――“無辜なる砂漠”。
“大地の深淵”手前に存在する領域だ。
おおよそのダンジョンでは、地下十五階以降になると混沌化が発生する。
軽度の混沌化であれば、入るたびにダンジョンの構造が変わる。
そして重度の混沌化となれば、ここのように世界そのものが変わってしまう。
とはいえ、“無辜なる砂漠”は『砂漠になる』という一点については固定だ。
しかもモンスターは出現しないし、オアシスもあるため水の補給もできる。
“大地の深淵”を前にして、ここは最高にして最後の休憩地点だった。
「おまえは、一度挑んだことがあったのだったな」
「ああ、苦い思い出だけどね……」
ザレックに言われ、僕は渋い顔をする。
そのときの記憶が一瞬でも蘇ってしまったからだ。
前回の挑戦も、今とほぼ変わらない。
レベルも同じで、装備も同じ。用意したアイテムもほとんど一緒だ。
違うのは、同行するパーティーメンバー。
前は幼馴染というだけで僕達の仲間のつもりでいた貧弱な寄生虫がいた。
そいつのせいで、失敗した。僕にとっては痛恨きわます失態だった。
もっと早くあいつをパーティーから追い出していればよかったんだ。
そうすれば二回目の挑戦なんてこともせずに済んでいた。つくづく、腹立たしい。
「よほど悪い記憶らしいな」
おっと。
表情に出てしまっていたらしい。ザレックに指摘されて、僕は苦く笑った。
「恥ずかしいね。事実、その通りだけどさ」
「前の壁役というのはよっぽど足手まといだったようだな。追放して正解だ」
「まぁ、いいさ。今回で上塗りすれば何の問題もないよ」
「そうか」
「ああ。そのための挑戦でもある。……頼りにしているよ、ザレック」
「フ。俺を誰だと思っている。俺は“鋼壁”のザレックだぞ」
言葉だけを聞けば、うぬぼれ以外の何物でもないセリフだろう。
しかしうぬぼれではない。僕はそれを知っている。
彼には、そのセリフを言う資格がある。これまでの経歴こそがその証だ。
ザレックもきっと僕と同じなんだ。
自分は選ばれた者だ、という自覚を持って生きているに違いない。
彼の全身からは自己に対する絶対的な自信があふれ出ていた。
それは、何も成していないのにプライドだけが肥大化した無様なものではない。
長い時間をかけて、自分自身に己の実力を証明し続けることで培われたもの。
体の傷、鎧の傷、盾の傷。それら全てを礎としてきた、本物の自信だ。
強者。
まさにその一語こそ、僕やザレックを形容するのにふさわしい。
「共感を覚えるよ、ザレック」
「ほぉ……?」
「君は本当の強者だ。護るという一点において、君は間違いなく大陸随一だ」
「他の重戦士と比べたことはないがな。まぁ、負ける気はしない」
「僕も同じだよ。だから共感してしまうのさ。君とはジャンルが違うけどね」
「では栄光の『エインフェル』リーダー殿は何について大陸随一なのかな」
分かりきっていることを尋ねられて、僕は笑みを深めてしまう。
彼の問いに、僕は答えた。
「使うことさ」
「アイテムの使用か?」
「いいや。使うのは道具じゃない。人だよ」
「それは……」
僕の言葉の意味が分かったのだろう。
ザレックもまた笑った。
「大きく出たな。その言葉、本来は貴族か政治屋が口にするものだぞ」
「僕は『エインフェル』のリーダーだ。大した違いはないよ」
「末は王にでもなるつもりか?」
「その通りだけど、何か悪いかい」
答えると、初めてザレックはその顔に驚きを浮かべた。
ああ、彼もまた、か。僕がそれを口にすると、みんなが同じ表情をするんだ。
「俺は、おまえには共感を覚えられんな」
「そうかい?」
「ああ。俺は使われる側だからな。おまえの感覚は理解できん」
確かに。
彼の言う通り、僕と彼とはそこが違っていたか。
「失礼。確かにその通りだ。『エインフェル』で使う側は、僕だけだった」
「クック、大言壮語もそこまで行くといっそ清々しいな」
「何も僕が全てにおいて優れていると言ってるワケじゃないんだけどね」
「俺からすればあまり違いは感じられんぞ」
「ひどいな。僕は君のように不倒を貫くことはできないし、リオラのように魔導に秀でているワケでもない。それにクゥナのように正確無比にダンジョンの構造を把握することだってできない。僕にできることは、率いることと使うことだけさ」
僕は肩をすくめた。
一切の謙遜なく、一切の誇張なく、僕は僕のできることを語った。
するとザレックはみたび笑って、
「それこそが最も重要だと理解した上での発言だからこそ、こざかしい!」
「まぁ、否定はしないよ。今だって、僕も君も何もしていないだろう。僕達の出番じゃないからさ。今は、リオラとクゥナを使うべき場面だよ」
リオラとクゥナは、虹色の光柱の方にいた。
あの光柱は“深淵の大地”へと続くゲートなのだが、必ずトラップがある。
何もせずに光柱の中に入れば間違いなく、僕達は全滅するだろう。
たとえば石の中に転移させられるかもしれない。
たとえば海の底に転移させられるかもしれない。
たとえば星の外に転移させられるかもしれない。
光柱は高度な術式によるシステムによって制御されている。
だからまずはそのシステムを解析し、正しい転移場所を再設定する必要があった。
もうすぐ、再設定も終わる頃だろう。
「そろそろ出発の準備をしてくれ。出番は近いよ」
「心得た。――ところでヴァイスよ、最後に一つよいか」
「何だい? 手短にお願いするよ」
「戯れに問う。俺やあの女共は、おまえにとって仲間か? 駒か?」
何かと思ったら、そんなことか。
僕はため息を一つついた。本当に戯れ以上の意味が見いだせない質問だ。
「どっちでもないよ」
「ならば、何だ?」
「臣」
「――クック、クッハッハッハッハ! 然様か! ならばおまえはすでに王か!」
いきなり呵々大笑するザレックへ、僕は肩をすくめる。
「まだ王じゃないよ。これから英雄になる。そして次に王になるんだ」
「応、ならばこの身、存分に使い倒せ。代わりにおまえの王器を見せてもらう!」
「そのつもりだよ、ザレック」
言い終えた直後に、虹色の光柱がまばゆく輝いてその色を蒼に変えた。
リオラ達が、術式の解析と転移先の再設定を終えたのだ。
「じゃあ、行こうか。ザレック」
「ああ、“英雄位”は目前だ。気を引き締めていくぞ」
言われるまでもない。
今日のために仲間を揃えた。装備を整えた。アイテムを集めた。
そしてあの寄生虫ももういない。今の僕達に死角はないということだ。
光柱を抜ければ、すぐに門番のボスモンスターとの戦闘が待っている。
しかしそれだって大した苦労もせず屠れるだろう。前回もそうだったのだから。
――今度こそ“英雄位”に。
そして僕は、僕の大事な三人の家臣と共に、蒼の光柱へと入っていった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ありえない。
こんな光景は、絶対にありえない。
蒼の光柱をくぐった先、そこには門番モンスター“魔黒兵団”が待ち構えていた。
中身のない漆黒の鎧騎士が群れで襲い掛かってくる、群体型モンスター。
鎧騎士一体一体は端末でしかなく、それら全てで一体という扱い。
ゆえに、騎士一体を倒した程度では何ら影響はなく、倒されてもいずれ復活する。
これを倒す手段は二通り。
倒した鎧騎士が復活する前に他の鎧騎士全てを倒し切る。
或いは、鎧騎士全てを操っている『兵団長』を見つけて打倒する。
そのどちらかだ。
前者は、百体からなる鎧騎士を短時間ですべて倒し切ることはできない。
後者は、鎧騎士は全て同じ外見をしているため『兵団長』を見つけるのが難しい。
どちらにせよ、攻略難易度はそれなりに高い相手である。
しかし前回は倒せた。
僕と、リオラと、クゥナで、それほど時間をかけずに“魔黒兵団”を倒したのだ。
なのに――
「グ、オオオオオオオ!?」
鎧騎士の一体が戦鎚を振り回し、ザレックがそれを受け止める。
メキャ、という鈍い音がした。彼が前に構えた大盾が、大きく凹んでしまう。
「な、何だこいつらは……! 何なんだ、これは!?」
一撃を受け止めながら、だがザレックの口から出たのは悲鳴に近い声だった。
騎士鎧十数体がさらに迫ってくる。持っている武器は剣、槍、鎚。
「ザレックさん、これ以上は危険です! 一旦下がって――!」
「見て分からんか! 今俺が下がれば全員がお陀仏だぞ!」
「敵、十番、十二番、復活してきたのよ! 倒す速度が追い付かないのよー!」
悲鳴をあげているのは、リオラもクゥナも同様だ。
リオラが詠唱を開始する。クゥナと僕は前に出て鎧騎士を倒しに向かった。
「このー、なのよー!」
クゥナの手にした短剣が、騎士一体の胴部分の隙間を突いた。
動きが鈍る。そこに僕が飛び込んでその騎士をのど元に剣を突き立てる。
鎧騎士の姿がぼやけてそのまま消えた。倒せたようだ、が――
「グ、オ、オ、オォォ!」
ガツンガツンと鈍い音が止まらない。
ザレックが“魔黒兵団”の攻撃を必死に受け止め続けている音だ。
その足元には血だまりができていた。攻撃を受けすぎて、もはや満身創痍だ。
「リオラ、ザレックへの回復はまだなのか!」
「え、待ってください、今、攻撃魔法の詠唱を――」
攻撃? 攻撃だって?
何を考えているんだ。ザレックが倒れたら誰が敵の攻勢を止めるんだ!
「回復を優先しろ! ザレックが今の僕達の生命線だ!」
「分かりました。敵の方はお願いします!」
言われるまでもない!
僕は再び前に出る。すると今度はクゥナが怒鳴り声を出してきた。
「敵十六番! さっきのがもう復活したのよー!」
「何だって……!?」
その報告に僕は驚愕するしかなかった。
復活があまりにも早すぎる。
これでは、僕とクゥナだけではとてもではないが敵を倒し切れない。
「リオラ、こっちに攻撃魔法を――!」
「ウ、グォォ!? が、ゴフ……ッ! か、回復を……、回復をくれェェェ!」
未だ響き続ける“魔黒兵団”の攻撃の音。
ザレックの歴戦を示す証だった大盾と鎧はもはやグシャグシャに壊れている。
そしてザレック自身も斬られ、打たれ、刺されて半死半生の有様だ。
「……何でだ」
目の前に広がるあってはならない光景に、僕は乾いた声で呟いた。
「だって、前は倒せた。倒せたじゃないか……」
そう。
前に来たとき、僕達はザレック抜きでもこの“魔黒兵団”を討伐できた。
苦労した記憶はない。油断はしなかったが、苦戦もしなかった。
なのに――
「ダメなのよー! 敵十四番、五番、復活! 全部復活しちゃったのよー!」
「ヴァイス、攻撃ですか? 回復ですか? バフですか? 指示をください!」
「回復を、早くごっぢに回復をぐでエエェェェェェェェ~……!」
仲間達の声。
仲間達の悲鳴。
仲間達の危機。
中身のない漆黒の鎧が、群れてこちらに押し寄せてくる。
僕は剣で鎧騎士の構えた盾を叩きながら、その実、頭の中は真っ白だった。
何だこれは。ありえない。
「ヴァイスにーちゃん! 生還符よ、生還符を使って逃げるのよー! 早く!」
クゥナが生還符を探そうと鞄を漁り始め、背中から鎧騎士に刺された。
ありえない。
「お、俺は“鋼壁”のザレック……、だぞ! だ、だから助け、たす……!」
ザレックが敵の攻勢に心をへし折られて、そして戦鎚で頭を潰された。
ありえない。
「ヴァイス、ヴァイス! ヴァイス! 指示を。早く指示を! ヴァイ――」
リオラが僕からの指示を待ち続け、そして敵の放った矢に胸と腹を射抜かれた。
ありえない。
屍と化した三人が、僕の足元に転がった。
そして連なる硬い足音が、揃って動けないでいる僕の方へと近づいてくる。
僕の手から、今日のために手に入れた魔力を帯びた剣がこぼれ落ちた。
何だこの結末は。
何だこの地獄は。
僕は認めない。
こんな結末、絶対に認めない。こんな結末は、ありえない。
「僕が率いるパーティーが、こんな結果、あるわけ――」
呟く僕の前に一体の鎧騎士が立った。手には大きな戦斧が握られている。
まさか、そんなものでこの僕を殺すつもりだというのだろうか。
笑わせないでほしい。
僕はAランク冒険者、『エインフェル』のリーダー、ヴァイスだ。
その僕を、まさかそんな小汚い斧で殺すなんてできるはずがないだろう?
笑わせないでくれ。フッフ、本当に笑わせないでくれ。ハッハッハ――
「フッハッハ、ハッハッハッハッハ……、ハーッハッハッハッハッハッハ!」
笑う。
笑う。
僕は笑う。
抑えきれずに僕は笑う。どうしてこれを笑わずにいられるだろうか。
「ハハハハハハハハハハハハ! ハーッハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
鎧騎士が戦斧を振り上げた。
僕を殺せるつもりらしい。面白い。何て面白いんだ。
いいぞ、来い。殺せるものなら殺してみろよ。僕はヴァイスだぞ?
そうさ! 僕は英雄となり! 果ては王へと至る男!
僕はヴァイス、Aランク冒険グシャ。
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