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10.αとΩ
しおりを挟む累は、輝美の脇を持って上体を起こした体勢を取らせた。
「蓮、服脱がせろ」
「全部?下だけ?」
2人のやり取りに輝美は縮み上がる。
「全部にしよ。早く!」
蓮は輝美のTシャツを脱がせる。
痩せ気味の白い上半身が現れる。
「うわぁ、美味しそう…」
いきなり、蓮は輝美の胸の小さな突起を口に含んで舐める。
「ウッ!」
輝美は今まで感じたことのない嫌悪感に襲われる。
「何やってんだよ。早く下も脱がせろ」
累はイライラして蓮に言う。
「ごめん…舐めたらすっごく甘かった…ヤバい…」
蓮は輝美の短パンと下着のパンツも脱がせる。
細く白い脚の間に、うっすらとした茂みがあり、その下に細長いモノがぶら下がっている。
「やっぱり中学生だね。チンコでかっ」
蓮は舌で輝美の筋をペロンと舐める。
「うわあああっ!!」
なんとも言えない感覚に輝美は仰け反る。
「蓮!お前は余計なことばっかりし過ぎ!俺に代われ」
累が怒って、蓮のところへ行く。
輝美を仰向けに寝かせ、脚を高く上げさせる。
尻の間にある蕾まではっきりと見えるようにする。
逃げ出さないように蓮は輝美の胸にまたがる。
震える輝美の顔を見下ろして言う。
「怖がらないで。累が気持ち良くしてくれるから…その次は俺ね」
ニッコリ笑う瞳の奥の闇が怖い、と輝美は思う。
「綺麗なピンク色…」
累は舐めて湿らせた自分の中指を蕾に入れる。
「っ…つ…うっ……!!」
重い異物感に、輝美は目がチカチカする。
「指一本入れるだけでもキツイね…」
累はゆっくり指を抜き差しする。
「くう…っ…」
気持ち悪いし、痛い。
輝美はやめて欲しいと強く思う。
累は指を一番奥に入れた状態で、くるりと一周かき混ぜた。
分泌液がじゅわっと出てくる。
「あ、すごい…」
もう一度ぐるりと指を回す。
また温かい液が湧いてきて、固い蕾が柔らかくなってくる。
輝美は自分の中が開いてくるのを感じる。
異物感を感じなくなってくる。
少し早くして、累は指を抜き差ししていく。
「もう1本いけそう」
人差し指も追加する。
素早く抜き差ししながら、輝美の内壁を引っ掻いて刺激する。
その度にピクッと壁は動いて濡れていく。
「あ…ああっ…」
肉体的な不快感が少しずつ快感に変わっていく。
代わりに、心理的な嫌悪感が輝美の中で膨らんでいく。
自分の体が、累と蓮によって変えられていく。
男根を肛門に挿入されることによって悦びを感じるΩの体に…
嫌でも父親の幸美のことを思い出す。
幸美が発情期の度に番の次朗に慰めてもらったり、玩具で自分を慰めている姿が思い浮かぶ。
醜く、役立たずな「生殖用」の人種…
それに自分が近づいていく…
「エロい感じになったな」
累が言うと…
「顔だけ見てもすごくエロいよ…」
涎が垂れそうな位に蕩けた顔をして蓮が言う。
「じゃあ…」
片手で輝美の脚を押さえながら、累は片手で自分の短パンとパンツを脱ぐ。
幼い陰茎を、輝美の蕾におそるおそる入れていく。
「う…ぐっ…!!」
輝美は中に確かな大きさと重みを感じる。
累に楔を打ち込まれたような感覚になる。
「ああっ…気持ち良い…輝美くんの中、トロトロであったかい…」
累はうっとりとした声で言う。
輝美は圧迫感を感じて全然気持ち良いと思えない。
早く終わって欲しい、と思う。
しかし…
累が慣れない動きで腰を振ると…
その動きに合わせて自分の中の壁がゆるゆると形を変えていくのが分かる。
ぴったりと熱塊を蜜壺が包み込んで、愛液とじんわりとした気持ち良さが湧いてくる。
「あっ…ああん…っ…」
自分の出した声が累を誘うようで、輝美はショックを受ける…
そのショックを癒す暇もなく、体が動き出す。
累の抽送に合わせて腰を動かし、貪欲に快楽を求めていく。
激しい動きで、累は快楽の出口を探す。
パンッ、パンッ、と皮膚が打ち付けられる音と、ジュブッ、ドプッ、と液体がかき混ぜられる音が同時に響く。
「ヤバい…輝美くん、もうイきそう…輝美くんの中に出しちゃいそうだよ…」
何故か不安そうに累が言う。
輝美も予感を感じながらも、来ないで欲しい…と祈るような気持ちでいる。
「あんっ…あ…ああんっ…あんっ…」
気持ちとは裏腹に、輝美から出るのは累を誘うような甘い喘ぎ声のみ…
累は本能のままに腰を振る。
輝美の奥に自身を締め付けられてイく。
「ああっ…う…んっ」
累が気持ち良さそうなため息をつく。
輝美は累のモノが収縮するのを感じる。
自分の中が熱くなったのも…
「イった…初めて…輝美くんと…」
呆然とした声で累は言う。
輝美も自分がイったことが信じられない。
でも、後ろの蕾が快感の余韻を含んで、切なく開いていくのが分かる。
ドロっとした累の精を吐き出していくのを感じる。
体は喜んでいるのは確かだが、精神的には酷くショックを受けていた。
夢であって欲しい、覚めて欲しい、と思う。
累の顔は見えないが、胸元で視界を遮る、同じ顔をした蓮が微笑む。
「イかされてる輝美くんの顔を見て、俺のも勃っちゃったよ…早くヤらせてね」
蓮は輝美の上から降りて、累に代われと言う。
累はのろのろと立ち上がり、輝美の頭位置のやや上に座り、脚で輝美の両手を押さえつける。
「輝美くん…」
輝美の頭のすぐ側に累自身がある。
若い匂いが鼻をくすぐる。
「立ってる」
嬉しそうに累は輝美の胸の突起を両手で弄る。
「やっ…やめて…」
さっきとは違って気持ち良く感じる。
感じるようになった自分が怖くて、憎くなる。
いつの間にか、輝美の目から涙が溢れてくる。
「もうやだ…っ…こんなこと、やだよ…」
蓮は悲しげな顔で輝美を見る。
「累のときはあんなに感じてたのに、俺のはイヤなの…?」
「ちがっ…けどっ…」
輝美は泣きながら首を振る。
累の指が、輝美の胸の突起を転がし、摘む。
「あ…あんっ」
輝美の腰が動く。
双丘が浮き、キュンと締まる。
「蓮、大丈夫だよ。感じてる。嫌がってるように見えるけど、体は求めてる」
累が冷静な声で蓮に言う。
「良かったー。俺だけ除け者になるのかと思っちゃった…」
蓮は安堵の表情を浮かべる。
「すぐ入れるね」
蓮は輝美の蕾に指を突っ込んで、累が吐き出した白濁液を掻き出す。
「俺のだけで輝美くんをいっぱいにするよ…」
再び輝美の中に重い圧が打ち込まれる。
幼い肉塊を迎えた内壁は、悦びの声を上げるかのように引き攣り、輝美を切なくさせる。
「う…うんっ……熱くてキュンとして…最高…だね…」
蓮は頰を上気させて言う。
心は嫌で仕方ないのに…
体はこれから起こることを期待している。
鼓動が早くなり、体の隅々まで血液が供給され、感覚が鋭くなっていく。
まるで、蓮から与えられる快楽を一滴も漏らさずに味わおうとするかのように…
慎重な蓮はすごくゆっくりと、浅いところを突いていく。
輝美にはそれがもどかしい。
言葉にはしないものの、腰を動かしてさらに強い刺激を求めてしまう。
「蓮、もっと激しくしても良いぞ。輝美がもっと、って体で訴えてる。これじゃ生殺し状態だよ」
累が輝美の様子に気づいて言う。
「あ、ごめんね!気づかなくて…」
蓮の運動が激しくなる。
望んでいた快楽が間歇的に供給される。
「あ…ああんっ…あんっ…」
甘い、媚びたような声…
輝美は涙が止まらなくなっている。
累と蓮に、自分のΩの本能に、無理やりどこかへ連れて行かれる。
自分の気持ちは放ったらかしで…
間髪いれずに行為をしたので、輝美の中は累と同じ形をした楔の形を覚えている。
それを受け入れる形に柔軟に変わっていく。
「何これ、すごい…締め付けるよ…もうイくかも…」
蓮は最後に激しく腰を振る。
累と同じ姿、獣のような貪欲な姿。
「あっ…あんっ…ああっ…あっ…んんっ…あっ!!」
輝美の中が上り詰めて、一気に熱と愛液を溢れさせる。
「輝美くん…イった…っ…?!!」
蓮もすぐに達して、輝美の上にしなだれかかる。
「最高だったよ…輝美くん…」
蓮は嬉しそうな声で言う。
輝美は体の中で回る快楽の渦と心の中で回る悲しみの渦に巻かれて呆然とする。
「蓮、服着たらここ出ようか。なんか、やってはいけないことをしてしまった気がする…」
一足先に熱の冷めた累が言う。
「なんで俺たち、こんなことしてしまったんだろう…」
さっき果てたばかりのはずの蓮も一瞬で冷静になる。
「ごめんな、輝美くん」
「ごめんね、輝美くん」
すぐに服を着て、逃げるように2人は部屋を出る。
輝美は裸に剥かれたままで、ベッドの上に横たわる。
汚された、という言葉がなぜか浮かんだ。
でも、すぐに、そうじゃないと思った。
もともとΩは汚いから…
それに累と蓮が気づいただけなんだ。
2人が自分にした「汚いものにたいしての扱い」に体をくねらせて悦び、求めていたのがその証拠だ。
今は体だけでも、きっといつか心まで汚く染まってしまう。
自分の目の前でオナニーをしながら醜く鳴き声を上げていた、自分の父親のように…
輝美は心の底から絶望した。
涙はもう止まっていた。
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