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第五章 混沌の大陸
第68話 改革と暗躍、そして悲劇の始まり
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先ずは農地改革と、流通革命だな。
酒を注がれないように、杯を持ったまま腕組みをして、思案をしているふりをする。
「自分だけで納得をしないで、説明をしてくれ」
フィーデ=ヨーシュにそうせっつかれる。だが、考えている振りなので、そう聞かれても困る。
いい加減、酔っ払いで、考えがまとまらない。
適当に、それらしい事を言ってみよう。
「まず情報を集めよう。農民達がこの地をどう思っているのか」
「ふうむ。それはどうして」
だから顔が近い。
思わず押しのけて徳利を持ち、フィーデ=ヨーシュの杯にドボドボと注ぐ。
「主君、つまり、この地を治める家が、自分たちの事を考えてくれていると思わせる。これは、繋がりとともに、この国の民であると自覚もさせる。それに、誰かの発案でよかったものを発案者の名をあげて実行する」
そんな事で、フィーデ=ヨーシュもふむふむと納得をしている。
あんまり馬鹿な事を言ったら、切られそうだ。
「それは、良い案なら、聞いてもらえると広めるのだな」
「そうだ、そうすれば、人々は考えるようになる。くだらない考えの中に百に一つでも良いし万に一つでもいい。それに考えられるようになった民は風聞に騙されにくくなる。流布された甘言に騙され、簡単に寝返る事がなくなるし、先導されても暴動まで発展しない。むろんこちら側にも誠意は必要だが」
うむうむと納得したようで、杯をあおるフィーデ=ヨーシュ。
おや? 酔っているはずなのに、目付きが変わったぞ?
「次は、生活の安定。着るものと食べるもの、それと家。優先すべきはそれだな。最低限それを優先させる。そうすれば、一時的でも仕事は勝手に増える」
「そうか。分かった。考えてみよう」
最後に、亜空間収納庫にあった五十センチほどの鯛を見つけて、半身を刺身。半身を焼いて皆に喰わせて宴会はお開きになった。
凍らせて収納していたから、どうかと思ったが意外とイケた。
その奥で凍っていた翼竜も気になったが、そっと閉じる。
そしてその晩。
俺は、酔って少し泣き上戸で、甘えんぼなシルヴィを抱きしめ、そばで白目をむいてひっくり返っている酔っ払い暴走色魔のテレザを眺めている。
こいつは部屋へ戻った瞬間に、襲ってきやがった。
つい、超振動が動作し、多少くたっとなったテレザ。抱きしめながら繋がり、究極奥義が発動。
どうして俺の体、こんな目的が限定された機能がついているのか全く理解できないが、有効に利用する。刺激が強すぎたのか一瞬でテレザは白目をむく。気を失っても腰がかくかくしてるな。
「あー私は、ゆっくりが良いな」
それを見て、引きつった顔をしてお願いしてくる要望にお応えして、ゆっくりとつながり、酔っ払ったせいなのか、多少泣き言を言うシルヴィを抱きしめて頭をなでる。
坐位で向かい合い、ゆっくりと揺する。
俺が強いから、役に立てていないとか、海にいたときでも料理の手伝いくらいしかできなかったと。
「内陸の荘園で暮らしていたんだ。海の物を知らなくて当然だろう。シルヴィは俺の役に十分立っているさ」
「本当ですか」
「ほんとうだよ」
俺の部屋が、和やかで平和だった頃。
フィーデ=ヨーシュは、配下の者と顔を突き合わせ、俺が置いてきたアジの開きやスルメを七輪で炙りながら飲んでいた。
「どう思う?」
「確かに。神乃様の言われるとおり。国境が今、曖昧で、どちらにも年貢を納めておらぬ村が幾つもあります。多少小ずるい者達の悪智恵ですが、そこに正規の兵が足を踏み入れるのも、多少はばかられるのが実情。ですが、忍びを潜り込ませ相手側の情報を取っている事は神乃様の言われるとおり。相手の国へ噂を流布するのは難しくありませぬ」
それを聞いて、うむうむと納得をする。
「であるならば、早急に民の名簿を作り、畑の広さを調べて、住民台帳と農地の取れ高による年貢帳やらを作ろうぞ」
「それと、水田なる米の栽培法も試さねば。ご本人も、試してみないと分からぬと仰っておりましたが、自身がおありの様子でございました」
「栽培ではないが、海で取れる魚を、この開きと燻製なる調理法これも詳しく製法を伺いたい」
次々に、配下から意見が出る。
活発な状況に、フィーデ=ヨーシュはほくそ笑む。
それと同時に、道照の持つ知識が魔王国で一般的なものなら、どれだけ文化的な差があるのかと不安を覚える。
フィーデ=ヨーシュの中では、多少攻撃用の魔道具など進んだもはあるが、基本魔族は粗暴で粗野。そう理解をしていたが、考えを改める必要がある。
そんな勘違いをしはじめる。
そして、隣国の魔王と呼ばれる男。テクセレアーグロ家当主。
ノーブル=ナーガは、目の前に並ぶ魔道具を見つめ、ほくそ笑んでいた。
魔族から購入をした攻撃用魔道具。
火の玉を撃ち出すもの、もう一つは土魔法によりつぶてを撃ち出すもの。
火魔法は、小範囲と広範囲の切り替えができる。
土魔法のつぶては直径五・五六ミリメートル、長さ四五ミリメートルの物を高速で撃ちだし、今まで単発だった物が、三発連射と、フルに連射とモードが三つになった。魔王国でも最新式で射程距離も五五〇メートルほどもある。
その威力も強力で三〇〇メートル離れた場所の一〇ミリメートルの木の板を破壊した。
その分、魔物が体内にもつ魔石と呼ばれる魔力の結晶が必要だが、それは近隣からも買い集めている。むろん、獣人達の大陸コンチネンスビスタからも輸入をしている。
各千丁購入するのに、大量の金が必要だったが、すぐに始める寺や教会の弾圧で回収予定となっている。さらに、その威力の確認によっては、近隣の国を制圧する予定となっている。最初の目標は、南の中規模国。ヌークフルーメン家。赤く明るくなってくる南の空を眺め、怪しく笑みを浮かべる。
酒を注がれないように、杯を持ったまま腕組みをして、思案をしているふりをする。
「自分だけで納得をしないで、説明をしてくれ」
フィーデ=ヨーシュにそうせっつかれる。だが、考えている振りなので、そう聞かれても困る。
いい加減、酔っ払いで、考えがまとまらない。
適当に、それらしい事を言ってみよう。
「まず情報を集めよう。農民達がこの地をどう思っているのか」
「ふうむ。それはどうして」
だから顔が近い。
思わず押しのけて徳利を持ち、フィーデ=ヨーシュの杯にドボドボと注ぐ。
「主君、つまり、この地を治める家が、自分たちの事を考えてくれていると思わせる。これは、繋がりとともに、この国の民であると自覚もさせる。それに、誰かの発案でよかったものを発案者の名をあげて実行する」
そんな事で、フィーデ=ヨーシュもふむふむと納得をしている。
あんまり馬鹿な事を言ったら、切られそうだ。
「それは、良い案なら、聞いてもらえると広めるのだな」
「そうだ、そうすれば、人々は考えるようになる。くだらない考えの中に百に一つでも良いし万に一つでもいい。それに考えられるようになった民は風聞に騙されにくくなる。流布された甘言に騙され、簡単に寝返る事がなくなるし、先導されても暴動まで発展しない。むろんこちら側にも誠意は必要だが」
うむうむと納得したようで、杯をあおるフィーデ=ヨーシュ。
おや? 酔っているはずなのに、目付きが変わったぞ?
「次は、生活の安定。着るものと食べるもの、それと家。優先すべきはそれだな。最低限それを優先させる。そうすれば、一時的でも仕事は勝手に増える」
「そうか。分かった。考えてみよう」
最後に、亜空間収納庫にあった五十センチほどの鯛を見つけて、半身を刺身。半身を焼いて皆に喰わせて宴会はお開きになった。
凍らせて収納していたから、どうかと思ったが意外とイケた。
その奥で凍っていた翼竜も気になったが、そっと閉じる。
そしてその晩。
俺は、酔って少し泣き上戸で、甘えんぼなシルヴィを抱きしめ、そばで白目をむいてひっくり返っている酔っ払い暴走色魔のテレザを眺めている。
こいつは部屋へ戻った瞬間に、襲ってきやがった。
つい、超振動が動作し、多少くたっとなったテレザ。抱きしめながら繋がり、究極奥義が発動。
どうして俺の体、こんな目的が限定された機能がついているのか全く理解できないが、有効に利用する。刺激が強すぎたのか一瞬でテレザは白目をむく。気を失っても腰がかくかくしてるな。
「あー私は、ゆっくりが良いな」
それを見て、引きつった顔をしてお願いしてくる要望にお応えして、ゆっくりとつながり、酔っ払ったせいなのか、多少泣き言を言うシルヴィを抱きしめて頭をなでる。
坐位で向かい合い、ゆっくりと揺する。
俺が強いから、役に立てていないとか、海にいたときでも料理の手伝いくらいしかできなかったと。
「内陸の荘園で暮らしていたんだ。海の物を知らなくて当然だろう。シルヴィは俺の役に十分立っているさ」
「本当ですか」
「ほんとうだよ」
俺の部屋が、和やかで平和だった頃。
フィーデ=ヨーシュは、配下の者と顔を突き合わせ、俺が置いてきたアジの開きやスルメを七輪で炙りながら飲んでいた。
「どう思う?」
「確かに。神乃様の言われるとおり。国境が今、曖昧で、どちらにも年貢を納めておらぬ村が幾つもあります。多少小ずるい者達の悪智恵ですが、そこに正規の兵が足を踏み入れるのも、多少はばかられるのが実情。ですが、忍びを潜り込ませ相手側の情報を取っている事は神乃様の言われるとおり。相手の国へ噂を流布するのは難しくありませぬ」
それを聞いて、うむうむと納得をする。
「であるならば、早急に民の名簿を作り、畑の広さを調べて、住民台帳と農地の取れ高による年貢帳やらを作ろうぞ」
「それと、水田なる米の栽培法も試さねば。ご本人も、試してみないと分からぬと仰っておりましたが、自身がおありの様子でございました」
「栽培ではないが、海で取れる魚を、この開きと燻製なる調理法これも詳しく製法を伺いたい」
次々に、配下から意見が出る。
活発な状況に、フィーデ=ヨーシュはほくそ笑む。
それと同時に、道照の持つ知識が魔王国で一般的なものなら、どれだけ文化的な差があるのかと不安を覚える。
フィーデ=ヨーシュの中では、多少攻撃用の魔道具など進んだもはあるが、基本魔族は粗暴で粗野。そう理解をしていたが、考えを改める必要がある。
そんな勘違いをしはじめる。
そして、隣国の魔王と呼ばれる男。テクセレアーグロ家当主。
ノーブル=ナーガは、目の前に並ぶ魔道具を見つめ、ほくそ笑んでいた。
魔族から購入をした攻撃用魔道具。
火の玉を撃ち出すもの、もう一つは土魔法によりつぶてを撃ち出すもの。
火魔法は、小範囲と広範囲の切り替えができる。
土魔法のつぶては直径五・五六ミリメートル、長さ四五ミリメートルの物を高速で撃ちだし、今まで単発だった物が、三発連射と、フルに連射とモードが三つになった。魔王国でも最新式で射程距離も五五〇メートルほどもある。
その威力も強力で三〇〇メートル離れた場所の一〇ミリメートルの木の板を破壊した。
その分、魔物が体内にもつ魔石と呼ばれる魔力の結晶が必要だが、それは近隣からも買い集めている。むろん、獣人達の大陸コンチネンスビスタからも輸入をしている。
各千丁購入するのに、大量の金が必要だったが、すぐに始める寺や教会の弾圧で回収予定となっている。さらに、その威力の確認によっては、近隣の国を制圧する予定となっている。最初の目標は、南の中規模国。ヌークフルーメン家。赤く明るくなってくる南の空を眺め、怪しく笑みを浮かべる。
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