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最悪の人生、その時に -新しい年、新しい自分、変わる切っ掛けは…… 一つの出逢い- 短編用
第9話 十年の年月
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「―― 本当だ。若いし、ちょっとあれだけど、似てるわね」
彼女はそう言って写真を見ている。
教室で誰かを揶揄いながら、馬鹿騒ぎをしている奴の姿。
誰かが、いじめの証拠用に撮っていた写真。
そうあいつは、素行がよくなかった。
「プリントアウトして持っていくぞ。そのシートを見つけて、誰か知らないか聞いたら、おれと知りあったと言うことで良いな」
口裏を合わせて、自殺旅行のことは封印。
奴の住所は、俺の友人に連絡を取る。向こうは、電話相手が俺だと判ると泣きながら喜び、奴のことなど喜んで教えてくれた。
紙工 麻依の現況まで……
立野の事は、嫌がる警察官に受領させた。
最初は、『これだけでは、本人かどうか判りませんからね』などと言われたので、良心的な弁護士さんに依頼。
数件回って、事情説明。色々なことに対して、怒ってくれた人に依頼。
手付けを払い、一緒に隣町の警察署まで行って貰った。
さて、もう一人。
立野とあの時別れたらしいが、高校中退。
しばらく夜間に通っていたらしいが、そこで良くない連中に絡まれる。
そこから、奴らのグループで共用のセフレぽいことをしていた様だが、もめ事があったようで、放り出される。
居酒屋でバイトをしたりしていたが、途中から、スナックとかパブとか、そこから知りあった男と付き合いながら、また放り出されて、なぜかキャバクラのキャストとかしていたらしい。
また別の男と付き合い、今度は本番無しのお店に。
いまは、本番ありかもしれないとか……
「なんかさあ、あの子。男と関わる度に、借金が増えているみたいだぞ」
そう言われて、ゾクッとした。
恨み続けた年月。苦しめ、不幸になれと願い続けた。
まさかそれが効いたのか?
今度神社に行くことを決めるが、喪中の期間は駄目だよと文美に叱られる。
それでまあ、奴は無事に捕まったようだが、なんだかボコボコにされて入院中だったらしい。
少し前、正月の休み明け、回収業者さんの所に話しをしに言ったのだが、その時は警察から、確かな証拠がないからと断られた後だった。それでまあ、業者さんにちらっと、こいつかもと情報を渡した。
そんな事があったが、まあ無関係だろう。
知らんけど……
いま俺は、高卒認定予備校に通っている。
当然だが、高等学校卒業程度認定試験を取るためだ。
文美はうちの近くの、総合病院へ就職をした。
「お給料が良いの」
そんな事を言っていたが、自分が宣言をした家のことをするから。
確かそんな事を言っていたが、総合病院の勤務は日勤、準夜、夜勤の三交代制。
「うううっ、大きな病院にするんじゃなかった」
そんな事をぼやいている。
当然家のことなど、できやしない。
おかげで、俺は料理学校にも通い、かなり忙しい。
問題は俺が、いつの間にか、主夫的な立ち位置だという事。
「だれか、奴隷でも良いとか言っていたよな」
目の前でご飯をぱくつく奴を睨む。
「えっ、おかず美味しいよ。それに色々とサービスしているじゃない」
そんな事を言う奴を、さらにじっとり見る。
何だろう、こいつすごくエッチが好き。
そのための技は、勉強をして実践をする。
色々なことに、禁忌感がないのがやばい。
「仕事柄、色々あるから慣れるのよ」
少しキョドりながら、そんな事を言う。
そういえば、あの時の一件では、できていなかった。
だけど、こいつが言う。
「あと五年、三十までには子育てを始めたいなぁ」
チラチラと人の方を見ながら。
「結婚相手が見つかると良いな」
大抵そう返す。
「ぶー、そんなこと言っていいの? 探しちゃうよ。ホントだよ。冬先くん、泣かない?」
そう言って、下から覗き上げてくる。
「泣かない」
「えーなんで、そんな意地悪を言うの、わたし泣くよ」
まあそんな感じで、何が何やら。
月日のおかげか、親が死んでから、何かが一気に変わってしまった。
こいつのおかげで、強制的に人の多い所を連れ歩かれて、大分慣れた。
そう目の前でふくれ面の、一応幸運の女神?
いや違うな、疫病神の一種ではあるか……
-----------------------------------------------------------
お読みくださり、ありがとうございます。
さて、この作品、十万字程度の中編小説のダイジェスト版です。
大まかなストーりはこれで変わりませんが、キャラ名とかは変わり、両者の過去分と、旅館の一夜などを加筆して、今度アップします。
彼女はそう言って写真を見ている。
教室で誰かを揶揄いながら、馬鹿騒ぎをしている奴の姿。
誰かが、いじめの証拠用に撮っていた写真。
そうあいつは、素行がよくなかった。
「プリントアウトして持っていくぞ。そのシートを見つけて、誰か知らないか聞いたら、おれと知りあったと言うことで良いな」
口裏を合わせて、自殺旅行のことは封印。
奴の住所は、俺の友人に連絡を取る。向こうは、電話相手が俺だと判ると泣きながら喜び、奴のことなど喜んで教えてくれた。
紙工 麻依の現況まで……
立野の事は、嫌がる警察官に受領させた。
最初は、『これだけでは、本人かどうか判りませんからね』などと言われたので、良心的な弁護士さんに依頼。
数件回って、事情説明。色々なことに対して、怒ってくれた人に依頼。
手付けを払い、一緒に隣町の警察署まで行って貰った。
さて、もう一人。
立野とあの時別れたらしいが、高校中退。
しばらく夜間に通っていたらしいが、そこで良くない連中に絡まれる。
そこから、奴らのグループで共用のセフレぽいことをしていた様だが、もめ事があったようで、放り出される。
居酒屋でバイトをしたりしていたが、途中から、スナックとかパブとか、そこから知りあった男と付き合いながら、また放り出されて、なぜかキャバクラのキャストとかしていたらしい。
また別の男と付き合い、今度は本番無しのお店に。
いまは、本番ありかもしれないとか……
「なんかさあ、あの子。男と関わる度に、借金が増えているみたいだぞ」
そう言われて、ゾクッとした。
恨み続けた年月。苦しめ、不幸になれと願い続けた。
まさかそれが効いたのか?
今度神社に行くことを決めるが、喪中の期間は駄目だよと文美に叱られる。
それでまあ、奴は無事に捕まったようだが、なんだかボコボコにされて入院中だったらしい。
少し前、正月の休み明け、回収業者さんの所に話しをしに言ったのだが、その時は警察から、確かな証拠がないからと断られた後だった。それでまあ、業者さんにちらっと、こいつかもと情報を渡した。
そんな事があったが、まあ無関係だろう。
知らんけど……
いま俺は、高卒認定予備校に通っている。
当然だが、高等学校卒業程度認定試験を取るためだ。
文美はうちの近くの、総合病院へ就職をした。
「お給料が良いの」
そんな事を言っていたが、自分が宣言をした家のことをするから。
確かそんな事を言っていたが、総合病院の勤務は日勤、準夜、夜勤の三交代制。
「うううっ、大きな病院にするんじゃなかった」
そんな事をぼやいている。
当然家のことなど、できやしない。
おかげで、俺は料理学校にも通い、かなり忙しい。
問題は俺が、いつの間にか、主夫的な立ち位置だという事。
「だれか、奴隷でも良いとか言っていたよな」
目の前でご飯をぱくつく奴を睨む。
「えっ、おかず美味しいよ。それに色々とサービスしているじゃない」
そんな事を言う奴を、さらにじっとり見る。
何だろう、こいつすごくエッチが好き。
そのための技は、勉強をして実践をする。
色々なことに、禁忌感がないのがやばい。
「仕事柄、色々あるから慣れるのよ」
少しキョドりながら、そんな事を言う。
そういえば、あの時の一件では、できていなかった。
だけど、こいつが言う。
「あと五年、三十までには子育てを始めたいなぁ」
チラチラと人の方を見ながら。
「結婚相手が見つかると良いな」
大抵そう返す。
「ぶー、そんなこと言っていいの? 探しちゃうよ。ホントだよ。冬先くん、泣かない?」
そう言って、下から覗き上げてくる。
「泣かない」
「えーなんで、そんな意地悪を言うの、わたし泣くよ」
まあそんな感じで、何が何やら。
月日のおかげか、親が死んでから、何かが一気に変わってしまった。
こいつのおかげで、強制的に人の多い所を連れ歩かれて、大分慣れた。
そう目の前でふくれ面の、一応幸運の女神?
いや違うな、疫病神の一種ではあるか……
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お読みくださり、ありがとうございます。
さて、この作品、十万字程度の中編小説のダイジェスト版です。
大まかなストーりはこれで変わりませんが、キャラ名とかは変わり、両者の過去分と、旅館の一夜などを加筆して、今度アップします。
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